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   君たちはどう生きるか
               吉野源三郎           岩波文庫
どう生きるか」というよりも、「どう死ぬのか」ということを、考える歳になってきましたが、そんな私にすら、多くの気づきを与えてくれた素晴らしい本
 
底本は、1937年新潮社より出版、1967年ポプラ社より刊行された「ジュニア版吉野源三郎全集1君たちはどう生きるか」に再録。
 
本書は1982年に岩波文庫から第1刷が発行され、私は1996年の第38刷発行を読みました。
 
それらから、名著は読み次がれるものだということを再確認した次第。
 
時代や社会背景が変わっても、人として大切なものや、あるべき姿は変わらないのだと改めて気付かされるました。
 
本誌の誕生の経緯は、巻末の「作品について」で、吉野氏が書かれています。
 
それによると、満州事変から日本が軍国主義の勢力を日ごとに強めていた1935年、自由主義の作家だった山本有三氏は、自由な執筆活動が制限されてしまった中、時勢を考えて計画されたとのこと。
 
 少年少女に訴える余地はまだ残っているし、せめてこの人々だけは、時勢の悪い影響から守りたい、と思い立たれました。先生の考えでは、今日の少年少女こそ次の時代を背負うべき大切な人たちである。この人々にこそ、まだ希望はある。だから、この人々には、偏狭な国粋主義や反動的な思想を超えた、自由で豊かな文化のあることを、なんとかしてつたえておかねばならないし、人類の進歩についての信念をいまのうちに養っておかねばならない、というのでした。荒れ狂うファシズムのもとで、先生はヒューマニズムの精神を守らねばならないと考え、その希望を次の時代にかけたのでした。当時、少年少女の読みものでも、ムッソリーニやヒットラーが英雄として賛美され、軍国主義がときを得顔に大手をふっていたことを思うと、山本先生の見識はすぐれたものでした。
 
自身の危険を省みず、次世代の育成こそ希望に繋がるという尊い考えの下、刊行された作品と知り、感動しました。
 
中学二年のコペル君(本田潤一)が体験し考えたことについて、母の弟で法学士の叔父が『おじさんのNote』という手紙で考えるヒントを与えるという構成。
 
その『おじさんのNote』から、特に感銘を受けた言葉を下に抜粋します。
「ものの見方について」
【人間が自分を中心としてものを見たり、考えたりしたがる性質というものは、これほどまで根深く、頑固なものなのだ】

「真実の経験について」
【常に自分の体験から出発して正直に考えてゆけ】

「人間の結びつきについて」─なお、本当の発見とはどんなものか─
【僕たちは、出来るだけ学問を修めて、今までの人類の経験から教わらなければならないんだ】
【人間が人間同士、お互いに、好意をつくし、それを喜びとしているほど美しいことは、ほかにありはしない】

「人間であるからには」─貧乏ということについて─
「ありがたい」という言葉について【「そうあることがむす゜かしい」という意味だ。「めったにあることじゃない」という意味だ。自分の受けている仕合せが、めったにあることじゃないと思えばこそ、われわれは、それに感謝する気持ちになる】

「偉大な人間とはどんな人か」─ナポレオンの一生について─
【英雄とか偉人とかいわれている人々の中で、本当に尊敬が出来るのは、人類の進歩に役立った人だけだ。そして、彼らの非凡な事業のうち、真に値打ちのあるものは、ただこの流れに沿って行われた事業だけだ】

「人間の悩みと、過ちと、偉大さとについて」
【人間が本来、人間同士調和して生きてゆくべきものでないならば、どうして人間は自分達の不調和を苦しいものと感じられることが出来よう】
【正しい道義に従って行動する能力を備えたものでなければ、自分の過ちを思って、つらい涙を流しはしない】
なんて、名著
 
コペル君と同世代の次女は、本書を読んだことがあるそうですが、真の理解には至っていないと思います。
何故なら、まだ、体験が少ないから。
 
叔父さんも、自分の体験から出発して考えるようアドバイスをしていますもの。
 
次女のためにも、そして自分自身のためにも、買って手元に置き、機会があるごとに読み返したいと思います。
 
若者だけではなく、大人にもおススメの一冊。
 
素晴らしい本に出会わせてくれた梨木さんに感謝です。
 
 
 
 

閉じる コメント(10)

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大人になるとどうしても、こう言う名言について斜めから読んでしまう傾向になってしまうのですが、素直に受け入れることの出来る、若者には読んで欲しいというか、国語の副教材にでもして欲しいような文章の数々・・・でも、家の次女なんかは、面倒くさがって読まないんだろうな〜〜

2012/1/31(火) 午後 0:13 YUKO

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このような作品、凄く好きですね。気持が引き締まり、また感謝の気持ちを忘れてはいけないなぁと。。。とはいいつつも、すぐ忘れてしまうのですよね・・・(・・:)

2012/1/31(火) 午後 8:06 夕凪日和

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コペル君と同世代の人にも、大人の人にも感じられるものがある、というところがすごいですね。
また、そのような状況下にあって書かれた本ということを知ると、より貴重なものに思えてきます。
私もトラバ返ししますね。

2012/1/31(火) 午後 10:12 KOR

清々しい

2012/1/31(火) 午後 11:25 [ Parashutedandy ]

YUKOさん。昔の中学生は、今の子に比べて、とても大人だったのだと思いました。多分、時代も早い成長を強いていたのでしょうね。
いじめを受けていた親友を裏切った後悔なども描かれているので、学生には是非読んでもらいたい一冊です。

2012/2/1(水) 午後 5:16 金平糖

夕凪さん。「ありがとう」という言葉の意味、深く考えたことがなかったので、目から鱗でした。意味を知れば、よりありがたみが湧く言葉ですよね。

2012/2/1(水) 午後 5:18 金平糖

KORさん。私は大人でありながら、多分、精神的にはこの時代の中学生にも及ばないのかも知れないと反省しました。次世代こそ国の将来の担い手で教育の必要があるということを、今の時代の大人たちは自分の生活ばかりに気をとられ考えていない気がして情けないです。

2012/2/1(水) 午後 5:21 金平糖

Parashutedandyさん。ええ、コペル君の青春はその一言に尽きます。しかし、その後彼が巻き込まれるだろうことを考えると複雑です(T_T)

2012/2/1(水) 午後 5:22 金平糖

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何だか興味深い本ですねぇ〜
逆に大人が、気が引き締まりそう(笑)

2012/2/1(水) 午後 8:01 LIBRA

LIBRAさん。大人は子ども時代の友人関係などの後悔を思い出したりするかも。子ども達の未来こそ一番に考えなくっちゃと襟を正しました。

2012/2/6(月) 午後 2:08 金平糖

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