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緞帳、ホリゾント幕以外にもいくつか幕があります。
袖幕、東西幕
観客から袖のなかにセッティングしてある舞台装置や待機している俳優、スタッフが見えないように上下(かみしも)に吊られた黒幕を袖幕(そでまく)といいます。幕の枚数は舞台の広さによって異なりますが、3枚〜5枚が普通ですかね。この幕はセット等を舞台に入れるときに引っ掛かると危ないので、上に飛ばす(上げる)ことができる。ま、劇場自体の高さが低くて、上げられない場合もありますが。
東西幕(とうざいまく)は、袖幕があっても袖中が見える場合、袖の中で舞台前から奥に引く幕のことです。この幕がない劇場は多いが、袖幕を必要としないセットのときなどには必要。
そして大切なのは、袖幕と芝居との関わり方。袖幕は芝居の演技エリアを決める役目があります。エリアを狭めたければ袖を出す、逆なら袖を引く、ということになる。また、袖幕は絵画における額縁でもあります。絵はそれ自体立派であっても、額縁に入れないと完成されないように、袖幕もきちんと形作られておかないと立派な舞台にはなりません。はこれと同じなのだ。
尚、袖幕は舞台前から一袖、二袖・・・・と呼びます。これは俳優やセットの出入に重要な影響力を持ちます。手前の袖に入るのと奥に入るのとでは芝居の感じが異なるからです。芝居を観る機会があったら、そのへんも注意して見ておくとまた面白いかもしれません。
中割幕、引割幕
袖幕のなかに、上下より幕が延び、舞台を前後に区切る幕があります。これを中割幕(なかわりまく)、あるいは引割幕(ひきわりまく)といいます。閉めた幕の後にセットを仕込んでおき、サッと現われる、という演出等に使うことができます。また、舞台の奥行を狭めたいときに使用する場合もあります。
暗転幕
暗転幕(あんてんまく)は緞帳のすぐ後にあり、舞台全体を隠してしまう黒幕のことです。場面転換は舞台を暗くした暗転中によくおこなわれます、それでも観客には転換は見えるもの。それを見せないために使用するのが暗転幕ですが、観客には緞帳が降りるのと同じくらいのインパクトがある。したがって、暗転幕が降りる度に観客は芝居の終わりの気分になって、緊張が切れてしまうことがあります。幕間で使用するのはかまわないけど、見えなければ良いという安直な考えではあまり使わない方がいいように僕は思います。
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