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08年4月3日(木)の朝刊に訃報が載っていた。
「ああ・・・石井さん、ついに でもトムは石井さんにやっと会えたのですね」 児童文学者の石井桃子さんが 4月2日に亡くなりました 101歳 合掌 「ノンちゃん雲に乗る」はベストセラーの創作。 「クマのプーさん」を初めて邦訳したのも石井さん 「石井桃子」の名を意識しなくても、誰もが石井文学のお世話になったことでしょう ■200作品はある石井文学の中で こにゃくうが一番好きなのは この作品です。 『山のトムさん』 お若い時代の石井さんの実体験を ベースにした猫と家族の物語。 戦後の混乱と食糧難の中、 石井さんは東京を離れて 宮城県の山奥で女友達と 慣れない百姓生活を始めます。 ギリギリの生活なのに 絶えないネズミの害。
石井さんたちは悩んだ挙句
1匹の子猫をネズミ捕りの道具のつもりで 飼い始めます。 猫好きでもなんでもなかったのに! ■「トム」と名付けた子猫の成長ぶり。 いつの間にか飼い主たちの方が振り回される。 (なぜか満更でもない様子の一家) ある日、重篤になったトムに 彼がもはやかけがいのない存在であることを 石井さん達は認識させられる。 やがて元気になったトムが つぎつぎと引き起こす騒動を通じて 一家とトムの思い出が積みあがっていく。 猫がとくに好きではなかった人間がどんどん猫バカになっていく様子は ワタシ自身の体験と重なって可笑しかったり、ホロリときたり。 こにゃくうが「うちの猫」の書庫で書いた
「こにゃとくうの物語」は 石井さんのこの「山のトムさん」を読んだことに触発された部分もあります。 こにゃとワタシの友情がどんなに濃かったか それをトムと石井さんの物語のように、 事実通りに書いてみたかったの。 「山のトムさん」の本を、小学生のワタシは学校の図書室で見かけていました ほとんど読む本が無くなっても「山のトムさん」には興味が持てなかったなあ。 猫が好きじゃない子供だったから、パラパラめくって「つまんない」と思った記憶があります。 大人になって、ムスメのために本選びをしてる時に見初めました。 すっかり猫バカ菌に感染した今では、読むたびに号泣です。 児童文学に泣かされる。 (この記事を書くために再読してまた大泣き) 「山のトムさん」のあとがきにある一節。 『人間は、何十年か生きていくあいだに、いろいろなお友だちをつくります。…(略)… そのときどきに、また思いがけないときに、いい友だちを発見することがあります。 トムは、私が思いがけずに作った友だちの「ひとり」です。 (略)…手に手をとって生きていく、人生(?)の道づれだということです。』 この人馬一体・・・じゃない、人猫一体になった友情の厚さに こにゃくうはこにゃを、空太郎を思い出すのでした。 トムは1958年に10歳で亡くなりました。 ■これは07年3月に100歳を迎えられた時の新聞記事。 まだまだ意欲的に創作活動をされているし(100歳で、ですよ!)ああ、お元気なんだな。 トムよ、桃子おばちゃんとの再会はまだまだ先かもね、と思っていました。 ■「桃子おばちゃん、長いことお仕事ごくろうさんでやした。50年間ずっと待っていやしたよ。
これからは昔のようにいっしょにカエル捕りをしやしょうや。」 |

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