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デンマークを見る・読む・聞く・語る
岩手の地からデンマークと交流して22年。見聞したことを紹介していきます。

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      「表現の自由」とデンマーク紙
        「我々は暴力に屈した」とユランズ・ポス.テン紙
 ロイター=共同の報道(産経ニュース1月9日)によると、デンマークの保守系紙「ユランズ・ポステン」紙(以下、ポステン紙)はフランス週刊紙シャルリエプドの風刺画を転載しない方針を決めたと報じています。「われわれは暴力に屈した」と。
 2005年、ポステン紙はイスラム預言者ムハンマドの風刺画を掲載し、世界各地のイスラム教徒などから激しく非難、批判されました。暴力や不買運動も受けました。今回転載を見送ったのは、「われわれは9年間、テロへの恐怖とともに生きてきた。それがシャルリエプドのものであれ、自社のものであれ風刺画を掲載しない理由だ」と説明しているとあります。
 また、同じロイター=共同の報道(静岡新聞1月8日)によると、「7日同社施設の警備態勢を強化した」とあります。そして、「同社を傘下に置くメディアグループが社員らに電子メールで『わが社に対する脅威に変化はないが、関係当局から注意喚起があった』と通知した」とあります。
 イメージ 1
 右の新聞切り抜きは、2006年にデンマークの保守の代表紙ポステン紙が「風刺画」を描いて、イスラム世界の大反発を招いた時のものです。ごく一部ですが当時の雰囲気が少しは伝わるかと思い、掲載しました。
 切り抜きのうち「根底にイスラム嫌悪」の記事は「風刺画は表現の自由か」と題した、「ルモンド・ディプロマティク総編集長(当時)イニャシオ・ラモネ」のもので、岩手日報(2006,3,3)に掲載されたものです。
 
 彼は表現の自由が民主主義の原則だとしても、欧州においてイスラム教は、いかなる意味でも表現の自由を侵す存在にはなっていない事実を忘れてはいけない。いま欧州で表現の自由の脅威となっているのは、むしろメディアの合併による寡占化や金銭の力による圧力、価値観の画一化なのだ」といっています。また表現の自由をまもるためにあえて危険をおかす勇気は、自らの文化的タブーに向けられた時初めて本物になる。他者の文化にタブーを見つけ出して攻撃するのは安易だし、人種差別の非難を免れない」とし、さらにユランズ・ポステン紙は反イスラムの論調を貫いていることで知られ、人種差別すれすれの記事をよく掲載している」とも云っています。
 また、しんぶん赤旗(2006,2,17同パリ特派員発)欧州議会で「言論の自由と宗教的信条の尊重」をテーマに討論が行われた、と報じ、EU議長団を代表して発言したオーストリアのウィンクラー外務次官は「言論の自由は貴重だがその行使には責任が伴う」「特に宗教的感情を傷つける場合、この自由には限界がある」と述べたとあります。各会派も「暴力的反発を非難」するとともに、「言論の自由についても責任ある行動を呼びかけました」と報道しています。
 当時、ユランズ・ポステン紙が「暴力に屈した」として、方針転換したとことによって、自らが招いた事態が鎮静したのは事実です。
 今日の事態についても、当時のフランス・ルモンド総編集長の発言は参考にならないでしょうか。

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