小説家を目指す主婦

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自作 おもに読みきりの短編
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居眠り電車

俺の胸は今非常に高鳴っている。
いや、大したことじゃない。よくあるであろう出来事だ。
電車の中で見知らぬ女性が自分の肩へ寄りかかりながら眠っているなんて・・・
仕事を終え、いつものように電車へ乗った。
座席へ腰を下ろし、息をついた。
ドア付近で女子学生たちが笑いながら騒いでいる。
電車の中だというのにかなりのボリュームだ。もう少し小さくできないものだろうか。
スカートを短くはき、電車内で騒ぐ。今どきの若者の象徴である。
次の駅に停車すると20代らしき女性が乗り込み、たまたま空いていた隣の席へ座った。
ちらっと顔を見たがなかなか可愛い感じだった。
俺が降りる駅はまだまだ先、仕方なく電車内の広告を見ていた。
英会話教室のポスターが目の前に掲げられている。
俺は英会話はさっぱりだが特に不自由などしないので必要ないだろう。
そういえば高校生の息子は英語が得意だと自慢していた。
もし必要になったらあいつに教えてもらえばいい。そんなことを考えていた時だった。
不意に肩が重くなった。ふと見ると先ほどの女性が居眠りし俺の肩へ寄りかかっている。
驚き、そしてどうしたらいいか分からず硬直してしまった。
今起こすのもかわいそうな気もするがもうすぐ降りる駅だ。
どのタイミングでこの女性から離れればいいのか・・・
しかしこういう機会はめったにないのでもう少しこのままでもいいような思いがよぎった。
その時だった。電車が揺れその拍子に女性も目を覚ましてしまった。
しかしまだ眠いのか体制を立て直し、うつむいた状態で居眠りを始めた。
文字通り肩の荷が下り、軽くなったところで降りる駅に到着した。
何事もなかったかのように電車をおりさりげなく振り返ると先ほどの状態で眠り続ける女性。
人の波に合わせ階段をのぼりながら彼女の重さを思い出していた。

内気な少女

「内気な少女」
彼女には昔からそういう印象しか抱いていなかった。
友達らしい友達もおらず、休憩時間は本を読んでるか外を見ているか
とにかく大人しく目立たなかった。
ある日の下校時間、自宅へ向かって歩いていた。
梅雨の間の晴天で空に輝く太陽がまぶしかった。
ちょうど曲がり角に差し掛かったところで、声が聞こえてきた。
「まったくなんで私こんな風に生まれてきちゃったのかしらね、もっともっとみんなと一緒にいたいのにさ……ねぇ、みいちゃん」
覗いてみると空地にいたのは彼女だった。地面にしゃがみ、何かに向かってつぶやいている。
思わず忍び足で近づくと、彼女と向き合っていたのは段ボール箱に入った子猫だった。
先にこちらに気づいた猫が「ミャー」と鳴くが早いか彼女が振り向いた。
と同時にさっと立ち上がり、声をかける間もなく逃げるように駆け足で立ち去ってしまった。
「あ……行っちまった。みいちゃん、か」
彼女が立ち去ったあとに残された全身真っ白の子猫。
箱の中にはキャットフードと牛乳の皿。どうやら彼女が置いて行ったらしい。
そっと頭をなでながらしばらく彼女が走って行った方向を見ていた。
翌日は雨だった。さらに悪いことに暴風雨と言っていいほどの勢いだった。
前日の一件もあり彼女をいつも以上に意識していた。時々彼女のほうをのぞき見ていたが
そのたびに彼女は心配そうに窓の外を眺めていた。
下校時間になり友人に別れを告げるとさりげなく彼女を探した。しかしもう彼女はいなかった。
終わったと同時に教室を出たのだろう。なんと素早い行動だろう。
慌てて後を追うように前日の場所へ急ぐと、昨日と同じようにしゃがみこんでいた。
傘を忘れたのか彼女はカバンで頭を覆いながら心配そうに子猫へ手を伸ばしていた。
「寒い?みいちゃん。大丈夫?」
ずぶぬれになっている彼女と子猫へ傘をさしてやるとハッと顔をあげた。その目には涙が浮かんでいた。
どうしたのかと思い子猫に目をやると彼女と同じくずぶぬれの小さい体が震えていた。
「かわいそうに雨でぬれて震えてるじゃねえか。これじゃ風邪ひいちまうぞ」
再び子猫へと目を落とした彼女は心配そうな顔をしながらぼそっとつぶやいた。
「うち、お母さんが動物アレルギーで連れて帰れなくてどうしようもなくて……」
そっと彼女の肩へ手を置き振り返ったところで話しかけた。
「とりあえずうちへ連れていこう、うちならすぐそこだしアレルギーも大丈夫だ」
その提案にそっとうなずいた彼女はそっと子猫を胸に抱きあげ、僕について歩き始めた。
ほんの数十メートル先にある自宅へたどりつくと、急いでタオルで子猫の体をふき始めた。
「ほら、お前も早く拭かないと風邪ひいちまうぞ」
そっとタオルを長髪の頭にかぶせると大人しく拭きながら子猫を見つめていた。
「はい、暖かいミルクをどうぞ」
母親の出してくれたミルクを受け取り、飲んでいる彼女の横顔に目が釘付けになりなぜか愛おしく感じた。初めての感覚に少し戸惑ってしまった。
その視線を感じたのか彼女もこちらを見てきたので思わず顔をそむけミルクに口をつけた。
「初めて、かもしれない、クラスの人の家に来たの」
ミルクのカップを両手で持ちながら彼女は語り始めた。
「私……人と話すの、すごく苦手でね。すごく仲良くなった人とは話せると思うの。家族とか親戚とかそうだもの。でもそこまでの友達なんて出来たことなくて…」
「そうか……それでこのみいちゃんに話しかけていたってわけか」
そう言うと彼女はこちらを寂しそうな笑顔で見ながら頷いた。
「そうなの、なぜか捨てられていたこの子に自分を重ねてしまってね……」
そっと子猫の頭をなでると仔猫が気持ち良さそうな顔をしたのでそっと笑った。
「なんかお前らしいといえばらしいな。よかったらこいつ、うちで引き取るよ。」
「え?いいの?」
その言葉に驚き振り返った彼女にそっと笑いかけると頭に手を置いた。
「そしたら時々うちに様子を見に来いよ。な?」
彼女は一瞬の間をはさみちょっと顔を赤らめながらもにこっと笑った。
「ありがとう。じゃあみいちゃんのこと、よろしく」
「おう、任せとけ。」
内気な少女……それだけしかなかった彼女の印象。
白い子猫、みいちゃんとの出会いによってこの印象がどのくらい変わっていくのか
これからが楽しみだと密かに思いながら、子猫を抱きあげたのであった

今日は何の日

「こんちわ〜」
3月14日、雄輝はある家の前にいた。すでにあたりは暗く、さらに冷たい風が吹きつけていた。
ここは雄輝のすぐ隣の家で、幼馴染が住んでいる。
一応呼び鈴も鳴らし数分待ったが出てこない。首をかしげながらノブを回すと鍵が開いていた。
「お邪魔しま〜す」
そっと中へ入り、ほの暗い廊下を進むとリビングのほうから明かりがもれ物音が聞こえる。
のぞくとテーブルいっぱいに広がった小麦粉の袋やら卵の殻など置いてあるなかであたふたしている女子の姿が見えた。声をかけようとした瞬間、テーブルのものを取ろうと振り返った。
「あ、雄ちゃん!」
赤いエプロンをつけ、なぜかほっぺたにココアらしきものをつけている。
「何やってんだ?優」
この女子が幼馴染の太田優。幼稚園からずっと一緒の腐れ縁みたいな関係だ。
「ちょうどよかった♪手伝って。」
さっと近寄るとぐいぐい腕を引っ張って台所へと連れていこうとしたためとっさに持ってきた荷物を足もとに置きついていった。
目の前に置かれていたのはチョコの入ったボウルとゴム製のヘラ。
「すっかり固くなっちゃってさ〜困ってたのよ」
そう言いながらヘラでなんとかチョコを練ろうと取りかかった。
ガスコンロを見ると水が入った鍋が置いてあった。コンロの火をつけると優に向き直る。
「おい、貸してみろ。」
そう言うが早いか持っていたボウルを取ると、鍋につける。
「いいか、固まっちまったチョコは力づくでやっても柔らかくならねえ。そんなときはこうやってまた温めてやれば溶けてまた扱えるようになるから。」
そう言っているうちにチョコが溶けてきた。側面に付着したチョコをささっとヘラでこそげ落とし集め鍋から取り上げた。ちらっと優の顔を見ると俺の手元に見惚れているようだった。
「ふぅ、ほらよ。ところでお前これで何を?」
ボウルを返しそう尋ねると、ハッと我に返った様子でボウルをテーブルに置いた。
「チョコのケーキを作ろうと思ってさ。今スポンジ台を焼いてるとこ。」
そう言い終わった瞬間、ピーピーとの電子音が聞こえた。トコトコと電子レンジの蓋をあけるとスポンジの香りがあたりに漂った。
「いい匂い〜♪」
「いい匂い〜♪はいいけど、早くしないとまたチョコが固まるぞ」
レンジの前でじっと香りを楽しんで動かない優に声をかけると、チョコが固まらないようにヘラで練り始める。
「そ、そうだね。ええと鍋つかみは〜っと。」
パタパタとスリッパを鳴らしながら動く優を背中に感じながら、なぜこんな自然にお菓子作りを手伝っているのだろうと自分に問いかけながら手を動かす。
「ちゃんと焼けてるか見たか?」
振り返ると優は竹ぐしを刺して確認していた。丸いケーキ型からココア色のスポンジが見えた。しかし大きさが小さいのが気になった。
「これを全体に塗るつもりか?それでもちょっと量が多いんじゃないのか?」
そう尋ねると近寄ってきてチョコとケーキを見比べ、苦笑いを浮かべた。
「ん〜〜〜どうしようかな、余ったのはなめちゃおうかな」
ポリポリ頭を掻きながら言う優に溜息をつきながら素早く考えを巡らせるとあるアイデアが浮かんだ。
「あれを2枚か3枚に切って中に塗っちまうか」
そう言うとぱっと優の眼が輝いた。
「さすが雄ちゃん♪そうしちゃお〜♪」
スポンジに包丁を入れる優に背中を向けると、とりあえずテーブルにあるゴミを片付け始めた。普段からよく来ているのでどこの棚に何が入っているなど大体分かる。量りなど洗わずに済むものを納めていく。
「一応切れた〜ちょっと斜めになっちゃったけど……」
そう言われたため見てみると確かに斜めに切れた2枚のスポンジ。これ以上切れないと判断し引出しからクリームを塗る用のパテを取り出し渡した。
「ほらよ。これで中にチョコ塗ってかぶせて周りにも塗れば完成だ」
パテを受け取りうなずくと慣れない手つきでチョコクリームを塗り、上のスポンジをかぶせた。しかし周りに塗ろうと頑張ってはいるのだがなかなかうまく塗れない。温かく見守るつもりだったがあまりの不器用さのため我慢できなかった。
「あーもう…貸せ。俺がやる」
場所も道具も奪い取るとてきぱきと塗っていく。
「うわーーさすが雄ちゃん。きれい〜」
完全に手を止め見惚れている優の顔は本当に子供のようである。優のそういう顔を見るのがけっこう好きだったりする。だから手伝ってしまうのだろう、こういう事さえも。
「おまえは昔から不器用だからな、全く。ほらできたぞ」
見立てたとおりちょうどチョコクリームを使い切ることができホっと胸をなでおろした。
「ありがと♪雄ちゃん♪」
そういうと用意していた白い箱に移し蓋を閉めた。そしてそれを笑顔でこちらへ渡そうと手を伸ばした。
「え?俺に?」
意味が分からず優と箱を交互に見た。
「そうだよ♪雄ちゃんチョコケーキ好きだから。今日誕生日じゃん♪17歳の誕生日おめでとう♪」
驚いて2、3度まばたきをしながらも箱を受け取った。完全に自分の誕生日など忘れてしまっていた。
「あ、ありがとな。って俺、自分用のケーキ作りを手伝ったのかよ」
照れ隠しにそう言いつつもうれしくて顔がにやけるのがわかった。ふと先ほど自分が持ってきた荷物のことを思い出した。ソファーに置いたそれを不思議そうな顔で優は受け取った。
「これ、な〜に?」
こちらはこちらで完全に今日が何の日か忘れているようだ。
「ホワイトデーだろ、今日は。1か月前に俺にリクエストしてたじゃないかよ」
しばしの間記憶をたどっていたようだったがようやく思い出したらしく、目を輝かせた。
「あぁ、あのチョコのお返しね♪雄ちゃん、作ってくれたの?」
ニコニコしながら蓋を開けると、中から出てきた長方形のケーキをみてすごく喜んだ。
「ああ。お前イチゴ好きだからな。たっぷり使ったイチゴのケーキだ」
「うわ〜本当に作ってくれたんだ〜。ありがとう♪美味しそうだな♪」
そうはしゃぐ優の頭に手を乗せ、子供にするような感じでなでると照れるように笑った。
「んじゃそろそろ帰るな。そうだ、チョコのボウル。それは水で冷やすとチョコがとれなくなるからお湯で溶かしておとしたほうがいいぞ。てかちゃんと片づけしろよ」
そう言い残し、自宅へ帰ってきた。
「おかえり〜。何もらってきたの?」
出迎えた姉が目ざとく持ち帰った箱を見つけた。
「俺の誕生日ケーキだってさ。俺も手伝ってやったけど」
台所から持ってきた包丁で切り分け皿に盛りつけた。自分で自分のケーキを作るなんてなと苦笑いしながら席に着いた。
「へ〜、優ちゃんからのプレゼントね」
向かいの椅子に腰かけた姉がニヤニヤしながら横目で見てきた。その視線から逃れるように顔をそむけつつつぶやく。
「い、いいだろ。別に。変なことを言うとやらねーぞ」
それでもなおニヤニヤしてくる姉に無視を決め込むと、ケーキを口へ運びそっと呟く。
「スポンジが固い。よく卵を泡立ててなかったな、あいつ。また今度教えてやんねーとな。」

挿絵 作成

イメージ 1

先日、書いた小説「小さな小さなスポットライト」

実はうちで使っている電球を眺めているときに思いついた作品

作中で里緒が言ったあのセリフ

「これってスポットライトに見えない?」

実は作中と同じシチュエーションでつぶやいた私のセリフそのものだった

つぶやいた相手は旦那で、しかも

「見えん見えん」

と即座に否定されてしまい、テンションが下がったのは言うまでもない

さて、作中での里緒がこのスポットライトの下で躍っているシーン

その挿絵を描いてみた

・・・・・・・遠近法も、立体感もまったく出てないが・・・

雰囲気だけは伝わるだろうか・・・

「里緒、何してるんだい?」

薄暗くなってきた部屋の中

たまたま点いていたオレンジ色の小さめの電灯を真下から見つめていた

そんな娘に隣の部屋から声をかけた

以前から時々じっと見上げていたのを知っていた

特別、物珍しいものではないだろうにと不思議に思っていた

今まではなんとなく聞きそびれていたのだったが

ついに聞いてみたところであった

私のほうへ来た娘の瞳はキラキラ輝いていた

「ねぇねぇ、お父さん。ちょっとこっち来て」

そう言われるが早いか手をつかまれ

先ほどの場所まで連れて行かれた

「どうした?」

尋ねた私に満面の笑みを浮かべ、再び上を見つめた

「これってスポットライトみたいに見えない?」

娘の唐突な言葉に、瞬時に脳内は疑問符で満たされた

「ス、スポットライト?」

戸惑いの声に答える代りに私の周囲をくるくると回り始めた

眼で追っているうちに、なんとなく意味が理解できた

ちょうど娘が回っているあたりを

淡い光で照らし舞台を作っているように見えた

「お父さん。私、大きくなったらバレリーナになって、スポットライトを浴びるんだ♪」

「そうか、里緒はバレリーナになりたいのか」

そう優しく頭をなでてやると、にっこりと笑った

「うん♪だからその時はお父さんも見に来てね。」

「うん、絶対見に行くよ。」

すると理央は小さな手の小指を近づけたので指切りをした

「約束だからね♪」

それから十数年後

里緒は鮮やかな色の服装で舞台に現れた

「あの時の約束ちゃんと果たせたな、里緒」

観客席でそっとつぶやきながら精一杯の拍手を送った。

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