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現代では、国民が行政に関して不満があると、「国を訴える」ということが頻繁に行われます。たとえば公害病の認定に漏れたりすると、これは厚生労働省のやり方が悪い、ひいては国のやり方が悪いということで、国を訴えるということになります。
このことについては、もうみんな慣れっこになってしまい、あえて疑問を呈する人は多くありません。
しかし、かりそめにも自分がそれの構成要素(国民)であるところの「お国」を訴えるというのですから、ことは穏やかではありません。単に行政の主体が国家だからそれを訴えるのだ、という理屈を通り越して、「国民はご主人様、国家は家来」という本末転倒した考え方が、この背後にあるように思えるのです。この本末転倒した思想がどこからくるかといえば、それは米国が日本の弱体化を狙って日本に押し付けた日本国憲法で、「主権在民」とおだてられたことからくると思われますが、このことについてはいずれ触れることにします。
私が、国民が国を訴えるということに大きな違和感を覚えるのは、実は、国と国民とは本来ひとつだからです。それは、卑近な例では、国が国民から訴えられた訴訟に負けて、補償金を払う段になると、それは国民の税金から払う訳ですから、訴えた「国民」は結局みんなが払った税金から金をもらうことになります。すると、訴えた人以外の国民は、自分たちが納めた税金を、その人にもっていかれるわけですから、そのことに無関心ではいられない筈です。それもその判決が妥当なものならまだしも、原告に不当に有利であったりすれば、納税者たる国民は怒らなければなりません。
上記のように国を訴えるという風潮の背景には、国民の国家に対する帰属意識を薄くさせるような意図が隠れているように思えます。たとえばテレビ報道で、「○○さんは、これこれのことが不満で、国に対する訴訟を起こしました」というようなことを、とくとくと流します。すると、視聴者の潜在意識に、「私たちと国とは別々のものなんだ。国は悪いことをするから、よく見張っていなければならないのだ」ということが植えつけられます。これはひとつのイメージコントロールです。本当なら、「厚生労働省も、国民のために良かれと思ってサービスをしてくれていますが、お役人も人間で、完璧ということもなく、また間違えることもあるかもしれません。しかしお互いに事を荒だてることなく、穏便に円満に解決したいものです」というコメントを付け加えれば、全体としてバランスがとれるというものでしょう。これが聖徳太子の「和をもって貴しとなす」の考えであり、私たちの先祖はこういう風土の中で生きてきました。
また、地方裁判所や高等裁判所で、憲法判断に関連する訴訟の場合、判決の「傍論」に、「××のことは憲法違反ではあるが、云々」と陰険な嫌がらせ的なことを書くヘンテコな裁判官が時々います。これは上述した「円満に解決することを望む」云々の思想とは逆の、あえて調和を乱すような、国に対する底意地の悪さが感じられます。まさに「暴論」です。
毎朝昇ってくるお日様に向かって、「今日も一日、生かせて頂いて有難うございます」と手を合わせて拝む人もいれば、お国を訴えることで、天に向かってツバを吐く人もいるのです。
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いつも面白楽しく拝見させて頂いております。
今回初コメです。
これからのご活躍も楽しみに、もちろん拝読させていただきますよっ!頑張ってくださいね。
2008/6/1(日) 午前 9:33 [ はるか ]
はるか様
ご愛読頂き、有難うございます。何となく心に残る疑問などを暖め、このブログで書いています。これからもよろしくお願い致します。
2008/6/1(日) 午前 10:16 [ koreyjp ]
傑作!
転載させてくださいね。
2008/6/1(日) 午後 0:52
いのしし様
いつもおいで頂き、ありがとうございます。どうぞ転載なさって下さい。
2008/6/1(日) 午後 9:03 [ koreyjp ]
本日は、お越しいただきましてありがとうございました。治者と被治者の自同性は、難しい問題です。もともと、国王が持っていたすべての権力から立法権をとり、そして司法権をもとった残りが行政権として為政者の下にのこっています。福祉や社会保障を行うには、「専門家」としての行政に頼らざるを得ません。立法である国会では後手後手になってしまうからです。現在の憲法は、個人の尊重を大切にしています。そして、統治機構はその個人の尊厳を守る手段にしか過ぎません。上記の考え方も、一つの憲法解釈論に過ぎません。また、国が変われば、考え方もさらに違ってきます。また、寄ってください。
2008/6/1(日) 午後 9:55
神 国家の大生命と不二一体の己の生命に感謝できない人の不幸の深さには あはれを禁じ得ません
2008/6/2(月) 午前 9:54 [ 笠哲哉 ]
うちも 傑作!
転載させてくださいね
2008/6/2(月) 午前 9:55 [ 笠哲哉 ]
笠 哲哉 様
おいで頂き、光栄でございます。どうぞ転載なさって下さい。
2008/6/2(月) 午後 9:40 [ koreyjp ]
旧日本軍が中国や朝鮮におこなった仕打ちを考えれば、日本人は何も言えないような気がする。
2009/6/7(日) 午前 7:07 [ nanking_atrocities ]