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2013年02月

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オタク2

「意味」が、他者とつながる回路である。
 
自分の遭遇した経験の意味をみいだすとき、
 
「異なる」経験をした他者とつながることがはじめて可能になる。
 
「意味」が、個から普遍への、孤立から共感への地平を拓く。
 
「情報」と「知性」の違いは、「情報」が意味を問わないのに対して、
 
「知性」はつねに情報の意味を考え、
 
そのことによって、情報相互の関係を見出し、体系を打ち立てることにある。
 
意味を問わないのならば、「量」だけが問題になる。
 
どれだけたくさんの単語を覚えたか、どれだけたくさんの年号を覚えたか、
 
どれだけたくさんのキャラクターを集めたか、
 
どれだけたくさんの人間が「友だち」に登録されているか。
 
一方、科学も学問も文学も、「個」から「普遍」に至る道をめざしてきた。
 
「りんごが木から落ちる」現象と「地球が太陽の周りを回る」現象は
 
一見全く異なる個別の現象であるようにみえるのに、
 
「重力」という同一の力によるものであることをみいだしたのが科学であった。
 
文学はフィクションを通して、作家の経験した出来事の意味を作家自身に再認識させる営みであった。
 
「人間とは」「人生とは」「世界とは」と問うのが科学や学問や文学である。
 
また他者と対話していてたのしいと感じるときは、
 
自分の経験と他者の経験が一見まったく異なっているのに、
 
共通する意味をみいだしたときである。
 
たのしい対話はたのしい読書と本質的に同じである。
 
他者の経験をとおして、自分の経験の意味を見出すとき、
 
人生の深さとゆたかさを教えられる。
 
オタクがどんなにたくさんのトリビアな情報を披歴しても、
 
どんなにたくさんのコレクションをも公開しても、
 
どんなにコンピュータ操作にすぐれても、
 
他者とつながることはできない。
 
キリスト教の神はわたしたちに、
 
「たくさんの」ものを与えてはくれない。
 
そうではなくて、わたしたちに、
 
人生と世界の意味を教えてくれる。
 
そのことによって、
 
他者とつながることを可能にしてくれる。
 
 
 
 
 

おタク

江の島の猫の飼い主がみつかった。
 
真犯人かどうかはわからない。
 
疑わしきは罰せずを貫いてほしい。
 
「いかにも友だちいなさそうな奴だ」「いかにも犯罪起こしそうな奴だ」
 
と視聴者が思うところが、あやうい。
 
で、多くの日本人と同様に、
 
この事件を話のネタに同僚とお昼ごはんを食べていたのだった。
 
私 「おたくってアニメとゲームとコンピュータが好きでしょ?この共通点は何なの?」
 
ユミさん 「ストーリーがあるとこかな」
 
私 「はっ?おたくって人間づきあいキライでしょ。生き物がキライだから、鉱物に向かうんじゃなくて、人間のストーリーに向かうの?」
 
ユミさん 「そういうもんでしょ。」
 
私 「リアルの恋愛はこわいけど、ラブストーリーの映画は観るっていうのとおんなじか。リアルの人間は避けるけど、人間の織り成すストーリーは欲するわけね。」
 
ユミさん 「そういうもんじゃない?」
 
私 「だけどさ、文学青年、文学少女とアニメやゲームが好きな少年はどうちがう     の?」
 
ユミさん 「客観性があるかどうか。ゲームは自分の思ったとおりにストーリーを作れ      でしょ?」
私 「なるほど!文学はフィクションであっても現実の観察を投影しているものね。」
 
 
 
 
ユミさんはスルドイ。おたくがなぜ他者と会話ができないか、犯罪予備軍とみなされがちなのか、その根拠を言い当てている。
 
文学はフィクションであっても、現実の観察に根差しているから、
異なる現実を生き、異なる体験をする他者と接点を持つことができる。
 
異なる場所と異なる時間を生きる他者と共有しうる問題を提起する。
 
そして他者との対話を通して、現実を掘り下げ、より普遍的な地平を開拓するという
開かれた視座を備えている。
 
読んだことのない小説の話でも、その小説が提起する問題が、自分の問題と重なることに気づき、興味を持つということがある。
 
アニメやゲームの多くはそうではない。
 
ユミさんいわく、「だからゲームはファン同士では会話は盛り上がるけど、
そのゲームを知らない人との間では会話が成り立たないのよ。」
 
聖書も一大ファンタジーである。
 
しかしそのファンタジーは、紀元前の現実と21世紀の現実を重ねることができるものだし、聖書の中の出来事は、自分の人生の出来事と重ねることのできるものである。
 
他者の現実と自分の現実を重ねることができなければ、対話は成り立たない。
 
ストーリーは創造主によって与えられ、私たちは自分に与えられたストーリーを見出し、生きることしかゆるされていない。
 
それが被造物であるということであり、自分がストーリーを創造するとき、私たちは他者を見失う。
 
現実のストーリーは私たちにとって「意のままにならないもの」である。
 
意のままにならない現実を生きるとき、私たちは、苦しみと悲しみを知り、
苦しみと悲しみを通して、他者の苦しみと悲しみにつながることを知る。
 
そして「生きる」ということの普遍的な意味に気づく。
 
「思った通りにストーリーを作る」とき、私たちは、被造物として味わう至福を失ってしまうのではないだろうか。
 
私が思いのままに作るストーリーより、創造主の作るストーリーの方がはるかにすばらしいのだから。
 
 

いじめ3

山田詠美の書いた『風葬の教室』という小説がある。
 
いじめられていた女の子が、みずからいじめを撃退する話である。
 
「クラスメートを一人ひとり殺していったの。そしたら全員を殺したところで、私はヒーローになったわ」
 
「殺す」ということはどういうことか。
 
「ブス!」と言われた女の子は落ち着き払って言い返す、「どっちが?」
 
似たような反撃を私も想像する。
 
「おはよう」とクラスメートにあいさつする。
 
無視をきめこんでいるクラスメートはあいさつを返さない。
 
「アタマだけじゃなくて耳も悪いんだな」と言う。
 
「お前たちになんか仲良くしてもらわなくたって一向困らないんだよ、
 
かえってセイセイするわ」といったふうに、
 
涼しい顔でひとり読書をする。
 
「集団でいじめを行っているお前たちがカッコ悪いんだ」ということを
 
教師や大人が言うのではなく、
 
当事者が一段大人の態度でみせつける。
 
おそらくこれがいじめの究極の解決策だと思う。
 
しかしそう言ったところで、あまり意味はない。
 
『風葬の教室』の主人公が、クラスメートを「殺す」ことができたのは、
 
彼女が都会から転校してきた、垢ぬけて可愛い子だったからだ。
 
「アタマだけじゃなくて耳も悪いんだな」と言うためには、他人より成績がよくなくてはいけない。
 
そのように振る舞うことのできる子は、そもそも最初からいじめのターゲットにはなっていないのだ。
 
『風葬の教室』の主人公が言う「殺す」とは、
 
文字通りの物理的な殺人ではない。
 
「力関係」が文字通りの物理的な力関係ではないように。
 
しかし力関係は存在する。
 
友だちがいなくて、でも友だちがほしいと思っている子は、
 
足元をみられる。
 
まじめに授業をきいていて先生の質問に答えられない子は、
 
バカにされる。
 
「おまえらとなんか友だちになりたくないんだよ」
 
「勉強なんかくだらねえことやってられっかよ」
 
というふうに振る舞えば、一目置かれる。
 
だからこそ勉強で太刀打ちできない子には、「不良」というあり方で
 
力を誇示する道があるのだ。
 
なまじ勉強をして、誤答してはならない。
 
勉強を放棄すれば、誤答してバカにされる危険からもまぬかれる。
 
いじめられる子は「イライラする子」だ。
 
こちらの歓心を買おうとする子、
 
こちらが冷たくあしらっているのに怒らない子、
 
に子供たちはイライラする。
 
引きこもりの暴力息子が母親にイライラするのも同じだと思う。
 
「いじめ」というこの世の出来事を撃退するのは、「力」だと思う。
 
しかしそれは十字架の力とはちがうような気がする。
 
そのことをずっと考えている。
 
 

いじめ2

いじめられた子は、なぜ親や学校に言わないか、と問われて、
 
サンデル教授の番組で中高生たちは、
 
「卑怯だと思われるから」と答えた。
 
サンデル教授はなぜそう感じるのかを掘り下げることなく、
 
「窃盗にあって、警察に報告するのは卑怯か?」と問い返し、
 
中高生たちも、いじめを大人に言わない理由をそれ以上掘り下げて考えてみることなく、
 
「いじめられたことを大人に言うことは別に卑怯なことじゃないんだな」ということで
 
納得してしまった。
 
しかし問題は、いじめの通報が卑怯かどうかということ(この倫理問題がサンデル教授の専門だ)
 
にあるのではなく、
 
なぜ卑怯だと「感じて」しまうのか、あるいは「感じさせられてしまうのか」を
 
いじめの現場そのものに内在して解き明かすことではないだろうか。
 
いじめに遭っていることはべつに恥ずかしいことじゃないんだ、という代わりに
 
「なぜはずかしいと感じるのか、感じさせられるのか」を考えてみたい。
 
前の記事で問うた「どういう人にどういう場合にイライラするか」とも
 
どこかでつながっている気がする。
 
考えるヒントとして
 
「ひきこもりの息子に暴力を振るわれている母親」なんかも考えてみたい。
 
息子はたぶん母親に「イライラ」している。
 
どうしてイライラするのだろう。
 
母親はなぜ息子の暴言暴行をゆるしているのだろう。
 
次回(いつだよ?!)そんなことを考えてみたい。
 
みなさんのご意見をききたいので、たくさん書きこんで下さったらうれしいです。

いじめ

「白熱教室」のマイケル・サンデルが、日本の中高生といじめについて討論した番組をみたが、
 
いつも面白い授業をするサンデル教授なのに、この討論だけはおそろしくつまらなかった。
 
番組に出演した中高生もタレントも言うことすべてがいかにもNHK的で、
 
いじめはNHKと学校の建前が子供たちの世界を覆いきれないところで起こるのだという認識が欠落していた。
 
いじめをどうしたらなくすことができるか。
 
年をくってもはやこわいものがほとんどなくなった私が中学生に戻っていじめを受けたとしたら、
 
簡単である。
 
ポケットにICレコーダーを入れておいて、いじめの罵倒が始まったら録音ボタンを押し、
 
証拠として担任教師に差し出す。
 
担任が動かなかったら、学年主任か校長に持っていく。
 
いじめの被害者がなぜそれをしないのかというところが、いじめ問題の一番重要なところである。
 
いじめを受けていることをなぜ教師にも親にも言わないのかと問われて、
 
中高生たちは「はずかしいから」と答えた。
 
ここ、ポイントだと思うんだけど、サンデル教授はそれを掘り下げることをしなかった。
 
そこが番組が「おそろしくつまらない」と感じた理由である。
 
なぜ「はずかしい」かと言えば、出演していた中高生たちがチラっと言っていたが、
 
「自分が友人関係をうまくやれていない」ということが、汚点なのである。
 
これを言っちゃあタブーなのだけれど、
 
いじめられる子には往々にして「空気がよめない」子が多い。
 
必ずしも「意地の悪い子」とか「利己的な子」というんではないが、
 
「空気がよめない」子が多いということは言える気がする。
 
他人がうんざりしているのに気付かずえんえんと自分の話をしたり、
 
ちょっとしたことに無神経だったりする。
 
悪意のない場合が多いが、それがかえって相手をイライラさせる。
 
教会にもこういう人はいる(笑)。
 
そこでイライラするな、とか、
 
そういう人間も丸ごと受けとめて愛せよ、とか
 
無理なことを教師は言うから(言わないにしてもにおわせるから)、
 
子供たちはこといじめ問題については、ハナから教師を相手にしないのである。
 
で、問題はイライラするのがいけないということではなく、
 
イライラしたときに、どうやってそれを打開するかという策である。
 
イライラにはもっともな理由があるが、
 
イライラが虐待やいじめに直結してしまう回路には問題があると思う。
 
「イラつく」「うざい」というのは、キーワードである。
 
いじめは「悪い子」に対する成敗ではなく、どうにもイライラさせられる相手に対する
 
イライラの解消である。
 
だからこそいじめの加害者には、あまり罪悪感がないのである。
 
「イライラさせられているのはこっちだ、こっちこそ被害者だ」という意識があるんだと思う。
 
なんだか記事が長くなってきた。
 
今日はもうそろそろやめとこうと思う。忙しいし。
 
先に書いたことに戻るが、ICレコーダーに録音して教師に持っていったら、
 
いじめは止むと思う。
 
というより、IC1レコーダーに録音することをためらわない奴を
 
そもそもいじめの標的にはしないと思う。
 
いじめは「いじめられて傷つく奴」を標的にするのだ。
 
なぜならいじめはイライラの解消だからである。
 
相手が傷ついているのを見るとき、イライラは解消する。
 
相手が傷つかなければ、目的は達成されないのだ。
 
だから「いじめられている相手の気持ちを考えろ」とか「他人の痛みを想像しろ」
 
とかいうアプローチは見当違いである。
 
相手が痛みを覚えているということを十分「わかる」からこそ、いじめは楽しいのである。
 
このつづきは気が向いたらまた書きます。
 
あ、あなたはどういう時にどういう相手に「イライラ」しますか?
 
よかったら教えてください。

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