少し前に、タイガースの記事を書いたが
それに纏わる話を。
酒、映画、ミステリと好きなものは幾つもあるが
小学校高学年から、ずっと好きなのがポピュラー音楽だ。
60歳近くまでバンドをやってきたり、ロック、ブルース、ソウルの
虜になったのは、グループサウンズ(以下GSと略す)が
扉を開けてくれたからに違いない。
昭和40年代初頭。
ワタクシは、テレビ、ラジオから流れ出る歌謡曲にうんざりしていた。
この頃は、レコード会社専属の作曲家、作詞家が歌手に作って
歌わせるシステムを採っていた。
世は、橋、舟木、西郷の御三家全盛。
バーブ佐竹やら、森進一の歌をバス旅行で歌う輩が多かった。
そんな時、メキメキ売り出してきていたGSでは、斬新なシステムを
採用することで、正に革命を起こそうとしていた。
それは、井上忠夫(ブルコメ)や、かまやつひろし(スパイダーズ)と言った
メンバーたちが、曲を作って、自分たちで歌い、演奏すると言うスタイルを
確立し始めたのだ。
コンボスタイルと言う、少人数のバンドで歌を歌い、演奏する。
当たり前になったこのスタイルも、この時期初めて出来たと言ってもいいだろう。
先輩方が夢中になったベンチャースも、飽くまでインストバンドだった。
最もそれ以前、加山雄三、荒木一郎が自らの曲を歌うと言うことは
あったのだが、バンドスタイルでこれを始めたのがGSなのだ。
その後、タイガース、テンプターズ、オックスと若手人気グループが
登場し、GS人気は一気にピークを迎える。
実質的には、2,3年で人気も凋落してしまうのだが
この後、GSの残党たちが日本のニューロックを形成していく事が
GS=華やかで非実力的バンドと誤解だった事が、誤りだったと
認識させる事になる。
またある流れは、荒井由美、はっぴいえんど等のいわゆる
ニューミュージックへと変化してゆく。
御大・大瀧詠一氏も、故井上忠夫氏の功績を高く評価している。
今でも、GSと言うといろもの扱いされたり、ミーハー的な扱いを
されたりもするが、日本のポピュラー音楽史に燦然と輝く足跡を
残した事は、もっと評価されてもいいだろう。
youtubeで、簡単に当時のGSを聴けるようになった。
テクニック的には粗雑ではあるが、溢れるばかりのエネルギュシュな
歌、演奏を聴くと、今の日本のバンドにはない思い入れを感じてしまうのは
自分だけであろうか?