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9月29日、衆議院本会議において麻生総理の所信表明演説が行われましたが、その冒頭、小杉隆代議士は永年勤続の表彰を受けました。
以下は、小杉代議士が議場の演壇において述べた「謝辞」です。
この演壇で話すのも最後となりました。
只今、院議を以て表彰を頂いたことは、今期で引退する私にとって、一つの区切りになった思いでございます。長い間、多くの人にお世話になり、本当に有難うございました。
私が小学生の時、戦争が終わりました。衣食住の全てが欠乏していた時代でした。中学生の時、母が亡くなり、弟の面倒をみながら、家事一切を引き受け、家計の足しにと思って、新聞配達・牛乳配達を高校卒業まで続けました。大学ではボート部の合宿に明け暮れる毎日を過ごしました。そうした生活のお陰で、早起きの習慣がつき、健康になり、どんな辛いことにも耐える克己心を培うことが出来たと思います。何事も一所懸命やる「人事を尽くして天命を待つ」を私の座右の銘としました。
私は、数々の課題の取り組んでまいりましたが、中でも環境問題には特に力を入れてきました。社会人になった頃、日本は高度成長期であり、経済は発展しましたが、一方では、深刻な大気汚染や水質汚濁に苦しんでいました。東京で生まれ・育った私は、富士山がスモッグのため、ぼんやりとしか見えなくなり,多摩川では遊泳禁止となったことに衝撃を受けました。そのとき、私は、公害問題・環境問題をライフワークにしようと決心しました。
都議会でも、国会でも、一貫して、この問題に取り組んできました。当初は、「そんなことばかりやっていると、選挙に落ちるぞ」と云われたこともありました。環境を通して、これからの経済やエネルギーや資源や外交や国土づくり、教育がどうあるべきかを模索し、勉強するようになりました。今や、大きな広がりを持ち、人類の生存に関わる、内外の主要な政治課題となりました。この問題に取り組んで来られたことに幸せを感じています。
また、教育改革に先鞭をつけたことも印象に残っています。
日本は今、多くの課題を抱えています。時代は、激しく動いています。グローバル化と少子高齢化の中で、日本が、経済・社会保障・外交・教育・環境その他の諸課題を克服し、いかに発展させていくか、解決を迫られています。
こうした日本の現状と将来を考え、私は、自分の出処進退について、熟慮を重ねて参りました。
政治はそれぞれの時代にふさわしい人が、駅伝のように国民から託されたタスキを繋いで行くべきだと考えています。気力・体力・能力を総合的に自問自答した結果、私は「この辺が身の退き時ではないか」と考え、次の走者にタスキを渡す覚悟を決めました。
ここ数ヶ月、私は近代日本の歴史小説を読み耽りました。日本は、明治維新を成し遂げ、戦後は、あの廃墟の中から甦った底力を持っています。多くのすぐれた人材も続々と輩出してきています。私は日本の力を信じています。先輩同僚の皆様は、歴史の担い手であります。難局にあたって、既成の概念にとらわれず、勇気を持って、新しい日本の道を切り開いて行って下さい。皆様のご健勝・ご健闘をお祈り致します。
力の及ばなかったことも多々ありましたが、今は、ただただ感謝の気持ちで一杯です。また、政治に没頭するあまり、多くの方に、ご迷惑やご心配を掛けたことと申し訳なく思っています。
率直に現在の心境を申し上げ、謝辞といたします
本当に長い間お世話になり、有り難うございました。
以上
なお、衆議院のホームページから、当日の本会議の模様を見ることができます。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.cfm
(「9月29日」「本会議」を入力してご覧下さい)
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