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元アカモビの゛気ままな゛クワガタ採集・飼育&オセロのブログ
アカモビ廃車により、ブログを隠居?してHNに元を追加。2014/11/17よりコメントなしの完全な備忘録へと移行! U^ェ^U

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報文紹介「先行して研究されているカイコの変態について」

(今回は文字だらけです。ご容赦下さい。)
 
 インスリン関連の続報をする手もあったが、今回は気分転換に別の話題に。
 
 カイコは、古くから養蚕業に支えられて研究されており、昆虫の中ではいろいろと情報が蓄積されている。
 
 しかし、カイコは鱗翅目、クワガタは鞘翅目と、“目”レベルで異なっているので、この知見をクワガタへ直接利用できるとは限らないことはご留意頂きたい。
 
 この報文(下記)に出会ったのは偶然であり、つい先日、ヤブリンさんからクワガタ
4令幼虫の可能性のご質問を受け、頭の片隅にそのキーワードが残っていたところに、カイコの6令幼虫(通常は5令で蛹化)に関する内容が若干ではあるが、記載されたものに出会ったことによる。
 
  題名 : カイコの眠性変化からみた変態の内分泌基盤
  著者 : 川崎秀樹
  雑誌 : 蚕糸・昆虫バイオテック、
Vo.77、(2)、pp.117-123
  年代 : 
2008
 
 この報文のテーマは、カイコの眠性(この単語は後で説明)と幼若ホルモンや脱皮ホルモンなどの内分泌系との関係の内容が整理された総説のようなものであり、この中から、クワガタ飼育に関係しそうなところのみを小ネタ形式で選択してみた。
 
 なお、ここでは幼若ホルモンや脱皮ホルモンについては、解説なしで記載していることから、これが不明な場合には、必要に応じて、下記の記事をご参照下さい。
 記事:
http://blogs.yahoo.co.jp/kotaro168/1443504.html
 
 
1.過剰加令幼虫の可能性について
 カイコでは通常は、
5令幼虫まで進んで蛹化する。
 
 しかし、カイコの加齢は厳格ではなく、環境条件、栄養条件、薬剤処理などにより、早いものでは
3令で、遅いものでは6令で蛹化する。
 
 6
令で蛹化する幼虫は、体が大きいものと想像しがちであるが、どうやらそうでもない。
 
 人工的な薬剤処理をしない場合にも、個体の栄養状態が悪いときに
6令になることがあるようだ(要するに蛹化時の個体のサイズは小さい)。
 
 また人工的な処理として、薬剤として幼若ホルモン様物質(メソプレンやフェノキシカルブ)を用いた場合にも、体サイズを大きくするのが目的ではなく、絹を吐く吐糸管を大きくさせて、太い繊維を吐かせるために利用されている。
 
 変態のメカニズムとしては、どうやらカイコも、クワガタと同様に、幼虫がある所定の体重になれば、蛹化のスイッチが入るようである。
 
 したがい、過剰加齢によって巨大な幼虫が出てくるものではないようだ。
 
 ついでに眠性について簡単に説明すると、
5令幼虫が蛹化する場合には4眠と呼ばれ、6令幼虫で蛹化する場合は5眠と、蛹化するステージの幼虫から1を引くと“眠”の関係となる。
 
 このため、カイコの
6令幼虫についての研究成果を調べようとすれば、キーワードとしては、“6令”以外にも、“5眠”も考慮すれば、検索がヒットする確率がアップするだろう。
 
 
2.セミ化について
 セミ化に関係する可能性のある内容も書かれていた。
 
 いきなり話が脱線するが、“セミ化”と言う単語を下記の辞典で調べてみたところ、掲載されていなかった。
 
  ・日本蚕糸学会 蚕糸学用語辞典
  ・岩波書店 理化学辞典 第
5版
  ・岩波書店 生物学辞典 第
5版
  ・北隆館 昆虫学辞典
  ・東京出版 昆虫の辞典
  ・岩波書店 広辞苑 第
6版
 
 “セミ化”の意味としては、(恐らく)セミの幼虫のように長い間、幼虫で居続けることを指すのであろうが、これは専門用語ではなく、俗語かも知れない。
 
 カイコについては、これに類似した用語として“永続幼虫”がある。
 
 これを蚕糸学用語辞典で調べると、次のように説明されている。
 
―――――――――――――――
(永続幼虫)
 5
令初期の家蚕幼虫に幼若ホルモンを比較的多量投与すると、蛹化することなく幼虫のまま25〜30日生き続け、斃死する。このような状態の幼虫を永続幼虫とよび、幼若ホルモンによって変態が抑制されているものと考えられている。
―――――――――――――――
 
 このように永続幼虫は、セミの幼虫のように長い期間を経た後に蛹化するものではないようだ。
 
 脱線はここまで
 
 永続幼虫の意味を踏まえると、人工的な操作によりホルモンバランスが崩れ、蛹化できない幼虫になるようだ。
 
 クワガタに関しても、もしかすると、クワガタの自然環境中にない添加物を加えられた飼育条件においてホルモンバランスが崩れ、終令初期の幼虫体内の幼若ホルモンが高濃度のままだったことにより、蛹化できないのかも知れない。
 
 
3.卵・幼虫の管理温度について
 カイコの温度管理について、興味深いことが書かれていた。
 
 催青(後で説明)中の低温および稚蚕期の高温は発育経過の短縮を引き起こし、
3眠化(すなわち、4令で蛹化)をもたらす。
 
 稚蚕期の高温では、アラタ体(幼若ホルモン合成・分泌器官)活性が増強し、
2令期あるいは3令期が延長して、(その令での体重がさらに増加することにより)3眠蚕(4令蛹化)が出現するようだ。
 
 この現象の解釈によっては、飼育方法が全く逆の方向性になるが、私の解釈としては、次の通り。
 
 蚕の場合には、早く成長して大きくなれば、
5令を待たずに蛹化するため4令で蛹化するが、クワガタの場合には、2令蛹化の可能性は低いため、アラタ体活性を積極的に増強させる作戦(すなわち、令数が若い間は高温管理)が、大きい幼虫作出への手段ではないかと思われる。
 
 また、上述の“催青”とは、蚕の卵の時期(胚を成長させる時期)のことであり、養蚕業上、一斉に孵化させて飼育・管理するため、卵の温度管理が為されている。
 
 そこで検討された結果、卵は低温処理すると、幼虫の体重増加に効果的であるようだ。
 
 これは、下記の参考文献の内容で紹介すると、
20、25、30℃の3種の温度で卵を管理して、その効果を比較したところ(なお、幼虫の飼育温度は28℃)、幼虫の体重が最も大きくなった卵の管理温度は、20℃であった。
 
 
 したがい、低温と言っても、低ければ低いほどよいのではなく、飼育温度の中で低めのレベルがいいのかも知れない。
 
追記(2013.3.20)
また、更に詳細な実験により、卵の初期の高温はそれほど影響は受けないが、後期からの高温は幼虫への成長に影響を与えるようだ。
 後期で影響を受ける時期は、胚の発達が進み、ステージが変わる頃のようなので、幼虫にすくすくと成長してもらうには、胚の後期の時期の低温管理が(蚕幼虫の体重増については)重要なようだ。
 
 クワガタ飼育において、その卵の温度管理については、考えたことすらなかったことに気付かされた。
 
 
【参考文献】
 
1.について
滝澤真琴、木内信、清水治、2001
年、カイコの5眠化誘導手法についての検討、群馬県蚕業試験場研究報告、第7号、pp.40-44
 
3.の催青について
藤枝貴和、1981
年、原蚕の人工飼料育における催青温度、光線が稚蚕の発育、眠性および化性に及ぼす影響、群馬県蚕業試験場報告、第54号、pp.63-66
 
最後に、不確かな作戦として、セミ化解消対策案について、白字で備忘録として残す。
今回の報文の中では、薬剤処理として、イミダゾールを使用して、アラタ体(幼若ホルモン分泌器官)や前胸腺(脱皮ホルモン分泌器官)の活性を一時的に抑えることが書かれていた(その後は回復する)。
仮に、セミ化の原因がホルモンバランスの変調であるとするならば、第一弾として、その幼虫にイミダゾール処理を行い(幼若ホルモンおよび脱皮ホルモンを抑え)、その次に脱皮ホルモン処理をすれば、蛹化が起こる可能性があるのではと思われる。
ただし、蛹化時には、変態のメカニズムとして幼若ホルモンの働きにより、付属肢の成長が必須であるため、イミダゾール処理後、その効力が回復しそうな頃(幼若ホルモンが分泌可能な直前)を見計らって、第二弾の脱皮ホルモン投与が必要ではないかと思われる。
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(ブログ引退の月(3月)となりました。もうしばし、お付き合い下さいますようお願い致します)
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本日のマンホールは、下記のもの
(福井県は初登場です!)
 
 ・福井県
 ・福井県丸岡町(現、坂井市)
 ・福井県金津町(現、あわら市)
 ・福井県福井市
    
 これは、ベルクカッツェさんから、ご提供頂いた。
 
 画像のご提供は非常にありがたいことである。
 
【福井県】
イメージ 1
上から、時計周りに、冬眠中の熊、雪うさぎ、スキー、雪だるま、カマクラ、雪ん子
 
イメージ 2
県章入り
 
イメージ 22
 
イメージ 26
 
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【丸岡町】
イメージ 32
ハナショウブ(町の花)
 
【金津町】
イメージ 33
 
イメージ 34
 
【福井市】
イメージ 28
不死鳥
 
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上のカラー版
 
イメージ 30
何のマークか?不明
 
イメージ 31
市章入り
 
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イメージ 25
これはプレート?
 
 これらのマンホールも、マンホールギャラリーのブログ(下記リンク)に追加させて頂きます。
 
 (2/15までに頂いた画像については、何とか紹介できるように頑張ります。)

  • こんばんは。
    クワ幼虫にホルモン塗布するとどうなるのでしょうね。
    実験をどこかの研究でやってないかな〜。

    [ hamashin ]

    2013/3/20(水) 午後 10:11

    返信する
  • くわさん こんばんは

    今回も大胆に端折りましたが、ここで挙げた報文を3つ読めば、かなり面白いことが分かりますよ〜

    元アカモビ

    2013/3/20(水) 午後 10:12

    返信する
  • よっし〜@北海道さん こんばんは

    セミ化は、やはり起こってしまうんですね。
    何かいい方法が分かれば、いいのですが・・・・・

    元アカモビ

    2013/3/20(水) 午後 10:14

    返信する
  • ふうがさん こんばんは

    どこかのHPには、そんなことが確かに書いてあったような気が私もしております。
    しかし、それは真実なのか、判断が付かないので、信頼性の高いと思われる公表文献で探しているのですが、現在のところ、見つけられずです(汗)

    元アカモビ

    2013/3/20(水) 午後 10:16

    返信する
  • HAさん こんばんは

    永続幼虫については、どうやら死んでしまうようです。
    なお、セミ化の用語は、俗語のようなので、セミ化については、死ぬのか、蛹化するかについては、科学的な説明はできない状況です。

    元アカモビ

    2013/3/20(水) 午後 10:18

    返信する
  • 海野柑橘農園さん こんばんは

    斃死は、人間の場合にはその意味のようですが、動物の場合には、突然死を意味するようですよ

    元アカモビ

    2013/3/20(水) 午後 10:19

    返信する
  • paxさん こんばんは

    何かヒントになれば幸いです。
    ところで、その実験、成功しても、失敗しても、こっそりと教えていただけると有り難いのですが・・・・・

    元アカモビ

    2013/3/20(水) 午後 10:20

    返信する
  • よ〜すけべさん こんばんは

    確かに難しいですよね。
    卵の時期は低温で、初令は高温ですものね。

    卵で割り出して、様子見しながら温度管理するしかなさそうです。

    元アカモビ

    2013/3/20(水) 午後 10:22

    返信する
  • samuraisoulさん こんばんは

    私の説明が悪かったようです。
    カイコについては、蛹化するにはサイズが小さいような貧栄養のものは、5令を過ぎて6令で蛹化し、高栄養のものは5令を待たずして、3令や4令で蛹化するようです。
    したがい、蛹化できるほどのサイズになれば、その令数付近で蛹化するので、過剰加齢による巨大な幼虫ができる仕組みはないように、今回の報文を見る限り、感じました。

    元アカモビ

    2013/3/20(水) 午後 10:26

    返信する
  • hamasinさん こんばんは

    クワガタのホルモン処理は、(以前紹介した)北大の後藤氏らが報告しております。
    主に大あごを伸ばすのが目的ではありますが。

    もし、過剰加齢をホルモン投与で、クワガタでさせようと思えば、初令、もしくは2令の初期で行えば、可能かも知れません。

    しかし、その場合は、処理する幼虫のサイズが小さいため、大型幼虫は望めないかも知れません。

    3令初期のホルモン投与は、可能性はあるかも知れませんが、永続幼虫となる可能性が高いのではと思います。

    元アカモビ

    2013/3/20(水) 午後 10:29

    返信する
  • 顔アイコン

    以前、くわがた狂の大馬鹿者達!というサイトで見たのですが
    ギフチョウの蛹をオオクワ3令幼虫に与えて
    4令に加齢させ、100mmのオオクワ成虫が得られたと言う
    記事がありました。
    ホントかどうかは分かりませんが非常に興味深い記事でした。
    私も試してみたかったのですが、ギフチョウの蛹が手に入らない
    ので諦めました。

    [ K ]

    2013/3/21(木) 午前 9:16

    返信する
  • 顔アイコン

    >変態のメカニズムとしては、どうやらカイコも、クワガタと同様に、幼虫がある所定の体重になれば、蛹化のスイッチが入るようである。  したがい、過剰加齢によって巨大な幼虫が出てくるものではないようだ。

    諸先輩の飼育記録からも、上記のようなケースがほとんどのようですね。

    MAX体重となる成熟の時期がどの辺りか?
    経験を重ねなければ、なかなか判断が難しいですね。

    卵管理は面白そうですね!(^-^)/ 削除

    [ チョネ ]

    2013/3/21(木) 午後 4:30

    返信する
  • ks-dさん こんばんは

    くわがた狂の大馬鹿者達!の記事を拝見しました。
    HPの全体像を見ると、そのカラクリが分かりました。

    目次の”オオクワENN”にある3つの内容は、”クワ馬鹿トラップ”にネタばらしされているように、近未来に起こるであろうことを、希望的に書かれたものであり、現状ではその内容はフィクションだと読み取ることができるかと思います。

    実際問題としても、餌からホルモンを摂取させ、4令が実現したと仮定しても、次にその個体を蛹化させるには、さらにホルモンを撹乱させる必要があるため、そこで書かれた記載の方法では、成功率は極めて低いのではないだろうかと個人的には感じました。

    元アカモビ

    2013/3/21(木) 午後 11:02

    返信する
  • チョネさん こんばんは

    蛹化スイッチの入る体重は、系統によっても、微妙に異なるでしょうね。
    そう言えば、過去に紹介した報文の中で、その体重を調べることができる方法が書いてあった記憶がありますが、どの報文で、どのようなものかは忘れてしまいました。
    自分の備忘録を見ながら、思い出すことに致します。

    また、卵の管理は、意外と盲点ですよね。
    カイコと同様に、クワガタも低温管理がいいのであれば、面白いことになりそうです(笑)

    元アカモビ

    2013/3/21(木) 午後 11:06

    返信する
  • こんにちは、
    カイコの6令薬剤処理は糸をたくさんとるためにやられているようですね。まあ、繭がたくさんとれたら、羽化しなくてもいいですもんね。

    ウルトラマンプリオン

    2013/3/22(金) 午前 10:14

    返信する
  • 顔アイコン

    こんばんは〜
    記事もう一度見て来てガッカリしました・・・
    完全に騙されていましたね〜(汗)
    でも、何らかの形でいつかは実現してほしい物です。
    お騒がせいたしました<(_ _)>

    [ K ]

    2013/3/22(金) 午後 10:23

    返信する
  • ウルトラマンプリオンさん こんばんは

    薬剤処理は、確かに、繊維を太くするなり、量を多くするのが、目的なのでしょうね。

    元アカモビ

    2013/3/23(土) 午前 1:34

    返信する
  • ks-dさん こんばんは

    あの記事のカラクリが見えましたか。
    私はプラス思考なので、あの記事は虚構であることをばらしていたので、余計な手間が掛からずに済んだと思うことにしております。

    悪質なものは、意図的に欺くこともあるので。

    その点、私の科学ネタは、出典を明らかにしているので、内容が怪しいと思えば、出典で確認できるようにしております。

    意図せずに間違ったことを書いてしまうこともあるかも知れませんし。

    元アカモビ

    2013/3/23(土) 午前 1:38

    返信する
  • アバター

    なるほどカイコなら研究が進んでいるでしょうね。参考になるものがたくさんあるといいですね♪
    あはは!眉毛の太い雪だるまの蓋が可愛いです(*^^)v
    あ、大分マンホールのご投稿ありがとうございました! 以前大分駅前だけは探してみたことがあるのですが見つけられませんでした。あと少し足をのばせばあったんですね〜。高崎山蓋などぜひゲットしたいです!
    ポチっとな

    daizu

    2013/3/25(月) 午後 6:22

    返信する
  • daizuさん こんばんは

    カイコの既知見は、もっと調べたら面白い情報があるかも知れません。

    大分市のカラーマンホールはバリエーションがたくさんありそうなので、結構、徘徊したのですが、郵便局前でしか、見つけることができませんでした。
    あちこち、カラーマンホールがありそうな道路はあるものの、はずれを掴まされ、大分市の探索は難しいと思いました。

    元アカモビ

    2013/3/25(月) 午後 11:22

    返信する

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