資産除去債務と企業経営「環境債務」の把握必須 財務の視点から適切な開示を亀元:環境債務のアプローチでいくと、対策の引当から資産除去債務まで全部を捉えられます。財務諸表に出なくても株主や投資家等に対しては、対策引当の話も重要な話になってくるわけです。 もともと環境債務は環境部と財務部のやり取りなどで複雑なプロセスが必要で、米国でも開示があまりされていなかったのですが、今、温暖化情報の開示の動きから、昔からある環境債務ももっと開示しましょうという意見が出ています。日本も、将来的にはそういう方向になる可能性もあると思います。 『(1)「資産除去債務」とは、有形固定資産の取得、建設、開発又は通常の使用によって生じ、当該有形固定資産の除去に関して法令又は契約で要求される法律上の義務及びそれに準ずるものをいう。この場合の法律上の義務及びそれに準ずるものには、有形固定資産を除去する義務のほか、有形固定資産の除去そのものは義務でなくとも、有形固定資産を除去する際に当該有形固定資産に使用されている有害物質等を法律等の要求による特別の方法で除去するという義務も含まれる。』 いわゆる環境負債と呼ばれる土壌汚染、アスベスト、PCBについて、「法令で要求される義務」および「有形固定資産の除去そのものは義務でなくとも、有形固定資産を除去する際に当該有形固定資産に使用されている有害物質等を法律等の要求による特別の方法で除去するという義務」が存在するのか否かを検討します。 1.土壌汚染 土壌汚染に関し土壌汚染対策法で要求されるのは、都道府県知事による調査命令を除いては、水質汚濁防止法の有害物質使用特定施設の廃止時の調査義務だけです。また、その調査も事業所を継続して操業する場合には、猶予が認められます。仮に、有害物質使用特定施設の廃止時の調査を行い、調査結果が土壌汚染対策法の溶出量基準、含有量基準を越えている場合には対策が必要ですが、健康被害防止の観点から飛散防止措置だけでもよい場合もあり、必ずしも汚染物質除去までは要求していません。 本会計基準第6項(1)では、『その見積金額(除去に要する将来キャッシュ・フロー)は、生起する可能性の最も高い単一の金額又は生起し得る複数の将来キャッシュ・フローをそれぞれの発生確率で加重平均した金額とする。』としています。 このような場合、土壌汚染調査費用も調査猶予を選ぶ場合と調査をする場合で異なり、さらに調査結果によっては、対策費用が必要であり、それも飛散防止措置だけにするか汚染物質除去まで行うかによって見積金額は大きく異なります。調査をして対策が必要な場合、それが生起する可能性がもっとも高いと判断すれば、当該選択肢の金額を見積り、あるいは、それも含めて複数の可能性があるのであれば、それに対応して複数の将来キャッシュ・フローをそれぞれの発生確率で加重平均した金額を見積ることとしています。 しかし、土壌汚染の調査は法令の要求を待たず、自主的に行うことがほとんどです。仮に自主的に調査を行い、土壌汚染が発覚した場合で本会計基準の適用を検討するとき、土壌汚染が通常の使用によって生じたものか否かで、資産除去債務の計上か引当金計上(あるいは減損会計)かを選択することになります。 現実には、事前に調査して土壌汚染が明らかとなった場合、建物等の地下が汚染箇所である場合を除いて、土壌汚染対策法とは無関係に浄化を行う場合が多くあります。その場合も、飛散防止措置でなく、汚染物質除去を行うことが、土地の資産価値の観点から一般的です。現状では、土壌汚染対策法とほとんど関係なく調査、修復が行われているのが実態です。 2008年10月27日に開催された中央環境審議会・土壌農薬部会土壌制度小委員会で土壌汚染対策法の改正の方向性が検討されました。改正の方向性として、「工場などの閉鎖時期にかかわらず、3000m2以上の土地を改変(再開発)する場合、過去の土地利用から土壌が汚染されている懸念があれば、調査を義務づける」方針としています。 来年の通常国会での改正を目指すとのことです。なお、同様な3000m2以上の土地改変時の調査義務は、東京都や大阪府の条例では、すでに施行しています。今後の同法の改正によっては、本会計基準の適用が増える可能性が考えられます。 資産除去債務(環境債務)と土壌汚染対策わが国の会計基準の国際会計基準との整合性確保に向け、資産除去債務(環境債務とも呼ばれている)の会計処理について、企業会計基準委員会では、2007年5月に論点整理されている。論点整理から判断すると、資産除去債務として会計処理する場合には、建物の解体、撤去などの処分の際の原状回復に要する費用や土壌汚染がある場合の土壌汚染対策費用を資産評価額から債務として扱うこととなる。土壌汚染については・・・ http://www.mri.co.jp/COLUMN/ECO/CHIBAR/2008/0722CR.html 流動・固定負債項目に資産除去債務が追加:財務諸表規則の変更2008年12月、上場企業が対象となる金融商品取引法(旧証券取引法)の「財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則等の一部を改正する内閣府令」が改正され、国際会計基準とのコンバージェンス項目に向けた表示の変更が明示された。注目すべき変更のひとつとして、2008年3月末に公表された資産除去債務に関する会計基準の新規適用に伴い、貸借対照表の流動負債、固定負債の科目に「資産除去債務」が追加された点があげられる。資産除去債務に関して注記する内容が明示され(文末参照)、さらに、純資産及び負債合計額の1%を超える資産除去債務がある場合には、資産除去債務に関する附属明細表を作成することを規定している。 資産除去債務 土壌汚染 の検索結果 http://www.google.co.jp/search?hl=ja&rlz=1T4ADBF_jaJP302JP303&q=%E8%B3%87%E7%94%A3%E9%99%A4%E5%8E%BB%E5%82%B5%E5%8B%99+%E5%9C%9F%E5%A3%8C%E6%B1%9A%E6%9F%93&lr= |
企業の社会的責任
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