■健康影響毒 性トルエンを長期間にわたって体内に取り込んだ結果、視野狭さく、眼のふるえ、運動障害、記憶障害などの神経系の障害のほか、腎臓、肝臓や血液への障害が認められています。 ラットとマウスに、それぞれ体重1 kg当たり1日312 mg及び625 mgのトルエンを13週間、餌に混ぜて与えた実験において、ラットでは625 mgで肝臓と腎臓重量の増加が認められ、マウスでは312 mgで脳への神経毒性などが認められています。
このラットとマウスにおける実験結果から、水道水質管理目標値の場合はTDI(耐容一日摂取量)が体重1kg当たり0.0892 mg、水質要監視項目の指針値の場合は体重1kg当たり0.223 mgと算出され、これらに基づいてそれぞれの値が設定されています。
また、トルエンはシックハウス症候群との関連性が疑われていることから、厚生労働省ではトルエンの室内空気濃度の指針値を0.26 mg/m3(0.07 ppm)と設定しています4)。これは、人が呼吸によってトルエンを取り込んだ際の神経行動機能及び生殖・発生への影響に基づいています。 体内への吸収と排出 人がトルエンを体内に取り込む可能性があるのは、呼吸や飲み水によると考えられます。体内に取り込まれたトルエンは代謝物に変化し、尿に含まれて排せつされますが、ベンゼンなどの他の有機溶剤と一緒に体内に取り込むと代謝は遅れます。 影 響 国土交通省による新築1年以内の住宅を対象とした実態調査によると、室内空気濃度の指針値を超えた住宅の割合は2000年度には13.6%ありましたが、2005年度には1%以下に減っています。トルエンは空気より重いため、屋内では床にたまりやすくなります。 室内で、トルエンを含む塗料や接着剤などを使用する場合は換気が必要です。屋外大気の場合、最近の測定結果はありません。過去の測定における大気中濃度は、室内空気濃度の指針値よりも低いものでした。 水道水、河川や地下水から水道水質管理目標値や水質要監視項目の指針値を超える濃度のトルエンは検出されていませんが、ガソリンによる地下水汚染現場では指針値を超える濃度のものが検出された事例が報告されています。このような汚染された水を長期間飲用するような場合を除いて、飲み水から取り込むことによる人の健康への影響は小さいと考えられます。 ■生態影響環境省の「化学物質の環境リスク初期評価」では、ミジンコへの繁殖阻害を根拠として、水生生物に対するPNEC(予測無影響濃度)を0.012 mg/Lとしています7)。河川や海域の水中濃度はこのPNECよりも十分に低く、水生生物への影響は小さいと考えられます。 なお、(独)製品評価技術基盤機構及び(財)化学物質評価研究機構の「化学物質の初期リスク評価書」でも、ミジンコへの繁殖阻害を指標として、河川中濃度の実測値を用いて水生生物に対する影響を評価しており、現時点では環境中の水生生物へ悪影響を及ぼすことはないと判断しています。
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