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特定有害物質の地盤(地下水を含む)内での挙動
カドミウム及びその化合物 水中ではCd(H2O)42+として、また、塩素イオンと錯体を作りやすく、Cl-濃度に応じてCdCl2(H2O)20などの形で存在する。 土壌中では陽イオンの形のときは粘土等に吸着されるが、わずかなCl-の存在で中性又は陰電荷をもつ錯イオンとなり、粘土から離れていくという特質を持つ。アルカリ性では水酸化物の生成により難溶化する。ただし、NH4+が存在すると[Cd(NH3)4]2+を生成して溶解する。炭酸塩、硫化物についても難溶性塩である。
六価クロム化合物
水溶性としてHCrO4-またはCrO42-が陰イオンとしてpHに対応して存在する。(Cr2O72-はほとんど考慮しなくてよい。)アルカリ領域では移動度が高いが、中性から酸性領域にかけて土壌中の中のFe、Mn、Alの酸化物や粘土鉱物などに吸着される。この吸着は共存する他の陰イオンによって阻害される。 また、地下水中の六価クロムは有機物や第二鉄、硫化物などによって還元されて毒性の低い三価クロムに還元される。三価クロムは中性付近では溶解度が低く、地盤中での移動性は小さい。
シアン化合物
無機系と有機系化合物がある。無機系化合物の中にも、遊離型のシアンと錯体型のシアンがあり、遊離型のシアンは水中でシアン化物イオン(CN-)及びシアン化水素(HCN) を容易に生成する。錯体型のシアンは金属と錯化合物(シアノ錯体を形成しており、例えば鉄とは〔Fe(CN)6〕4-(フェリシアン)や〔Fe(CN)6〕3-(フェロシアン)がある。地盤中のシアン化合物は遊離シアンは水によく溶けて移動度が高いが、土壌中の鉄などの重金属と 錯体を作り、さらに安定な難溶塩を形成して(例えばFe4〔Fe(CN)6〕3フェリフェロ型(プルシアンブルー)など)地盤中に固定される。 水銀及びその化合物
火山地帯や温泉地の熱水鉱床中から、主に赤色の辰砂 (HgS)として産出される。主な化合物は、一価及び二価のハロゲン化合物、硫化物及び有機化合物(アルキル水銀)が知られている。 環境水中では、無機水銀から生物学的または化学的にメチル水銀が生成し、またメチル水銀の無機化も同時に進行している。このため、水中生物間の食物連鎖を経て、魚介類へ高濃度に蓄積し、最終的に人間が摂取する危険性がある。
セレン及びその化合物 天然には硫化物及び硫黄鉱床に含まれ、地殻中には微量ながら広範囲に存在している。セレンの原子価は二価、四価、及び六価があり、化合物は四価がもっとも安定である。 鉛及びその化合物
水中ではPb2+、〔Pb(OH)〕+ 、〔Pb(OH)4〕2-などとして存在している。還元状態ではきわめて不溶性の硫化物を作るが、通常の酸化状態ではやや酸性の状況で、水溶状となるが、硫酸鉛の溶解度は小さい。 中性から弱アルカリ性では鉛は加水分解して水酸化物となって難溶となり沈殿するか、粘土鉱物に吸着される。 炭酸塩、硫化物、クロム酸塩、硫酸塩、リン酸塩についても難溶性塩である。
砒素及びその化合物 主な化合物は三価と五価であり、三価の砒素は酸素のある酸化的条件下では亜砒酸イオンとなって水によく溶ける。しかし硫黄との親和性がよく、硫化物が安定に存在できる程度の還元状態では硫化砒素として難溶性となる。 五価の砒酸も水への溶解度は高い。地盤中での移動は三価の亜砒酸イオンの方がより重要と考えられる。それは大気との平衡状態では砒酸がより安定(析出しやすい)であることと、弱酸性から弱アルカリ性の広い領域
で亜砒酸は中性分子であるが、砒酸は陰イオンであり土壌粒子の吸着を受けやすいことによる。 ふっ素及びその化合物
特異吸着性を有する。 ほう素及びその化合物
溶液のpHが9以上である場合B(OH)4-として存在し、それよりpHが低い場合電荷を帯びないB(OH)3として存在する。したがって、pHが9以下では鉱物への吸着はほとんど無いと予想される。更に、pHが9以上ではアロフェンなどの非晶質アルミノケイ酸塩鉱物の表面電荷はマイナスとなるため、B(OH)4-もあまり吸着はない。したがって、芳香族や脂肪族の有機物と結合すると考えられる。
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地下水汚染
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