不動産の新たな価値を模索 金融業界における生物多様性いち早く動き出した住友信託銀行 地球環境問題において、温暖化防止と並び大きな課題とされる生物多様性の保全。しかし、二酸化炭素(CO2)排出量削減や省エネルギーなど経済活動と密接にかかわる温暖化対策と比べると、生物多様性問題への「距離感」に戸惑っている企業が大半だろう。
そうしたなかで、生物多様性を企業の経済的なメリットに結びつける取り組みが、金融業界を中心に始まっている。この仕組みを支えるには、企業の社会的責任(CSR)活動で培われた環境NGO(非政府組織)との良好な関係と、生物多様性保全を長期的に支えるための経済活動の裏打ちが必要だ。
1996年、英蘭系食品・日用品大手のユニリーバと世界自然保護基金(WWF)が中心となって海洋管理協議会(MSC)が設立された。このMSCでの認証制度は「海のエコラベル」とも呼ばれ、海洋資源の持続可能な利用と保護を保証する制度だ。「当初、このような認証制度の登場に驚いた。いまでは、持続可能なビジネスを追求するためには、生物多様性問題への対応が不可欠だと考えたユニリーバの先見の明だったと思う」と打ち明けるのは、住友信託銀行の金井司 CSR担当部長だ。
2008年5月、ドイツのボンで開催された生物多様性条約第9回締約国会議(COP9)で、住友信託はドイツ政府が主導した「ビジネスと生物多様性(B&B)イニシアティブ」のリーダーシップ宣言に署名し、これを受ける形で「生物多様性問題対応基本ポリシー」を制定した(2008年7月)。そのなかには「生物多様性保全活動への積極的な参加」「生態系の適切な評価」などと並んで「金融機能を活用した商品・サービスの提供」が掲げられている。金井部長は、「これまでの植林や自然保護活動の延長線上にあるものではなく、(生物多様性の配慮に特化した金融商品の検討は)新たなスタートと認識している」と意欲的だ。
政策により一気に進む可能性も http://premium.nikkeibp.co.jp/em/report/153/img/report153_03.jpg
1984年3月に竣工された三井住友海上火災保険の駿河台ビルの屋上の緑地。2004年には都市緑化技術開発機構による「第3回屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール」で「屋上緑化大賞(環境大臣賞)」を受賞した(写真提供:三井住友海上火災保険)
2007年、三井住友海上火災保険の主催のもとに開催されたシンポジウム「企業が語るいきものがたりPart1 〜企業と生物多様性シンポジウム〜」をきっかけに、「企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)」が立ち上がった。これは、国際的な視点も踏まえながら生物多様性の保全に関する共同研究を行う企業グループだ。三井住友海上はJBIBの会長を務め、企業活動が環境へ与える影響を示した関連性マップづくりなどの研究を進めている。
同社では生物多様性保全のために、ジャワ島で不法伐採によって荒地となっていたパリヤン野生動物保護林の修復再生プロジェクトや、 駿河台ビル(東京都千代田区)の屋上や地上部の緑化活動 を行った。同社の総務部地球環境・社会貢献室課長専門役・藤野敬文氏は、「損害保険会社が本業を通じた取り組みを行うまでには、もう少し時間が必要」としながら、「JBIBの活動などを通じて得られるノウハウを生かし、生物多様性の保全を推進する」と語る。
証券会社も積極的に動き出している。その一つが、「ダイワ・エコ・ファンド」や「次世代環境ビジネス・ファンド」など、環境配慮や環境技術に優れた企業に投資を行うファンドを打ち出した大和証券グループだ。
生物多様性保全の取り組みとして、環境NGOであるコンサベーション・インターナショナル(CI)と協力し、2007年に「ダイワCI生物多様性保全基金」を創設。
この基金は、世界自然遺産地域環境保全型ビジネス支援プログラムの一環として活用される。違法伐採などに結びつく貧困を軽減するために、マダガスカルやメキシコなどの世界自然遺産周辺の8地域で、エコツーリズムなど地元の人々が持続可能なビジネススキルを身に付けるためのトレーニング費用となっている。
CSR室課長代理の牧野和彦氏は、「生物多様性の保全については、他の企業やNGOとさらに意見交換や連携が必要」と語る。一方で、「企業活動にとっては、政策とのリンクが一番のポイント。今後も気候変動と同様、生物多様性の政策、条約の動きから目が離せない」とする。
金融業界における生物多様性へのアプローチは、始まったばかりである。しかし、前出の住友信託銀行の金井部長は、「生物多様性の保全は、気候変動問題よりも被害の現れかたや影響が直接的で、より深刻かもしれないと認識している。
すでに多くの企業は、気候変動への対応が急速に経済システムに取り込まれた過程を経験している。したがって、生物多様性問題への対応は、より迅速に行われるのではないか」と予想する。
|
全体表示
[ リスト ]





>企業の社会的責任(CSR)活動で培われた環境NGO(非政府組織)との良好な関係と、生物多様性保全を長期的に支えるための経済活動の裏打ちが必要だ。
同感です。
あらゆる機構、団体があるが、名前だけで機能していないのを沢山経験している中、正常に機能しているところもあるようでなによりです。
小鳥が丘団地の状況は、良い方向へ進んでいるのでしょうか?
2010/4/25(日) 午後 5:07 [ ansund59 ]
小鳥が丘団地土壌汚染裁判は2010年4月から新しい裁判官での審議が始まりました。
新しい裁判長の審議の進め方は、原告・被告の主張・証拠の法的構成を純粋に吟味し、具体的解決の方向も示しながら、この裁判官で決着を図ろうとする意向が感じられました。
前の裁判官は、転任が明らかになった後は、前に進みませんでした。
転勤による裁判官交代前後の時期は、引継ぎ等ある程度時間がかかる事は仕方がなく、裁判は引き続き良い方向に進んでいると思っています。
しかし、土壌汚染問題には制度上に問題があり、単に裁判に勝利すればそれで終了、という事に成ら無いのが、土壌汚染裁判による原告側住民の難しいところです。
裁判が軌道に乗って動き出したら、またブログで公開します。
2010/4/25(日) 午後 11:40 [ 小鳥が丘団地救済協議会 ]