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マイホーム土壌汚染被害民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
l (2010年(H22)7月7日、第一次訴訟(3世帯)、第20回口頭弁論準備手続き(進行協議)。)
小鳥が丘土壌汚染第20回裁判!(4)
【第一審】
原告;(小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
被告;(両備ホールディングス株式会社)
2010年7月7日(水)13時15分から岡山地方裁判所( 353号ラウンドテーブル法廷 )で第一次訴訟(3世帯)第20回口頭弁論準備手続きが行われました。
前回(第19回)裁判で、裁判官から原告(住民)主張を再度するようにとの要請を受けて提出した、2010年7月5日付け第一次訴訟(3世帯)原告(住民)準備書面の続きです。
第4,被告会社の故意・過失について
1,被告会社は、本件土地を新たに開発する住宅用団地として第2で述べた経過で取得し、宅地造成し、原告らに販売、販売仲介を行った。
2,本来、本件のように汚染の激しい土地を住宅用地として宅地造成をすべきでなかった。宅地造成地としては不適格な土地であった。
第2で記載したとおり、被告会社は汚泥や残された産業廃棄物を撤去しなければならない当事者としての立場に立たされていて、土地取得の長い間の交渉の経過においても旭油化の操業によって地中深くまで土壌が油分を多く含む汚泥などで汚染されている実情は認識していた。
見えない汚染物質が後に出てきたという場合と本件は基本的に異なる。何度も行政から指導を受けても是正せず、廃棄物の処理に関して書類送検されるような犯罪企業から、激しい汚染を残したままにした土地を取得したのであるから、その土地の造成にあたっては、住宅地として少なくとも数十年単位で安全が保てるのか否か十分に検討しなければならない注意義務が被告会社にあった。
本件のように健康に影響を及ぼす危険物質を含む激しい土壌汚染のある土地を、一生を過ごすことになる住宅地として造成すれば、本件のようにその汚染物質が宅地造成された土壌全般に及び、分譲を受けた原告ら造成地上に居住する住民に健康被害が発生することがありうることは容易に予見しえた。
旭油化の操業実績からその残留放置されていた汚泥などの汚染物質に健康を害する成分が含まれていたことは、十二分にわかっていたし、知りうべき事項であった。
しかし、被告会社はあえて昭和62年、昭和63年ごろに宅地造成工事を行い、平成元年頃から分譲を行ってきた。なお、原告○○は平成2年8月30日、同○○は平成5年1月30日、同○○は平成2年6月29日に住宅不適格地を環境に恵まれた優良住宅地として説明を受け購入している。
3,汚染の激しく健康に被害を及ぼす危険のある住宅地として不適格な本件土地を、あえて自ら取得して住宅建築のために宅地造成するのであれば、油泥など汚染物質を完全に取り除いて健康に危険な汚染物質が土壌の表層にでてくることを防ぐに十分な対策をする必要があった。
しかし、その後の被告側の調査でも明らかになったように被告会社でさえ旭油化に対して撤去をもとめていたはずの「廃白土」「油脂付着物」が表層土の中からも発見されるなど、現実は表面にいくらかの客土をしただけと思われるずさんな造成工事となっている。
汚染土壌を完全に除去しないで放置したままのこのような不完全な造成工事では、やがて油分など汚染物質が土壌全般に広がり、本件原告らにおきているような健康被害をもたらす結果の発生は容易に予見できたにもかかわらず、汚染土壌の一部だけを搬出し、石灰などを散布していた程度の対策しか講じていなかった。
被告会社には、汚染された土壌を住宅用地として分譲するのであるから、汚染物質を完全に除去するなど十分に安全な対策を講じる注意義務があったにも関わらず、これを怠り、汚染された土壌を残置したまま安易な方法により造成工事をしたため、本件の被害が表面化し、拡大することとなった。
たとえ、本件土地が住宅地として造成不適格地ではなかっとしても、住宅地として安全に暮らせる汚染のない宅地に造成しなければならない注意義務があったにも関わらず、現実は安全対策について不完全なままの工事をしただけで分譲し、本件土地を取得した原告らに多大なる財産的、精神的損害を与えた。
4,損失の拡大と被告の責任
ア、被告が旭油化の汚染の実態をつぶさに認識していて、自らあえて取得して造成した本件の場合において、それを安全な住宅地として原告らに販売する以上は、原告○○、同○○に対しては売り主として、原告○○に対しては仲介業者として被告会社に販売の際に本件各住宅地の履歴を説明すべき信義則上の注意義務があった。
その汚染の実態と被告が取得し販売に至った経緯は、本件土地に関する重要事項であり、あえて原告○○に対して説明したように「石鹸のにおいがしばらくするかもしれない」などとむしろきれいな物件であるかのごとく誤認させるような説明をしたりして販売する行為は虚偽の事実を述べ、あるいは事実を隠蔽して販売したことに該当し、不法行為を構成する。
本件販売した住宅地が、やがては土壌汚染が全般にひろがり、健康被害を及ぼすことになる結果の発生は予見可能であった。この説明が適格に販売時に原告らになされていれば、本件物件を購入することなく、本件被害にあうこともなかった。仮に購入していたとしても、その後の異臭などの事件に関して、その原因を容易に知ることができて適切に対応ができ、健康被害も未然に防ぐことができた。
イ、本件住宅地は、客観的には、いつ汚染の広がりが現実のものとなるかもしれない危険にさらされていた。
そして、その汚染の実態を被告会社は知っていたにも関わらず、その事実を原告らに知らせないで販売したのであれば、その住宅地の経過を慎重に見守り、汚染の有無、汚染の広がり、健康被害の発生などの調査を実施するなどして住民の安全を確保しなければならない信義則上の注意義務があった。
造成後において、本件住宅地周辺において油臭や悪臭がいつまでたっても消えない状況が続いていたのであるから、早期にその原因を調査し、汚染土壌の入れ替えなどの対策工事を実施していれば、本件のように広範な汚染を防ぎ、原告らの健康被害などの発生を事前に対策をとって防ぐことができた。
今回の汚染の事実が判明すれば、直ちにその責任を認めて、原告らの本件被害申告に対応して損害が拡大しないように対策を講じなければならなかったにも関わらず、被告は第三者的な対応に終始し、原告らは本件訴訟手続きによってしか損害賠償請求手続きをとるしか術がなかった。
結
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2010年8月8日
小鳥が丘土壌汚染第20回裁判!その5(再)
次回に続く
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後7年以上経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
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