小鳥が丘団地救済協議会(土壌・地下水汚染公害被害)

岡山市・小鳥が丘団地の土壌・地下水汚染公害の解決に努力する住民達のブログです

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l  2011年(H23)5月31日、「小鳥が丘団地土壌汚染」損害賠償請求事件・第一次訴訟(3世帯)・第一審「判決書」。(原告住民勝訴判決となる)。
 
小鳥が丘土壌汚染裁判・第一審「判決書」!(9)
 
岡山地裁5月31日「判決書」の続きです。
 
事実及び理由
(第3 当裁判所の判断)
 
3 争点(2)(不法行為該当性―汚泥等の汚染物質を取り除いて宅地造成すべきであったのに不十分な対策しかしなかったこと)について
 
被告は、本件分譲地に対し、昭和59年2月ころ、油分の多い土壌の搬出作業を依頼し、また、同月ころ、消臭工事を依頼した。
その結果、本件分譲地は、表層土に粉末状の石灰が混入され、重機で攪拌され、中和凝固され、消臭剤の噴霧等が行われた。
上記対策では、本件分譲地中に存在する悪臭の原因を取り除くことはできない。
しかしながら、前述のとおり、被告は、宅地造成時において、本件分譲地中にベンゼン、トリクロロエチレン、シアン化合物及び油分等が存在したことを認識することができたとまではいえないのであるから、販売時において、上記物質を完全に除去して販売する義務まで課せられるものではなく、上記対策を行ったことで被告の対策義務は果たされていたというべきであり、対策が不十分であるということで被告に不法行為責任が課せられることはない。
 
4 争点(3)(不法行為該当性―売主又は仲介業者として本件分譲地の履歴等を説明すべきであったのにしなかったこと)について
 
ア 一般に、宅地建物取引業者には、土地建物の購入者等の利益の保護のために、取引の関係者に対し信義誠実を旨として業務を行う責務を負っているものであり、土地建物の販売や請負、売買の仲介をするに際して、信義則上、買主又は注文者が契約を締結するかどうかを決定付けるような重要な事項で知り得た事実については、これを買主や注文者に説明し、告知する義務を負い、この義務に違反して当該事実を告知せず、又は不実のことを告げたような場合には、これによって損害を受けた買主や注文者に対して、不法行為に基づく損害賠償の責めに任ずるものと解するのが相当である。
 
そして、一般的に、消費者は、健康で快適な生活を求めて住宅という高額な買い物をするのであり、住宅においては、実際に健康を害しないということのみならず、快適な生活を送る環境が整えられていることが期待されている。
 
加えて、本件分譲地については、従前、旭油化がその利用をしていたところ、同社は、悪臭や水質汚濁等で、再三、行政指導を受けていたがそれに従う対策を講じない会社であり、上記問題を解決するため被告が本件分譲地を購入するに至ったという事情がある。
また、本件分譲地が旭油化から被告に引き渡された際、同地には悪臭が残存しており、同地の表面には灰色がかった土が存在していたし、第2期の宅地造成後に建物を建設する際には、本件分譲地から部分的に乾いた黒色がかった土が出てきたこともあり、臭いもしていた。
上記のように、本件分譲地は、従前、旭油化という環境問題により再三の行政指導を受けていた会社により使用されており、被告は、そのような会社から、悪臭が残存し、通常の土地と異なる部分が認められる同地を購入した。
これらの事実に加え、被告自ら上記各事情を有する土地の宅地造成を行ったこと、被告が、宅地の販売や仲介を業とする株式会社であることに鑑みると、被告は、他の者よりも本件分譲地の安全性、快適性に疑問を抱きうる立場にあったということができる。
以上を総合すれば、本件分譲地の一部を販売又は仲介したり、同地上の建物の建設を請け負ったり、建物売買の仲介をしたりするに際し、被告には、本件分譲地の安全性、快適性に関する情報を購入者及び注文者に説明すべき義務があったというべきである。
 
イ そこで、原告ら及びCXに説明すべき義務の具体的な内容について、以下検討することとする。
 
(ア)被告が、原告GA、CXらとの間で、本件分譲地の一部及び同地上の建物について本件GA契約及び本件CC契約を締結した際、また、本件分譲地の一部と同地上の建物に関する本件GB契約の仲介をした際、被告は、自身が本件分譲地を購入する以前、同地においては、廃白土を原料として石けんやペンキの元となる油を生成していた旭油化が工場を操業しており、同工場の操業が原因で生じる悪臭や水質汚濁等が問題視されていたこと、同地の近隣を団地として宅地造成し販売していた被告には、同団地の住民から苦情が寄せられていたこと、岡山県や岡山市の公害課が同社に対し、再三にわたり行政指導を繰り返していたが、それに従う対策は講じられなかったこと、上記問題を解決するため、被告が本件分譲地を購入するに至ったこと、本件分譲地が被告に引き渡された際、同地には悪臭が残存しており、同地の表面には灰色がかった土が存在していたし、第2期の宅地造成後に建物を建設する際には、本件分譲地から部分的に乾いた黒色がかった土が出てきたことがあり、臭いも残存していたこと等について認識していたということができる。
そして、上記各事情は、本件分譲地において、従来悪臭が問題視されていたこと、宅地造成後も通常の分譲地とは異なる状況が生じていることを窺わせるものであるから、住宅の安全性、快適性に疑問を生じさせる情報である。
 
(イ)また、前述のとおり、被告は、本件GA契約、本件CC契約を締結した際及び本件GB契約の仲介をした際、本件分譲地中に廃白土、ベンゼン、トリクロロエチレン及び油分が存在する可能性があるとの疑いを抱き得た。
そして、現在、上記物質が一定量を超えて存在する場合には、人の健康をおびやかし得ることや、臭い等により不快感、違和感を生じさせ生活に支障があることについて指摘されている。
当時においても、上記物質が土壌に含まれていることに関する規制は存在しなかったものの、廃白土、ベンゼン、トリクロロエチレンに関する規制自体は存在していたし、油臭による不快感、違和感が生活に支障を生じさせうることについても一般的に認識されていたと考えられるから、地中に一定量を超えて上記物質が存在した場合には、同地の居住者の安全が害され得ることについて、当時、一般的に認識されていたということができる(認定事実(7)、(8)、弁論の全趣旨)。
また、上記物質が地中に存在する場所に居住することは、当時においても、一般的に不快を感じ得る事情であったと推認される。
 
(ウ)そうであるとすれば、被告としては、安全性、快適性に関するより詳細な情報を収集すべく調査をした上で、その調査内容を説明するか、このような調査をしない場合には、少なくとも、認識していた上記(ア)の各事情の外、同地中に廃白土、ベンゼン、トリクロロエチレン及び油分が存在する可能性があり、これらは、居住者の安全を害し得るものであり、また、生活に不快感・違和感を生じさせ得るものであることについて説明すべき義務があったというべきである。
 
ウ 以上のとおりであるから、被告は、本件GA契約、本件CC契約を締結した際、また、本件GB契約を仲介した際、少なくとも、自身が認識していた上記各事情や、疑いを抱いていた上記各事情について、同人らに説明すべき義務があったと認められる。
しかしながら、被告が上記説明を行っていたとは認められないから(認定事実(2)、弁論の全趣旨)、被告には上記義務違反があり、同義務違反は不法行為を構成するものである。
 
5 争点(4)(不法行為該当性―汚染の実態を認識しながら本件分譲地を販売したのであるから、汚染の発覚後、居住者の安全を確保すべきであったのに怠ったこと)について
 
すでに認定した事実によれば、売主、請負人、売買の仲介者である被告に対しては、前記の時点での説明義務を認めれば足り、後に上記物質の存在が発覚したからといって、契約を締結し、契約に基づく義務を履行した後にまで、契約の相手方の安全に配慮する義務等を負わせる事情はないというべきである。他に、同義務の存在を認めるに足りる証拠はない。
よって、物質の発覚後、被告に居住者の安全を確保すべき法的義務が生じるとまではいえず、これを怠ったことで被告に不法行為責任が生じることはない。
 
 
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2011年6月27日
小鳥が丘土壌汚染裁判・第一審「判決書」その10
 
【第一審】
原告;(小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
被告;(両備ホールディングス株式会社
 
「小鳥が丘団地救済協議会」が母体の第1次訴訟(3世帯)被害住民が民事提訴した土壌汚染裁判は、2011年5月31日に「判決言い渡し」があり、岡山地裁は被告(両備)の不法行為を一部認め、原告(住民)勝訴となりました。
 
土壌汚染に関する裁判は多くありますが、大半は土地売買をめぐる企業同士や企業と行政間のものが多く、知るかぎりでは、土壌汚染事件裁判で「全国初」の被害住民勝訴判決。
 
マイホーム土壌汚染被害民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
 
次回に続く
 
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
 
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!

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