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宅地分譲後、長期間経過した個人住民のマイホームから深刻な土壌汚染が表面化し、宅地を造成・販売した業者(両備)を相手に損害賠償請求をしている事件で、2011年5月31日に岡山地方裁判所で住民勝訴の判決があった。
【第一審】
原告;(岡山市「小鳥が丘団地」第一次訴訟3世帯住民)
被告;(両備ホールディングス株式会社)
土壌汚染に関する裁判は多くありますが、大半は土地売買をめぐる企業同士や企業と行政間のものが多く、知るかぎりでは、土壌汚染裁判で「全国初」の被害住民勝訴判決です。
判決後しばらく経ち、判決内容が公開されてきているようです。
この判決の解説記事を、転載します。
赤津法律事務所のブログ
2011.09.09
土壌汚染の判例 2題
東京地裁で今年1月20日、土壌汚染対策法を前提とした売主の瑕疵担保責任(民法570条)を認める判決がありました。(判例時報2111号48頁に掲載されています。)
また、今年5月31日には、岡山県の小鳥が丘団地の土壌汚染問題について、岡山地裁は、売主・仲介業者の説明義務違反による損害賠償責任を認めました。(まだ、公刊されていないようです。)
中略
小鳥が丘団地の事件は、損害賠償を請求した法的理由が債務不履行責任(いわゆる契約違反です)で、瑕疵担保責任ではありません。瑕疵担保責任と債務不履行責任は、法律要件が異なり、それぞれ使いやすさ使いにくさがあります。
岡山地裁の判決は、被告が宅地分譲するにあたり、「地中に廃白土、汚泥、ひいてはベンゼン、トリクロロエチレン及び油分が存在する可能性があるとの疑いを抱きうるとまではいえようが」としながら、実際に地中にこれら物質が「含まれていたことについて認識することができたということはできない」としました。
これに基づき、原告らが主張する、宅地造成すべきでなかったのに造成して販売したという過失や違法性、汚染物質を取り除いて宅地造成すべきであったのに不十分な対策しかしなかったことの過失や違法性、は認めず、売主または仲介業者として本件分譲地の履歴等を説明すべきであったのにしなかったという説明義務違反を認め、土地建物購入代金の半額を損害と認めて損害賠償請求を認容しました。
但し、頭痛や湿疹などの健康被害については、専門委員会意見を理由に因果関係を否定し、認めませんでした。
土壌汚染対策法が平成15年に施行され、一昨年の改正を経て、すでに8年が経過しました。
ようやく、土壌汚染対策法を前提とする土壌汚染判例が蓄積されるようになってきました。
私も最近は、日頃の法律相談や自治体の審議会などでも、土地に関する事案であれば、土壌汚染を思考の射程に入れるようにしています。
以上
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
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