小鳥が丘団地救済協議会(土壌・地下水汚染公害被害)

岡山市・小鳥が丘団地の土壌・地下水汚染公害の解決に努力する住民達のブログです

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l  2011年(H23)11月8日、「控訴審」の第2回口頭弁論実施
 
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その7
 
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面、の続きです。
 
(第2 本件土地の取得及び分譲の経緯)
(7 控訴人による追加土壌改良工事)
 
(2)ドラム缶の処理
 
東山工務店が上記土壌改良工事を進めたところ、本件土地の地中にドラム缶が埋まっていることが分かったので、控訴人と東山工務店は協議の上で、ドラム缶115トンを場外にトラックで搬出して処理した(乙第66号証)。
丈量図(乙第67号証)の手書きは、両備社員が東山工務店との協議の中で書き込んだものであるが、ドラム缶らしきものを埋め込んだ場所と手書きされているのも、ドラム缶があることが後から分かったため、そのとき書き込んだものである。
 
工事を進める中でドラム缶があることが分かり、追加で搬出したので、出来高調書にはドラム缶搬出の記載がないが、東山工務店は別途請求書によりドラム缶搬出による工事代金322万円を請求している(乙第66号証)。
東山工務店が工事もしていないのに、「請求書」を控訴人に送付してくることは業界慣行としてあり得ず、真にドラム缶搬出を行ったことは明らかである。
 
(3)ユーコーデルセンの噴霧
 
控訴人は、ケミコによる土壌改良作業中の悪臭を消すために、有恒薬品株式会社製のユーコーデルセンという業務用の防臭剤を噴霧した(乙第68号証)(「ユーコーデルセン」の「ユーコー」の由来となっている有恒薬品株式会社は住化エンビロサイエンス株式会社に経営統合され、同社のHPでは社名を変更した「デルセン®『ES』」として取り扱われているが、同社のHPでは、同製品は悪臭物質を科学反応により消臭するところに特徴があり、速効性、持続性を有する商品として紹介されており(乙第69号証)、同社に電話照会したところ、ユーコーデルセンとは成分等を含め全く同じ商品であるとのことである。)。
 
防臭剤噴霧も、追加の作業であるため264万円の請求書形式になっているが、工事をしないまま「請求書」を控訴人に送付してくることは、業界慣行として考えにくく、真に②防臭剤噴霧を行ったことは明らかである。
 
控訴人は、昭和60年5月15日に621万円の工事代金を東山工務店に支払っている(乙第65号証)。同時期に(2)(3)の工事代金合計586万円と金額が近似していることから、621万円はこれらの工事代金として支払われた可能性も十分に考えられる。
 
(4)土壌改良工事後の待機と盛土・造成工事
 
以上の土壌改良工事の後の本件土地は茶色の土で、以前とは比べものにはならないほど臭いも消えていたが、臭いが完全には消えていなかったので、控訴人は本件土地から臭いが空気中に飛散して消えるのを待つことにした。
 
その後、約2年を経過させたところ、本件土地から臭いはほとんどしなくなったことから、控訴人は本件土地を分譲地として販売するため、造成工事を行うこととし、昭和61年12月1日に開発行為の許可を岡山県に申請し、昭和62年2月23日、岡山県から開発許可を取得した(乙第70号証の1)。
この際、岡山県からは、特に開発許可に関し、条件を付けられていないし、臭いについての注意喚起を促されたことはなかった(乙第70号証の1、乙第70号証の2)。
 
給水施設に関しては、岡山市からの指導により水道管の本管は鉄管を使用し、本管からの引込管は鉛管を使用しているが、控訴人が給水施設に関する岡山市との協議を依頼していた有限会社邦洋設備所(以下「邦洋設備所」という。)や給水施設も含めた本件土地の開発全体に関する岡山県・岡山市への開発許可申請に必要な書類の作成・提出等を依頼していた株式会社山崎測量事務所(以下「山崎測量」という。)からは特に給水施設に関する注意喚起を受けたことはなかった。
 
控訴人は許可を取得した後、造成工事に着手し、分譲地としての造成に必要な側溝等の工事をした上で、真砂土で約0.5メートル盛土を行った。
 
造成に際して、北側土地に、駐車場として使用するための空間を掘り抜く等したが(乙第71号証)、周りの土とは違う色の土が出てきたということはなく、悪臭が強くなったこともなく、ましてや黒い汚泥や汚水が出てきたといったことはなかった。
当時、地面をどこまで掘っても表面に見えているような灰色っぽい色の土が出てきただけであった(乙第25号証4頁)。
 
造成工事後、控訴人は、有限会社岡山造園と岡山県工業技術センターにPH試験を実施させ、PHが6.8〜7.7の中性の正常値であったことから(乙第72号証)、本件土地の分譲を開始した。
 
その後、昭和63年、平成2年に控訴人は順次本件土地の開発許可を取得して、第2期、第3期の分譲を行った。
その際、本件土地は現在の本件土地の地中の土のように、強い異臭を放つようなものではなかったため、特に気に留めることなく、そのまま分譲しており、住民からも造成時に異臭による苦情を受けたことはなかった。
 
8 現在の土壌汚染との関係
 
このように、控訴人は、本件土地の悪臭を消す目的で、土壌改良工事や防臭工事を行い、造成工事において約0.5メートルの真砂土による盛土をした上で、本件土地の分譲を行ったものである。
 
本件土地からは、黒い土が出てきて、異臭がする地点もあるとのことであるが、少なくとも本件分譲当時は土を少し掘っただけで黒い土や異臭がする状況ではなかった。
造成工事後、実際に、分譲工事が行われ、その際には特段の苦情のなかったことがその証左である。
なお、原判決では、平成2年の造成時(原判決では第2期とされているが、正確には第3期のことであると思われる。)に、部分的に乾いた黒い土が出てきたことがあり、臭いも残存していたとの判断があるが、平成2年の造成工事当時に見つかった黒い土は、現在の黒い土とは様態が異なっており、また異臭も現在のような強烈なものではなかった(○○氏証人調書87頁〜90頁、乙第27号証2頁以下)。
 
次回に続く
 
 
ブログコメント!
 
控訴人(両備)の第1準備書面 上記(2)ドラム缶の処理 について反論。
 
これらの事実経過は、改めて控訴人らは本件土壌汚染の実態について詳しく知りうべき状況にあり、汚染の経過と激しい土壌汚染の実態を知っていたことを確信させるものである。
 
工事の途中で、埋もれているドラム缶に気づいたり、途中で一部の汚染土壌の搬出をしたり(乙57号証)、計画的な土壌汚染対策がなされていなかったのは明白である。
 
控訴人(両備)の主張によって、ずさんな造成工事、土壌汚染対策の実態がより明らかとなっている。
 
造成工事中にはたくさんのドラム缶が埋め立てられていた事実が判明して、搬出をしている。その際の廃油処理は115トンにも及んでいる(乙66号証)。
 
さらに、油分を含んだ土1450トンを産業廃棄物として搬出したとの説明もある(乙57号証)。
 
これらの記述だけですさまじい汚染があったことが推測されるが、控訴人(両備)は、土壌汚染は認識可能性がなかったと強弁している。
 
2011/12/16() 午後 8:48 [ 小鳥が丘団地救済協議会 ]
 
 
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2011年11月24日
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その7
 
【第二審】
控訴人・附帯被控訴人・被告  ; 両備ホールディングス株式会社
附帯控訴人・被控訴人・原告  ; (小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
 
2011年(H23)11月8日に行われた、第一次訴訟(3世帯)・第2回「控訴審」に提出された準備書面を掲載しています。
 
マイホーム土壌汚染被害・民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯被害住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
 
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
 
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われ、判決言い渡しは2012年6月28日に行われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
2011年(H23)11月8日に行われた、第一次訴訟(3世帯)・第2回「控訴審」に提出された準備書面を掲載しています。
今回の準備書面内訳
[1]平成23年10月24日付け、附帯被控訴人(両備)より答弁書。
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面。
[3]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より証拠説明書(2)。
[4]平成23年10月31日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
[5]平成23年11月 4日付け、控訴人(両備)より第2準備書面。
[6]平成23年11月 7日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
 
【第二審】
控訴人・附帯被控訴人・被告  ; 両備ホールディングス株式会社
附帯控訴人・被控訴人・原告  ; (小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
 
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その6
 
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面、の続きです。
 
(第2 本件土地の取得及び分譲の経緯)
 
7 控訴人による追加土壌改良工事
 
以上のとおり、山幸建設が工事を行った後、工事代金や売買代金を巡る紛争に発展し、山幸建設が留置権を行使し占有を継続するなどしていたため、控訴人は本件土地の土壌改良工事を保留していたが、紛争が一段落したことで、本格的に追加土壌改良工事に乗り出し、昭和59年2月頃から、土木・建築業を業務としていた株式会社東山工務店(以下「東山工務店」という。)と幾度となく工事内容を協議しつつ(乙第53号証、乙第54号証)、東山工務店の助言や提案を取り入れて造成工事の計画を練った。
 
その結果、概要、昭和59年9月から11月にかけて、控訴人は、①旭油化が操業する前の標高(旧GL)と同社撤退後の現況標高(現況GL)までをケミコ(石灰系固化材)を使って地盤を固めるとともに、消臭・脱臭を行い、②土壌改良の過程で地中に埋まっていたドラム缶は場外へ搬出し、③追加でユーコーデルセン(防臭剤)を噴霧して消臭・脱臭を行い、④土地を約2年間寝かした後、⑤2年後の昭和62年になって造成を開始することとして、場外の真砂土を約0.5メートル盛土した上で造成を行った。以下工事内容を詳述する。
 
(1)ケミコによる土壌固化・消臭
 
ケミコによる土壌固化・消臭工事は、以下に図示したものと同じ図が書かれている東山工務店作成の乙第55号証を見れば分かるが、現況GLと旧GLの間の土壌にケミコ833トンを混ぜて攪拌・消臭した上で、計画標高を11メートルとして、造成時に約0.5メートルは真砂土により盛土する工事であり、ケミコによる地盤改良後の土は、本件土地の北側で低い部分に利用できる部分は利用したが、油が多く混じっていてケミコを使って改良しても他に流用ができない土は産業廃棄物として産業廃棄物処分場に運んでいる(なお、計画標高は工事の途中で変更になっている。)。
 
これを、例えば、「北側(低い)①」で始まる書面(乙第55号証の1)で説明すると、1034平方メートルの土地につき、(ⅰ)旭油化操業前の旧GLが8.64メートルから現況GLが9.99メートルまでの1.35メートル分をケミコを使って地盤改良し、(ⅱ)現況GL9.99メートルから10.50メートルまでの0.51メートル分を本件土地の南側でケミコを使って地盤改良した土を足土し、(ⅲ)10.50メートルから計画標高11メートルまでの0.5メートル分を盛土する計画であった。
 
また、「南側(高い)⑤」で始まる書面(乙第55号証の5)で説明すると、1237平方メートルの土地につき、(ⅰ)旭油化操業前の旧GL9.38から現況GL11.63メートルまでの2.25メートル分をケミコを使って地盤改良し、(ⅱ)10.50メートルから現況GL11.63メートルまでの1.13メートル分を除去し(そのうち一部を北側に移動させ、一部を本件土地外に搬出)、(ⅲ)10.50メートルから計画標高11メートルまでの0.50メートル分を盛土する計画であった。
 
ケミコは軟弱な土質に混合、攪拌、転圧し、その硬化反応と脱水作用を利用して土質の安定処理を行うために使用される石灰系(主成分は生石灰)の土壌固化材であるが(乙第58号証)、控訴人は、東山工務店と相談のうえ消臭効果を期待してこれを使用したものである。
現在においても、生石灰と土壌を混合させて油臭対策が行われており(乙第59号証、乙第60号証、乙第61号証)、これは有効な油臭対策である。
すなわち、生石灰からなる製剤と水を混ぜることで熱が生まれ、その熱を利用しながら撹拌することで油分を空中へ飛散させ浄化でき、浄化された土壌は埋め戻しにも使えるからである(乙第62号証、乙第63号証、乙第64号証)。
 
控訴人は概ね上記計画に沿って土壌改良工事を行ったが、これは、乙第55号証の1〜9の下側に手書きされている数値が東山工務店作成の出来高調書(乙第57号証)の出来高の数値とほぼ一致していることから裏づけられる。
すなわち、乙第56号証の表は、乙第55号証の1〜9の下側に手書きされている地盤改良土等の数値を表に纏めたものであるが、出来高調書の出来高と乙第55号証の1〜9の手書きの数値を比較検証してみると、両方とも地盤改良土の合計は14483平方メートルとなる。同様に、ケミコの量も乙第55号証の1〜9の下側に手書きされた数値の合計833トンは出来高調書と同じである。
 
なお、控訴人らは工事開始後に、本件土地の東側道路に合わせて、徐々に南側に高くなっていく本件土地の地形をある程度生かして改良工事を行うことに変更したことにより、本件土地の南側で11メートルより標高を高くしている部分があるが、南側土地を11メートルより高くして現況GLに近づけても、当初の計画から既に旧GLと現況GLとの間の土壌をすべて改良することを予定していたため、計画変更の前後で、地盤改良土量とケミコの量を変更する必要はなく、そのため、乙第55号証の1〜9の地盤改良土量とケミコの量は出来高調書の出来高と一致しているのであり、基本的な工事内容は計画どおりに行われている。
 
また、出来高調書の「産業廃棄物」1450トン(乙第57号証)は、油が多く混じっていて利用できない土を産業廃棄物処理場に搬出したものである。
 
控訴人は、上記土壌改良工事の代金として、昭和59年10月15日に1025万円、同年11月15日に2214万4800円、同年12月15日に433万7200円の合計3673万2000円を東山工務店に支払った(乙第65号証)。
なお、同金額は工事の出来高を記載した出来高調書の累計出来高3443万300円(乙第57号証)と近似していることからも、出来高調書や乙第55号証の1〜9の工事が行われたことが推測できる。
 
 
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2011年11月23日
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その6
 
 
l  2011年(H23)11月8日、「控訴審」の第2回口頭弁論実施
 
マイホーム土壌汚染被害・民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯被害住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
 
次回に続く
 
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
 
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われ、判決言い渡しは2012年6月28日に行われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
マイホーム土壌汚染被害・民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯被害住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
 
l  2011年(H23)11月8日、「控訴審」の第2回口頭弁論実施
 
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その5
 
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面、の続きです。
 
第2 本件土地の取得及び分譲の経緯
 
控訴人は、昭和57年に旭油化から本件土地を取得した後、昭和59年に土壌改良工事を行い、昭和62年に造成工事を行って分譲販売を開始している。
 
これまで控訴人は昭和57年から昭和62年当時の資料が見当らなかったため、具体的に上記事実の詳細を主張することができなかったが、平成23年4月の不動産部門の事務所移転に伴い再度控訴人が自社の倉庫を捜索したところ、当時の資料が見つかったので、資料に基づき、昭和59年や昭和62年において、控訴人が本件土地において行った土壌改良工事及び造成工事の内容を明らかにする。
 
1 岡山県・岡山市からの土地取得要請
 
昭和57年より以前から、旭油化は操業過程で工場から悪臭を発生させ、同工場の北隣の「小鳥の森団地」等の住民の生活環境を悪化させていた。
 
控訴人は岡山県や岡山市から、本件土地を分譲用宅地として控訴人が購入して旭油化を退去させることで悪臭をなくすことができないか相談を持ちかけられたことを契機に、岡山県県庁環境調整課から測量図の送付を受けるなどして本件土地の購入検討を開始し、最終的に次項の即決和解のとおり、本件土地を購入した(甲第1号証の2、乙第46号証)。
 
これは、行政も、当時、本件土地が宅地に利用することができると考えていたことの現れであり、本件土地を宅地分譲することが当時の知見からして何ら不適当ではないことを示唆している。
 
2 旭油化との即決和解
 
控訴人は、付近一帯から悪臭をなくす目的で、昭和57年7月27日、旭油化との間で、本件土地上のすべての建物及び地下工作物を収去し、本件土地上のコンクリート、廃白土及び、アスファルト部分を除去し、本件土地上の油脂付着物を除去する条件付きで即決和解し、本件土地を取得した(甲第3号証)。
 
3 旭油化による廃白土及び油脂付着物撤去工事
 
旭油化は即決和解の上記条件の履行を山幸建設株式会社(以下「山幸建設」という。)に依頼した。
同社は、1483万2700円の工事代金で、工事を請け負い、昭和57年8月2日から同年12月20日の4ヵ月以上の期間をかけて、本件土地上に存在する油カス、ドラム缶等の廃棄物処理工事等を行った(以上、乙第51号証、乙第52号証の口頭弁論調書(和解)別紙「請求の原因」(6枚目)御参照)。
 
なお、旭油化は山幸建設に請負工事代金1483万2700円のうち、185万円しか支払わなかったため、後に山幸建設との間で紛争が発生した。
 
4 岡山県による現地確認
 
公害苦情処理事例集によれば、昭和57年8月20日に旭油化の工場で場内汚でいの撤去作業が始まり、同年10月9日、岡山県に場内汚でいの撤去報告書が提出されている。
また、同月下旬に原料ドラム缶の搬出及び建築物、製造設備の解体が始まり、翌年1月10日に岡山県が撤去確認調査を実施し、撤去完了を確認している。
 
以上の記載は、上記の山幸建設が廃棄物処理工事を行った時期とほぼ一致しており、山幸建設が行った工事のことを指していることが明らかであるが、当該工事について、岡山県は、撤去完了を現地で確認し、工事に対する異議を特段述べていない。
堆積汚泥を含む産業廃棄物の撤去が監督官庁の満足のいく程度に行われたことは、この確認により明らかである。
 
5 控訴人による撤去工事の確認と代金支払いの留保
 
控訴人は本件土地の残代金の支払いに際して、上記即決和解第6項の条件が履行されているか現地を確認したところ、本件土地上にまだ臭いが少し残っており、油脂付着物等の除去が必要であると感じられた。
そこで、その旨旭油化に通知した上で(乙第47号証)、本件土地の引受けを拒絶したことで、旭油化との紛争に発展した。
 
そのうえで、控訴人は自ら自主的に追加工事を行うことを視野に、株式会社ナップ工業に、本件土地の簡易調査を実施させ、和解条項第6項の義務を果たすのに必要な費用(土砂処分代等)合計3135万円を、債務不履行による損害賠償金として、売買残代金から差し引くと旭油化に対して主張したが(乙第52号証の口頭弁論調書(和解)別紙「請求の原因」(5枚目)御参照、乙第48号証)、折り合いがつかず、追加工事費用相当額の3000万円を旭油化の代理人の山根剛弁護士(以下「山根弁護士」という。)に預託し、同額を差し引いた売買代金1億2146万円を控訴人が旭油化に支払うことで暫定的に合意した(乙第49号証)。
 
6 控訴人による山根弁護士に対する3000万円の返還請求その他の紛争
 
上記合意の後、控訴人は旭油化との間で話し合いを重ねたが、旭油化が破産したことも一因となり話し合いによる解決ができず、控訴人は山根弁護士から3000万円の預託金の返還も受けられない状態が続いたため、山根弁護士に対する3000万円の返還請求訴訟を提起した(乙第52号証)。
 
他方で、山幸建設は、旭油化から請負工事代金1298万2700円の支払いを受けていなかったことから、昭和59年2月4日、請負工事代金債権を請求債権として、控訴人の山根弁護士に対する預託金返還請求権を仮差押えし、(乙第50号証)、さらに、同月5日、控訴人に対し、本件土地の占有を継続して留置権を行使した(乙第51号証)。
また、山幸建設は、昭和58年9月、岡山地方裁判所に対し、旭油化代表者を被告として、請負代金残金の支払を求める訴訟を提起した(乙第52号証)。
 
かくして、最終的に、控訴人、旭油化、山根弁護士、山幸建設の4者が複雑に絡み合う裁判にまで発展したが、昭和58年12月16日、山根弁護士から控訴人に対し1600万円、山幸建設に対し1000万円、旭油化破産管財人に対し350万円、旭油化代表者に対し50万円をそれぞれ支払うこと、山幸建設は、本件土地に有する留置権を放棄することで和解が成立した(乙第52号証)。
 
 
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2011年11月22日
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その5
 
【第二審】
控訴人・附帯被控訴人・被告  ; 両備ホールディングス株式会社
附帯控訴人・被控訴人・原告  ; (小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
 
2011年(H23)11月8日に行われた、第一次訴訟(3世帯)・第2回「控訴審」に提出された準備書面を掲載しています。
今回の準備書面内訳
[1]平成23年10月24日付け、附帯被控訴人(両備)より答弁書。
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面。
[3]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より証拠説明書(2)。
[4]平成23年10月31日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
[5]平成23年11月 4日付け、控訴人(両備)より第2準備書面。
[6]平成23年11月 7日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
 
次回に続く
 
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
 
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われ、判決言い渡しは2012年6月28日に行われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
2011年(H23)11月8日に行われた、第一次訴訟(3世帯)・第2回「控訴審」に提出された準備書面を掲載しています。
今回の準備書面内訳
[1]平成23年10月24日付け、附帯被控訴人(両備)より答弁書。
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面。
[3]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より証拠説明書(2)。
[4]平成23年10月31日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
[5]平成23年11月 4日付け、控訴人(両備)より第2準備書面。
[6]平成23年11月 7日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
 
【第二審】
控訴人・附帯被控訴人・被告  ; 両備ホールディングス株式会社
附帯控訴人・被控訴人・原告  ; (小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
 
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その4
 
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面、の続きです。
 
(第1 旭油化の操業内容と控訴人の認識)
 
2 旭油化の操業上の問題点からの、ベンゼン、トリクロロエチレン等の特定有害物質の存在に対する認識可能性
 
旭油化は、その操業にあたって様々な問題を引き起こしていた。
公害苦情処理事例集の記載からすれば、①汚でいを場内に堆積させていたこと、②廃棄物処理法、水質汚濁防止法等の規制の不遵守、③悪臭を振りまいて周辺住民から苦情が寄せられていたことが明らかになっている。
公害苦情処理事例集は、当時の規制当局が調査した結果を記したもので、当然、ここまで詳しい内容が一般的に知られていたものではない。
しかし、控訴人としても、小鳥の森の住民から悪臭がひどいとの苦情を受けていたのであるから旭油化が悪臭を生じさせていること、土地取得に際し場内に汚でい等を堆積させていたことは認識しており、また、当時の新聞記事等からすれば、旭油化が法遵守の意識の薄い問題のある企業であることは認識し、また認識可能であったということができるが、だからといって、ベンゼンやトリクロロエチレン等の特定有害物質が本件土地に含まれていたと控訴人が認識することはできなかった。
 
(1)堆積汚でいについて
 
場内汚でいについていえば、公害苦情処理事例集の記載によると、昭和48年5月30日に、旭油化は、廃棄物処理法12条4項にもとづき、「②工場敷地の周辺に流出している産業廃棄物を直ちに回収し、環境を整備すること」等の措置命令を受けている。
 
また、昭和56年7月23日には、岡山県から場内堆積汚でい及び場内清掃に係る計画書の提示が指示され、昭和57年2月6日にも同じく堆積汚でいの撤去が指示され、その後、昭和58年1月10日に撤去完了が確認されているものの、旭油化がその操業にあたって、場内に何らかの汚でい等を堆積させていたことは明らかである。
 
堆積させていた汚泥の詳細については、市議会での発言(乙第45号証、4頁〜5頁)に、旭油化は「汚水を貯留しているタンク内の汚泥を工場南側に山積みしている残土上に放出」させていたとの記載があるものの、詳細は不明である。
 
しかし、これらの汚でい等は、昭和58年1月10日に、岡山県により撤去が確認されているところである上(乙第26号証)、上述のように、控訴人は原料である廃白土等や油滓等にベンゼンやトリクロロエチレン等が含まれていたことなど認識し得なかった以上、場内で発生する二次的廃棄物を含む汚でい等にベンゼンやトリクロロエチレン等が含まれている可能性について注意を払うべき事情もない。
 
なお、旭油化がベンゼンやトリクロロエチレン等を廃棄していた可能性について、控訴人が認識できるものではなかったことは後述のとおりである。
 
(2)廃溶剤等の廃棄の可能性
 
本件土地からベンゼンやトリクロロエチレン等の特定有害物質が検出されている原因は、その当時一般的に機械洗浄等に用いられていた廃溶剤が何らかの理由で地中に染み込んだか、あるいは旭油化が廃棄したのではないかと考えられる。
 
平成16年10月30日付けの本委員会の意見書(乙第2号証)においても既に指摘されているところであるが、昭和40〜50年代当時、ベンゼンやトリクロロエチレン等は、油汚れを落とすため機械洗浄にしばしば用いられているものであったから、旭油化の操業においても、機械の洗浄に用いられていた可能性がある。
しかし、機械洗浄に用いられていたからといって、それが地中に投棄されていることまで予見できるものではない。
旭油化による溶剤の本件土地への投棄等については、新聞記事等を見ても記載がない以上、控訴人の認識できるところではなかった。
 
また、溶剤の廃棄によって悪臭がまき散らされていたわけではないから、旭油化が悪臭をまき散らしていることと、溶剤の廃棄とは何らの関連もない。
したがって、旭油化が食用油等に用いられる植物油の残さを用いて石けん等を製造する過程で悪臭を生じさせていたとしても、機械溶剤の廃棄についてまで控訴人が認識し得たものでもなく、旭油化の操業に伴う悪臭が、溶剤等の廃棄の認識の契機となるものではない。
 
 
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2011年11月21日
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その4
 
 
l  2011年(H23)11月8日、「控訴審」の第2回口頭弁論実施
 
マイホーム土壌汚染被害・民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯被害住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
 
次回に続く
 
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
 
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われ、判決言い渡しは2012年6月28日に行われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!

ガイドライン・マニュアル等


■油汚染対策ガイドライン−鉱油類を含む土壌に起因する油臭・油膜問題への土地所有者等による対応の考え方−

■油汚染対策ガイドラインパンフレット

【全体版】 1/2 2/2

 

転載元転載元: 震災復興!東北の土地取引活性化! 日本の国土を護りましょう!

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