小鳥が丘団地救済協議会(土壌・地下水汚染公害被害)

岡山市・小鳥が丘団地の土壌・地下水汚染公害の解決に努力する住民達のブログです

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l  2011年(H23)11月8日、「控訴審」の第2回口頭弁論実施
 
次に、[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面、です。
 
 
平成23年(ネ)第218号 損害賠償請求控訴事件
平成23年(ネ)第297号 損害賠償請求附帯控訴事件
控訴人(附帯被控訴人)  両備ホールディングス株式会社
被控訴人(附帯控訴人)  藤原 康 外2名
 
控訴人第1準備書面
平成23年10月24日
広島高等裁判所岡山支部第2部 御中
 
      控訴人(附帯被控訴人)訴訟代理人弁護士         小澤英明
                                                                     菊池捷男
                                                                     渡邊典和
                                                                         (本件連絡担当)
                                                                     國友愛美
                                                                     森 智幸
                                                                     大山 亮
 
 
はじめに
控訴理由書では、原判決の判断の誤りについて主に主張したが、本書面では、控訴人(附帯被控訴人、以下「控訴人」という。)が認識していた旭油化の操業内容(第1)と旭油化撤退後の控訴人による土壌汚染浄化工事の内容(第2)を具体的に明らかにすることにより、控訴理由書32頁以下で主張した控訴人には特定有害物質の汚染等について予見可能性がなく、説明義務や調査義務を負わないこと(第3)を具体的に補充する。また、損害に関して被控訴人ら(附帯控訴人ら、以下「被控訴人ら」という。)に健康被害が生じていないこと(第4)を補充する。以下、詳述する。
 
第1 旭油化の操業内容と控訴人の認識
 
1 旭油化では、工業系の廃油ではなく、植物性油脂製造の際に発生する残さ等を原料としていたと認識されていたこと、および、控訴人は人体に影響がある特定有害物質が当該残さに含まれていると認識できなかったこと
 
旭油化で行われていた操業内容について、昭和58年3月付け公害等調整委員会事務局「公害苦情処理事例集(11)」(乙第26号証、以下「公害苦情処理事例集」という。)では、以下のように記載されている。
 
「A工業は、産業廃棄物処理業の免許を受け、県内外の植物油脂製造工場から排出される廃白土及び油滓、ダーク油等を分解釜で熱処理し、再生油の製造と石けん等の2次加工品の製造を行っている。」
 
「植物油脂製造工場から排出される廃白土、油滓、ダーク油」との記載のとおり、旭油化では、植物性の油脂製造工場から原料を仕入れており、いわゆる石油系の鉱物油は使用していなかったと考えられる。
公害苦情処理事例集が作成された昭和58年3月当時、日本農林規格(JAS規格)では、「植物油脂原油」を「え原油、あまに原油、きり原油、麻実原油、サフラワー原油、大豆原油、ひまわり原油、ニガー原油、とうもろこし原油、脱酸綿実原油、なたね原油、こめ原油、カポック原油、落花生原油、ひまし原油、つばき原油、パーム原油、パーム核原油及びやし原油」と定義づけており(乙第41号証)、「植物油脂」とは、具体的には、上記のような植物を原料とする油脂を指していると考えられる。上記のように、旭油化に対する公害等の調査が終了したと考えられる昭和58年時点で作成された公害苦情処理事例集に、あえて「植物油脂」と記載があることからみても、旭油化では、これら「植物油脂」の精製過程で生じる残さを原料として製品を製造していたことは明らかといえる。
 
一般に、植物油の精製過程は、油糧種子等に圧力等をかけて油分を搾り出す等して(圧搾)、採油する(乙第42号証)。搾り出した油には、リン脂質、遊離脂肪酸、色素等が含まれているので、これらを取り除く過程が必要となる。そこで、温湯や水蒸気等を加えてリン脂質を除去し(脱ガム)、脱ガム後、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を加えて、原油中に含まれている遊離脂肪酸、及び、脱ガム工程で完全に除去しきれなかったガム質等を除去する(脱酸)。この脱酸過程で、分離した物質を「油滓(または、ソープストック、アルカリフーツなどと呼ぶこともある)」(乙第42号証)、あるいは「ソーダ油滓」という(乙第43号証)。その後、脱酸後の油分を水洗し、活性白土等を加えて攪拌し、クロロフィル等の色素を吸着させ、ろ過をして白土を除去する(脱色)ことで植物油が精製される(乙第42号証)。この脱色の過程で使用された、使用済み活性白土が「廃白土」である。なお、「ダーク油」とは、「ソーダ油滓」を硫酸で分解したもので、褐色から黒褐色の高酸価油をいうとされる(乙第43号証)。
 
公害苦情処理事例集の記載では、旭油化が用いていた原料の具体例として、「廃白土」「油滓」「ダーク油」が挙げられているが、これらの記載は、実際の植物油の精製過程から生じる残さ等とぴったりと一致し、旭油化が植物油脂製造工場から排出される残さ等を用いて操業していたことを裏付けるものである。
当時の新聞でも、「食用油などつくる際に産業廃棄物として出る廃白土などを分解、精製して塗料の原料や燃料を生産して、販売している。」(甲第1号証の1)、「ソーダ油さいや廃白土から塗料やせっけんの原料となる脂肪酸を精製している」(甲第1号証の2)とあり、旭油化が、植物性油脂を原料として扱っていたことを示している。さらに、岡山県議会における質疑応答(乙44号証)でも、旭油化について「食用油の精製工程から出る含油汚泥や雑廃油を再生油に処理」しているとされ、旭油化は食用油の精製工程から出る残さ等を原料としていたという認識が一般的であったことを示している。すなわち、旭油化では、いわゆる工業用の石油系鉱物油等は扱っておらず、ナタネ油やダイズ油といった、食品等に用いられる植物油の製造過程において生じる、廃白土、油滓、ダーク油等を原料として持ち込んでいたと考えられ、少なくとも、県議会や行政機関、報道機関も含めて、そのように認識されていたのである。
 
すなわち、旭油化が製品の原料としていたのは、植物性油脂製造の際に排出される廃白土等と認識されていたのであって、工業系の「廃油」を原料としているとは考えられていなかった。油脂については、当時周辺への悪臭等で関心を寄せていた報道機関や法律に基づき立入り権限を有する行政機関ですら、旭油化の操業について、植物油脂系の廃油、廃白土等を原料とすると認識していたのであるから、当時は一般的にそのような認識であったし、これ以上の認識を控訴人がもちうるはずもない。また、控訴人には、立入り権限等もないのであるから、行政機関以上の情報を得る契機もなかった。
 
このように、行政機関も、一般的な認識としても、また控訴人も、旭油化では「食用油」等に用いられる「植物油」の精製過程で生じる残さ等を原料として用いているという認識であったから、ベンゼン、トリクロロエチレン、シスー1,2−ジクロロエチレンといった人体に影響するような有害物質が含まれていることなど予見できるはずがない(なお、原判決では、シアン化合物についても溶出量基準を超えて検出された等の記載があるが、これが誤りであることについては控訴理由書29頁を参照されたい。)原判決では、旭油化の工場内にあった廃白土や汚泥にベンゼンやトリクロロエチレンや油分が含まれていることは認識し得ると判断しているが(原判決23頁)、上記のように、控訴人は、旭油化は廃白土等を用いて旭油化が操業していることは認識し得たものの、当該廃白土等は「食用油」等に用いられる植物油の残さという認識しかなかった。したがって、工場内に堆積していた廃白土や汚泥に油分が付着しているとしてもその油分には食用油等が含まれているという認識であったにすぎない。したがって、食用油を製造するに際し人体に影響のある物質が大量に使われるなどとは到底思いもつかないことであるから、控訴人が工場内にあった廃白土あるいは汚泥に、これら特定有害物質が含まれているとは予想できなかったのも当然である。
 
なお、ベンゼンやトリクロロエチレン等は機械の洗浄剤に用いられていた可能性があり、現在見つかっているベンゼンやトリクロロエチレン等は旭油化が工場内の機械洗浄に用いた溶液を捨てた可能性があるが、控訴人にはこれらの溶剤の廃棄について認識可能性がなかったことについては後述のとおりである。
 
 
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2011年11月20日
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その3
 
【第二審】
控訴人・附帯被控訴人・被告  ; 両備ホールディングス株式会社
附帯控訴人・被控訴人・原告  ; (小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
 
 
次回に続く
 
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
 
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われ、判決言い渡しは2012年6月28日に行われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
l  2011年(H23)11月8日、「控訴審」の第2回口頭弁論実施
 
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その2
 
2011年(H23)11月8日に行われた、第一次訴訟(3世帯)・第2回「控訴審」に提出された準備書面を掲載します。
 
[1]平成23年10月24日付け、附帯被控訴人(両備)より答弁書、です。
 
 
平成23年(ネ)第218号 損害賠償請求控訴事件
平成23年(ネ)第297号 損害賠償請求附帯控訴事件
附帯控訴人(被控訴人)  藤原 康 外2名
附帯被控訴人(控訴人)  両備ホールディングス株式会社
 
 
答弁書
平成23年10月24日
広島高等裁判所岡山支部第2部 御中
 
      附帯被控訴人(控訴人)訴訟代理人弁護士         小澤英明
                                                                     菊池捷男
                                                                     渡邊典和
                                                                         (本件連絡担当)
                                                                      國友愛美
                                                                      森 智幸
                                                                      大山 亮
 
 
第1 附帯控訴の請求の趣旨に対する答弁
 
1 附帯控訴人らの請求をいずれも棄却する。
2 附帯控訴費用は附帯控訴人らの負担とする。
 
第2 附帯控訴の理由に対する答弁
 
1 1項の原審判決の内容は認める。
 
2 2項の損害額に関する主張は争う。
 
3 3項の損害の内容に関する主張、慰謝料請求権の発生ないし評価額は全て不知、否認ないし争う。
 
本件土地の鉛製の水道管(引込管)が油泥の中で腐食していたことは否認する。
本件土地の鉛管から健康被害が生じた事実はない。
 
その他、附帯控訴人(被控訴人)ら(以下「被控訴人ら」という。)が主張する、本件土地を取得した経緯、被控訴人らが水道水を使用することができなくなった事実、地中からのガス発生によると見られるガス漏れ警報機が鳴った事実、団地全体に揮発性の油の臭いが漂うことがあった事実、被控訴人らが地中からガスが出ていることが確認できる現象があった事実はいずれも不知である。
 
被控訴人らの主張する土壌汚染物質からの揮発性ガスの内容は必ずしも明らかではないが、それがベンゼンやトリクロロエチレンという意味であれば、被控訴人らがこれらの揮発性ガスを吸入し続けてきたことは否認する。
本件土地の地中からベンゼンやトリクロロエチレンが揮発性ガスとして地表から出てきているという証拠はなく、乙第14号証4頁によれば、地表面湧出ガス調査では「地表からのガス湧出は確認され」ていない。
 
被控訴人らが、湿疹などのアレルギー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎に悩まされていること自体、不知であるが、仮に健康被害があるとしても、土壌の油分から揮発したガスの影響であることは否認する。
 
慰謝料請求権の発生ないし評価額については争う。
 
その他、控訴人(附帯被控訴人)の反論は、控訴理由書、控訴人第1準備書面を参照されたい。
 
以上
 
 
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2011年11月19日
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その2
 
【第二審】
控訴人・附帯被控訴人・被告  ; 両備ホールディングス株式会社
附帯控訴人・被控訴人・原告  ; (小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
 
今回の準備書面内訳
[1]平成23年10月24日付け、附帯被控訴人(両備)より答弁書。
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面。
[3]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より証拠説明書(2)。
[4]平成23年10月31日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
[5]平成23年11月 4日付け、控訴人(両備)より第2準備書面。
[6]平成23年11月 7日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
 
マイホーム土壌汚染被害・民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯被害住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
 
次回に続く
 
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
 
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われ、判決言い渡しは2012年6月28日に行われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
l  2011年(H23)11月8日、第一審「判決」で原告(住民)が勝訴したあと、被告(両備)が即刻「控訴」し、原告(住民)も「附帯控訴」を提起して争われている、「控訴審」の第2回口頭弁論実施
 
マイホーム土壌汚染被害・民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯被害住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
 
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その1
 
【第二審】
控訴人・附帯被控訴人・被告  ; 両備ホールディングス株式会社
附帯控訴人・被控訴人・原告  ; (小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
 
第一審の原告(住民)勝訴判決を受けて被告(両備)が控訴し、原告(第一次3世帯住民)も附帯控訴を提起して争われている「控訴審」の第2回口頭弁論が、2011年(H23)11月8日(火)11時30分から広島高等裁判所岡山支部(岡山地方裁判所内)201号法廷で実施されました。
 
それに対して、附帯控訴人(住民)は、各反論書面を提出しています。
 
以下、双方が提出した準備書面の内訳です。
 
[1]平成23年10月24日付け、附帯被控訴人(両備)より答弁書。
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面。
[3]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より証拠説明書(2)。
[4]平成23年10月31日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
[5]平成23年11月 4日付け、控訴人(両備)より第2準備書面。
[6]平成23年11月 7日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
 
各準備書面は、後に掲載します。
 
この準備書面で、特に注目したい点は、
 
l  今まで証拠的には明確でなかった宅地造成当時の「廃油ドラム缶」の存在が、控訴人(両備)の書面で明らかになりました。(地中にドラム缶115トン)。
([平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面。第2 本件土地の取得及び分譲の経緯、7 控訴人による追加土壌改良工事、(2)ドラム缶の処理、に記載)。
 
その反論は、[4]平成23年10月31日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。で主張しています。
 
l  控訴人(両備)は、新たな調査をしているので(黒い土の分析)、分析結果がわかり次第、主張立証したい、との方針がでてきました。
([平成23年11月 4日付け、控訴人(両備)より第2準備書面。
 
この期に及んで、審理を逆行させているのではないかと思います。
 
第一審の審理中に、裁判所が土壌調査の嘱託鑑定を採用し、「原告住民だけでなく被告両備も費用負担し一緒に加わったらどうか」と勧告があっても、被告(両備)は、「土壌調査などするつもりはない」と拒否しておきながら、この時期いまさら調査して分析結果の主張をしたいとは勝手すぎると思います。
 
その反論は、[6]平成23年11月 7日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。で主張しています。
 
しかし、口頭弁論で裁判長は、「1か月程度で出せるのであれば、もう1回弁論期日を持つ」との訴訟指揮でした。
裁判では、「後出しじゃんけん」有り、なのかと釈然としない思いです。
でも、裁判長は次回期日での結審の予定であることを明確にしました。
 
口頭弁論は、控訴人席に両備弁護士4名が、被控訴人席に河田弁護士と住民3名の計4名が、着席し、定刻に裁判官3名が入場し、審理が始まりました。
 
簡潔に記述するために、控訴人訴訟代理人弁護士は「両備弁護士」、被控訴人ら代理人弁護士は「住民弁護士」と略します。
 
まず、裁判長が、双方から提出された準備書面名を読み上げ、「陳述しますか?」と、型どおりの発言から始まりました。
 
(両備弁護士)
現在、本件紛争の契機でもある表面近くにある「黒い土」の分析を、「応用地質株式会社」に依頼していて、あと1か月程度で結果報告書が出るので、その主張立証をさせていただきたい。
また、1審判決は損害認定額を取得額の半額としているが、なぜ、当時の取得額の半額か分からない。「いままで居住できた利益は損害から控除すべき。」との主張を補充したい。
 
(裁判長)
書面の提出はいつ?
 
(両備弁護士)
1か月以内に。
 
(住民弁護士)
控訴人(両備)の主張は、従来の繰り返しである。
控訴人(両備)が言っている「黒い土」と、水道工事で汚染が発覚した黒い土や刺激臭の液体は、同じものではない。どこの「黒い土」を調査したかも不明である。
それに、第1審で被告(両備)は、「黒い土」はどこからきたのか分からない(旭油化操業による汚染由来でない)ので調査中であると反論したが、その後、その結果について答弁はなかった。
「黒い土」を調査したからと言って、(今までの調査で明らかにされているように)土壌汚染であることに変化はない。
いまさら調査しても時期遅れであり、明らかにされるものは何もない。
 
(両備弁護士)
「応用地質」から、黒い土は「硫化鉄」との中間報告を聞いている。
それ自体は危険性がないことの主張立証をしたい
 
(裁判長)
今日で結審と考えていたが、1か月程度で出せるのであれば、もう一度だけ弁論を開きましょう。
書面は12月8日の午前中までに提出してください。
それまでに、主張したいことは全て出して下さい。
その後、和解期日をいれてみたい。
 
<次回期日を調整する>
 
(裁判長)
次回は12月20日(火)11時30分から行ない、終結とします。
 
裁判終了時刻;11時40分。
 
次回に各準備書面を掲載します。
 
 
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2011年11月18日
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その1
 
 
次回に続く
 
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
 
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われ、判決言い渡しは2012年6月28日に行われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
l  2011年(H23)10月、日本環境法律家連盟JELF機関誌・『環境と正義』の2011年10/11月合併号に、「小鳥が丘土壌汚染訴訟について」が、掲載される。
 
第一次訴訟・原告(3世帯住民)代理人として、この事件を手掛けた河田英正弁護士が、第一審判決(勝訴)までの経過を、弁護士の目を通して、法律家向けに寄稿した記事です。
この原稿を掲載します。
 
 
小鳥が丘土壌汚染訴訟について
    〜暴かれた団地の土壌汚染の実態
 
弁護士 河田 英正(岡山弁護士会)
 
1,宅地造成開発業者に不法行為責任が認められる
平成19831日に宅地開発業者両備ホールディングス株式会社を相手に、小鳥が丘団地に居住していた3人が、開発業者の不法行為による宅地の土壌汚染を原因として合計約23000万円の損害賠償請求訴訟を岡山地方裁判所に提起していた。この訴訟の判決が平成23531日になされ、原告らの住宅取得費用(宅地の購入代金、住宅の建築費用)の半額を損害と認めて合計約5000万円の請求を認める原告勝訴の判決であった。
 
2,事件の経過
小鳥が丘団地は昭和62年ごろに宅地造成・販売された。原告らは平成2年頃から5年にかけてこの団地を購入して家を建て、もしくは被告の仲介で宅地・建物を購入して小鳥が丘団地に居住していた者である。
平成16729日にこの団地に敷設されていた鉛の水道管をポリエチレン管に交換するために岡山市が路面の掘削工事を始めたところ、油分を大量に含んだ悪臭を放つ黒い油泥のなかに水道管が埋められていることが発覚した。それまでは、団地内で石油くさい油の臭いがすることを指摘する人がいたが、あまり問題とされていなかった。長年、埋められていた「土壌汚染」が水道管の交換作業で突如、露わになったのである。
造成当時、水道管に鉛管が使用されていたのは、この造成地には元廃油処理工場が操業していたので、その廃油工場から排出された油分による化学反応の危険があるために、造成にあたって当時は使用されなくなっていた鉛管の使用があえてなされていたとのことであった。
 
3,訴訟の提起
この団地には油分を含んだ土壌が広く覆っている状況が明らかとなり、悪臭は不快感で住宅地としてはふさわしくなく、廃白土、ベンゼン、トリクロロエチレンなどの成分によって健康を害する危険があり、原告らはもはやこの地に住み続けることはできないと考えるようになった。
しかし、すぐに他に移転できるほどの経済的余裕があるわけでなく、また被告は油分が揮発しにくくする路面の改良工事を住民によって行うよう提言するだけでなんら責任をとろうとしないので、本件訴訟を提起することとした。
購入してから既に20年を経過しようとする事案であり、また被告の仲介で購入した原告もいて、瑕疵担保責任を問うにはあまりにも法的障害が大きいと考え、不法行為構成をとった。これについても造成がなされて既に20年を経過しようとしている時期であり、かつ土壌汚染が発覚して、その原因が前述の水道管取り替え工事後に明らかになったときから3年の経過を目前に控えていたため、被告への責任追及について賛同の得られた3人(3家族)のみで訴訟を提起した。
 
4,開発業者の過失
原告の不法行為の過失のとらえ方は、違法操業を繰り返していた廃油処理工場の跡地など宅地造成すべきでなかった、宅地造成するのであれば、汚染の実態を十分に調査して汚染物質を完全に取り除いて造成すべきであった、少なくともこのような問題を起こしていた廃油工場の跡地を造成し、完全に汚染物質が除去された状況ではないことの認識が被告にあったのであるから、こうした事実関係については購入者にあらかじめ説明すべき事由であり、これらの説明がなされていれば原告らは決して購入することはなかったなどと過失の内容をまとめた。
これに対して被告は、臭いはやがて消える、原告の主張する汚染物質は当時、土壌に含まれていることについては規制されていなかったし、土壌汚染対策法などの立法はなく、これらの汚染物質が存在しているとしても過失を問われるべきではないという主張であった。
判決は、被告が本件分譲地中に廃白土、ベンゼン、トリクロロエチレン及び油分が存在する可能性があることを認識していて、居住者の安全性が害されることについては認識していたといえ、「被告としては、安全性、快適性に関するより詳細な情報を収集すべく調査をした上で、その調査内容を説明するか、このような調査をしない場合には、少なくとも認識していた各事情の外、同地中に廃白土、ベンゼン、トリクロロエチレン及び油分が存在する可能性があり、これらは居住者の安全性を害し得るものであり、また生活に不快感・違和感を生じさせ得るものであることについて説明すべき義務があったというべきである」としこの説明義務を果たさなかった不法行為を認めた。
 
5,原告らの損害
原告らは、他に住居を求めざるを得ない状況に追い込まれたことから、現に居住している住宅と同レベルの住宅の取得費用が損害といえるとして、本件購入金額をその損害とした。因果関係を立証することまでには至らなかったが、原告らは皮膚炎(アレルギー)、副鼻腔炎などの症状で長期にわたって病院通いをしたりしていて、悪臭などの日常的な不快感など諸事情を総括的に捉えて1ヶ月あたり10万円の慰謝料の請求を一定期間の計算で付け加えていた。判決ではいっさいの事情を考慮して損害額を本件各住宅の取得費用の半額のみを損害として認めた。
 
6,判決の意義
宅地造成地の土壌汚染に関して購入者が、宅地造成をした者に対して個人として損害賠償請求をして、これが認められた数少ない判決のひとつであると言える。油汚染が隠れたる瑕疵と評価できるか否か、瑕疵担保責任の法的構成が可能な取引か、時効は問題ないかなど法的な論点が多かった事案だけに先例もなかなかない。本件事案はこれらの問題をクリアしなければならない事案であり、不法行為構成をしたが、この点についてはこの選択でよかったと思っている。
不法行為については注意義務の構成が被告の反論で指摘するとおり困難な事案であったかもしれないが、被告が本件廃油工場跡地を取得するに至った経緯などの前提となる諸事情を裁判所が評価したうえで、被告に説明義務を認めたのではないかと思っている。
この廃油工場に隣接する場所に被告は別の団地を既に分譲していた。廃油処理工場が違法な操業を繰り返し、悪臭をふりまき、近くの水路に汚水を流していたことは当然にこの団地の住民を悩ませ、被告会社に苦情が持ち込まれていた。行政がいくら指導しても是正されないなか、被告会社がこの廃油工場の操業とめさせ、これらの土地を買収して跡地を造成することを決断した。つまり、油泥が工場敷地内のあちこちに放置され、何度も行政指導を受け続けていた違法操業のすさまじい公害企業の実態についてはあらかじめ被告に明確に認識があったことである。
その証拠に、小鳥が丘団地の水道管はポリエチレン管ではなく既に一般では使用されていなかった亜鉛管をあえて使用していたのである。宅地造成するにあたっては土壌汚染対策法がなくても、汚染の実態については十分に調査したうえで、廃白土などの産業廃棄物が確認されれば完全に除去して、油分に含まれていることが疑われた発がん物質であるトリクロロエチレン、ベンゼンあるいはシアン化合物などの含有の有無、程度の実態把握を行い、宅地として安心して生活できる状態にしなければならない義務が宅地造成の業者側にあるのは当然である。
しかし、前述のとおり、判決は造成地としての企画の段階、宅地造成についての注意義務違反については認めなかったものの、販売もしくは仲介の際の説明義務違反として認めた。直接に原告ら購入者に被告が接する機会は、購入もしくは仲介を受けたときであり、その際の説明義務違反を不法行為として捉えたのは被告の直近の行為の違法性を判断したものであって、その判断の手法には特別の誤りがあったとは言えない。
本件の事案に即して、安全性、快適性に関するより詳細な情報を収集すべく調査をした上で、その調査内容を説明すべきことをまず一義的にとらえ、これらの調査がなされていないのであれば、当時被告が認識していた懸念されるべき事情について説明すべきであるとした。判決は、開発業者の事前の調査義務を実質的に認めているのである。開発業者の開発、造成の責任を認定しているのであって、その意味で意義のある判決であると評価している。
なお、小鳥が丘団地をめぐっては、後に訴訟を提起した別のグループの事件が同じ裁判所係属している。
 
被告会社は、判決の翌日に直ちに控訴した。そして、控訴審は代理人を拡大して徹底的に争う方針とのことである。当方は、損害額の認定額が少なすぎるとして附帯控訴の予定である。控訴審の初回期日は平成23922日である。
 
以上
 
 
 
 
次回に続く
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われ、判決言い渡しは2012年6月28日に行われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
マイホーム土壌汚染被害・民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯被害住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
 
l  2011年(H23)10月、第一審「判決」で原告(住民)が勝訴したあと、被告(両備)が即刻「控訴」し、原告(住民)も「附帯控訴」を提起して「控訴審」で争われている第1次訴訟(3世帯)裁判は、次回の第2回「控訴審」が11月8日に予定されています
 
【第二審】
控訴人・附帯被控訴人・被告  ; 両備ホールディングス株式会社
附帯控訴人・被控訴人・原告  ; (小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
 
小鳥が丘土壌汚染事件は「宅地詐欺販売」か?
 
小鳥が丘土壌汚染訴訟・第2回「控訴審」は、2011年11月8日(火)11時30分から広島高等裁判所・岡山支部(岡山地方裁判所内)で行われます。
第1審での、第1次訴訟(3世帯)原告(住民)勝訴判決を受けて、被告(両備)が即刻「控訴」しました。
原告(住民)も、「附帯控訴」を提起し、引き続き争われます。
 
控訴人(両備)は、本件のような激しい土壌汚染の存在した廃油処理工場跡地に宅地造成を始めるに際に、汚染の実態を正確に把握するための調査はしていません。
これは、土壌汚染が明らかになればより厳格な浄化対策工事が必要なので、土壌汚染調査をせずに販売したのか、それとも土壌汚染であっても土をかぶせれば素人の一般消費者には分かるはずがないと思って販売したのか?
 
どちらにしても、宅地分譲会社が、このような考えで宅地を販売すれば、購入して被害を受けた一般消費者は、たまったものではありません。
 
第1回「控訴審」で、附帯控訴人(住民)は、約20年前の団地開発当時に控訴人(両備)が作成した「団地給水施設申請及び設計書」を証拠として提出しました。
 
これは、本件団地給水施設工事に関する控訴人(両備)作成の申請書です。
 
これには、「給水施設に廃油工場跡地にできた団地のため、化学製品を使用しない条件とする。」と付記されていて、申請者名欄には「両備バス株式会社」代表取締役社長印が捺印されています。
 
この水道工事や、それ以前に行われた本件団地の土壌対策工事は、控訴人(両備)が主張する「外注先に任せていたので分からなかった。」というようなことではありません。
 
担当者だけの認識ではなく、会社(両備)として、宅地開発当初から土壌の汚染状況を明確に認識していたことは明らかです。
 
このような事実がありながら、まさか「土壌汚染と分からなかった。」と、宅地開発分譲会社として能力の無さを、主張はできないでしょう。
 
少なくとも本件分譲地は、人体の悪影響を避けるため、人が長期間滞在しない他の用途に転用する配慮が必要だったのではないでしょうか。
 
高単価で販売できるため宅地に転用したのでしょうが、宅地として販売する以上は、人間が生涯にわたってそこで生活する空間であるため、より厳格な造成工事が必要です。
 
それにもかかわらず、土壌汚染調査も実施せずに宅地造成を行ったことが重大問題です。
 
控訴人(両備)は、このような土壌の汚染状況を明確に認識していながら、土壌の完全な浄化対策をしてないにもかかわらず、宅地として、買主に事情を説明せずに販売しています。
 
臭いに関しても、買主に「石けんの匂い」などと事実を隠すような説明で販売しており(第14回裁判の原告本人尋問)、また購入する際に、「ペット(犬・猫)の臭い」と説明された住民もいて、そこに「販売ありき」の意図を感じます
 
これは一般消費者に「騙して販売」したことになり、宅地の「詐欺販売」になるのではないだろうか。
 
 
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2011年10月28日
小鳥が丘土壌汚染事件は「宅地詐欺販売」か?
 
 
次回に続く
 
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
 
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われ、判決言い渡しは2012年6月28日に行われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!

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