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マイホーム土壌汚染被害民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
l (2010年(H22)8月2日、第一次訴訟(3世帯)、第21回口頭弁論準備手続き(進行協議)。)
小鳥が丘土壌汚染第21回裁判!(2)
【第一審】
原告;(小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
被告;(両備ホールディングス株式会社)
2010年8月2日(月)16時30分から岡山地方裁判所( 351号ラウンドテーブル法廷 )で第一次訴訟(3世帯)第21回口頭弁論準備手続きが行われました。
今回裁判に提出された、被告(両備)反論書面である7月28日付け「準備書面5」を掲載します。
平成19年(ワ)第1352号 損害賠償請求事件
原告 藤原 康 外2名
被告 両備ホールディングス株式会社
次回期日 平成22年8月2日
準備書面5
平成22年7月28日
岡山地方裁判所第1民事部合議係 御中
被告訴訟代理人
弁護士 菊池捷男
弁護士 首藤和司
弁護士 財津唯行
弁護士 安達祐一
第1 原告平成22年7月5日付準備書面に対する反論
1 当該準備書面においても原告らは、具体的な過失の主張が全く出来ていない。
2 すなわち原告らは、被告が「本件土地は汚染が激しく、やがて土壌汚染が全般に広がり、健康被害を及ぼすことになることを知りながら」、本件土地を造成・販売した点に、信義則上の注意義務違反があると主張する。しかし原告らは、「被告はいつの時点で、このような被害が発生することを予測できたのか、また何をすればこの結果を防止できたのか」といった、過失を基礎付ける具体的な事実について何ら主張立証できていないのである。以下詳述する。
3 被告における当時の土壌の状態に関する認識について
(1)まず原告は、被告が本件土地を旭油化から取得した時点で、「(本件和解については、)もともと旭油化が建物、設備や廃棄物、油脂付着物などを除去して明け渡すことは予定されてなく、・・・(被告は)自ら・・・撤去、明け渡し作業をしなければならない当事者」であったから、汚染の実態について正確に知っていた旨主張する(準備書面5ページ)。
(2)しかしかかる主張は前提が誤っている。すなわち既に準備書面4で詳述しているが、旭油化は、不十分ながらも、昭和57年末までに建築物、製造設備、原料ドラム、場内汚泥(廃白土のことと思われる)の搬出を行っているのである(乙第26号証)。よって本件和解当時から、こうした除去作業は事実上被告が行うことになっていた旨の主張には理由が無い。
(3)次に原告は、その主張する本件和解当時の汚染の実態について、何らの具体的主張をしていない。原告が述べるのは、旭油化では、「悪臭を周囲に放出し、川に油膜が張り、死んだ魚が浮くなどの環境への被害が見られていた」という「結果」だけで、かかる悪臭等の原因が土壌の汚染にあることを裏付けるものを何ら提出できていない。既に述べたとおり、本件当時は悪臭の原因は土壌ではなく操業行為そのものにあると考えられていたのであり、従って、旭油化の操業を停めれば、悪臭も止まる、というのが一般的な(もちろん被告を含む)認識だったのである。
またこの点原告は、現在本件土壌に汚染が発見されているから、当時も土壌が汚染されていた旨主張しているようである。しかし現在までに行われた調査を踏まえても、当該汚染の原因がどこにあるのかは判然としないし、また原告は汚染物質が拡大してやがて本件土地全体に及んだ旨主張しているようであるが、かかる推論を裏付ける証拠はなにもなく、むしろ汚染の由来は未だ判然としていないから、これらの主張は原告らの憶測の域を出ない(この点についても準備書面4記載の通り)。
またそもそも、土地が土以外のものを含んでいるとしても、それが直ちに、当該土地が宅地として造成・販売することが不適当であると判断されるわけではない。問題になるのは、土以外の当該物質により、当該土地の利用者に健康被害が発生している(もしくは将来発生する蓋然性がある)、あるいは住宅地として使用することが出来ないなどの問題がある場合に限られるのである。そして本件においては、委員会の調査により、健康被害の可能性については既に否定されているところである。
この点原告らは、上記委員会の調査につき以下の点が不備であると指摘するが、いずれも理由がない。
ア 乙第9号証について
原告は汚染土壌が、本件土地の約4分の1に存在する旨主張するが、これは34検体中8検体から汚染物質が検出されたというデータの解釈を誤っている。本来土壌汚染であれば、本件土地全体でそれなりの数値が計測されてしかるべきところ、局所的に基準をわずかに超える数値が検出されたため、汚染は局所的である旨委員会は結論づけているに過ぎない。これをもって、汚染が本件土地全体に広がっているという主張には無理がある。
イ 乙第13号証について
この点についても被告?(原告)は、環境基準を超える有害物質を含む土壌に接すると長期的に健康に悪影響を与えると予測しているが、何らの科学的知見に基づかない憶測でしかない。
また当該環境基準は溶出量基準、つまり汚染された土から有害物質が溶け出した地下水を飲んだ場合の健康リスクが前提であり(乙第7、10号証)、その前提を欠く原告らの健康被害の蓋然性について論じることは出来ない。ちなみに原告らは、平成16年7月に給水管取替工事が行われた際に、給水管の一部が腐食して穴が開いている箇所も発見されたと述べているが、かかる事実は存在しない(乙第29号証の1、2)
ウ 乙第16号証について
主張の意味が不明である。乙第9号証は表層土壌調査の結果についての分析で、表層から検出されたトリクロロエチレン、シス―1,2―ジクロロエチレン、砒素の由来を述べている。乙第16号証は上記表層土壌調査に加え、電気探査、土地履歴調査、ボーリング調査を踏まえた上で本件土地の全体的な汚染(その大部分が油によるものである)の原因を述べているに過ぎず、両者は矛盾しない。
エ 乙第17号証について
原告らは揮発性物質の揮発による健康被害を主張するが、土壌ガス調査によれば地中にベンゼン以外のVOCの存在は認められていないし、環境大気調査によれば、環境基準値を超えるVOCが大気中に揮発していないことは明らかである(乙第14号証)。また硫化水素やメタンは有機質の嫌気分解により生成されたと思われるが(乙第14号証)、かかる生成過程について本件当時被告には何らの認識もなく、また認識すること自体不可能であった。
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2010年8月17日
小鳥が丘土壌汚染第21回裁判!その2(再)
次回に続く
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後7年以上経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
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2012年01月11日
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