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l 2010年(H22)12月21日、第一次訴訟(3世帯)、第23回口頭弁論実施。
小鳥が丘土壌汚染第23回裁判!(3)
[1]平成22年12月13日付け、被告(両備)提出、最終準備書面の続きです。
(第2 本件基準超過物質について)
4 特定有害物質の存在がその土地を無価値化し、住民に健康被害を与えるか?
それらが地下水に混入してそれを飲用することがない限り、住民に被害を与えたり、土地を無価値にすることはない。
5 本件基準超過物質の内容と広がり
乙1号証は、ボーリング調査でその存在が明らかになったベンゼン、トリクロロエチレン、シス―1,2―ジクロロエチレン、ヒ素含有量、ヒ素溶出量及び特定有害物質ではない本件油分を調査・分析した結果の報告書である。対象となった34箇所(全宅地が35箇所で1宅地のみ居住者がいないため34箇所の調査になったもの)の表層土壌調査の結果、ベンゼンは8箇所、トリクロロエチレンは1箇所、シス―1,2―ジクロロエチレンは2箇所、ヒ素(溶出量)は5箇所で基準値を超えているに過ぎず、本件基準超過物質が本件土地全体に広がっていないことは明らかである。
甲第4号証は、原告岩野敏幸の自宅での土壌調査結果の報告書であるが、これによれば同原告の自宅敷地には、ベンゼン、シアン化合物、鉛及びその化合物、ヒ素及びその化合物の溶出量値が指定基準(土壌溶出量基準)を超えて存在していることを窺わせる。しかし、これらの基準超過物質も、それらが含まれた地下水を飲まない限り、原告らに何の被害も与えることはないのである。
しかもシアン化合物については、答弁書でも主張したとおり、土壌溶出量基準について、通常0.1㎎/L未満であれば、本来、測定値欄に「検出せず」と記載されるものであるが、甲第4号証には、何故かわざわざ「0.01㎎/L」と記載されているものであり、この数値は、本来なら、「検出せず」として、溶出量基準を満たしていることになる数値なのである。
6 本件基準超過物質のリスクは皆無
特定有害物質の含有量や溶出量等の環境基準が、これら特定有害物質を直接摂食する場合のリスク面から算出されたものであることは前述したとおりであるから、特定有害物質が環境基準を超えている場合でも、直接それが含まれた地下水を飲まない限り問題にはならないが、これは原告らの場合の本件基準超過物質についても言えることである。
原告らは、本件基準超過物質が大気を汚染して人に被害を与えるが如き主張をしている部分があるが、乙30号証の「答申」の添付書類である「土壌の直接摂取によるリスク評価等について」2ページでは、揮発性のある水銀についてですら、これまで汚染土壌に起因する大気汚染の事例の報告がないことが記載され、土壌中の特定有害物質が大気に入り、人の口にはいるということは考えられないのである。乙3号証でも、本件についても、「環境大気調査の結果から環境基準値を超過したものは認められなかった」のである。
7 本件基準超過物質の存在の原因と程度
乙2号証によれば、これらの物質は「以前敷地内に立地していた旭油化の機械洗浄の溶剤である可能性が高い」が、「非常な高濃度ということではない」「地下水の汚染がない」「日常生活上今すぐ重大な問題になることは考えにくい」のである。
また、乙3号証によれば、「汚染は団地の南側半分に限られている」「局所的に分布する可能性が高い」「汚染源は旭油化が設置したタンクなどの施設から漏洩した汚染物質や同社が表土を開削して廃棄した汚染物質である可能性が高い」などが書かれている。
乙1号証、乙7号証によれば、本件基準超過物質のうちヒ素(溶出量)は、「自然由来の可能性が高い」もので、旭油化の工場から出たものはないのであるから、本件基準超過物質は、ヒ素(溶出量)は自然由来のもの、その他の本件基準超過物質は旭油化時代から存在していたものと一応考えられる。
第3 本件臭気
1 旭油化時代からあった臭気
旭油化時代から臭気があったことは、原告も争わないであろう。
そして、被告が宅地造成をした後は、急激に臭気が減衰したことも。
2 宅地造成後
被告の宅地造成で、その臭気は大きく減衰している。これは前述したとおりである。
したがって、強い臭気を大きく減じさせた宅地造成をもって、不法行為という原告の理論の立て方は、間違っている。「臭気」の存在を被告の責任の根拠にしたいのなら、「臭気」を「瑕疵」と構成して立論する以外にないはずである。
しかし、本件臭気が瑕疵ではないことは、後述のとおりである。
3 原因と健康へのリスク
乙3号証によれば、「本件土地での土壌ガス調査により、土中には異臭の主原因と考えられる硫化水素に加えメタンが比較的高濃度で検知された」。
これは「地表から浸透した有機汚染物質が微生物作用を受けた結果、これらの還元性物質(ガス)が生成されたものと考えられる」とされているが、「健康への影響が直ちに懸念されるものではない」。
また、「土壌微生物の活動により発生量は今後とも減衰していくものと考えられる」のであるから、これも原告らへの健康に被害を与える懸念は全くない。
現に、本件土地での環境大気調査の結果、臭気物質である硫黄化合物(硫化水素等)及び窒素化合物についてすべて定量限界未満であり、検出限界以下であったことが判明しており、硫化水素等が、大気中に流出していないことが明らかになっているのである(乙14号証の環境大気調査結果及び表―2環境大気調査結果(2))。
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2011年1月13日〜1月15日
小鳥が丘土壌汚染第23回裁判!その5(再)〜その7(再)
【第一審】
原告;(小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
被告;(両備ホールディングス株式会社)
次回に続く
マイホーム土壌汚染被害民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載しています。
2010年12月21日(火)10時00分から岡山地方裁判所( 202号法廷 )で第一次訴訟(3世帯)第23回口頭弁論(公開)が行われました。
裁判長は、原告の一人に対象物件が相続物件になっているための法的整理を指摘し、「裁判所は今日結審しようと思っていたが、次回期日で資料の整合性を取るためにもう一回弁論を入れます。」と発言があり、次回は、2011年2月8日(火)10時40分から第24回口頭弁論(公開)が予定されました。
今回裁判で提出された原告・被告の最終準備書面。
<提出された準備書面内訳>
[1]平成22年12月13日付け、被告(両備)提出、最終準備書面。
[2]平成22年12月17日付け、原告(住民)提出、最終準備書面。
[3]平成22年12月20日付け、被告(両備)提出、追加準備書面。
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後7年以上経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
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