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「小鳥が丘団地救済協議会」が母体の第1次訴訟(3世帯)被害住民が民事提訴した土壌汚染裁判は、2011年5月31日に「判決言い渡し」があり、岡山地裁は被告(両備)の不法行為を一部認め、原告(住民)勝訴となりました。
小鳥が丘土壌汚染裁判・第一審「判決書」!(6)
岡山地裁5月31日「判決書」の続きです。
(事実及び理由)
(第3 当裁判所の判断)
(1 認定事実)
(5)原告らの症状
ア 原告GAは、平成18年5月18日、頭痛があると診断された(甲23)。
イ 原告GBは、亜硫酸ガス中毒の疑いで、平成18年10月13日から同月14日まで入院加療した。また、同人は、平成17年6月ころから、アレルギー性鼻炎と診断され、同人の家族も頭痛や甲状腺腫瘍と診断された(甲25の1ないし甲28)。
ウ 原告GCは、平成19年5月23日、急性湿疹等があると診断された(甲30)。
(6)本件3土地及び本件4建物の競売価格
本件3土地及び本件4建物は競売に付されたところ、評価人による現地調査を踏まえた評価額を考慮の上、売却基準価額は、本件3土地が94万円、敷地利用権付きの本件4建物が208万円(一括物件積算価格評価額302万円)となった(甲19、原告GB、弁論の全趣旨)。
(7)化学物質について
ア ベンゼンは、溶剤や洗浄剤として一般的に多用されているところ、遺伝子に対する障害性、白血病を起こしうる可能性等が指摘されており、呼吸によって人の体内に取り込まれると考えられている(甲11の2、乙7)。
イ トリクロロエチレンは、洗浄剤や脱脂剤として利用されているところ、長期間取り込み続けると、肝臓や腎臓への障害が認められ、比較的低濃度のトリクロロエチレンでは、頭痛、めまい、眠気等の神経系への影響が認められる。トリクロロエチレンは、呼吸や水を飲むことで人の体内に取り込まれる(甲11の3、乙7)。
ウ シアン化合物は、工業分野で使用されているところ、強い毒性をもっており、高濃度のシアン化合物を取り込んだ場合、短期間で死に至り、低濃度のシアン化合物等を取り込み続けると、めまい、頭痛等が生じると報告されている。シアン化合物は、食事の外、呼吸、皮膚等から体内に取り込まれる可能性があると考えられている(甲11の1、乙7)。
エ シスー1,2−ジクロロエチレンは、トリクロロエチレンの微生物分解生成物であり、シス体とトランス体の構造異性体がある(甲11の1、乙7、弁論の全趣旨)。
(8)法規制等
ア 土壌汚染について
(ア)我が国では、平成14年、土壌汚染の防止に関する法律として土壌汚染対策法が制定され、トリクロロエチレン、ベンゼン、シスー1,2−ジクロロエチレン等が特定有害物質として定められている。
特定有害物質とは、それが土壌に含まれることに起因して人の健康に係る被害を生じるおそれがあるものであり、汚染土壌を直接摂取することによるリスク、地下水等の摂取によるリスクの2種類のリスクの観点から選定されている(乙30)。
(イ)平成3年8月、土壌の汚染に係る環境基準について告示があり、トリクロロエチレン、ベンゼン、シスー1,2−ジクロロエチレン等について環境基準が設定された(乙31の1、乙31の2、弁論の全趣旨)。
イ その他
(ア)廃白土は、昭和46年より廃棄物処理法上の産業廃棄物として規制対象とされている。
(イ)ベンゼンは、昭和43年に制定された大気汚染防止法において特定物質として指定され、昭和45年に制定された水質汚濁防止法において有害物質に指定され、また、昭和47年に制定された労働安全衛生法において特定化学物質として指定され、それぞれにおいて規制対象とされている。
(ウ)トリクロロエチレンは、昭和61年、化学物質審査規制法において第二種特定化学物質として指定され、製造・輸入に際して予定数量を国に届けることが必要となり、取扱いに際して、国が示した環境保全の指針等を遵守することが義務付けられた。
(エ)シスー1,2−ジクロロエチレンは、昭和40年代に制定された、公共水域の環境基準、水質汚濁防止法及び化学物質審査規制法等で規制対象とされている。
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2011年6月24日
小鳥が丘土壌汚染裁判・第一審「判決書」その7
【第一審】
原告;(小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
被告;(両備ホールディングス株式会社)
土壌汚染に関する裁判は多くありますが、大半は土地売買をめぐる企業同士や企業と行政間のものが多く、知るかぎりでは、土壌汚染事件裁判で「全国初」の被害住民勝訴判決。
l 2011年(H23)5月31日、「小鳥が丘団地土壌汚染」損害賠償請求事件・第一次訴訟(3世帯)・第一審「判決書」。(原告住民勝訴判決となる)。
マイホーム土壌汚染被害民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
次回に続く
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
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2012年03月11日
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