|
2012年4月11日(水)に、岡山地方裁判所4階にある「広島高等裁判所・岡山支部」に於いて、和解協議としては最終となる第4回和解協議が行われました。
第一審判決で原告(第一次訴訟3世帯住民)が勝訴したあと、被告(両備)が控訴した「控訴審」で、裁判所は結審後に和解協議を設定し、今日まで協議を積み重ねてきました。
しかし、今回でも和解に至らず、裁判所は判決期日を決定しました。
判決言い渡しは、2012年6月28日(木)、13時10分から、「広島高等裁判所・岡山支部」で行われます。
【第二審】
控訴人・附帯被控訴人・被告 ; (両備ホールディングス株式会社)
附帯控訴人・被控訴人・原告 ; (小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
今回の和解協議の内容は、以下のとおりです。
[第4回和解協議]
①裁判官と控訴人(両備)弁護士の協議(13時32分〜13時50分)。
②裁判官と附帯控訴人(住民)弁護士の協議(13時50分〜13時53分)。
①において、控訴人(両備)弁護士は、「第1審判決で認定された控訴人(両備)の責任を認めるような賠償金額での和解はできない。」という話しを一方的に説明したようです。
②において、裁判官から、上記説明が有り、和解協議を終了し判決とする旨の確認がありました。
附帯控訴人(住民)弁護士は、「そのようにして下さい。」と回答し、裁判官から判決期日が伝えられました。
以上の内容は代理人弁護士の説明によるもので、住民は前回同様「被控訴人待合室」に詰めていました。
これまでの和解協議を通しての、附帯控訴人(住民)の感想を述べます。
附帯控訴人(住民)は、本件分譲地は安全な住宅地として使用することができないため、他に転居して同程度の住宅を取得できる程度の損害賠償を求めてきました。
和解協議の中で、控訴人(両備)は、附帯控訴人(住民)が本件不動産の所有権を譲渡するのであれば、土壌汚染が無いものと仮定した通常の中古物件査定価格で買い取るという考えまでは提示しました。
しかし、あくまで、控訴人(両備)には責任がなく、通常不動産取引を前提にした和解金額でなければ、控訴人(両備)は和解に応じないという方針が次第に明確になってきました。
附帯控訴人(住民)は、裁判所が和解協議を設定したこともあり、第1審判決内容が最低限の条件であると譲歩して和解も拒否しない方針でしたが、この内容では到底和解することはできません。
控訴人(両備)が提示した和解金額では、附帯控訴人(住民)は、他に住居を求めて普通の生活がしたいという生活設計が成り立たないばかりか、通常の中古物件価格では、通常の償却年数で計算すると極めて少額です。
裁判において、本件分譲地が著しい土壌汚染であることは次第に明らかになっています。
また、控訴人(両備)に責任があることは、証拠上でも明らかになってきました。
附帯控訴人(住民)は、購入したマイホームで土壌汚染事件に巻き込まれ、解決を要望しても売主の控訴人(両備)が放置するなど、無責任な対応をしたため、土壌汚染発覚から8年間もの長きにわたり物心両面で苦しみ続けてきました。
制度上に問題があるため、住民が被害を受けたからと言って直ちに問題解決するような事件ではありませんが、マイホーム土壌汚染被害は、庶民にとって生活の基盤を揺るがす重大問題であり、どのような苦難があっても、附帯控訴人(住民)が泣き寝入りできるような問題ではありません。
控訴人(両備)が真摯に対応しないため、附帯控訴人(住民)は解決のため多くの労力を注ぎ込まざるを得ない状況に追い込まれ、長期間、仕事や生活面や健康面などに相当制約が掛かり、またそれらを犠牲にしてきました。
附帯控訴人(住民)は、和解を拒否するものではありませんが、少なくとも第1審判決で認定された損害賠償金額を無視するような回答では到底納得できるものではありません。
現時点で振り返れば、結局、裁判所が和解協議を設定して4回も協議を積み重ねても、控訴人(両備)は和解する気はなかったのだと思います。
このため、附帯控訴人(住民)は、和解を断念する結果となりました。
あとは、控訴審の判決結果次第ですが、上告審までもつれる可能性も念頭に入れています。
以上。
前回までの和解協議の経過は、以下を参照してください。
(「控訴審」!結審後の和解協議(1)小鳥が丘土壌汚染訴訟)
(「控訴審」!結審後の和解協議(2)小鳥が丘土壌汚染訴訟)
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
|
過去の投稿月別表示
[ リスト | 詳細 ]
|
第一審判決で、岡山地裁は被告(両備)の不法行為を一部認め、原告(住民)勝訴となりました。
土壌汚染に関する裁判は多くありますが、大半は土地売買をめぐる企業同士や企業と行政間のものが多く、知る限りでは土壌汚染事件で「全国初」の被害住民勝訴判決です。
これを受けて、被告(両備)は即刻控訴し、引き続き第二審で争われます。
控訴人(両備)からの「控訴理由書」!(6)
「控訴審」にあたり、控訴人(両備)作成の「控訴理由書」が届きました。
控訴人(両備)は、東京の弁護士を増員し、科学者などの専門家の意見書など徹底的な反論を準備しているようです。
「控訴理由書」の続きです。
(第3 宅建業者の説明義務)
(2 宅建業者の説明義務違反の裁判例について)
(2)宅建業者の調査義務
重要事実とは、その事実を認識したなら買主が当時の購入条件での購入を断念すると社会通念上解される事実であると考えた場合、売主や仲介業者がその事実を知らない場合も重要事実不告知の問題が発生するのだろうか。
発生するとすれば、知るべき義務が前提となる。
前述のとおり、告げなかった事実が宅地建物取引業法第35条の重要事項であれば知らなかったということは宅建業者の免責事由になるはずもない。
しかし、それ以外の事実にまで調査義務が及ぶのかがここでの論点である。
なお、契約で調査を特に依頼された場合は別問題(新たに契約上の調査義務が発生するため)であるので、ここではかかる特別な事情がない場合を前提にする。
この点について、裁判所は、冠水しやすい土地であることが問題となった裁判例6の「当該業者が上記のような土地の性状に関する具体的事実を認識していた場合はともかく、そうでない場合にもその説明義務があるというためには、そのような事態の発生可能性について、説明義務があることを基礎づけるような法令上の根拠あるいは業界の慣行等があり、また、そのような事態の発生可能性について、業者の側で情報を入手することが実際上可能であることが必要であると解される。」という判示に代表されるように、法令上の根拠あるいは業界の慣行等がない限り、調査義務を前提とする説明義務を否定している。
法令上の根拠あるいは業界の慣行等がない中で、説明義務が発生するのは、売主が当該問題について具体的事実を認識している場合であることは、裁判例において異論はないと思われ、この点については、隣地所有者との共有配管が地下にあった裁判例11において、「売主が信義則上上記のような告知義務を負うのは、瑕疵の内容からして買主に損害を与えることが明白であるにもかかわらず売主がそれを知悉しながらあえて告げなかったような極めて例外的な場合に限られる。」と判示されていることからも明らかである。
(3)説明義務違反の責任の法的性質
信義則上の説明義務違反を認めた裁判例の中でも、これを契約に付随する義務違反ととらえ債務不履行責任とするものと不法行為責任とするものとがある。
また、そのいずれかを明示しなかったり、いずれも成立するかの記載をするものも少なくない。
これらのいずれの責任であっても結果が同じであれば区別する実益がないので、過去の裁判例でこの問題が精密に論じられていないことにも理由がある。
しかし、本件では契約責任であれば既に引渡から10年を経過しているので、消滅時効で請求権は消滅しているところ、不法行為責任であれば、販売時点から20年の除斥期間が過ぎていないため請求権が消滅していないという違いがある。
そのため、本件では仮に信義則上の説明義務違反があると仮定しても、それが債務不履行責任なのか不法行為責任なのかが結論を左右する大きな論点である。
ただ、宅建業者の信義則上の説明義務違反といっても事案はさまざまで、悪質きわまる事案から、うっかりミスというべき事案まである。
したがって、一律に論じること自体が不毛な議論であり、事案に即して検討すべきものであろう。
しかし、この問題を考えるにあたって、以下の点は一般論として異論がないであろう。
第一に、説明義務違反とされる事案には、詐欺に近い事案もあれば宅建業者の注意義務違反という過失が問題になる事案もある。
前者が不法行為責任を根拠づけることは否定できないが、後者も一律に不法行為責任を根拠づけるといえるのかという問題がある。
買主と直接契約関係のない売主側仲介業者の買主に対する注意義務と買主と直接契約関係のある買主側仲介業者の買主に対する注意義務とではおのずから注意義務にも差があると思われる。
宅建業者の信義則上の説明義務に関し、債務不履行責任か不法行為責任かを正面から議論した裁判例は見あたらないが、弁護士費用については、不法行為責任であれば認められやすいため、この問題が取りあげられたものがある。
裁判例45では信義則上の付随義務違反として宅建業者の責任を認めた事案で責任の性質を債務不履行責任としつつ、弁護士費用につき「被告会社の負う債務不履行責任の内容は、不法行為責任に匹敵する違法性があるということができる」としてこれを認めている。
一方、都市計画上の建築規制という重要事項の説明義務違反の事案である東京地裁平成21年4月13日判決(LLI)では、宅建業者の売買契約上の付随義務としての説明義務を認め、最高裁平成19年7月6日判決を引用して「不法行為責任が成立するためには、契約の相手方のみならず、第三者に対する関係でも違法といえる程度の義務違反が必要」として弁護士費用の請求を否定している。
これらの裁判例からも、説明義務違反が不法行為を構成するには、より強い違法性がある場合に限られるという考え方が導きうる。
第二に、契約の有効性は認めたまま、契約前の宅建業者の言動を理由に説明義務違反を認め、これを不法行為の観点からは違法と評価することには矛盾が生じないのかという問題がある。
特に契約がなかった場合と同様の効果をもたらす損害賠償を認める場合は、事実上不法行為理論が意思表示の理論(詐欺、錯誤の理論)や契約理論を凌駕し、これらの理論を無意味にするという重大な結果をもたらす。
宅建業者の説明義務違反が問題となった裁判例で、契約の有効性を認めたまま、契約がなかった場合と同様の効果をもたらす損害賠償を認めるものは見あたらない。
解除や無効を認めないまま、説明義務違反による責任を認めた事案では、損害賠償の範囲は、説明を受けていれば当時そのものに支払ったであろう費用と現に支払った費用との差が基本とされているように思われる。
財産的被害の立証が難しい場合は、慰謝料が認められているが、少額である。
契約がなかった場合と同様の効果をもたらすことを認めた事例は例外的だが、接道義務違反の事実という重要事項の説明義務違反の事案である東京地裁平成15年6月24日判決(判例マスター)のように錯誤で取引自体を無効とする処理を行っている。
この事案は、昭和61年売買の接道義務違反の物件の問題であり、売主の瑕疵担保責任や仲介業者の説明義務違反による責任は時効で消滅したとしたが、契約自体を錯誤無効とし、売主にも仲介業者にも不法行為責任を認めた。
その結果、錯誤で買主は売主に対して代金返還請求権があるが、一方で居住の利益があるとして、差し引きでの代金返還はほとんど認めず、しかし、買主の住宅ローン金利の損害賠償責任を売主に認めている。
契約の有効性を認めつつ、契約がなかった場合と同様の効果をもたらす損害賠償責任の認定(本件はかかる処理に近い)は、かかる裁判例から見ても、矛盾を内包した処理であることがわかる。
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2011年9月17日
控訴人(両備)からの「控訴理由書」!その6
l 2011年(H23)8月16日、第一審「判決」(5月31日)で、原告(住民)が勝訴したあと、被告(両備)が即刻控訴し、控訴人(両備)から「控訴理由書(7月21日付)」が届く。
【第二審】
控訴人 ;(両備ホールディングス株式会社)
被控訴人;(小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
マイホーム土壌汚染被害民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
次回に続く
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
|
|
l 2011年(H23)8月16日、第一審「判決」(5月31日)で、原告(住民)が勝訴したあと、被告(両備)が即刻控訴し、控訴人(両備)から「控訴理由書(7月21日付)」が届く。
控訴人(両備)からの「控訴理由書」!(5)
「控訴審」にあたり、控訴人(両備)からの「控訴理由書」が届きました。
控訴人(両備)は、東京の弁護士を増員し、科学者などの専門家の意見書など徹底的な反論を準備しているようです。
「控訴理由書」の続きです。
(第3 宅建業者の説明義務)
2 宅建業者の説明義務違反の裁判例について
本件で原審が認定している宅建業者の説明義務違反は、前述のとおり、重要事実の不告知の問題であり、かつ、原審の認定は、契約上の付随義務による契約責任ではなく不法行為責任である。
したがって、過去の裁判例で、不告知がいかなる事実に関して問題とされているのか、その場合、過失により知らなかった事実についても宅建業者が知るべきであったとして調査説明義務違反が認定されているものがあるのか、さらに、宅建業者の説明義務違反についていかなる場合に債務不履行とされ、いかなる場合に不法行為とされるのかを見る必要がある。
過去の裁判例を分析すると以上の論点については、以下のようにいうことができ、これらの分析結果から見ると、後述のとおり、原審判決はこれまでの裁判例から大きく逸脱している。
(1)宅建業者の説明義務の対象
前述のとおり、宅建業者には宅地建物取引業法第35条による重要事項説明義務があり、同条の重要事項は限定列挙されている。
かかる限定列挙された事実について説明責任があることは争いないところであり、これを超えてどこまでを重要事実として説明すべき責任があるのかが問題となる(以下同法第35条に列挙された事項を「重要事項」といい、それを超えて説明すべき義務があるとされる事実を「重要事実」という)。
過去の裁判例では、物件の土地利用規制や権利関係に関するものと物件の性状や環境に関するさまざまな事項が問題とされている。
本件は土地利用規制や権利関係の問題ではないので、ここでは物件の性状や環境に関することについて、どういう事項が重要事実として問題となったのかを別紙1(「裁判例一覧」)に整理し、概観する。
まず、物件の性状(広義)に関していえば、雨漏り(裁判例1、2)、地盤沈下(裁判例3)、地中埋設物(裁判例4、5)、冠水(裁判例6、7、8)、防災設備の不備(裁判例9、10)、地下の配管(裁判例11)、腐食した配管(裁判例12)、シロアリ被害(裁判例13)、自殺者物件(裁判例14、15、16)、土壌汚染(裁判例17)、危険な擁壁(裁判例18)、汚水管の欠陥(裁判例19)、改修マニュアル違反(裁判例20)、開発行為の不備(裁判例21)などの事例が訴訟で争われている。
これら物件の性状(広義)においては、重要事実か否かを判断するにあたって、物件に瑕疵があるかどうかがいずれの裁判例においても問題とされている。
これについては、例えば、裁判例5において、裁判所は、その事件における地中杭について説明義務を認めていないが、その理由として、当該地中杭が瑕疵にあたらない以上説明すべき取引上の注意義務を負うとは解し得ないとしている。
また、これら物件の性状に関する裁判例においても、当然ながら、物件に瑕疵があれば売主に説明義務があると解しているわけではない。
説明義務が信義則上認められるとするには、説明しないことが不誠実であるという特別の事情が示されている。
土壌汚染における裁判例に限っても、裁判例4では、裁判所は、売主が「地中埋設物の存在可能性について全く調査をしていなかったにもかかわらず、問題はない旨の事実と異なる全く根拠のない意見表明をしていた」点をとらえて、信義則上の説明義務違反を認めている。
また、裁判例17においても、信義則上の説明義務違反を認めるにあたり、売主が土壌汚染を発生せしめる蓋然性のある方法で土地の利用をしていたという事情を摘示している。
また、環境に関していえば、近隣地の高層建物建設等による日照・通風・眺望被害(裁判例22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35)、近隣の大規模開発等による環境変化(裁判例36、37)、騒音(裁判例38、39)、大気汚染(裁判例40、41)、眺望(裁判例42、43、44)、方位(裁判例45)、近隣の嫌悪施設(裁判例46、47)、隣人との紛争(裁判例48、49、50)、隣地建物からの視線(裁判例51)などの事例が訴訟で争われている。
これら環境においては、重要事実か否かを判断するにあたっては、裁判例40の「通常一般人がその事実の存在を認識したなら居住用の建物としての購入を断念すると社会通念上解される事実」という判示が代表するように、説明がされればその条件での取引はなかったと解される事実が重要事実と把握されている。
裁判例40は、公衆浴場からの排煙が問題となった事案であるが、公衆浴場からの煙がマンションに流入していることは事実だが、「本件煙突から排出される煙にいかなる成分が含まれ、その量がどの程度であり、このことにより本件建物の居住者に対して、本件煙突からの排煙が健康上どのような影響を及ぼしているかも不明である」という事情を指摘した上で、当該煙突の排煙の流入の可能性についての情報が重要事実とは評価できないとしている。
また、環境に関する裁判例において、裁判所は、宅建業者の説明義務につき、その専門的知識の範囲である重要事項を超えて説明すべき場合があることも認めているが、それは問題を意図的に隠すとか買主から特に注文をつけたとかの特段の事情がある場合とされている(裁判例39)。
この裁判例39は、航空機騒音に関する事件で、基準値を超える騒音が問題となった事案であったが、そこで問題とされた基地周辺の騒音は、当時社会問題化して公知の事実であり、また、買主が現地で気づくものであり、しかも受け止め方にも個人差があるとして、宅建業者に上記の特段の事情がない限り、騒音の説明義務はないとして、説明義務を否定している。
以上のとおり、物件の性状についての説明義務が問題とされるには、まず、物自体に瑕疵があるかどうかが前提となる。一方、環境が問題となる事案では、その事実を認識したなら買主が購入を断念すると社会通念上解される事実が重要事実とされている。いずれにしても、重要事実が告げられていないというだけでは信義則上の説明義務は導かれず、その義務違反が認定される場合は必ず何らかの信義則上許されないとの価値判断を導く事情がなければならないとされていることがわかる。
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2011年9月17日
控訴人(両備)からの「控訴理由書」!その5
【第二審】
控訴人 ;(両備ホールディングス株式会社)
被控訴人;(小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
「小鳥が丘団地」土壌汚染第1次訴訟(3世帯)の「控訴審」が、2011年(H23)9月22日13時30分から、広島高等裁判所岡山支部で行われます。
第一審判決で、岡山地裁は被告(両備)の不法行為を一部認め、原告(住民)勝訴となりました。
土壌汚染に関する裁判は多くありますが、大半は土地売買をめぐる企業同士や企業と行政間のものが多く、知る限りでは土壌汚染事件で「全国初」の被害住民勝訴判決となりました。
これを受けて、被告(両備)は即刻控訴し、引き続き第二審で争われます。
マイホーム土壌汚染被害民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
次回に続く
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
|
|
マイホーム土壌汚染被害民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
l 2011年(H23)8月16日、第一審「判決」(5月31日)で、原告(住民)が勝訴したあと、被告(両備)が即刻控訴し、控訴人(両備)から「控訴理由書(7月21日付)」が届く。
控訴人(両備)からの「控訴理由書」!(4)
【第二審】
控訴人 ;(両備ホールディングス株式会社)
被控訴人;(小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
「小鳥が丘団地」土壌汚染第1次訴訟(3世帯)裁判は、2011年5月31日に「判決言い渡し」があり、岡山地裁は、被告(両備)の不法行為を一部認め、原告(住民)勝訴となりました。
土壌汚染に関する裁判は多くありますが、大半は土地売買をめぐる企業同士や企業と行政間のものが多く、知る限りでは土壌汚染事件で「全国初」の被害住民勝訴判決となりました。
被告(両備)は、翌日(6月1日)即刻控訴しました。
第二審の初回口頭弁論は、2011年(H23)9月22日13時30分から、広島高等裁判所岡山支部で行われます。
引き続き行われる裁判のために、このたび新たに、岡山市水道局から、情報公開制度により、被告会社(両備)作成の本件団地給水施設工事に関して「団地給水施設申請及び設計書」の写しを入手しました。
この文書には「給水施設に廃油工場跡地にできた団地のため、化学製品を使用しない条件とする」と付記されていて、給水管にポリエチレン管でなく、当時使用中止になっていた鉛管が実際に使用されていました。
この文書の申請者名欄には「両備バス株式会社」代表取締役社長印が捺印されており、申請者である被告会社(両備)が「土壌汚染を認識し得なかった」ということはあり得ないと思います。
(この文書を希望の方は、「郵送先住所」と「団地給水施設申請及び設計書の写し希望」と記載して、ホームページのメールアドレス、
に、請求してください。無料で写しを郵送いたします。)
「控訴審」にあたり、控訴人(両備)からの「控訴理由書」が届きました。
控訴人(両備)は、東京の弁護士を増員し、科学者などの専門家の意見書など徹底的な反論を準備しているようです。
「控訴理由書」の続きです。
第3 宅建業者の説明義務
前述の原審判決の判断において言及された宅建業者の説明義務について、これまでの裁判例や文献に基づいて以下に詳述する。
1 宅建業者の説明義務の根拠
宅建業者の説明義務については、宅地建物取引業法第35条の重要事項説明義務、同法第31条の信義を旨とし誠実に業務を遂行すべき義務(以下「信義誠実義務」という)及び同法第47条の重要な事実については故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為の禁止(以下「重要事実不告知禁止義務」という)等を根拠に、売買契約に付随する信義則上の義務(宅建業者が売主の場合)又は媒介契約に基づく善管注意義務として、数多くの裁判例が積み重ねられている(概要については、例えば、工藤祐厳「不動産取引と説明義務」判例タイムズ1178号125頁以下)。
宅地建物取引業法第35条は、重要事項を限定列挙しており、これを説明しないことが違法であることは明らかである。
また、同法第47条の重要事実不告知禁止義務は、平成18年の宅地建物取引業法改正前までは抽象的な規定にとどまっており、その範囲が明確でなかったが、条文上「故意に」とあり、知っていながらわざと告げないことによって相手方等が重大な不利益を被るおそれのある事実を伝えなかったことが問題とされていたものであり(建設省計画局不動産業課「新宅地建物取引業法の解説」昭和57年、207頁参照)、この点の基本的な考えは今日も変更がない。
一方、同法第31条の信義誠実義務については、「ここでとくに業務処理の原則として信義誠実の原則を規定したのは、免許を受けて宅地や建物の取引という社会的に重要な仕事を業として行う者には、とくにこの信義に従って誠実に業務を処理するということが強く要請されるからである。」(同書105頁)と説明されていたように、免許を受けた者としての職責が強調されていたものである。
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2011年9月16日
控訴人(両備)からの「控訴理由書」!その4
<ブログコメント>
原則論をダラダラ書いていますね。何が言いたいのでしょうか?
マインドコントロールでしょうか?
宅建業者の2つ目の重要事項説明義務とは、
「そのことを説明してくれていたら契約しなかったのに」と言われれば、重要事項説明義務を果たしていないのは業界の常識ですよね。
両備が知らないはずは無く、両備が不動産系の弁護士10名雇って詭弁を並べ立てても、社会はきちんと見ています。
両備は、弁護士を10名雇うより、土壌地下水汚染技術者を10名雇う方が、世の中のためになります。
両備は大きな間違いを犯しています。
2011/9/17(土) 午前 4:20 [ 両備小鳥が丘で有害物質放置 ] さん
次回に続く
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
|
|
「小鳥が丘団地」土壌汚染第1次訴訟(3世帯)の「控訴審」が、2011年(H23)9月22日13時30分から、広島高等裁判所岡山支部で行われます。
第一審判決で、岡山地裁は被告(両備)の不法行為を一部認め、原告(住民)勝訴となりました。
土壌汚染に関する裁判は多くありますが、大半は土地売買をめぐる企業同士や企業と行政間のものが多く、知る限りでは土壌汚染事件で「全国初」の被害住民勝訴判決となりました。
これを受けて、被告(両備)は即刻控訴し、引き続き第二審で争われます。
控訴人(両備)からの「控訴理由書」!(3)
「控訴審」にあたり、控訴人(両備)からの「控訴理由書」が届きました。
控訴人(両備)は、東京の弁護士を増員し、科学者などの専門家の意見書など徹底的な反論を準備しているようです。
「控訴理由書」の続きです。
第2 土壌汚染の健康被害と生活被害
原審判決の判断の誤りについて述べるにあたり、土壌汚染の健康被害と生活被害について理解しなければならない前提があるので、以下、これについて説明する。
1 環境法の規制
いわゆる典型七公害は、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤沈下、悪臭である。
このうち、大気汚染や水質汚濁は、化学物質が大気や水を通じて拡散し、人がこれを吸い込んだり汚染された食物を口にしたりすることがあり、健康被害に直結する深刻な被害をもたらしうる公害であり、昭和43年に大気汚染防止法が、昭和45年に水質汚濁防止法がそれぞれ制定された。
また、騒音、振動、地盤沈下、悪臭は、その程度が甚だしい場合は、健康被害をもたらすこともあろうが、その規則により守ろうとする利益は生活環境である。
これらの問題があれば、生活環境としての快適さが失われるからである。
これらも、昔から問題として認識されており、早くから法律により規制が始まった。
一方、土壌汚染に関しては、農地に関して農用地の土壌の汚染防止等に関する法律が昭和45年に制定され、汚染された土壌で育つ作物が人の口に入ることを防止する手立てがととのえられた。
しかし、農地以外は長年放置されていた。
これは、土壌汚染は大気汚染や水質汚濁とは異なって、土壌にとどまっている限り、健康被害はないと考えられていたからである。
しかし、農地以外の土地の土壌汚染であっても、地下水に汚染が拡大すれば、地下水を井戸水として飲用する人に健康被害のおそれがあり(以下「飲用リスク」という)、また、地表にとどまる場合は子供などが土遊びをして口に入れるなどして健康被害のおそれがあるため(以下「直接摂取のリスク」という)、放置してよいものではない。
このため、平成14年になって、はじめてどの土地にも適用のある法律として制定されたのが土壌汚染対策法である。
土壌汚染「対策法」であって、「防止法」ではない理由は、大気汚染防止法や水質汚濁防止法や廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という)の規制を遵守すれば、今や土壌汚染は発生しないからとされている。
しかし、これは逆にいえば、かつての大気汚染防止法や水質汚濁防止法や廃棄物処理法は現在から比較するとかなり規制が緩く、また規制に対する取締まりも不十分だったため、現在土壌汚染の土地が多々存在するということであって、平成14年の土壌汚染対策法制定までは国民一般の土壌汚染に対する意識は極めて乏しかったものである。
不動産鑑定評価基準が土壌汚染を価格形成要因として土壌汚染を入れるように変更されたのが平成14年7月3日であることは、このことの何よりの証左である。
2 土壌汚染対策法のリスク管理
土壌汚染対策法のリスク管理は、前述したように「飲用リスク」と「直接摂取リスク」に分けられている。
人が危険にさらされる態様が異なるので、規制の方法も異なるが、いずれも土壌に一定以上の濃度の汚染があるかどうかがまず問題となり、次にその汚染に人がさらされるリスクがあるかが問題となり、この両方の要件が満たされてはじめて土壌汚染対策義務が生じるものとされている。
つまり、いくら土壌が汚染されていても、飲用リスクがあるかどうかは、その結果汚染された地下水を井戸水として飲むという状況がありうるのかという基準で判断されるし、直接摂取リスクがあるかどうかは、地表の汚染を口にするような状況がありうるかという基準で判断される(乙第33号証)。
しかも、土壌汚染対策法の濃度基準自体も、従前法規制と結びつかない望ましい基準として定められていた土壌汚染に係る環境基準と同様の基準で決められており、かなり厳しい値が基準値である。
具体的にいえば、土壌汚染対策法における指定基準は、環境省主催の土壌環境施策に関するあり方懇談会(以下「環境省懇談会」という)第6回(平成20年1月9日)において配布された「指定基準地の設定の考え方」(乙第33号証)に示されているように、「一生涯にわたり摂取しても健康に対する有害な影響が表れないと判断されるレベル又はリスク増分が10万分の1となるレベル」(注:リスク増分が10万分の1となるレベルというのは、10万人に1人に新たに影響が生じるリスクが生まれるレベル。(「飲用リスク」は70年間、1日2リットルの地下水を飲用することを想定(乙第33号証3枚目)。「直接摂取リスク」は70年間、汚染土壌のある土地に居住した場合を想定(乙第33号証5枚目))に設定されている。
なお、本件で問題になっているベンゼンもトリクロロエチレンもシスー1,2−ジクロロエチレンも、すべて溶出量が基準を超えているもので、飲用リスクのみが問題になる(直接摂取リスクならば含有量基準が問題となり、規制物質も異なる)。
したがって、本件で地下水に汚染が達しているのか、その汚染を井戸水で飲む人がいるのかが問題になるが、被控訴人らはこれに該当しない。
本件分譲地の地中に見つかったこれらの物質は、地下水を飲まずに地表に住んでいる人の健康には関係のない汚染である。
このことは、第三者専門家機関による検証の結果として、「井戸水としての地下水利用がないこととあわせて健康への影響が直ちに懸念されるものではない」(乙第16号証)と記載されているとおりである。
3 油による土壌汚染
油分は、油分の一成分であるベンゼンを除き、それ自体土壌汚染対策法の特定有害物質には該当しない。
それは、油分により汚染された土壌が何らかの健康被害をもたらすとは考えられてはいないからである。
ただ、油分に汚染された土壌は、これを搬出して外で処分しようとすると、汚染のない土壌よりも処理コストがかさむことと、油分による土壌汚染は悪臭を発することがあるので、現在では土地取引においては、油分で汚染された土地も、このような不利益を買主にもたらす場合は、瑕疵ある土地として扱われうる。
ここで、注意すべきは、現在ですら、土壌処理コストの問題を別にすると、油分による土壌汚染は、悪臭が発生した場合に、生活被害に関する問題が生じうるにすぎず、油分で汚染された土地の上に居住していても、その悪臭が地下に閉じこめられたままでは、悪臭の問題は発生しないので、生活被害もないということである。
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2011年9月16日
控訴人(両備)からの「控訴理由書」!その3
l 2011年(H23)8月16日、第一審「判決」(5月31日)で、原告(住民)が勝訴したあと、被告(両備)が即刻控訴し、控訴人(両備)から「控訴理由書(7月21日付)」が届く。
【第二審】
控訴人 ;(両備ホールディングス株式会社)
被控訴人;(小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
マイホーム土壌汚染被害民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
次回に続く
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
|



