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マイホーム土壌汚染被害民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
l (2011年(H23)8月16日、第一審「判決」(5月31日)で、原告(住民)が勝訴したあと、被告(両備)が即刻控訴し、控訴人(両備)から「控訴理由書(7月21日付)」が届く。)
控訴人(両備)からの「控訴理由書」!(8)
【第二審】
控訴人 ;(両備ホールディングス株式会社)
被控訴人;(小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
「小鳥が丘団地」土壌汚染訴訟(3世帯)の「控訴審」にあたり、控訴人(両備)作成の「控訴理由書」が届きました。
控訴人(両備)は、東京の弁護士を増員し、科学者などの専門家の意見書など徹底的な反論を準備しているようです。
第一審判決で、岡山地裁は、被告(両備)の不法行為を一部認め、原告(住民)勝訴となりました。
土壌汚染に関する裁判は多くありますが、大半は土地売買をめぐる企業同士や企業と行政間のものが多く、知る限りでは土壌汚染事件で「全国初」の被害住民勝訴判決となりました。
被告(両備)は、翌日(6月1日)即刻控訴しました。
控訴審・初回口頭弁論は、2011年(H23)9月22日13時30分から、広島高等裁判所岡山支部で行われます。
引き続き行われる裁判で証拠提出するため、新たに、被告会社(両備)作成の本件団地給水施設工事に関して「団地給水施設申請及び設計書」の写しを入手しました。
この文書には「給水施設に廃油工場跡地にできた団地のため、化学製品を使用しない条件とする。」と付記されていて、申請者名欄には「両備バス株式会社」代表取締役社長印が捺印されており、申請者である被告会社(両備)が主張する「土壌汚染を認識し得なかった」ということはあり得ないと思います。
「控訴理由書」の続きです。
(第4 土壌汚染に関する取引関係者の意識と取引慣行)
4 宅地業者の意識
バブル経済が崩壊した後、日本の不動産価格は続落したが、このように低迷した不動産市場において外国人投資家が積極的に日本の不動産に投資を行うようになった。
その先駆けといわれるのが信託受益権による本格的な不動産証券化を行ったゴールドマン・サックスの大和生命ビル買収であり、これは平成10年のことである。
外資は、アメリカのスーパーファンド法により、土壌が汚染された土地の取得に大きな経済的リスクがあることを経験していることから、日本でも同様の法規制がいずれ敷かれることを見越して、土壌汚染の存否に重大な関心を抱いていた。
したがって、平成10年頃以降は、かかる外資の投資判断においては土壌汚染がないことが不可欠の前提となったことから、不動産取引業者にも土壌汚染に関する意識が急速に高まった(乙第38号証)。
また、土壌汚染に関しては、どのような調査を行って汚染の有無を判定するのか、また、土壌汚染が判明した場合にどのような対策が必要かが明らかになることが重要であり(土壌汚染調査といっても当然ながら当該土地の土壌の全量検査を行うわけではないため、調査ポイントと調査の深さが問題となるし、検査の方法も一定しなければ結果を比較できず、さらに対策の方法も無数にあるのでどの対策を行えば足りるのかがわかる必要がある)、これに必要な基準が明確になる必要がある。
この調査対象の指針が平成11年に環境庁によって「土壌・地下水汚染に係る調査・対策指針及び同運用基準」として明確に示されたことが調査が増えた大きな要因になった。
かくして、意識の高い宅建業者は平成10年頃からは土壌汚染に重大な関心を抱くようになり、不動産取引においても土壌汚染が重要事実であることを意識するようになったものであるが、必ずしもすぐには広くこの意識が宅建業者に共有されたわけではないので、例えば、社団法人不動産協会は、平成13年11月に「マンション事業における土壌汚染対策について」(乙第39号証)を公表し、マンション用地取得に際しての土壌汚染調査・浄化費用の負担の問題や、マンション購入者に対する説明内容・方法等についての見解を明らかにしている。
5 土壌汚染に関する取引慣行
以上のとおり、土壌汚染に係る環境基準は平成3年に制定されたものの、それが法規制に結びつくことがなかったため、その後も土地取引において土壌汚染が意識されることは一般になかったが、平成10年頃から外資の日本の不動産への投資が活発化したことを契機に、また、平成11年には調査対策指針が明確になったことから、平成10年頃以降、意識の高い不動産業者の間では、土壌汚染を重要事実と考えて取引が行われるようになったといえる。
これが決定的になったのは、平成14年の土壌汚染対策法の成立とそれに伴う宅地建物取引業法の改正(土壌汚染対策法の指定区域の有無が宅地建物取引業法第35条の重要事項となった)である。
裁判例17が「平成11年には、私人間の取引の場面においても土壌汚染が発見された場合には、それを除去すべきとの認識が形成されつつあった」としているのは、以上の経過から見ても正しいであろう。ただ、注意すべきは、「つつあった」ということであり、平成11年であってもそのような認識が一般的だったというわけではないということである。
また、都道府県等が把握した土壌汚染の調査事例件数が平成2年度から同5年度頃まではせいぜい年間40件前後であったのに対し、平成10年を境に急増して200件を超えるようになり、平成20年度に至っては1365件と、15年近くで30数倍に膨れ上がっていることはかかる事実を裏付けるものである(乙第40号証)。
以上から、土壌汚染対策法上の特定有害物質が基準値を超えて存在しているという事実は、平成2年(被控訴人(A)・同(B)の場合)又は平成5年(被控訴人(C)の場合)の取引当時、瑕疵でも宅建業者の説明すべき重要事実でもなかったことは明らかである。
なお、本件でそもそも販売時点以前から問題になっている悪臭の問題は、ここで述べた土壌汚染の問題とは別の問題である。
悪臭については古くから公害とされているものであり、その原因が地中にあっても、ここでいう土壌汚染の議論は妥当しない。ここで述べた土壌汚染に関する議論は、長期のリスクコントロールの観点で平成14年に制定された土壌汚染対策法による規制基準を超えた物質がかつての売買土地から発見されたからといって、そのこと自体から本件分譲地の分譲当時瑕疵があったとか当時宅建業者が説明すべき重要事実であったとかいうことはできないということである。
なお、瑕疵か否かは、取引当時の取引観念により判断されるべきことは平成22年6月1日の最高裁判決(民集64巻4号953頁、判例時報2083号77頁)においても明言されたように、確定した判例である。
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2011年9月18日
控訴人(両備)からの「控訴理由書」!その8
次回に続く
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
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2012年05月10日
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