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l 2011年(H23)9月13日、第一審「判決」で、原告(住民)が勝訴したあと、被告(両備)が即刻控訴し、控訴人(両備)からの「控訴理由書」を受けて、被控訴人(住民)から「控訴答弁書」を提出する。
マイホーム土壌汚染被害民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
住民提出「控訴答弁書」!小鳥が丘土壌汚染訴訟
【第二審】
控訴人 ;(両備ホールディングス株式会社)
被控訴人;(小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
「小鳥が丘団地」土壌汚染第1次訴訟(3世帯)第一審判決は、原告(住民)勝訴となりましたが、被告(両備)が控訴し、「控訴審」初回口頭弁論は、2011年(H23)9月22日に行われました。
前回掲載した控訴人(両備)からの「控訴理由書」を受けて、弁論期日前に、被控訴人(住民)から「控訴答弁書」を提出しました。
この住民提出「控訴答弁書」を掲載します。
「控訴答弁書」の中の「団地給水施設申請及び設計書」とは、被告(両備)が約20年前に宅地開発する際に、被告(両備)が作成した文書の写しで、引き続き行われる「控訴審」のために、住民が新たに入手した証拠資料のことです。
平成23年(ネ)第218号 損害賠償請求控訴事件
直送済
控訴人 両備ホールディングス株式会社
被控訴人 藤原 康、岩野敏幸、○○○○
答 弁 書
平成23年9月13日
広島高等裁判所 岡山支部第2部 御中
〒700-0817 岡山市北区弓之町2番15号弓之町シティセンタービル301
河田英正法律事務所(送達場所)
被控訴人ら代理人弁護士 河 田 英 正
電 話 086−231−2885
FAX 086−231−2886
第1 控訴の趣旨に対する答弁
1 本件控訴を棄却する
2 訴訟費用は控訴人の負担とする
との判決を求める。
第2 平成23年7月21日付控訴人控訴理由書について
1,原判決の事実認定について誤りはなく、控訴人主張の控訴理由はいずれも原判決が棄却されるべき理由とはならず、本件控訴は直ちに棄却されるべきである。
2,本件造成地においては「廃白土を原料として石鹸やペンキの元となる油を生成していた旭油化が操業しており、同工場の操業が原因で生じる悪臭や水質汚濁等が問題視されていたこと、同地の近隣を団地として宅地造成し販売していた被告には、同団地の住民から苦情が寄せられていたこと、岡山県や岡山市の公害課が同社に対し、再三にわたり行政指導を繰り返していたが、それに従う対策は講じられなかったこと、上記問題を解決するため、被告が本件分譲地を購入するに至ったこと、本件分譲地が被告に引き渡された際、同地には悪臭が残存しており、同地の表面には灰色がかった土が存在し、第2期の宅地造成後に建物を建築する際には、本件分譲地から部分的に乾いた黒色がかった土がでてきたことがあり、臭いも残存していたこと等」(判決書26ページ)について、控訴人は認識していた。
この事実関係について争いはないはずである。
被告会社作成の本件団地給水施設工事に関して「団地給水施設申請及び設計書」には「給水施設に廃油工場跡地にできた団地のため、化学製品を使用しない条件とする」と付記されていて、このことからも控訴人は本件団地の土壌の汚染状況を明確に認識していたことが明白である。
原判決はこのような前提事実がある以上、「安全性、快適性に関するより詳細な情報を収集すべく調査をした上で、その調査内容を説明するか、このような調査をしない場合には、少なくとも、認識していた上記(ア)各事情の外、同地中に廃白土、ベンゼン、トリクロロエチレン及び油分が存在する可能性があり、これらは、居住者の安全を害し得るものであり、また、生活に不快感・違和感を生じさせ得るものであることについて説明すべき義務があった」(判決書27ページ、28ページ)としていて、その判断に誤りはない。
3,原判決の説明義務に関する判断は、一般的に宅建業者として不動産取引に関してどのような説明義務があるかを判断したものではない。
一般的に宅建業者にどのような説明義務があるかについていくら論じても意味がない。
原判決は、すさまじい土壌汚染の可能性を認識したうえで、あえて宅地造成してこれを販売していた事実の存在を前提に、本来であれば宅地造成するときにその汚染の実態について十分に調査すべきであるがそれをしないで販売する以上は当然にその危険性を説明する義務があるとしたのである。
契約当事者間に情報格差等がある場合に、契約締結過程ないし契約内容等に関して、優位者に信義則上の説明義務を課し、説明を受けられないために適切な契約判断等の機会を失った損害の賠償責任を認められるのは当然である(最判平成16年11月18日、判時1883号62ページ参照)。
本件の場合は、かたや控訴人は資本力のあるデベロッパーであり、本件土地取得の経緯から土壌汚染の経過とその実態を熟知していた会社であり、一方、被控訴人らはこれらの事情については知る由もなく、一消費者として、自然環境に恵まれた団地であり、臭いに関しても「石鹸の香りがする」などとの汚染を隠すような説明を受けて購入するなどしたのであり、その情報格差、経済力格差は歴然としている。
このような場合に控訴人側に信義則上の説明義務違反が認められるのは当然である(東京地判平成18年9月5日判時1973号84ページ)。
4,原判決は、本件土地を控訴人が取得した経過からまず「安全性、快適性に関するより詳細な情報を収集すべく調査をしたうえで」と指摘し、調査義務を認めている。これは控訴人と被控訴人らが直接的に接触があった場面において直近の注意義務違反の過失を捉えたものと思える。
しかし、この調査義務は販売の段階で初めて問題になるのではなく、本件土地を宅地造成する際に調査すべき義務として捉えることができる。
控訴人は、激しい土壌汚染が懸念されていたにも関わらず、汚染の実態を正確に把握するための調査はしていない。
この調査さえもしないで「ベンゼン、トリクロロエチレン、シアン化合物及び油分等が存在したことを認識することができなかった」(控訴理由書25ページ)などと控訴人が主張することはできない。
この調査がなされていれば、土壌汚染の実態が把握され、本件油汚染対策が適切になされることが期待されたはずである。
そうすれば、本件のような損害は生じることはなかった。
控訴人が、本件のような激しい土壌汚染の存在した廃油処理工場跡地に宅地造成を始めるに際に、正確な土壌汚染の実態について調査をして正確に知ろうとしなかったこと自体が一番の問題である。
原審平成22年12月17日付原告準備書面第6、2項、3項の被告の責任に関する記述はこの趣旨を明らかにする主張である。
5,原判決は、原告の請求した損害額の一部しか認容していない。慰謝料については認められなかった。
被控訴人は、この損害額の判断については不服であり、この点については附帯控訴の予定である。
以上
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2011年9月23日
住民提出「控訴答弁書」!小鳥が丘土壌汚染訴訟
<コメント>
この「控訴答弁書」は、
私たち被害住民の主張したいことが、簡潔明瞭にまとめられた書面だと思っています。
2011/9/29(木) 午前 0:10 [ 小鳥が丘団地救済協議会 ]
次回に続く
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われ、判決言い渡しは2012年6月28日に行われます。
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
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2012年05月26日
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