小鳥が丘団地救済協議会(土壌・地下水汚染公害被害)

岡山市・小鳥が丘団地の土壌・地下水汚染公害の解決に努力する住民達のブログです

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マイホーム土壌汚染訴訟(岡山市・小鳥が丘団地)
岡山「両備ホールディングス」(当時・両備バス)に対し賠償命令
 
第一審判決で原告(第一次訴訟3世帯住民)が勝訴したあと、被告(両備)が控訴した「控訴審」で、2012年6月28日(木)に、「広島高等裁判所・岡山支部」に於いて、「判決言い渡し」がありました。
 
広島高裁は、第一審判決に続き、「両備ホールディングス」(当時・両備バス)の不法行為を認定し、損害賠償金の支払を命じる住民側勝訴の判決を出しました。
 
土壌汚染に関する裁判は多くありますが、大半は土地売買をめぐる企業同士や企業と行政間のものが多く、第一審判決に続き、被害住民が企業を相手に勝訴したのは、知るかぎりでは「全国初」の判決です。
 
広島高裁は、「両備HD」の説明義務違反による不法行為を支持し、第一審判決よりも明確に「両備HD」の責任を認める判決内容でした。
 
しかし、損害認定額は減額しています。
 
裁判所は、責任をより明確に認定しても、損害額を少なく認定することもあるようです。
 
「判決言い渡し」後、隣接する弁護士会館で住民側の記者会見を行いました。
 
<記者会見での住民のコメント抜粋>
 
両備ホールディングスは、土壌汚染宅地を多くの一般住民に売却したという事実を、重く受け止めていただきたい。
 
 
これからの展開は、敗訴した「両備HD」が上告するのかということが焦点です。
 
今回の第一次訴訟(3世帯)の判決は、岡山地裁で係争中の第二次訴訟(18世帯)に少なからず影響を与えることになると思います。
 
 
【第二審】
控訴人・附帯被控訴人・被告  ; 両備ホールディングス株式会社
附帯控訴人・被控訴人・原告  ; (小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
 
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、第二審(広島高等裁判所・岡山支部)判決は2012年6月28日に行われ、引き続き住民勝訴となりました。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!

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l  2011年(H23)11月8日、「控訴審」の第2回口頭弁論実施
 
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その10
 
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面、の続きです。
 
第4 健康被害について
 
1 本件土地に起因する健康被害のないこと
 
被控訴人は、地中からガスが出ており、その揮発性ガスを吸入し続けてきたため、呼吸器系の症状、アレルギー性皮膚炎などの疾患が生じたなどと主張するが(附帯控訴状4頁)、①揮発性のガスが本件土地の地中から「地表」に出ている証拠はなく、乙第14号証4頁によれば、地表面湧出ガス調査では「地表からのガス湧出は確認されなかった」し、②被控訴人らの診断書(甲第23号証、甲第25号証の1ないし2、甲第30号証)をみても、本件土地中にある特定有害物質との関連性を示していない。
 
2 津田意見書について
 
被控訴人らは、津田医師の意見書(甲第37号証)を提出してきたが、同意見書は別事件の証拠であり、被控訴人らの健康被害を把握した上で書かれた意見書ではないため、被控訴人らの健康被害を立証するものではない。
その上、津田意見書は、著しく信用性が低く、揮発性ガスと健康被害との間の因果関係を立証する何らの証拠にもならない。
 
第一に、「住民に見られる症状」とあるが、その症状を資格のある医師が診断をしているわけではなく、単に住民にアンケート調査を行って得られた回答を「住民に見られる症状」としているにすぎない。
このことは、同意見書2頁で「自記式調査票」とあることから分かるが、アンケートの質問票もアンケートの日時もアンケート実施者もアンケート回収日もすべて不明なものである。
津田意見書は、このアンケートの回答がすべて真実であればという前提を置かなければ理解できないが、その前提を置く合理的根拠は不明である。
いずれにしても、このような前提を明示しない意見書は、専門家の意見書として著しく不誠実なものというほかない。
 
第二に、対象とされる「一般市民において観察される割合」についても、それがいかなるデータなのか出所を表示していない。出所はあるはずだが、出所を明示しないデータ比較は、統計学的有意差を述べる意見書としてありえないものである。
 
第三に、「VOCを構成するベンゼンなどにつき、経気道曝露に関して、発症にいたる十分な曝露があると考えられる。」とあるが、「経気道曝露」の証拠、すなわち、そもそもベンゼンが本件土地上の地表(空中)にあるという証拠はない。その上、ベンゼンはアレルギーを引き起こすとされる、感作性物質ではない。
すなわち、日本産業衛生学会によって、アレルギー性呼吸器疾患が誘発される物質(気道感作性物質)とアレルギー性皮膚反応を誘発する物質(皮膚感作性物質)として認められている物質は、「許容濃度等の勧告」(乙第73号証)に基づき作成すると、別紙1の感作性物質一覧表のとおりであって、この中にベンゼンは含まれていない。
 
第四に、VOCの中に感作性物質として知られているものがあるが、本件ではそのような感作性を有するVOCが大気中に拡散しているという証拠は何もない。
大気中に検出されるVOCを特定する材料もない中で、それと健康被害との因果関係を論じることができないことは明らかである。なぜならば、何を論じているのかが不明だからである。
以上
 
 
別紙1
感作性物質一覧表
 
<記載を省略します>
 
 
 
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面、は以上。
 
 
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2011年11月27日
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その10
 
【第二審】
控訴人・附帯被控訴人・被告  ; 両備ホールディングス株式会社
附帯控訴人・被控訴人・原告  ; (小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
 
2011年(H23)11月8日に行われた、第一次訴訟(3世帯)・第2回「控訴審」に提出された準備書面を掲載しています。
今回の準備書面内訳
[1]平成23年10月24日付け、附帯被控訴人(両備)より答弁書。
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面。
[3]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より証拠説明書(2)。
[4]平成23年10月31日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
[5]平成23年11月 4日付け、控訴人(両備)より第2準備書面。
[6]平成23年11月 7日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
 
マイホーム土壌汚染被害・民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯被害住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
 
次回に続く
 
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
 
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われ、判決言い渡しは2012年6月28日に行われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
マイホーム土壌汚染被害・民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯被害住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
 
l  2011年(H23)11月8日、「控訴審」の第2回口頭弁論実施
 
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その9
 
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面、の続きです。
 
(第3 控訴人には調査義務も説明義務もないこと)
 
3 調査義務又は説明義務
 
被控訴人らは、「調査義務は販売の段階で初めて問題になるのではなく、本件土地を宅地開発する際に調査すべき義務として捉えることができる」(被控訴人答弁書3頁)と主張し、宅地造成にあたっての注意義務を主張するが、宅地造成にあたっても控訴人には注意義務違反はない。
宅地造成業者の宅地造成業務に関して遵守すべき法令としては、都市計画法と宅地造成等規制法が代表的なものである。宅地造成等規制法では「宅地造成に関する工事については規制を行う必要があるものを、宅地造成工事規制区域として指定することができる」(同法第3条第1項)とある。
本件団地は、宅地造成工事規制区域には該当しないから以下に述べる基準は適用されないものの、かかる宅地造成工事規制区域においても適用のある技術的基準(同法第9条第1項)は、現在でも、地盤に関しては、「1 切土又は盛土(第3条第4号の切土又は盛土を除く。)をする場合においては、崖の上端に続く地盤面には、特別の事情がない限り、その崖の反対方向に雨水その他の地表水が流れるように勾配を付すること。」、「2 切土をする場合において、切土をした後の地盤に滑りやすい土質の層があるときは、その地盤に滑りが生じないように、地滑り抑止ぐい又はグラウンドアンカーその他の土留(以下「地滑り抑止ぐい等」という。)の設置、土の置換えその他の措置を講ずること。」、「3 盛土をする場合においては、盛土をした後の地盤に雨水その他の地表水又は地下水(以下「地表水等」という。)の浸透による緩み、沈下、崩壊又は滑りが生じないように、おおむね30センチメートル以下の厚さの層に分けて土を盛り、かつ、その層の土を盛るごとに、これをローラーその他これに類する建設機械を用いて締め固めるとともに、必要に応じて地滑り抑止ぐい等の設置その他の措置を講ずること。」、「4 著しく傾斜している土地において盛土をする場合においては、盛土をする前の地盤と盛土とが接する面が滑り面とならないように段切りその他の措置を講ずること。」とあるのみである(宅地造成等規制法施行令第5条)。
したがって、現在においても、造成業者はこれらの事項については、高度の専門的な知見を求められるものの、これらの事項に該当しない事項、少なくとも類しない事項については、専門的な知識をもつことは期待されていない。
すなわち、分譲地における油分の存在から予見可能な事態がどこまでなのかを判断するにあたって、規制法上、分譲業者に特別な注意義務が加重されることは現在においてもない。
それゆえに、かかる予見可能性は、一般原則にのっとって、「その職業・地位に置かれた通常人」に期待される水準で判断されなければならない。現在は平成14年に制定された土壌汚染対策法の影響で、土地取引において地中の有害物質に対する取引当事者の関心がきわめて高くなっており、土壌の油汚染についても同様である。
したがって、分譲業者に期待される水準もかつてとは比較にならない高度なものがあると考えられる。
しかし、本件分譲時の平成2年は、土壌汚染の環境基準すら存在しなかった時代である(土壌汚染の環境基準が制定されたのは平成3年である。)。
ましてや現在も対策ガイドラインすらない動植物油分による土壌汚染について、悪臭という直接的な不快感を超えて人々が安全性に危惧感を抱くことがあったとは到底いえない。
したがって、悪臭対策を講じ、それが効を奏したことを確認して本件土地を分譲したことに、控訴人の注意義務違反がないことは明らかである。
 
すなわち、油分や廃白土が残存している可能性を控訴人が認識し得たとしても、それを住民らに告げる義務がなかったことは明らかである。
また、被控訴人らは、本件土地の調査をすべきであった等と主張するが、土壌汚染に関して取引関係者が意識などしていなかった社会状況にあって(詳しくは控訴理由書第4御参照のこと。)、しかも、安全性等に疑問を持ちえない状況にあって、かかる調査義務がなかったことは明らかである。
 
なお、被控訴人らは、被控訴人答弁書3頁で東京地判平成1895日を引用しているが、この事案は土壌汚染(ないしその可能性)を売主が、確実に認識していたあるいは認識予期出来た事案であって、本件とは事情が全く異なる。
東京地判は、判決が認定するように土壌汚染に対する認識が社会に形成されつつあった平成11年以降の平成14年の売買の事案である点や、売主自らが長年機械解体用地として機械解体業者に賃貸していたものであって、さらに売買前に報告書によって油分が染み込んでいることの報告を受けていたことからしても土壌汚染の可能性について売主が認識していたといえる点で、本件とは全く事情が異なるもので参考とはならない。
また、被控訴人らが引用する最判は説明義務違反に関する裁判例であるというだけで、本件の説明義務違反を考える上で特段参考になるものではない。
 
被控訴人らは、「給水施設に廃油工場跡地にできた団地のため、化学製品を使用しない条件とする」という付記があることから、「控訴人は本件団地の土壌の汚染状況を明確に認識していたことが明白である」と主張するが(被控訴人答弁書2頁)、甲第36号証には「廃油工場跡地」としか具体的な記載がなく、具体的に土壌汚染を認識していたといえるものではない。
しかも、甲第36号証からすれば、廃油工場跡地でも化学製品を使用しなければ給水施設を設置できることになり、油分が生活の安全性や快適性に特に影響を及ぼすものではないと認識されていたといえる。
 
なお、実際に水道局との協議や書類の作成・提出を行っていたのは邦洋設備所であり、本件土地の開発全体に関する岡山県・岡山市への開発許可申請に必要な書類の作成・提出を行っていたのは山崎測量であるが、控訴人は当時両者から給水施設について何か注意を受けたなどという報告は一切受けていない。
 
 
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2011年11月26日
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その9
 
【第二審】
控訴人・附帯被控訴人・被告  ; 両備ホールディングス株式会社
附帯控訴人・被控訴人・原告  ; (小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
 
2011年(H23)11月8日に行われた、第一次訴訟(3世帯)・第2回「控訴審」に提出された準備書面を掲載しています。
今回の準備書面内訳
[1]平成23年10月24日付け、附帯被控訴人(両備)より答弁書。
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面。
[3]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より証拠説明書(2)。
[4]平成23年10月31日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
[5]平成23年11月 4日付け、控訴人(両備)より第2準備書面。
[6]平成23年11月 7日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
 
次回に続く
 
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
 
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われ、判決言い渡しは2012年6月28日に行われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
2011年(H23)11月8日に行われた、第一次訴訟(3世帯)・第2回「控訴審」に提出された準備書面を掲載しています。
今回の準備書面内訳
[1]平成23年10月24日付け、附帯被控訴人(両備)より答弁書。
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面。
[3]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より証拠説明書(2)。
[4]平成23年10月31日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
[5]平成23年11月 4日付け、控訴人(両備)より第2準備書面。
[6]平成23年11月 7日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
 
【第二審】
控訴人・附帯被控訴人・被告  ; 両備ホールディングス株式会社
附帯控訴人・被控訴人・原告  ; (小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
 
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その8
 
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面、の続きです。
 
第3 控訴人には調査義務も説明義務もないこと
 
被控訴人らは、原判決を引用し、本件土地では旭油化が操業しており、旭油化は悪臭や水質汚濁等が問題視されていたこと、本件土地が引渡された当時には悪臭が残存していたこと、表面には灰色がかった土地があったことから、詳細な調査をすべき、調査をしない場合には、少なくとも同地中に、廃白土、ベンゼン、トリクロロエチレン及び油分が存在する可能性があり、これらは居住者の安全を害し得るものであり、また、生活に不快感・違和感を生じさせ得るものであることについて説明すべき義務があったと主張するが(被控訴人答弁書2頁)、上記事実からしてあり得ない。
 
1 ベンゼン等の特定有害物質
 
上述のように、本件土地上では「植物油」を製造する際の残さ等を原材料として石けん等を作っていたということが、当時、行政も含めた社会一般の認識であり、また、控訴人も同じくそのように認識していたのであるから、ベンゼンやトリクロロエチレンが土中に染み込んでいるとは認識していなかったし、認識できなかった。
 
また、旭油化が食用油等に用いられる植物油の残さを用いて石けん等を製造する過程で悪臭を生じさせていたとしても、機械溶剤の廃棄についてまで控訴人が認識し得たものでもなく、旭油化が操業していた当時、機械洗浄にベンゼンやトリクロロエチレンがしばしば用いられていたとしても、そこから、旭油化がベンゼンやトリクロロエチレンといった物質を土中に混入させていることまで予見できるはずなどない。
 
2 油分
 
上記第1及び第2から、廃白土あるいはある程度の油分が本件土中に残っていることを控訴人が認識できた可能性はあるかもしれない。
 
しかし、油分が本件土地に存在することとその油分が生活の安全性、快適性に影響を及ぼすこととは全く別である。
控訴人は、上記第2の土壌改良工事により悪臭が消え、安全性や快適性に影響がないと判断したものであり、これ以上、油分が安全性や快適性に影響を及ぼすとの認識はなかった。
すなわち、当時、油分が安全性や快適性に影響を及ぼすと考えられていたのは臭いだけであり、臭いが消えればそれで十分だったのである(控訴理由書35頁)。
 
 
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2011年11月25日
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その8
 
 
l  2011年(H23)11月8日、「控訴審」の第2回口頭弁論実施
 
マイホーム土壌汚染被害・民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯被害住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
 
次回に続く
 
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
 
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われ、判決言い渡しは2012年6月28日に行われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
l  2011年(H23)11月8日、「控訴審」の第2回口頭弁論実施
 
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その7
 
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面、の続きです。
 
(第2 本件土地の取得及び分譲の経緯)
(7 控訴人による追加土壌改良工事)
 
(2)ドラム缶の処理
 
東山工務店が上記土壌改良工事を進めたところ、本件土地の地中にドラム缶が埋まっていることが分かったので、控訴人と東山工務店は協議の上で、ドラム缶115トンを場外にトラックで搬出して処理した(乙第66号証)。
丈量図(乙第67号証)の手書きは、両備社員が東山工務店との協議の中で書き込んだものであるが、ドラム缶らしきものを埋め込んだ場所と手書きされているのも、ドラム缶があることが後から分かったため、そのとき書き込んだものである。
 
工事を進める中でドラム缶があることが分かり、追加で搬出したので、出来高調書にはドラム缶搬出の記載がないが、東山工務店は別途請求書によりドラム缶搬出による工事代金322万円を請求している(乙第66号証)。
東山工務店が工事もしていないのに、「請求書」を控訴人に送付してくることは業界慣行としてあり得ず、真にドラム缶搬出を行ったことは明らかである。
 
(3)ユーコーデルセンの噴霧
 
控訴人は、ケミコによる土壌改良作業中の悪臭を消すために、有恒薬品株式会社製のユーコーデルセンという業務用の防臭剤を噴霧した(乙第68号証)(「ユーコーデルセン」の「ユーコー」の由来となっている有恒薬品株式会社は住化エンビロサイエンス株式会社に経営統合され、同社のHPでは社名を変更した「デルセン®『ES』」として取り扱われているが、同社のHPでは、同製品は悪臭物質を科学反応により消臭するところに特徴があり、速効性、持続性を有する商品として紹介されており(乙第69号証)、同社に電話照会したところ、ユーコーデルセンとは成分等を含め全く同じ商品であるとのことである。)。
 
防臭剤噴霧も、追加の作業であるため264万円の請求書形式になっているが、工事をしないまま「請求書」を控訴人に送付してくることは、業界慣行として考えにくく、真に②防臭剤噴霧を行ったことは明らかである。
 
控訴人は、昭和60年5月15日に621万円の工事代金を東山工務店に支払っている(乙第65号証)。同時期に(2)(3)の工事代金合計586万円と金額が近似していることから、621万円はこれらの工事代金として支払われた可能性も十分に考えられる。
 
(4)土壌改良工事後の待機と盛土・造成工事
 
以上の土壌改良工事の後の本件土地は茶色の土で、以前とは比べものにはならないほど臭いも消えていたが、臭いが完全には消えていなかったので、控訴人は本件土地から臭いが空気中に飛散して消えるのを待つことにした。
 
その後、約2年を経過させたところ、本件土地から臭いはほとんどしなくなったことから、控訴人は本件土地を分譲地として販売するため、造成工事を行うこととし、昭和61年12月1日に開発行為の許可を岡山県に申請し、昭和62年2月23日、岡山県から開発許可を取得した(乙第70号証の1)。
この際、岡山県からは、特に開発許可に関し、条件を付けられていないし、臭いについての注意喚起を促されたことはなかった(乙第70号証の1、乙第70号証の2)。
 
給水施設に関しては、岡山市からの指導により水道管の本管は鉄管を使用し、本管からの引込管は鉛管を使用しているが、控訴人が給水施設に関する岡山市との協議を依頼していた有限会社邦洋設備所(以下「邦洋設備所」という。)や給水施設も含めた本件土地の開発全体に関する岡山県・岡山市への開発許可申請に必要な書類の作成・提出等を依頼していた株式会社山崎測量事務所(以下「山崎測量」という。)からは特に給水施設に関する注意喚起を受けたことはなかった。
 
控訴人は許可を取得した後、造成工事に着手し、分譲地としての造成に必要な側溝等の工事をした上で、真砂土で約0.5メートル盛土を行った。
 
造成に際して、北側土地に、駐車場として使用するための空間を掘り抜く等したが(乙第71号証)、周りの土とは違う色の土が出てきたということはなく、悪臭が強くなったこともなく、ましてや黒い汚泥や汚水が出てきたといったことはなかった。
当時、地面をどこまで掘っても表面に見えているような灰色っぽい色の土が出てきただけであった(乙第25号証4頁)。
 
造成工事後、控訴人は、有限会社岡山造園と岡山県工業技術センターにPH試験を実施させ、PHが6.8〜7.7の中性の正常値であったことから(乙第72号証)、本件土地の分譲を開始した。
 
その後、昭和63年、平成2年に控訴人は順次本件土地の開発許可を取得して、第2期、第3期の分譲を行った。
その際、本件土地は現在の本件土地の地中の土のように、強い異臭を放つようなものではなかったため、特に気に留めることなく、そのまま分譲しており、住民からも造成時に異臭による苦情を受けたことはなかった。
 
8 現在の土壌汚染との関係
 
このように、控訴人は、本件土地の悪臭を消す目的で、土壌改良工事や防臭工事を行い、造成工事において約0.5メートルの真砂土による盛土をした上で、本件土地の分譲を行ったものである。
 
本件土地からは、黒い土が出てきて、異臭がする地点もあるとのことであるが、少なくとも本件分譲当時は土を少し掘っただけで黒い土や異臭がする状況ではなかった。
造成工事後、実際に、分譲工事が行われ、その際には特段の苦情のなかったことがその証左である。
なお、原判決では、平成2年の造成時(原判決では第2期とされているが、正確には第3期のことであると思われる。)に、部分的に乾いた黒い土が出てきたことがあり、臭いも残存していたとの判断があるが、平成2年の造成工事当時に見つかった黒い土は、現在の黒い土とは様態が異なっており、また異臭も現在のような強烈なものではなかった(○○氏証人調書87頁〜90頁、乙第27号証2頁以下)。
 
次回に続く
 
 
ブログコメント!
 
控訴人(両備)の第1準備書面 上記(2)ドラム缶の処理 について反論。
 
これらの事実経過は、改めて控訴人らは本件土壌汚染の実態について詳しく知りうべき状況にあり、汚染の経過と激しい土壌汚染の実態を知っていたことを確信させるものである。
 
工事の途中で、埋もれているドラム缶に気づいたり、途中で一部の汚染土壌の搬出をしたり(乙57号証)、計画的な土壌汚染対策がなされていなかったのは明白である。
 
控訴人(両備)の主張によって、ずさんな造成工事、土壌汚染対策の実態がより明らかとなっている。
 
造成工事中にはたくさんのドラム缶が埋め立てられていた事実が判明して、搬出をしている。その際の廃油処理は115トンにも及んでいる(乙66号証)。
 
さらに、油分を含んだ土1450トンを産業廃棄物として搬出したとの説明もある(乙57号証)。
 
これらの記述だけですさまじい汚染があったことが推測されるが、控訴人(両備)は、土壌汚染は認識可能性がなかったと強弁している。
 
2011/12/16() 午後 8:48 [ 小鳥が丘団地救済協議会 ]
 
 
(参照)
<YAHOO!ブログ>、2011年11月24日
小鳥が丘土壌汚染・第2回「控訴審」!その7
 
【第二審】
控訴人・附帯被控訴人・被告  ; 両備ホールディングス株式会社
附帯控訴人・被控訴人・原告  ; (小鳥が丘団地第一次訴訟3世帯住民)
 
2011年(H23)11月8日に行われた、第一次訴訟(3世帯)・第2回「控訴審」に提出された準備書面を掲載しています。
 
マイホーム土壌汚染被害・民事訴訟第一次(3世帯)住民の母体である「小鳥が丘団地救済協議会」が、3世帯被害住民の体験を発信し多くの方と議論してきました。この記事を発生順序で整理し再度掲載します。
 
(参考文献;『深刻化する土壌汚染』第5章「岡山市小鳥が丘団地の土壌汚染事件(小鳥が丘団地救済協議会住民 著)」)
 
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後8年近く経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われ、判決言い渡しは2012年6月28日に行われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!

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