小鳥が丘団地救済協議会(土壌・地下水汚染公害被害)

岡山市・小鳥が丘団地の土壌・地下水汚染公害の解決に努力する住民達のブログです

住宅団地の土壌汚染

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2011年(H23)12月20日に行われた、第一次訴訟(3世帯)・第3回「控訴審」に提出された準備書面を掲載します。
 
今回の提出準備書面内訳
[1]平成23年12月8日付け「控訴人(両備)提出、第3準備書面」。
[2]平成23年12月19日付け、「附帯控訴人(住民)提出、準備書面3」。
 
控訴人(両備)提出証拠資料
(乙76号証)、応用地質株式会社作成「南古都団地土壌調査(黒い土の成因調査)報告書」。
(乙第77号証)、財団法人岡山県環境保全事業団土屋充作成『「南古都団地」における土壌汚染事象についての一考察』。
(乙第78号証)、岡山大学大学院環境学研究科教授西垣誠作成「南古都団地の土壌に関しての意見書」。
 
 
両者の名称
(両備)は、 控訴人  ・ 附帯被控訴人 ・ 被告 。
(住民)は、 被控訴人 ・ 附帯控訴人  ・ 原告 。
 
 
[1]平成23年12月8日付け「控訴人(両備)提出、第3準備書面」、の続きです。
 
(第2 損害について)
(1 原審の判断について)
 
 
(3)減価割合について
原審の50%という減価割合の判断には、分譲当時と現在との土地評価についての混同があると思われる。
原判決は「市場価格は近隣相場の50%になると認められるから」(原判決29頁)と、何の根拠もなく判示しているが、これは現時点での評価を述べているものと思われる。
しかしながら、原審の論理に基づくとしても、「ベンゼン、トリクロロエチレン及び油分が存在する可能性があり、これらは、居住者の安全を害し得るものであり、また、生活に不快感・違和感を生じさせ得るものであること」を説明していたら、どれだけ分譲当時において、減価するかが問われなければならず、現時点での評価を基準として判断する理由はない。
被控訴人○○が本件土地における旭油化の操業実態を熟知していながら減価交渉もせずに本件土地建物を購入したことからみれば、分譲当時、かかる説明があっても、その減価は限りなくゼロに近いと思われるし、仮に何らかの減価があったとしても、上記のとおり、利得は損益相殺されるべきである。
 
なお、付言すると、既に繰り返し主張しているように、少なくとも、ベンゼン、トリクロロエチレン等の現在の土壌汚染対策法の特定有害物質については、控訴人には全く認識可能性がないものであるから、説明しようもない。
また、植物性油分の存在可能性についても、「悪臭」が消えており、上述のとおり、将来に新たな「異臭」が発生することは予見できなかった以上、説明義務はない。
仮に、「油分が残っていたら何か問題がありますか」と聞かれていたとしても、控訴人の販売担当者は答えに窮したはずである。分譲時には「悪臭」もなかったからである。しいて言えば、「悪臭対策として生石灰を入れて臭いを消していますので、悪臭はないでしょう。しかも、表土は真砂土に入替えており、土地を深く掘削することがなければ、仮に地中に油分が存在していても油分による不快感はないでしょう。」といった説明であろう。
しかし、本件土地における旭油化の操業実態を熟知していた被控訴人○○が減価交渉もせずに、土地を購入しているという経過から考えると、このような説明で減価がありえたとは思われない。
 
(4)被控訴人らの土地建物の現在価値
被控訴人らの土地建物(被控訴人○○についてはかつて所有していた土地建物)の現在価値は、土壌汚染が全くないとしても、現時点で以下のとおりである(乙第83号証の1〜3)。
 
 
土地
建物
合計
被控訴人○○
,810,000円
,740,000円
,550,000円
被控訴人旧○○
,340,000円
,830,000円
,170,000円
被控訴人○○
12,700,000円
,800,000円
16,500,000円
 
土壌汚染の問題が全くない状態であっても経年劣化により被控訴人らの土地建物の現在価値は既に上記のとおり、原審認定の損害額より小さいものとなっている。
原審の損害額の認定が使用収益の利得を考慮しないため、いかに不合理なものとなっているかはこのことだけを見ても明らかである。
何の問題もない土地建物を得ていても、被控訴人らに帰属する残存利益は上記現在価値を超えることがない以上、少なくとも、財産的損害がこれを超えることなどありえないからである。
 
 
次回に続く。
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後7年以上経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
2011年(H23)12月20日に行われた、第一次訴訟(3世帯)・第3回「控訴審」に提出された準備書面を掲載します。
 
今回の提出準備書面内訳
[1]平成23年12月8日付け「控訴人(両備)提出、第3準備書面」。
[2]平成23年12月19日付け、「附帯控訴人(住民)提出、準備書面3」。
 
控訴人(両備)提出証拠資料
(乙76号証)、応用地質株式会社作成「南古都団地土壌調査(黒い土の成因調査)報告書」。
(乙第77号証)、財団法人岡山県環境保全事業団土屋充作成『「南古都団地」における土壌汚染事象についての一考察』。
(乙第78号証)、岡山大学大学院環境学研究科教授西垣誠作成「南古都団地の土壌に関しての意見書」。
 
 
両者の名称
(両備)は、 控訴人  ・ 附帯被控訴人 ・ 被告 。
(住民)は、 被控訴人 ・ 附帯控訴人  ・ 原告 。
 
 
[1]平成23年12月8日付け「控訴人(両備)提出、第3準備書面」、の続きです。
 
 
第2 損害について
 
既に繰り返し述べているように、本件土地の特定有害物質による土壌汚染並びに植物由来の廃油がもたらした可能性のある現在の地中の黒い土、異臭、メタンガス及び硫化水素について、控訴人に分譲当時予見可能性はなく、従って結果的に現在から見ればその原因と考えられる事実について当時控訴人に説明義務もなく、控訴人が不法行為責任を問われる理由はない。
したがって、損害論にふみこむまでもなく原判決は取り消され、被控訴人らの請求は棄却されるべきである。
しかし、原判決の損害論は、かかる責任論とは別に考えても甚だ合理性を欠くものであるから、以下にその損害論がどのような点でどのように不合理であるかを示すとともに、本件の被控訴人らの損害は本来どのように整理されて議論されるべきかを示す。
 
1 原審の判断について
 
(1)原審の判断の問題点
原審は、「市場価格は近隣相場の50パーセントになると認められるから」(原判決29頁)という理由で、土地建物の取得代金の50%相当を損害と認定している。
この原審判示部分の意味は必ずしも判然としないが、分譲当時、説明義務を尽くしていれば、土地建物の取得価格は近隣相場の50%であったであろうという意味であれば、その証拠がなく、現在の市場価値から推認できるものでもない(むしろ、後述する被控訴人○○の対応からすれば、分譲当時においては、減価はされなかったといえる。)。
また、土地について何らかの減価があったとしても、建物に減価があるはずもない。
しかも、土地について何らかの減価があったとしても、その減価割合(以下、単に「減価割合」という。)が50%であると判断する根拠はどこにもない。
さらに、仮に説明義務を尽くしていれば土地の取得価格に減価があったとしても、本件土地の土壌汚染が発覚した平成16年7月までは、土壌汚染がないものとして土地建物は使用収益されているものである。
したがって、少なくとも各被控訴人の取得時から平成16年7月までは、賃料相当額(使用収益による利益)の減価割合相当額は、各被控訴人が利益の享受を現実には少しも妨げられてはいないという意味で、各被控訴人の利得を構成しているから、かかる利得は損益相殺されなければならない(千葉地裁平成23年2月17日判決 判例タイムズ1347号220頁(乙第81号証)は、建築基準法に定める接道要件を満たしていないことを説明しなかったことで説明義務違反の不法行為責任を認めたが、17年間にわたる居住利益を損害から控除することを認めている。)。
 
(2)使用収益の利得について
使用収益の利得を被控訴人○○について考えると次のとおりである。
同人の場合、土地売買代金は910万1000円で、建物工事代金は1589万9000円である。問題は、土地売買代金であるから、これが仮に説明義務を尽くしていたとしたら、10%減価されていたとする。
そうであれば、土地売買代金の10%である91万100円(これは、土地建物の取得総額の約3.6%である。)が減価額である。
しかし、取得した平成2年8月から平成16年7月まで(13年11か月)は土壌汚染がないものとして土地建物は使用収益されていたのであるから、賃料相当額を終始月額8万円とみても(乙第82号証の1の3枚目の付記1号の8万3900円参照。なお平成2年から平成23年まで新築か否かにかかわらず、本件分譲地の住宅の賃料に大差がなく、この期間においてこの住宅をいつ賃貸に出してもいつもほぼ同額であったと見られることについては、乙第82号証の2参照)、 その3.6%である2880円は月額の利得と考えられる。
これを平成2年8月から平成16年7月までの13年11か月(167か月)で計算すると、48万960円は利得したことになる。そうなると、減価割合を10%とした場合、損害は91万100円との差額の42万9140円にすぎない。
 
被控訴人らが、減価割合が10%ということはない、もっと大きいというのであれば、減価額は増えるが、それに相応して利得額も増える。仮に、原審判決のように減価割合50%であると考えると、土地売買代金の50%である455万500円(これは、土地建物の総取得額の約18.2%である。)が減価額である。
賃料月額を8万円とすると、その18.2%である1万4560円が月額の利得となる。
これを13年11か月(167か月)で計算すると、243万1520円が利得総額である。そうなると、損害は455万500円との差額の211万8980円となる。
 
使用収益の利得を被控訴人○○について考えると次のとおりである。
同人の場合、土地建物売買代金は、合計で2650万円である。土地建物の内訳が不明であるので、仮に建物代金を1000万円とし、土地代金を1650万円とする。問題は、土地売買代金であるから、これが仮に説明義務を尽くしていたとしたら、10%減価されていたとする。
そうであれば、土地代金の10%である165万円(これは、土地建物代金の6.2%である。)が減価額である。
しかし、取得した平成5年1月から平成16年7月まで(11年6か月)は土壌汚染がないものとして土地建物は使用収益されていたのであるから、賃料を終始月額8万円としても(乙第82号証の1の2枚目の8万8200円参照。)、その6.2%である4960円は月額の利得と考えられる。
これを平成5年1月から平成16年7月までの11年6か月(138か月)で計算すると、68万4480円は利得したことになる。そうなると、減価割合を10%とした場合、損害額は165万円との差額の96万5520円にすぎない。
 
使用収益の利得を被控訴人○○について考えると次のとおりである。
同人の場合、土地売買代金は2374万4000円であり、建物工事代金は3996万4000円である。
問題は、土地売買代金であるから、これが仮に説明義務を尽くしていたら、10%減価されていたとする。
そうであれば、土地売買代金の10%である237万4400円(これは土地建物の取得総額の約3.7%である)が減価額である。
しかし、取得した平成2年6月から平成16年7月まで(14年1か月)は土壌汚染がないものとして土地建物は使用収益されていたのであるから、賃料を月額21万円としても(乙第82号証の1の3枚目の付記2号の21万5800円参照。)、その3.7%である7770円は月額の利得と考えられる。
これを平成2年6月から平成16年7月までの14年1か月(169か月)で計算すると、131万3130円は利得したことになる。
そうなると、減価割合を10%とした場合、損害は237万4400円との差額の106万1270円にすぎない。
 
 
次回に続く。
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後7年以上経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
2011年(H23)12月20日に行われた、第一次訴訟(3世帯)・第3回「控訴審」に提出された準備書面を掲載します。
 
今回の提出準備書面内訳
[1]平成23年12月8日付け「控訴人(両備)提出、第3準備書面」。
[2]平成23年12月19日付け、「附帯控訴人(住民)提出、準備書面3」。
 
控訴人(両備)提出証拠資料
(乙76号証)、応用地質株式会社作成「南古都団地土壌調査(黒い土の成因調査)報告書」。
(乙第77号証)、財団法人岡山県環境保全事業団土屋充作成『「南古都団地」における土壌汚染事象についての一考察』。
(乙第78号証)、岡山大学大学院環境学研究科教授西垣誠作成「南古都団地の土壌に関しての意見書」。
 
 
両者の名称
(両備)は、 控訴人  ・ 附帯被控訴人 ・ 被告 。
(住民)は、 被控訴人 ・ 附帯控訴人  ・ 原告 。
 
 
[1]平成23年12月8日付け「控訴人(両備)提出、第3準備書面」、の続きです。
 
(第1 「第1、控訴人の説明義務」について)
 
 
5 第二次訴訟の鑑定
 
本件土地の分譲をめぐっては、被控訴人らの他に、控訴人に対し、○○○○外21名による損害賠償請求事件(岡山地方裁判所平成19年(ワ)第2011号)が提起されているが、同事件の原告らの申請により詳しい鑑定が行われている。
その鑑定対象土地は被控訴人らの土地ではないものの、同鑑定書で判明した調査結果は同じ団地内の被控訴人らの土地にもほぼ妥当するものと思われる。
 
このたび提出した乙第76号証〜第78号証の調査報告書、意見書の作成者は、同鑑定書を見た上で調査を行い、意見を述べているので、鑑定書を本事件でも証拠として提出する(乙第80号証)。なお同鑑定書で判明している客観的事実はおおよそ以下のとおりである。
 
(1)地表面からのガス
地表面については115地点の計測が行われたが、硫化水素及び一酸化炭素、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンは、検出されていない。
メタンガスについては、地表(床下及び物置下を含む。)からの検出は認められていないが、量水器にはメタンガスが滞留している箇所が2箇所あった(乙第80号証・鑑定書2頁 表1 土壌表面ガス調査結果一覧表(簡易調査、1m深度)参照)。
 
ただし、メタンガスは人体に対する毒性はないとされ、また空気よりも軽いため、換気が良好であればガスは空気中に拡散するとされる。
 
なお、総VOC計による総VOCが微量ながら検出されているが(乙第80号証・鑑定書2頁 表1 土壌表面ガス調査結果一覧表(簡易調査、1m深度)参照)、量水器の総VOCの量のみ突出して値が高いことから、多くはメタンガスを検出したものと考えられる(乙第80号証・鑑定書補足資料2−3 表補足2−1a 土壌表面ガス調査結果(地表面)参照)。
 
(2)地中に存在するガス
地表から50cmの地中においても、ベンゼン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンについては一切検出されていない。
なお、メタンガス(5%以上の箇所が、92地点中13箇所)や、一酸化炭素(50ppm以上の箇所が、92地点中6箇所)が検出されており、硫化水素については、計92地点中2地点においてのみ検出されている(乙第80号証・鑑定書補足資料3−3 表補足3−1a 土壌表面ガス調査・補足調査(50cm深度)結果参照)。
 
地表から1mの地中においても、19地点の調査が行われたが、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンは検出されていない。
ベンゼンについては、10地点で検出されており、1地点では3.0volppmという高い値が検出されたが、残り9地点では、0.15〜0.75volppm程度であった。
硫化水素については、1地点のみで、35.6ppmという高い数値を示したが、それ以外の18地点では検出されていない。
一酸化炭素については、10地点で検出されているが、いずれも2〜25ppmという低い値であった。
また、メタンガスについては、9地点で5%以上検出されている(乙第80号証・鑑定書補足資料4−14 表補足4−1 土壌表面ガス調査・簡易ボーリング(深度1m)結果参照)。
 
(3)油分
地中の土壌計18地点につき、油分の指標としてノルマルヘキサン抽出物質量を測定した結果、17地点で油分が検出された。
ただし、それぞれの地点で計測した深度が違うものの、0.01%〜2.11%と値に違いが見られた。
なお、2.11%という高い数値は、深度0.7〜0.8mの地点であって、0.3〜0.4mのところでは、0.07%であり、その他、1%を超える値となったのは、0.9〜1mのところがほとんどであった(乙第80号証・鑑定書補足資料6 試験結果証明書 別紙試験結果及び試験方法参照)。
 
なお、ノルマルヘキサン抽出試験では、いわゆる「油」だけでなく、他に界面活性剤や石鹸、アルコール、アミン類、農薬や染料、フェノール類、コロイド状硫黄など「油」以外のものも含まれることは上述のとおりであるが、乙第77号証・土屋常務理事意見書4頁及び甲第16号証2−2(1)を参照されたい。
 
 
次回に続く。
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後7年以上経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
2011年(H23)12月20日に行われた、第一次訴訟(3世帯)・第3回「控訴審」に提出された準備書面を掲載します。
 
今回の提出準備書面内訳
[1]平成23年12月8日付け「控訴人(両備)提出、第3準備書面」。
[2]平成23年12月19日付け、「附帯控訴人(住民)提出、準備書面3」。
 
控訴人(両備)提出証拠資料
(乙76号証)、応用地質株式会社作成「南古都団地土壌調査(黒い土の成因調査)報告書」。
(乙第77号証)、財団法人岡山県環境保全事業団土屋充作成『「南古都団地」における土壌汚染事象についての一考察』。
(乙第78号証)、岡山大学大学院環境学研究科教授西垣誠作成「南古都団地の土壌に関しての意見書」。
 
 
両者の名称
(両備)は、 控訴人  ・ 附帯被控訴人 ・ 被告 。
(住民)は、 被控訴人 ・ 附帯控訴人  ・ 原告 。
 
 
[1]平成23年12月8日付け「控訴人(両備)提出、第3準備書面」、の続きです。
 
(第1 「第1、控訴人の説明義務」について)
 
 
4 予見可能性について
 
現在の状況に至った構造的原因としては、以下の事実が指摘されている(乙第77号証・土屋常務理事意見書1〜2頁)。
 
① 造成地に相当程度の有機物と油分が残存していた。
② 当該地は擁壁等で囲まれ周囲の浅層地下水系と連動しておらず、もともと地下水の流動性が乏しい。
③ 土質性状として、粘土・シルト成分が多くもともと通気性及び通水性は良好なものではない。
 
そのような本件土地において、上記2や3で述べたとおり、時間経過に伴う地盤の圧密化等が進行する中で、通気性の悪化に伴い土壌が嫌気的雰囲気化していき、発生した硫化水素が地中の鉄と結合して硫化鉄化が生成し色調が黒変した。
さらに嫌気的雰囲気化が進行してメタンガスも発生した。
また、それと並行して通水性の悪化も進行し、浸透雨水が地中に滞留し次第に地下水位が上昇していった。
それらの結果として、生成物質の表層土への移行(浮上)・拡散、並びにもともと含有していた油分等の溶脱・拡散が相まって、地表付近においても、特に雨後の地下水位上昇時などにおいて、それらの複合臭である「いわゆる異臭」が体感されるようになったものと考えられる(乙第77号証・土屋常務理事意見書1〜2頁)。
 
これらのことが果たして、造成当時に予見できたかどうかであるが、化学的又は生物学的知識があるものは、①ないし③の認識があれば現状の予見は可能であったかもしれない。
 
しかし、一般人であれば、①ないし③の認識があっても現状は予見できなかったことは明らかである。
控訴人は、化学的又は生物学的知識が特にある者ではなく、予見ができなかった。
 
当時の環境公害としては悪臭(メチルメルカプタンとアンモニアが行政検査で検出されている。)と有機物汚濁(同植物性残渣や油脂類)にのみ目が向けられていたものであり、その対策として表土の除去、石灰混入、表面復土を施していることは、当時の分譲業者の措置として一般的な適切さを欠くものではない(乙第77号証・土屋常務理事意見書5頁)。
 
また、旭油化の業態から、取り扱う油種は当然ながら石鹸原料となる動植物油系が中心であって、現在の異臭の原因物質に鉱物油類(軽油や重油など)が含まれているとしても、鉱物油類が相当量使われていたことを当時想定することはできなかったものである(乙第77号証 ・ 土屋常務理事意見書1〜2頁)。
 
以上のとおりであるから、原判決が、分譲当時においても、「地中に一定量を超えて上記物質(控訴人注:廃白土、ベンゼン、トリクロロエチレン、油分を指していると思われる)が存在した場合には、同地の居住者の安全性が害されることについて、一般的に認識されていたということができる」、また、「上記物質が地中に存在する場所に居住することは、当時においても、一般的に不快を感じ得る事情であったと推認される。」という判断(原判決27頁)には根拠がなく、造成当時からの予見が可能であったかの具体性のある認定を欠いたものであって、この判断をもとになされた説明義務の判断も根拠がない。
 
なぜならば、以上に述べたところから明らかなように、現在の黒い土や地中の異臭やメタンガスや硫化水素の発生という「具体的な事実」に着目すれば、生活環境を不快にしうる事情は、決して、分譲当時、「上記物質」の存在から一般に認識されえたものではないからである。
まして、ベンゼン、トリクロロエチレン等の現在の土壌汚染対策法の特定有害物質についてはその存在の認識可能性すらなかったことは、控訴理由書、控訴人第1準備書面、控訴人第2準備書面で既に繰り返し述べたとおりである。
 
 
次回に続く。
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後7年以上経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
2011年(H23)12月20日に行われた、第一次訴訟(3世帯)・第3回「控訴審」に提出された準備書面を掲載します。
 
今回の提出準備書面内訳
[1]平成23年12月8日付け「控訴人(両備)提出、第3準備書面」。
[2]平成23年12月19日付け、「附帯控訴人(住民)提出、準備書面3」。
 
控訴人(両備)提出証拠資料
(乙76号証)、応用地質株式会社作成「南古都団地土壌調査(黒い土の成因調査)報告書」。
(乙第77号証)、財団法人岡山県環境保全事業団土屋充作成『「南古都団地」における土壌汚染事象についての一考察』。
(乙第78号証)、岡山大学大学院環境学研究科教授西垣誠作成「南古都団地の土壌に関しての意見書」。
 
 
両者の名称
(両備)は、 控訴人  ・ 附帯被控訴人 ・ 被告 。
(住民)は、 被控訴人 ・ 附帯控訴人  ・ 原告 。
 
 
[1]平成23年12月8日付け「控訴人(両備)提出、第3準備書面」、の続きです。
 
(第1 「第1、控訴人の説明義務」について)
 
 
3 異臭について
 
「異臭」は生活に不安感・違和感をもたらしうるものであり、本件では、確かに、分譲当時の土壌改良工事前から「悪臭」が社会問題になっていたが、土壌改良工事によりこれが消えて、分譲が可能になった経緯がある(以下、分譲当時に問題となっていた臭いを「悪臭」、現在の臭いを「異臭」と区別して用いる。)。
したがって、地中の植物性油分を原因として二十年後の将来に、地上に「異臭」が発生することを控訴人が認識し得ないのであれば、控訴人が植物性油分の存在を認識し得たとしても、控訴人が説明義務を含めた各種の不法行為責任に問われる余地はない。
 
この点に関して、以下の「4 予見可能性について」でも述べるとおり、①土壌改良後に発生した「異臭」は土地が嫌気的状態となり、有機物が分解されたことによる臭い等が混じった複合臭であって、土壌改良前に発生していた「悪臭」と現在の「異臭」は別物であり、②現在の「異臭」は、本件土地の通水性の悪化、浸透雨水地中滞留、地下水位の上昇等の結果として、溶剤等の溶脱・拡散による臭いと、有機物分解による生成物質の臭いとが相まったものであり(乙第77号証・土屋常務理事意見書4〜5頁)、これらの「異臭」発生を造成当時に控訴人が予測するのは不可能であった。
 
硫化鉄は黒色を呈するが、それ自体「異臭」を放つものではない。他方、本件土地を現在掘削すると、「異臭」があり、油臭が強いとの報告もある。ただし、臭いというのは、複合的で、色々な臭いが混じっている可能性もあるし、感じる臭いや強さも主観的なもので個人差がある。
上記2で述べた有機物の分解過程では、特定の臭気を有する脂肪酸類、アルデヒド類など多くの中間化合物が生成することが知られており(乙第77号証・土屋常務理事意見書4頁)、臭気のもともとの原因物質を特定することは非常に難しい。
 
本件土地においても、ベンゼンやトルエン、キシレンなど揮発性有機化合物が土中に微量ながら混入していることは確認されていて、当然ながら現地での臭気にはそれらの溶剤臭も含まれうるが、他の硫黄系(硫化水素等)や窒素系(アンモニア等)さらには脂肪酸系の物質の臭気とがミックスされて「異臭」が生じ、それを観測者が強い油臭と感じているものと考えられる(乙第77号証・土屋常務理事意見書3〜4頁)。
 
ノルマルヘキサン抽出物質は油だけではなく、他に界面活性剤や石鹸、アルコール、アミン類、農薬や染料、フェノール類、コロイド状硫黄など油以外のものも含まれることは周知の事実である(乙第77号証・土屋常務理事意見書4頁)。
 
旭油化が操業している時期の「悪臭」測定では、アンモニア(窒素系)とメチルメルカプタン(硫黄系)が検出されていた記録(乙第79号証)もあるところ、現在では、アンモニア臭でも硫黄臭でもなく、「強い油臭」として観測者が感じていることからすれば、現在の臭いと、小鳥が丘団地の造成前にあった臭いとは違う可能性が高い。
現在の臭いは、その後の時間経過において、土壌の嫌気的雰囲気の支配により新たに発生した硫化水素ガスやメタンガスの拡散、また地下水位の上昇による混入溶剤類の地下水への溶脱・溶解拡散などが相まって、次第に水平方向及び地表方向にかかるガスが拡大していったものと考えられる(乙第77号証・土屋常務理事意見書5頁)。
 
なお、本件土地には、東山工務店による土壌改良工事によって、造成時に石灰がまかれており、実際、本件土壌は、pH8程度のアルカリ性を示しており(乙第18号証2頁)、通常の土地が弱酸性(pH5〜7)であるのに比べてアルカリ性を示している。
石灰はアルカリ性であるから、調査結果と合致している。
 
これを前提に、石灰をまいて臭いが消えたことの原因を考えると、一般的に硫化水素(硫黄系)や有機酸(脂肪酸類)などの腐敗臭の多くは酸性であるので、アルカリの成分によって臭いが中和され、あるいは石灰の臭いにマスキングされて臭いを感じなくなったということが考えられるが、当時の措置としてこれは適切さを欠くものではない(乙第77号証・土屋常務理事意見書5頁)。
 
 
次回に続く。
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後7年以上経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!

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