小鳥が丘団地救済協議会(土壌・地下水汚染公害被害)

岡山市・小鳥が丘団地の土壌・地下水汚染公害の解決に努力する住民達のブログです

住宅団地の土壌汚染

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2011年(H23)11月8日に行われた、第一次訴訟(3世帯)・第2回「控訴審」に提出された準備書面を掲載します。
 
今回の準備書面内訳
[1]平成23年10月24日付け、附帯被控訴人(両備)より答弁書。
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面。
[3]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より証拠説明書(2)。
[4]平成23年10月31日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
[5]平成23年11月 4日付け、控訴人(両備)より第2準備書面。
[6]平成23年11月 7日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
 
(両備)は、 控訴人  ・ 附帯被控訴人 ・ 被告 。
(住民)は、 被控訴人 ・ 附帯控訴人  ・ 原告 。
 
 
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面、の続きです。
 
(第2 本件土地の取得及び分譲の経緯)
 
 
7 控訴人による追加土壌改良工事
 
以上のとおり、山幸建設が工事を行った後、工事代金や売買代金を巡る紛争に発展し、山幸建設が留置権を行使し占有を継続するなどしていたため、控訴人は本件土地の土壌改良工事を保留していたが、紛争が一段落したことで、本格的に追加土壌改良工事に乗り出し、昭和59年2月頃から、土木・建築業を業務としていた株式会社東山工務店(以下「東山工務店」という。)と幾度となく工事内容を協議しつつ(乙第53号証、乙第54号証)、東山工務店の助言や提案を取り入れて造成工事の計画を練った。
その結果、概要、昭和59年9月から11月にかけて、控訴人は、①旭油化が操業する前の標高(旧GL)と同社撤退後の現況標高(現況GL)までをケミコ(石灰系固化材)を使って地盤を固めるとともに、消臭・脱臭を行い、②土壌改良の過程で地中に埋まっていたドラム缶は場外へ搬出し、③追加でユーコーデルセン(防臭剤)を噴霧して消臭・脱臭を行い、④土地を約2年間寝かした後、⑤2年後の昭和62年になって造成を開始することとして、場外の真砂土を約0.5メートル盛土した上で造成を行った。以下工事内容を詳述する。
 
(1)ケミコによる土壌固化・消臭
ケミコによる土壌固化・消臭工事は、以下に図示したものと同じ図が書かれている東山工務店作成の乙第55号証を見れば分かるが、現況GLと旧GLの間の土壌にケミコ833トンを混ぜて攪拌・消臭した上で、計画標高を11メートルとして、造成時に約0.5メートルは真砂土により盛土する工事であり、ケミコによる地盤改良後の土は、本件土地の北側で低い部分に利用できる部分は利用したが、油が多く混じっていてケミコを使って改良しても他に流用ができない土は産業廃棄物として産業廃棄物処分場に運んでいる(なお、計画標高は工事の途中で変更になっている。)。
これを、例えば、「北側(低い)①」で始まる書面(乙第55号証の1)で説明すると、1034平方メートルの土地につき、(ⅰ)旭油化操業前の旧GLが8.64メートルから現況GLが9.99メートルまでの1.35メートル分をケミコを使って地盤改良し、(ⅱ)現況GL9.99メートルから10.50メートルまでの0.51メートル分を本件土地の南側でケミコを使って地盤改良した土を足土し、(ⅲ)10.50メートルから計画標高11メートルまでの0.5メートル分を盛土する計画であった。
また、「南側(高い)⑤」で始まる書面(乙第55号証の5)で説明すると、1237平方メートルの土地につき、(ⅰ)旭油化操業前の旧GL9.38から現況GL11.63メートルまでの2.25メートル分をケミコを使って地盤改良し、(ⅱ)10.50メートルから現況GL11.63メートルまでの1.13メートル分を除去し(そのうち一部を北側に移動させ、一部を本件土地外に搬出)、(ⅲ)10.50メートルから計画標高11メートルまでの0.50メートル分を盛土する計画であった。
 
ケミコは軟弱な土質に混合、攪拌、転圧し、その硬化反応と脱水作用を利用して土質の安定処理を行うために使用される石灰系(主成分は生石灰)の土壌固化材であるが(乙第58号証)、控訴人は、東山工務店と相談のうえ消臭効果を期待してこれを使用したものである。現在においても、生石灰と土壌を混合させて油臭対策が行われており(乙第59号証、乙第60号証、乙第61号証)、これは有効な油臭対策である。すなわち、生石灰からなる製剤と水を混ぜることで熱が生まれ、その熱を利用しながら撹拌することで油分を空中へ飛散させ浄化でき、浄化された土壌は埋め戻しにも使えるからである(乙第62号証、乙第63号証、乙第64号証)。
控訴人は概ね上記計画に沿って土壌改良工事を行ったが、これは、乙第55号証の1〜9の下側に手書きされている数値が東山工務店作成の出来高調書(乙第57号証)の出来高の数値とほぼ一致していることから裏づけられる。すなわち、乙第56号証の表は、乙第55号証の1〜9の下側に手書きされている地盤改良土等の数値を表に纏めたものであるが、出来高調書の出来高と乙第55号証の1〜9の手書きの数値を比較検証してみると、両方とも地盤改良土の合計は14483平方メートルとなる。同様に、ケミコの量も乙第55号証の1〜9の下側に手書きされた数値の合計833トンは出来高調書と同じである。
 
なお、控訴人らは工事開始後に、本件土地の東側道路に合わせて、徐々に南側に高くなっていく本件土地の地形をある程度生かして改良工事を行うことに変更したことにより、本件土地の南側で11メートルより標高を高くしている部分があるが、南側土地を11メートルより高くして現況GLに近づけても、当初の計画から既に旧GLと現況GLとの間の土壌をすべて改良することを予定していたため、計画変更の前後で、地盤改良土量とケミコの量を変更する必要はなく、そのため、乙第55号証の1〜9の地盤改良土量とケミコの量は出来高調書の出来高と一致しているのであり、基本的な工事内容は計画どおりに行われている。
 
また、出来高調書の「産業廃棄物」1450トン(乙第57号証)は、油が多く混じっていて利用できない土を産業廃棄物処理場に搬出したものである。
控訴人は、上記土壌改良工事の代金として、昭和59年10月15日に1025万円、同年11月15日に2214万4800円、同年12月15日に433万7200円の合計3673万2000円を東山工務店に支払った(乙第65号証)。なお、同金額は工事の出来高を記載した出来高調書の累計出来高3443万300円(乙第57号証)と近似していることからも、出来高調書や乙第55号証の1〜9の工事が行われたことが推測できる。
 
 
次回に続く。
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後7年以上経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
2011年(H23)11月8日に行われた、第一次訴訟(3世帯)・第2回「控訴審」に提出された準備書面を掲載します。
 
今回の準備書面内訳
[1]平成23年10月24日付け、附帯被控訴人(両備)より答弁書。
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面。
[3]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より証拠説明書(2)。
[4]平成23年10月31日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
[5]平成23年11月 4日付け、控訴人(両備)より第2準備書面。
[6]平成23年11月 7日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
 
(両備)は、 控訴人  ・ 附帯被控訴人 ・ 被告 。
(住民)は、 被控訴人 ・ 附帯控訴人  ・ 原告 。
 
 
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面、の続きです。
 
 
第2 本件土地の取得及び分譲の経緯
 
控訴人は、昭和57年に旭油化から本件土地を取得した後、昭和59年に土壌改良工事を行い、昭和62年に造成工事を行って分譲販売を開始している。
これまで控訴人は昭和57年から昭和62年当時の資料が見当らなかったため、具体的に上記事実の詳細を主張することができなかったが、平成23年4月の不動産部門の事務所移転に伴い再度控訴人が自社の倉庫を捜索したところ、当時の資料が見つかったので、資料に基づき、昭和59年や昭和62年において、控訴人が本件土地において行った土壌改良工事及び造成工事の内容を明らかにする。
 
1 岡山県・岡山市からの土地取得要請
 
昭和57年より以前から、旭油化は操業過程で工場から悪臭を発生させ、同工場の北隣の「小鳥の森団地」等の住民の生活環境を悪化させていた。控訴人は岡山県や岡山市から、本件土地を分譲用宅地として控訴人が購入して旭油化を退去させることで悪臭をなくすことができないか相談を持ちかけられたことを契機に、岡山県県庁環境調整課から測量図の送付を受けるなどして本件土地の購入検討を開始し、最終的に次項の即決和解のとおり、本件土地を購入した(甲第1号証の2、乙第46号証)。これは、行政も、当時、本件土地が宅地に利用することができると考えていたことの現れであり、本件土地を宅地分譲することが当時の知見からして何ら不適当ではないことを示唆している。
 
2 旭油化との即決和解
 
控訴人は、付近一帯から悪臭をなくす目的で、昭和57年7月27日、旭油化との間で、本件土地上のすべての建物及び地下工作物を収去し、本件土地上のコンクリート、廃白土及び、アスファルト部分を除去し、本件土地上の油脂付着物を除去する条件付きで即決和解し、本件土地を取得した(甲第3号証)。
 
3 旭油化による廃白土及び油脂付着物撤去工事
 
旭油化は即決和解の上記条件の履行を山幸建設株式会社(以下「山幸建設」という。)に依頼した。同社は、1483万2700円の工事代金で、工事を請け負い、昭和57年8月2日から同年12月20日の4ヵ月以上の期間をかけて、本件土地上に存在する油カス、ドラム缶等の廃棄物処理工事等を行った(以上、乙第51号証、乙第52号証の口頭弁論調書(和解)別紙「請求の原因」(6枚目)御参照)。
なお、旭油化は山幸建設に請負工事代金1483万2700円のうち、185万円しか支払わなかったため、後に山幸建設との間で紛争が発生した。
 
4 岡山県による現地確認
 
公害苦情処理事例集によれば、昭和57年8月20日に旭油化の工場で場内汚でいの撤去作業が始まり、同年10月9日、岡山県に場内汚でいの撤去報告書が提出されている。また、同月下旬に原料ドラム缶の搬出及び建築物、製造設備の解体が始まり、翌年1月10日に岡山県が撤去確認調査を実施し、撤去完了を確認している。
以上の記載は、上記の山幸建設が廃棄物処理工事を行った時期とほぼ一致しており、山幸建設が行った工事のことを指していることが明らかであるが、当該工事について、岡山県は、撤去完了を現地で確認し、工事に対する異議を特段述べていない。堆積汚泥を含む産業廃棄物の撤去が監督官庁の満足のいく程度に行われたことは、この確認により明らかである。
 
5 控訴人による撤去工事の確認と代金支払いの留保
 
控訴人は本件土地の残代金の支払いに際して、上記即決和解第6項の条件が履行されているか現地を確認したところ、本件土地上にまだ臭いが少し残っており、油脂付着物等の除去が必要であると感じられた。そこで、その旨旭油化に通知した上で(乙第47号証)、本件土地の引受けを拒絶したことで、旭油化との紛争に発展した。
そのうえで、控訴人は自ら自主的に追加工事を行うことを視野に、株式会社ナップ工業に、本件土地の簡易調査を実施させ、和解条項第6項の義務を果たすのに必要な費用(土砂処分代等)合計3135万円を、債務不履行による損害賠償金として、売買残代金から差し引くと旭油化に対して主張したが(乙第52号証の口頭弁論調書(和解)別紙「請求の原因」(5枚目)御参照、乙第48号証)、折り合いがつかず、追加工事費用相当額の3000万円を旭油化の代理人の山根剛弁護士(以下「山根弁護士」という。)に預託し、同額を差し引いた売買代金1億2146万円を控訴人が旭油化に支払うことで暫定的に合意した(乙第49号証)。
 
6 控訴人による山根弁護士に対する3000万円の返還請求その他の紛争
 
上記合意の後、控訴人は旭油化との間で話し合いを重ねたが、旭油化が破産したことも一因となり話し合いによる解決ができず、控訴人は山根弁護士から3000万円の預託金の返還も受けられない状態が続いたため、山根弁護士に対する3000万円の返還請求訴訟を提起した(乙第52号証)。
他方で、山幸建設は、旭油化から請負工事代金1298万2700円の支払いを受けていなかったことから、昭和59年2月4日、請負工事代金債権を請求債権として、控訴人の山根弁護士に対する預託金返還請求権を仮差押えし、(乙第50号証)、さらに、同月5日、控訴人に対し、本件土地の占有を継続して留置権を行使した(乙第51号証)。また、山幸建設は、昭和58年9月、岡山地方裁判所に対し、旭油化代表者を被告として、請負代金残金の支払を求める訴訟を提起した(乙第52号証)。
かくして、最終的に、控訴人、旭油化、山根弁護士、山幸建設の4者が複雑に絡み合う裁判にまで発展したが、昭和58年12月16日、山根弁護士から控訴人に対し1600万円、山幸建設に対し1000万円、旭油化破産管財人に対し350万円、旭油化代表者に対し50万円をそれぞれ支払うこと、山幸建設は、本件土地に有する留置権を放棄することで和解が成立した(乙第52号証)。
 
 
次回に続く。
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後7年以上経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
2011年(H23)11月8日に行われた、第一次訴訟(3世帯)・第2回「控訴審」に提出された準備書面を掲載します。
 
今回の準備書面内訳
[1]平成23年10月24日付け、附帯被控訴人(両備)より答弁書。
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面。
[3]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より証拠説明書(2)。
[4]平成23年10月31日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
[5]平成23年11月 4日付け、控訴人(両備)より第2準備書面。
[6]平成23年11月 7日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
 
(両備)は、 控訴人  ・ 附帯被控訴人 ・ 被告 。
(住民)は、 被控訴人 ・ 附帯控訴人  ・ 原告 。
 
 
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面、の続きです。
 
(第1 旭油化の操業内容と控訴人の認識)
 
 
2 旭油化の操業上の問題点からの、ベンゼン、トリクロロエチレン等の特定有害物質の存在に対する認識可能性
 
旭油化は、その操業にあたって様々な問題を引き起こしていた。公害苦情処理事例集の記載からすれば、①汚でいを場内に堆積させていたこと、②廃棄物処理法、水質汚濁防止法等の規制の不遵守、③悪臭を振りまいて周辺住民から苦情が寄せられていたことが明らかになっている。公害苦情処理事例集は、当時の規制当局が調査した結果を記したもので、当然、ここまで詳しい内容が一般的に知られていたものではない。しかし、控訴人としても、小鳥の森の住民から悪臭がひどいとの苦情を受けていたのであるから旭油化が悪臭を生じさせていること、土地取得に際し場内に汚でい等を堆積させていたことは認識しており、また、当時の新聞記事等からすれば、旭油化が法遵守の意識の薄い問題のある企業であることは認識し、また認識可能であったということができるが、だからといって、ベンゼンやトリクロロエチレン等の特定有害物質が本件土地に含まれていたと控訴人が認識することはできなかった。
 
(1)堆積汚でいについて
場内汚でいについていえば、公害苦情処理事例集の記載によると、昭和48年5月30日に、旭油化は、廃棄物処理法12条4項にもとづき、「②工場敷地の周辺に流出している産業廃棄物を直ちに回収し、環境を整備すること」等の措置命令を受けている。また、昭和56年7月23日には、岡山県から場内堆積汚でい及び場内清掃に係る計画書の提示が指示され、昭和57年2月6日にも同じく堆積汚でいの撤去が指示され、その後、昭和58年1月10日に撤去完了が確認されているものの、旭油化がその操業にあたって、場内に何らかの汚でい等を堆積させていたことは明らかである。
堆積させていた汚泥の詳細については、市議会での発言(乙第45号証、4頁〜5頁)に、旭油化は「汚水を貯留しているタンク内の汚泥を工場南側に山積みしている残土上に放出」させていたとの記載があるものの、詳細は不明である。しかし、これらの汚でい等は、昭和58年1月10日に、岡山県により撤去が確認されているところである上(乙第26号証)、上述のように、控訴人は原料である廃白土等や油滓等にベンゼンやトリクロロエチレン等が含まれていたことなど認識し得なかった以上、場内で発生する二次的廃棄物を含む汚でい等にベンゼンやトリクロロエチレン等が含まれている可能性について注意を払うべき事情もない。なお、旭油化がベンゼンやトリクロロエチレン等を廃棄していた可能性について、控訴人が認識できるものではなかったことは後述のとおりである。
 
(2)廃溶剤等の廃棄の可能性
本件土地からベンゼンやトリクロロエチレン等の特定有害物質が検出されている原因は、その当時一般的に機械洗浄等に用いられていた廃溶剤が何らかの理由で地中に染み込んだか、あるいは旭油化が廃棄したのではないかと考えられる。平成16年10月30日付けの本委員会の意見書(乙第2号証)においても既に指摘されているところであるが、昭和40〜50年代当時、ベンゼンやトリクロロエチレン等は、油汚れを落とすため機械洗浄にしばしば用いられているものであったから、旭油化の操業においても、機械の洗浄に用いられていた可能性がある。しかし、機械洗浄に用いられていたからといって、それが地中に投棄されていることまで予見できるものではない。旭油化による溶剤の本件土地への投棄等については、新聞記事等を見ても記載がない以上、控訴人の認識できるところではなかった。また、溶剤の廃棄によって悪臭がまき散らされていたわけではないから、旭油化が悪臭をまき散らしていることと、溶剤の廃棄とは何らの関連もない。したがって、旭油化が食用油等に用いられる植物油の残さを用いて石けん等を製造する過程で悪臭を生じさせていたとしても、機械溶剤の廃棄についてまで控訴人が認識し得たものでもなく、旭油化の操業に伴う悪臭が、溶剤等の廃棄の認識の契機となるものではない。
 
 
次回に続く。
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後7年以上経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
2011年(H23)11月8日に行われた、第一次訴訟(3世帯)・第2回「控訴審」に提出された準備書面を掲載します。
 
今回の準備書面内訳
[1]平成23年10月24日付け、附帯被控訴人(両備)より答弁書。
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面。
[3]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より証拠説明書(2)。
[4]平成23年10月31日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
[5]平成23年11月 4日付け、控訴人(両備)より第2準備書面。
[6]平成23年11月 7日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
 
(両備)は、 控訴人  ・ 附帯被控訴人 ・ 被告 。
(住民)は、 被控訴人 ・ 附帯控訴人  ・ 原告 。
 
 
次に、[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面、です。
 
 
平成23年(ネ)第218号 損害賠償請求控訴事件
平成23年(ネ)第297号 損害賠償請求附帯控訴事件
控訴人(附帯被控訴人)  両備ホールディングス株式会社
被控訴人(附帯控訴人)  藤原 康 外2名
 
控訴人第1準備書面
平成23年10月24日
広島高等裁判所岡山支部第2部 御中
 
      控訴人(附帯被控訴人)訴訟代理人弁護士         小澤英明
                                                            菊池捷男
                                                            渡邊典和
                                                                (本件連絡担当)
                                                            國友愛美
                                                            森 智幸
                                                            大山 亮
 
 
はじめに
控訴理由書では、原判決の判断の誤りについて主に主張したが、本書面では、控訴人(附帯被控訴人、以下「控訴人」という。)が認識していた旭油化の操業内容(第1)と旭油化撤退後の控訴人による土壌汚染浄化工事の内容(第2)を具体的に明らかにすることにより、控訴理由書32頁以下で主張した控訴人には特定有害物質の汚染等について予見可能性がなく、説明義務や調査義務を負わないこと(第3)を具体的に補充する。また、損害に関して被控訴人ら(附帯控訴人ら、以下「被控訴人ら」という。)に健康被害が生じていないこと(第4)を補充する。以下、詳述する。
 
第1 旭油化の操業内容と控訴人の認識
 
1 旭油化では、工業系の廃油ではなく、植物性油脂製造の際に発生する残さ等を原料としていたと認識されていたこと、および、控訴人は人体に影響がある特定有害物質が当該残さに含まれていると認識できなかったこと
 
旭油化で行われていた操業内容について、昭和58年3月付け公害等調整委員会事務局「公害苦情処理事例集(11)」(乙第26号証、以下「公害苦情処理事例集」という。)では、以下のように記載されている。
 
「A工業は、産業廃棄物処理業の免許を受け、県内外の植物油脂製造工場から排出される廃白土及び油滓、ダーク油等を分解釜で熱処理し、再生油の製造と石けん等の2次加工品の製造を行っている。」
 
「植物油脂製造工場から排出される廃白土、油滓、ダーク油」との記載のとおり、旭油化では、植物性の油脂製造工場から原料を仕入れており、いわゆる石油系の鉱物油は使用していなかったと考えられる。
公害苦情処理事例集が作成された昭和58年3月当時、日本農林規格(JAS規格)では、「植物油脂原油」を「え原油、あまに原油、きり原油、麻実原油、サフラワー原油、大豆原油、ひまわり原油、ニガー原油、とうもろこし原油、脱酸綿実原油、なたね原油、こめ原油、カポック原油、落花生原油、ひまし原油、つばき原油、パーム原油、パーム核原油及びやし原油」と定義づけており(乙第41号証)、「植物油脂」とは、具体的には、上記のような植物を原料とする油脂を指していると考えられる。上記のように、旭油化に対する公害等の調査が終了したと考えられる昭和58年時点で作成された公害苦情処理事例集に、あえて「植物油脂」と記載があることからみても、旭油化では、これら「植物油脂」の精製過程で生じる残さを原料として製品を製造していたことは明らかといえる。
一般に、植物油の精製過程は、油糧種子等に圧力等をかけて油分を搾り出す等して(圧搾)、採油する(乙第42号証)。搾り出した油には、リン脂質、遊離脂肪酸、色素等が含まれているので、これらを取り除く過程が必要となる。そこで、温湯や水蒸気等を加えてリン脂質を除去し(脱ガム)、脱ガム後、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)を加えて、原油中に含まれている遊離脂肪酸、及び、脱ガム工程で完全に除去しきれなかったガム質等を除去する(脱酸)。この脱酸過程で、分離した物質を「油滓(または、ソープストック、アルカリフーツなどと呼ぶこともある)」(乙第42号証)、あるいは「ソーダ油滓」という(乙第43号証)。その後、脱酸後の油分を水洗し、活性白土等を加えて攪拌し、クロロフィル等の色素を吸着させ、ろ過をして白土を除去する(脱色)ことで植物油が精製される(乙第42号証)。この脱色の過程で使用された、使用済み活性白土が「廃白土」である。なお、「ダーク油」とは、「ソーダ油滓」を硫酸で分解したもので、褐色から黒褐色の高酸価油をいうとされる(乙第43号証)。
公害苦情処理事例集の記載では、旭油化が用いていた原料の具体例として、「廃白土」「油滓」「ダーク油」が挙げられているが、これらの記載は、実際の植物油の精製過程から生じる残さ等とぴったりと一致し、旭油化が植物油脂製造工場から排出される残さ等を用いて操業していたことを裏付けるものである。
当時の新聞でも、「食用油などつくる際に産業廃棄物として出る廃白土などを分解、精製して塗料の原料や燃料を生産して、販売している。」(甲第1号証の1)、「ソーダ油さいや廃白土から塗料やせっけんの原料となる脂肪酸を精製している」(甲第1号証の2)とあり、旭油化が、植物性油脂を原料として扱っていたことを示している。さらに、岡山県議会における質疑応答(乙44号証)でも、旭油化について「食用油の精製工程から出る含油汚泥や雑廃油を再生油に処理」しているとされ、旭油化は食用油の精製工程から出る残さ等を原料としていたという認識が一般的であったことを示している。すなわち、旭油化では、いわゆる工業用の石油系鉱物油等は扱っておらず、ナタネ油やダイズ油といった、食品等に用いられる植物油の製造過程において生じる、廃白土、油滓、ダーク油等を原料として持ち込んでいたと考えられ、少なくとも、県議会や行政機関、報道機関も含めて、そのように認識されていたのである。
すなわち、旭油化が製品の原料としていたのは、植物性油脂製造の際に排出される廃白土等と認識されていたのであって、工業系の「廃油」を原料としているとは考えられていなかった。油脂については、当時周辺への悪臭等で関心を寄せていた報道機関や法律に基づき立入り権限を有する行政機関ですら、旭油化の操業について、植物油脂系の廃油、廃白土等を原料とすると認識していたのであるから、当時は一般的にそのような認識であったし、これ以上の認識を控訴人がもちうるはずもない。また、控訴人には、立入り権限等もないのであるから、行政機関以上の情報を得る契機もなかった。
このように、行政機関も、一般的な認識としても、また控訴人も、旭油化では「食用油」等に用いられる「植物油」の精製過程で生じる残さ等を原料として用いているという認識であったから、ベンゼン、トリクロロエチレン、シスー1,2−ジクロロエチレンといった人体に影響するような有害物質が含まれていることなど予見できるはずがない(なお、原判決では、シアン化合物についても溶出量基準を超えて検出された等の記載があるが、これが誤りであることについては控訴理由書29頁を参照されたい。)原判決では、旭油化の工場内にあった廃白土や汚泥にベンゼンやトリクロロエチレンや油分が含まれていることは認識し得ると判断しているが(原判決23頁)、上記のように、控訴人は、旭油化は廃白土等を用いて旭油化が操業していることは認識し得たものの、当該廃白土等は「食用油」等に用いられる植物油の残さという認識しかなかった。したがって、工場内に堆積していた廃白土や汚泥に油分が付着しているとしてもその油分には食用油等が含まれているという認識であったにすぎない。したがって、食用油を製造するに際し人体に影響のある物質が大量に使われるなどとは到底思いもつかないことであるから、控訴人が工場内にあった廃白土あるいは汚泥に、これら特定有害物質が含まれているとは予想できなかったのも当然である。
なお、ベンゼンやトリクロロエチレン等は機械の洗浄剤に用いられていた可能性があり、現在見つかっているベンゼンやトリクロロエチレン等は旭油化が工場内の機械洗浄に用いた溶液を捨てた可能性があるが、控訴人にはこれらの溶剤の廃棄について認識可能性がなかったことについては後述のとおりである。
 
 
次回に続く。
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後7年以上経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
 
 
戸建住宅団地の敷地足下から真黒い土壌発覚!
2011年(H23)11月8日に行われた、第一次訴訟(3世帯)・第2回「控訴審」に提出された準備書面を掲載します。
 
今回の準備書面内訳
[1]平成23年10月24日付け、附帯被控訴人(両備)より答弁書。
[2]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より第1準備書面。
[3]平成23年10月24日付け、控訴人(両備)より証拠説明書(2)。
[4]平成23年10月31日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
[5]平成23年11月 4日付け、控訴人(両備)より第2準備書面。
[6]平成23年11月 7日付け、附帯控訴人(住民)提出、準備書面。
 
(両備)は、 控訴人  ・ 附帯被控訴人 ・ 被告 。
(住民)は、 被控訴人 ・ 附帯控訴人  ・ 原告 。
 
 
[1]平成23年10月24日付け、附帯被控訴人(両備)より答弁書、です。
 
 
平成23年(ネ)第218号 損害賠償請求控訴事件
平成23年(ネ)第297号 損害賠償請求附帯控訴事件
附帯控訴人(被控訴人)  藤原 康 外2名
附帯被控訴人(控訴人)  両備ホールディングス株式会社
 
答弁書
平成23年10月24日
広島高等裁判所岡山支部第2部 御中
 
      附帯被控訴人(控訴人)訴訟代理人弁護士         小澤英明
                                                            菊池捷男
                                                            渡邊典和
                                                                (本件連絡担当)
                                                            國友愛美
                                                            森 智幸
                                                            大山 亮
 
 
第1 附帯控訴の請求の趣旨に対する答弁
 
1 附帯控訴人らの請求をいずれも棄却する。
2 附帯控訴費用は附帯控訴人らの負担とする。
 
第2 附帯控訴の理由に対する答弁
 
1 1項の原審判決の内容は認める。
 
2 2項の損害額に関する主張は争う。
 
3 3項の損害の内容に関する主張、慰謝料請求権の発生ないし評価額は全て不知、否認ないし争う。
本件土地の鉛製の水道管(引込管)が油泥の中で腐食していたことは否認する。本件土地の鉛管から健康被害が生じた事実はない。その他、附帯控訴人(被控訴人)ら(以下「被控訴人ら」という。)が主張する、本件土地を取得した経緯、被控訴人らが水道水を使用することができなくなった事実、地中からのガス発生によると見られるガス漏れ警報機が鳴った事実、団地全体に揮発性の油の臭いが漂うことがあった事実、被控訴人らが地中からガスが出ていることが確認できる現象があった事実はいずれも不知である。
被控訴人らの主張する土壌汚染物質からの揮発性ガスの内容は必ずしも明らかではないが、それがベンゼンやトリクロロエチレンという意味であれば、被控訴人らがこれらの揮発性ガスを吸入し続けてきたことは否認する。本件土地の地中からベンゼンやトリクロロエチレンが揮発性ガスとして地表から出てきているという証拠はなく、乙第14号証4頁によれば、地表面湧出ガス調査では「地表からのガス湧出は確認され」ていない。
被控訴人らが、湿疹などのアレルギー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎に悩まされていること自体、不知であるが、仮に健康被害があるとしても、土壌の油分から揮発したガスの影響であることは否認する。
慰謝料請求権の発生ないし評価額については争う。
その他、控訴人(附帯被控訴人)の反論は、控訴理由書、控訴人第1準備書面を参照されたい。
 
以上
 
 
次回に続く。
 
2004年7月に岡山市水道局工事で発覚した小鳥が丘団地住宅地の土壌汚染公害問題は、発覚後7年以上経過し団地住民と宅地造成販売した両備バス㈱の考えが平行線のままで裁判に発展しています。2007年8月に住民3世帯(第1次訴訟)が岡山地方裁判所に民事提訴したあと、住民18世帯(第2次訴訟)も続いて提訴し係争中です。第1次訴訟(3世帯)の第一審判決は2011年5月31日に行われ、原告(住民)勝訴となり、知るかぎりでは土壌汚染裁判で被害住民が勝訴した「全国初」の判決となりましたが、被告(両備)が即刻控訴しました。原告(住民)も附帯控訴を提起し、引き続き第二審(広島高等裁判所・岡山支部)で争われます。
 
 
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