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調査の対象となる特定有害物質
法第3条第1項本文の土壌汚染状況調査の対象となる特定有害物質の種類は、旧法においては、当該使用が廃止された有害物質使用特定施設において使用等されていた特定有害物質及びその分解生成物であったが、改正後は、法第4条第2項の命令による土壌汚染状況調査においては、調査対象地における過去の土壌の汚染の状況に関する調査の結果や特定有害物質の埋設等、使用等及び貯蔵等の履歴を踏まえ、25種の特定有害物質のうち、汚染のおそれがあると思料される特定有害物質の種類を分析の対象とすることとされたことに伴い(法第4条第2項、規則第26条参照)、これと同旨の考え方を法第3条第1項本文の土壌汚染状況調査にも導入することとした。 すなわち、改正後は、当該使用が廃止された有害物質使用特定施設において使用等されていた特定有害物質及びその分解生成物のみならず、当該調査対象地における過去の土壌の汚染の状況に関する調査の結果や特定有害物質の埋設等、使用等及び貯蔵等の履歴を踏まえ、汚染のおそれがあると思料される特定有害物質の種類とする。
なお、この汚染のおそれがあると思料される特定有害物質の種類には、分解生成物が含まれることになるので、留意されたい。
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土壌汚染対策法
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土壌汚染による健康被害が生ずるおそれがある土地の調査
(1) 趣旨 土壌汚染が存在する蓋然性が高い土地であって、かつ、汚染があるとすればそれが人に摂取される可能性がある土地については、人の健康に係る被害が生ずるおそれがあることから、土壌汚染の状況を調査し、汚染の除去等の措置を実施する必要性が高い。 したがって、都道府県知事は、旧法同様、そのような土地について、土地の所有者等に対し、土壌汚染状況調査の実施及びその結果の報告を命ずることができることとする(法第5条第1項)。
(2) 調査の対象となる土地の基準
調査の命令の対象となる土地は、当該土地において土壌汚染が存在する蓋然性が相当程度高く、かつ、基準不適合土壌に対する人の暴露の可能性があることを要することとする(令第3条第1号)。 ある土地がこの基準に該当するかどうかその他の調査の命令に係る都道府県知事の判断の基礎となる情報については、必要に応じ情報提供を行うことが望ましく、土地の所有者等その他の情報を必要とする者がいる場合はその求めに応じて速やかに、当該基準に該当するかどうか及びその理由並びに当該基準に該当する場合は調査の対象となる土地の範囲、特定有害物質の種類及びそれらの理由を回答することが望ましい。 ① 土壌汚染の蓋然性が高く、かつ、人の暴露の可能性があること
「土壌汚染の蓋然性が高い」とは、原則として、その土地で土壌汚染が明らかとなっているか、又は近隣で地下水汚染若しくは土壌汚染が明らかとなり、かつ、汚染状況や土地の履歴等からみて当該近隣の汚染の原因がその土地にあると認められる場合が該当する。 なお、土地の履歴については、都市計画法に基づく開発許可担当部局又は宅地造成等規制法に基づく工事許可担当部局が情報を有している場合があることから、必要に応じ、これらの部局との連携をとることとされたい。また、土地の履歴から土壌汚染のおそれを判断するに当たっては、消防法第14条の3の2の規定に基づく定期点検等の法定点検が行われ、土壌汚染の発生の防止が図られている場合には、当該定期点検の結果等を必要に応じ考慮に入れて判断することとされたい。 「人の暴露の可能性がある」の判断基準は、土壌汚染の種類(地下水を経由した摂取によるリスクの観点からのものか、土壌を直接摂取するリスクの観点からのものか)及び蓋然性ごとに異なり、具体的にはアからウまでのとおりである。
ア.地下水経由の観点からの土壌汚染が明らかな場合
(イ) 考え方 地下水経由の観点からの土壌汚染が明らかとなっている土地については、当該土壌汚染に起因して現に地下水汚染が生じ、又は生ずることが確実であり、かつ、当該土地の周辺で地下水の飲用利用等がある場合に、調査の命令の対象となる(令第3条第1号イ)。 「地下水経由の観点からの土壌汚染」とは、土壌溶出量基準に適合しない土壌汚染である(規則第28条第1項)。 「土壌汚染が明らか」とは、事業者等による調査結果において土壌汚染が判明し、当該結果が都道府県に報告された場合等が該当するものであり、種々の不確かな情報のみをもって「土壌汚染が明らか」とは判断できない。 「地下水汚染」とは、地下水が規則第7条第1項の基準(地下水基準)に適合しないことである(規則第29条)。 「現に地下水汚染が生じ」とは、都道府県による地下水の常時監視等の結果において、地下水汚染が判明している場合である。 「地下水汚染が生ずることが確実であると認められ」とは、原則として都道府県が行う定期的な地下水モニタリング(測定回数は3回以上、期間は2年以上)の結果、濃度レベルが増加傾向にあり、このまま一様に増加するとすれば、次回のモニタリングの機会には地下水基準に適合しなくなると考えられる場合である。なお、直近のモニタリング結果における濃度レベルの目安は、地下水基準の概ね0.9倍程度を超過していることであり、これを参考に判断することとされたい。 (ロ) 周辺の地下水の利用状況等に係る要件
(イ)の「周辺で地下水の飲用利用等がある場合」とは、地下水の流動の状況等からみて、地下水汚染が生じているとすれば地下水汚染が拡大するおそれがあると認められる区域に、当該地下水が人の飲用利用に供されている等、規則第30条各号に掲げる地点があることである(規則第30条)。 同条各号の内容は、水質汚濁防止法第14条の3の地下水の水質の浄化に係る措置命令(以下「浄化措置命令」という。)を発する際の要件に関する、水質汚濁防止法施行規則第9条の3第2項各号に定めるものと基本的に同じである。したがって、その考え方については、「水質汚濁防止法の一部を改正する法律の施行について」 (平成8年10月1日付け環水管第275号、環水規第319号環境事務次官通達)第2の「1 措置命令」の項を参照されたい。 なお、浄化措置命令の場合には、水質汚濁防止法施行規則第9条の3第2項各号に定める地点において同項に定める浄化基準を超過する必要があるが、本法の場合には、規則第30条各号に掲げる地点が地下水汚染が拡大するおそれがあると認められる区域内に存在すれば、必ずしも地下水基準を超過している必要がないことに留意されたい。 「地下水汚染が生じているとすれば地下水汚染が拡大するおそれがあると認められる区域」とは、特定有害物質を含む地下水が到達し得る範囲を指し、特定有害物質の種類により、また、その場所における地下水の流向・流速等に関する諸条件により大きく異なるものである。 地下水汚染が到達する具体的な距離については、地層等の条件により大きく異なるため個々の事例ごとに地下水の流向・流速等や地下水質の測定結果に基づき設定されることが望ましい。それが困難な場合には、一般的な地下水の実流速の下では以下の一般値の長さまで地下水汚染が到達すると考えられることから、これを参考にして判断することとされたい。
特定有害物質の種類 一般値(m)
第一種特定有害物質概ね 1,000 六価クロム概ね 500 砒素、ふっ素及びほう素概ね 250 シアン、カドミウム、鉛、水銀及びセレン並びに第三種特定有害物質概ね 80 また、地下水汚染の到達する可能性が高い範囲に関する距離以外の条件としては、原則として不圧地下水の主流動方向の左右それぞれ90度(全体で180度(当該地域が一定の勾配を持つこと等から地下水の主流動方向が大きく変化することがないと認められる場合には、左右それぞれ60度(全体で120度)))の範囲であること、水理基盤となる山地等及び一定条件を満たした河川等を越えないことが挙げられる。 イ.地下水経由の観点からの土壌汚染のおそれがある場合
地下水経由の観点からの土壌汚染のおそれがある土地については、当該土壌汚染に起因して現に地下水汚染が生じ、かつ、当該土地の周辺で地下水の飲用利用等がある場合に、調査の命令の対象となる(令第3条第1号ロ)。 「地下水経由の観点からの土壌汚染」、「現に地下水汚染が生じ」及び「周辺で地下水の飲用利用等がある場合」については、アと同じである。 「土壌汚染のおそれがある土地」については、都道府県において地下水の調査等を行い、地下水の流動や土地の履歴等からみて当該地下水汚染の原因と推定される土壌汚染の存在する蓋然性が高い土地が該当するものである。
ウ.直接摂取の観点からの土壌汚染が明らかか、又はそのおそれがある場合直接摂取の観点からの土壌汚染が明らかか、又はそのおそれがある土地については、当該土地が人が立ち入ることができる状態となっている場合に、調査の命令の対象となる(令第3条第1号ハ)。 「直接摂取の観点からの土壌汚染」とは、土壌含有量基準に適合しない土壌汚染である(規則第28条第2項)。 「土壌汚染が明らか」については、土壌汚染の基準の観点が異なるほかは、ア(イ)と同様である。なお、令においては、「土壌の特定有害物質による汚染状態が環境省令で定める基準に適合せず」と規定されている。 「土壌汚染のおそれがある土地」については、隣地で土壌汚染が判明し、かつ、当該土地と隣地とが工場の一連の敷地であり、又は土壌汚染の状況からみて隣地と連続する土壌汚染が存在することが明白である等、土壌汚染の存在する蓋然性が高い土地が該当するものである。 「当該土地が人が立ち入ることができる状態」には、火山の火口内等の特殊な土地や、関係者以外の者の立入りを制限している工場・事業場の敷地以外の土地のすべてが該当することとなる。 |
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土壌汚染対策法法改正の経緯及び目的
改正法による改正前の土壌汚染対策法(以下「旧法」という。)は、土壌の特定有害物質による汚染の状況の把握に関する措置及びその汚染による人の健康被害の防止に関する措置を定めること等により、土壌汚染対策の実施を図り、もって国民の健康を保護することを目的とする法律である。 環境省は、旧法の施行を通して浮かび上がってきた課題や、旧法制定時に指摘された課題を整理検討するため、平成19年6月から「土壌環境施策に関するあり方懇談会」を開催し、その報告が、平成20年3月に取りまとめられた。この報告を受け、同年5月に中央環境審議会に対して今後の土壌汚染対策の在り方について諮問し、同年12月に答申されたところである。 この答申において、土壌汚染対策に関する現状と課題として、
・法に基づかない自主的な調査により土壌汚染が判明することが多く、このような自主的な調査により明らかとなった土壌汚染地については、情報が開示され、適切かつ確実に管理・対策を進めることが必要であること ・法では「盛土」や「封じ込め」等の摂取経路を遮断する対策を基本としているが、実際には「掘削除去」という過剰な対策が取られることが多く、掘削除去が環境リスクの管理・低減の点から不適切な場合もあることも踏まえ、汚染の程度や健康被害のおそれの有無に応じて合理的で適切な対策が実施されるよう、指定区域については、環境リスクに応じた合理的な分類をすべきであること
・最近、汚染された土壌の処理に関して、残土処分場や埋立地等における不適正事例が顕在化しており、掘削除去が増加していることを踏まえ、これらの不適正な処理を防止するため、適正な処理の基準や是正措置を規定すべきであることが指摘されている。
これらの課題を解決するため、改正法により、健康被害の防止という旧法の目的を継承しつつ、土壌の汚染の状況の把握のための制度の拡充、規制対象区域の分類等による講ずべき措置の内容の明確化、汚染された土壌の適正処理の確保に関する規定の新設等所要の措置を講じたところである。
なお、旧法においては、「土壌汚染」は、環境基本法第2条第3項に規定する、人の活動に伴って生ずる土壌の汚染に限定されるものであり、自然的原因により有害物質が含まれる汚染された土壌をその対象としていなかったところである。
しかしながら、法第4章において、汚染土壌(法第16条第1項の汚染土壌をいう。以下同じ。)の搬出及び運搬並びに処理に関する規制が創設されたこと及びかかる規制を及ぼす上で、健康被害の防止の観点からは自然的原因により有害物質が含まれる汚染された土壌をそれ以外の汚染された土壌と区別する理由がないことから、同章の規制を適用するため、自然的原因により有害物質が含まれて汚染された土壌を法の対象とすることとする。
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土壌汚染でマイホームから有害物質が、求められる実害への救済策おおさかATCグリーンエコプラザ ビジネス交流会 水・土壌汚染研究部会では「土壌汚染の社会的問題」と題したセミナーを企画した。何の落ち度もないマイホーム購入者が土壌汚染問題に巻き込まれ、我が家の土壌汚染問題解決のため提訴せざるを得ない現状が浮き彫りになった。マイホームの地面の20cm下から油の浮いた地下水や、庭に植物が育たない状況等の重大な瑕疵を当会員が現地で確認しており是非救済が必要と考える。(事例:岡山両備小鳥が丘団地 愛知県UR桃花台ニュータウン) 2010年にはこれらの判決が下るが、法律は弱いものや困っている人を助けるためにあることでその真価を発揮する。今回の土壌汚染対策法改正で、このように心と体を休める夢のマイホームを買った庶民が、悪夢に陥ることに対する救済措置が追加されていないことは極めて残念である。 週刊循環経済新聞2010新春特別号 No.2 ◇現場はこう見る 改正土壌汚染対策法 「ATC水・土壌汚染研究部会」討議 おおさかATCグリーンエコプラザ 水・土壌汚染研究部会 幹事長 寺川隆彦氏(環境カウンセラー)の投稿記事引用しました。 http://blogs.yahoo.co.jp/atcmdk/51518056.html (写真はおおさかATCグリーンエコプラザので土壌汚染対策法6周年記念セミナーにおける、土壌汚染対策法に基づく指定支援法人の日本環境協会の講演の様子です。)
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