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土壌生物の多様性と生態系機能に関する研究(H19〜H21)
<研究課題代表者> 横浜国立大学大学院環境情報研究院 教授 金子 信博 <研究参画者の所属機関> 北海道大学、茨城大学、静岡大学、京都大学、横浜国立大学 <研究の概要(背景、目的、内容)> 2005年に発表された国連ミレニアム生態系評価(MA)において、生態系サービスが生物多様性に よって担われていることが鮮明に打ち出された。生態系サービスは生態系の機能、すなわち物質 循環の維持や向上、一次生産、水の浄化や供給、炭素隔離などによって人間の福利が生じること を指す。しかし、生物多様性をどのように保全すると生態系サービスを維持できるのかについて は具体的には示されていない。 生態系の多様性と機能の関係は、単純なフラスコ実験をもとに理論研究が先行し、それに続い て、陸上生態系の多様性と機能の関係が野外実験で確認されるようになった。しかし、単に生物 の種の数が多いだけでは、生態系の機能が高いという単純な関係ではないことがわかってきた。 このことから、多様性保全の重要性が社会に理解されにくくなっている。 土壌の生物多様性と機能の関係については十分に理解されていないが、土壌は陸域の生態系を 維持するために重要な役割を果たしており、土壌劣化によって引き起こされる生態系のダメージ は大きい。そこで本研究では、生物多様性と生態系機能の関係を明瞭に説明するために、陸上生 態系の一次生産を支えるサブシステムである土壌生態系を解析し、土壌保全の重要性を多様性の 面から再定義する。 <研究終了時の達成目標> ・ 温帯林の広葉樹と針葉樹が、それぞれ遷移過程で土壌炭素の蓄積と土壌中の垂直分布に与える 影響が明らかになる。 ・ 土壌細菌が物質循環に果たす重要な機能群がどのような種(クローン)多様性で構成され、そ の機能が土壌のどのような環境で発現されているかが明らかになる。 ・ ミミズや土壌食ヤスデが土壌微生物の多様性と機能に与える影響が明らかになる。 ・ 森林や農地における土壌の生物多様性の操作により、土壌の機能をどの程度変えることができ るかが明らかになる。 ・ 土壌の生物多様性を保全することが、陸上生態系の健全性に重要であることを示すことができ る。 研究項目及び実施体制
(1) 森林における植生と土壌生物多様性の相互依存性に関する研究(北海道大 学) (2) 農法が土壌生物多様性と生態系サービスに与える影響の解析(茨城大学) (3) 同位体を用いた土壌食物網による炭素利用の解析(京都大学) (4) 土壌細菌の多様性と機能解析(静岡大学) (5) 生態系の生物多様性と生態系機能に関する研究(横浜国立大学) |
生物多様性
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生物多様性の分布
地球上の生物多様性は均等ではない。一般に、熱帯では多様性が豊かであり、極地(高緯度地方)に近づくにつれ種の数は減少する。多様性は気候、標高、土壌、および同時に存在する生物に影響を受ける。また、特異な適応メカニズムを必要とする生息地があることによって、多様性・固有性が高い地域ができる。例えば、北ヨーロッパの泥炭湿原やスウェーデンエーランド島のアルヴァールでは、動植物の大きな多様性が観察され、それら動植物の多くは他の地域では見られないものである。
ホットスポット 生物多様性ホットスポットは多数の固有種が存在する地域である。ホットスポットは、雑誌Environmentalistの2つの記事の中でメイヤーズによって特定された。ホットスポットの大部分は熱帯に位置し、その多くは森林である。ホットスポットは人口爆発地域の近くにあることが多く、人間活動が劇的に増加しているため、固有種が危機にさらされている。
ホットスポットの例として次の地域がある。ブラジルの大西洋岸森林には約2万種の植物、1350種の脊椎動物と何百万種の昆虫類がおり、半数程度は固有種であると推定されている。6500万年前にアフリカ大陸から分離したマダガスカル島では、乾いた落葉樹林と低地熱帯雨林において、固有種の比率と生物多様性が非常に高い。
海洋 海洋においては、サンゴ礁など沿岸域に多くの生物が生息することが知られている。低温高圧の厳環境下にある深海は、静的な世界と考えられがちだが、実際は外洋深海の生物多様性も高い。ある分類群の動物プランクトンの多様性は水深1,000-1,500(上部漸深層)で最大になり、漂泳性(海中を漂う遊泳)魚類の種多様性も同じ水深域で最大になると考えられている[11]。中生代白亜紀に海洋無酸素事変が起き、深海の生物の多くが絶滅したと考えられるため、現在の深海生物の大多数は新生代以降に進出してきたとされている。
海洋での水平方向の生物多様性の分布は、北半球では緯度に依存し、一般には極域ほど多様性が低く赤道帯ほど高い。しかしながらプランクトンに限定した場合は、北緯15-40°C度の間で最も多様性を示す(最大は北緯20°Cあたり)。北極海は歴史が浅いために、他の北半球の海より多様性が低い。南半球では緯度による多様性の違いはない。
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岡山市生物多様性元年でイベント
岡山市は、2010年度を「市生物多様性元年」と位置づけ、22日から来年3月末まで市民参加型の多彩なイベント「いきものいろいろ事業」を初めて展開する。自然との共生をテーマにした写真コンテストや生息マップ作りなどを通じて豊かな自然を未来に残す活動の広がりを訴える。
第1弾として22日から募集を始める写真コンテスト・フォトメッセージは、生き物や自然環境がテーマの「生物多様性」、暮らしの知恵、伝統行事など自然と共生した人の暮らしを題材とした「ESD(持続可能な開発のための教育)」の2部門。市内で撮影した写真にメッセージを添えてもらう。
生息マップ作り「身近ないきものさがし いきものおった!」はカブトムシやアメリカザリガニ、イソヒヨドリなど20種の発見場所と日時などの“目撃情報”を寄せてもらう。7月に募集開始する。
このほか、小中高生が生態系や水の濁りの原因を探る水辺教室を25日の南区藤田地区を皮切りに開催。市内の自然保護グループの活動を紹介する展覧会、シンポジウム、COP10へのブース出展も計画している。
問い合わせは市環境保全課(086―803―1284)。
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不動産の新たな価値を模索 金融業界における生物多様性いち早く動き出した住友信託銀行 地球環境問題において、温暖化防止と並び大きな課題とされる生物多様性の保全。しかし、二酸化炭素(CO2)排出量削減や省エネルギーなど経済活動と密接にかかわる温暖化対策と比べると、生物多様性問題への「距離感」に戸惑っている企業が大半だろう。
そうしたなかで、生物多様性を企業の経済的なメリットに結びつける取り組みが、金融業界を中心に始まっている。この仕組みを支えるには、企業の社会的責任(CSR)活動で培われた環境NGO(非政府組織)との良好な関係と、生物多様性保全を長期的に支えるための経済活動の裏打ちが必要だ。
1996年、英蘭系食品・日用品大手のユニリーバと世界自然保護基金(WWF)が中心となって海洋管理協議会(MSC)が設立された。このMSCでの認証制度は「海のエコラベル」とも呼ばれ、海洋資源の持続可能な利用と保護を保証する制度だ。「当初、このような認証制度の登場に驚いた。いまでは、持続可能なビジネスを追求するためには、生物多様性問題への対応が不可欠だと考えたユニリーバの先見の明だったと思う」と打ち明けるのは、住友信託銀行の金井司 CSR担当部長だ。
2008年5月、ドイツのボンで開催された生物多様性条約第9回締約国会議(COP9)で、住友信託はドイツ政府が主導した「ビジネスと生物多様性(B&B)イニシアティブ」のリーダーシップ宣言に署名し、これを受ける形で「生物多様性問題対応基本ポリシー」を制定した(2008年7月)。そのなかには「生物多様性保全活動への積極的な参加」「生態系の適切な評価」などと並んで「金融機能を活用した商品・サービスの提供」が掲げられている。金井部長は、「これまでの植林や自然保護活動の延長線上にあるものではなく、(生物多様性の配慮に特化した金融商品の検討は)新たなスタートと認識している」と意欲的だ。
政策により一気に進む可能性も http://premium.nikkeibp.co.jp/em/report/153/img/report153_03.jpg
1984年3月に竣工された三井住友海上火災保険の駿河台ビルの屋上の緑地。2004年には都市緑化技術開発機構による「第3回屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール」で「屋上緑化大賞(環境大臣賞)」を受賞した(写真提供:三井住友海上火災保険)
2007年、三井住友海上火災保険の主催のもとに開催されたシンポジウム「企業が語るいきものがたりPart1 〜企業と生物多様性シンポジウム〜」をきっかけに、「企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)」が立ち上がった。これは、国際的な視点も踏まえながら生物多様性の保全に関する共同研究を行う企業グループだ。三井住友海上はJBIBの会長を務め、企業活動が環境へ与える影響を示した関連性マップづくりなどの研究を進めている。
同社では生物多様性保全のために、ジャワ島で不法伐採によって荒地となっていたパリヤン野生動物保護林の修復再生プロジェクトや、 駿河台ビル(東京都千代田区)の屋上や地上部の緑化活動 を行った。同社の総務部地球環境・社会貢献室課長専門役・藤野敬文氏は、「損害保険会社が本業を通じた取り組みを行うまでには、もう少し時間が必要」としながら、「JBIBの活動などを通じて得られるノウハウを生かし、生物多様性の保全を推進する」と語る。
証券会社も積極的に動き出している。その一つが、「ダイワ・エコ・ファンド」や「次世代環境ビジネス・ファンド」など、環境配慮や環境技術に優れた企業に投資を行うファンドを打ち出した大和証券グループだ。
生物多様性保全の取り組みとして、環境NGOであるコンサベーション・インターナショナル(CI)と協力し、2007年に「ダイワCI生物多様性保全基金」を創設。
この基金は、世界自然遺産地域環境保全型ビジネス支援プログラムの一環として活用される。違法伐採などに結びつく貧困を軽減するために、マダガスカルやメキシコなどの世界自然遺産周辺の8地域で、エコツーリズムなど地元の人々が持続可能なビジネススキルを身に付けるためのトレーニング費用となっている。
CSR室課長代理の牧野和彦氏は、「生物多様性の保全については、他の企業やNGOとさらに意見交換や連携が必要」と語る。一方で、「企業活動にとっては、政策とのリンクが一番のポイント。今後も気候変動と同様、生物多様性の政策、条約の動きから目が離せない」とする。
金融業界における生物多様性へのアプローチは、始まったばかりである。しかし、前出の住友信託銀行の金井部長は、「生物多様性の保全は、気候変動問題よりも被害の現れかたや影響が直接的で、より深刻かもしれないと認識している。
すでに多くの企業は、気候変動への対応が急速に経済システムに取り込まれた過程を経験している。したがって、生物多様性問題への対応は、より迅速に行われるのではないか」と予想する。
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○伊藤政府参考人 土壌汚染そのものについての定義も土壌汚染対策法上で明確にされているわけではございませんけれども、これまでコメンタール等では、土壌の汚染というものは土壌中に有害物質が持ち込まれることというふうに解釈しております。具体的には、有害物質が一定水準以上のものについて土壌汚染を対策する必要がある区域として指定して、対策をとるという構造になっている次第でございます。 ○伴野委員 多分そのとおりなんですね、定義的には。 ただ、先ほど申し上げましたように、土壌というものはそもそも生き物の一つであるという考え方や、人間も含めて生きとし生けるものはいつかそこに戻っていくんだ、またそこから再生していくんだという思いがあるならば、もっともっと、多分、政府としてある一定の財源で、ある一定のマンパワーでしっかりとしたリスクマネジメントをしていこうと思ったら、それは限度があるということもわからないではありません。しかしながら、国民サイド、あるいは生きとし生けるものサイドからすると、多分それでは不十分なことが今後も出てくるのではないかと思うんですね。 例えば、今回の閣法では、その一定のところで一つの、量的な広さということで線を引かれていますが、それだけではない、本来目的は何なんだと。 もっと言うならば、非常に広大なところであったとしても、そこに生きとし生けるものが余り接触することがない、あるいは、そういった過去の歴史的に、もっと言うならば今までペンペン草も生えたことのないようなところであればそれは一つの考え方なのかもしれませんが、物すごく狭いところであったとしても、そこで例えば幼児が飛散した土粒子さえ日常的に吸い込むことがあるというのだったら、多分、これは対応の仕方が、親御さんの立場、あるいは先生方の立場、そこにいる現場の人の立場からすれば思い入れは随分違ってくるんだと思います。 そういったことも含めて、今後、用途で整理されていくことも含めた、もう少し踏み込んだ、土壌汚染を徹底的に守っていくんだという意気込みも含めて、大臣、お答えいただけませんか。 ○斉藤国務大臣 先ほどの伴野委員の論旨からすると、まさに命が広がっているこの土壌、そういう生物多様性の保全も含めた形でより大きなものを目指すべきではないか、こういう御趣旨かと思います。 今、生物多様性、来年、地元の愛知県で生物多様性条約COP10を開かせていただきますが、三千万種と言われているわけですけれども、実際に確認されているのは二百万種弱、あとの九〇%以上は類推ということだそうです。そのほとんどは土の中にいるものであろうと。 これから生物多様性についても科学的な知見をしっかり固めていく上で土がいかに大事か、土壌がいかに大事かということだと思いますけれども、今回の法改正はまさに人の健康被害ということに着目をして、まず六年前に第一歩、そして今回その改正案ということでございますが、将来的には、今、伴野委員のおっしゃったような、生物多様性という観点も含めて、どう命のゾーンを守っていくかという理念を入れたものになっていくべきだと私自身は思っております。 ○伴野委員 私ごとで恐縮なんですが、今回、土壌ということをこの法案を通して学ばせていただく中で、先ほど申し上げたように、私自身も含めて生きとし生けるものが全部いつかは土に返るんだ、またそこからというような思いをしていく中で、有名な映画の「おくりびと」を見たくなりまして、実は夜中に見に行ったんです。 あの映画を見ることによって、生き物に対する今まで以上にたっとい気持ちというか崇高な思いというか、その対極といいますか、連続の中かもしれませんが死というものがあって、何らかの形で汚染させるということは、そこにいる微生物も含め、小さな生物かもしれません、顕微鏡で見なきゃいけない生物なのかもしれませんが、それを死に至らしめているという思いが今まであったのかどうなのかというところが今人類に問われているような気がいたします。 ぜひ大臣、お忙しいと思いますが、「おくりびと」もごらんになって思いを一緒にしていただけると、今申し上げたいことが少しでも通ずるのかなと思います。余分なことを申し上げましたが。 そうした中で、今回の法案の中を読んでいきますと、国民の健康を保護することを目的にするというのは非常に狭い目的に感じ取れたんですね。ではだだっ広くすればいいかというと、先ほど申し上げたように限られた財源、マンパワーでリスクヘッジしていかなきゃいけないわけですから、どこかでそれは限界はあると思いますが、国民の健康を保護することだけを目的にしているということは裏返しで人類の思い上がりにも感じたところでございますので、少しでも守るべき領域をこれから広げていっていただけるものの回答ということで、次に移らせていただきたいと思います。 続いて、これも先般、参考人の先生方のヒントの中に、お答えとしていただいたんですけれども、何か土壌汚染対策についてドイツの方が日本より進んでいる部分があるということも伺ったんですけれども、事実関係としてあるならば、審議官、お答えいただけますか。 ○伊藤政府参考人 先般の参考人質疑の中でのお話もございましたけれども、ドイツ等におきましてはそもそも土地利用規制のあり方が違うということで、それに応じた、各国に応じた対策がとられているというふうに思います。 私どももいろいろ勉強しておりますけれども、必ずしも、私どもの今回の改正案を含めれば他国より劣っているような状況ではないとは思いますが、いずれにしても、今後とも、他国の状況も含め、また高橋先生の方も各国も今いろいろ改正の途上だというふうなお話もありました。その状況もよくウオッチをしていきたいというふうに考えております。 ○伴野委員 水や空気と違って、土壌はとりわけ地域性があると思いますので、すべからく海外の事情を知っていればいいというものではないと思いますが、いいものがあれば取り入れるという姿勢でぜひこれからもウオッチしていっていただければと思います。 そうした中で、今回、技術管理者の選任という新たな項が出てくるわけなんですが、これはたしか私どもの同僚の田名部議員も随分突っ込んだ質問をしていたと思うんですが、指定調査機関の指定、評価、あるいはそこでの技術力というのが今後問われてくる。 まさにそこに、私の個人的な意見としては、やはり土壌環境学を少なくともかじっているような人に入ってきていただかないと、先ほど申し上げた土質工学的な、応用力学的な見地だけで見ていますと多分見落としが出てくるような気がいたしまして、そういったお話をさせていただきたい一環でまずお聞きしたいと思います。 指定調査機関というのは、今、どのように指定されて、どのような手続が必要となっていて、主にどういうお仕事をされている方がなっているんですか。 ○伊藤政府参考人 指定調査機関は、現行の土壌汚染対策法上における土壌汚染状況調査を行うのは、環境大臣が指定した指定調査機関でなければならないというふうになっております。環境大臣が指定する際には、その技術的な能力あるいは経営上の能力というのを見て、経営上もしっかりしている、それから、これまで調査の実績もあるという観点で指定をしているという状況にございます。 |




