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野党共闘のために何をすべきか…(C)日刊ゲンダイ

 前回の衆院選で地道に共闘を進めていれば、ある程度野党は勝つことができた(朝日新聞2017年10月23日付「野党一本化なら63選挙区で勝敗逆転」)。

 しかし、前原誠司や小池百合子らによる野党分断工作により、自民党は圧勝。工作に関与した細野豪志は、ちゃっかり自民党二階派の「特別会員」に収まった。

 今回も参院選に向けて浮足立つ人々がいる。統一会派を結成した自由党の小沢一郎と国民民主党の玉木雄一郎はネット番組に出演、橋下徹に政界復帰への秋波を送った(1月31日)。「毒をもって毒を制す」つもりなのかもしれないが、これでは「毒の二乗」になるだけ。立民も社民も共産もこんな野合に乗るわけがない。「立憲民主党カラーに野党を染め上げて」と呼びかけた山本太郎は小一時間、小沢を説教したほうがいい。

 大事なことは、政治家が語る公約、夢、未来ではない。過去になにをやったかである。

 もっとも、人間の脳はすぐに忘却するようにできている。だから、私は問題のある人物に対し、同じ批判を繰り返しているのだ。「芸がない」と言われてもかまわない。同じ過ちは何度も繰り返されるのだから、同じ批判を意識的に繰り返さなければならないのだ。

 文学批評家のエドワード・ワディ・サイードは、知識人の公的役割を「亡命者」「周辺的存在」「アウトサイダー」「アマチュア」「現状の攪乱者」「権力に対して真実を語ろうとする言葉の使い手」と表現した(「知識人とは何か」)。これは単純な反権力ではない。

「すなわち、オールターナティヴな可能性を垣間みせる材源を徹底して探しまわり、埋もれた記録を発掘し、忘れられた(あるいは廃棄された)歴史を復活させねばならない」

 私は自分を「知識人」に重ね合わせる趣味はないが、それでも公の場所でモノを書くのは、「リマインダー」の役割を担うことだと思っている。10年、100年、1000年単位の歴史のスパンの中に、我々の現状を位置付けて考える必要があるからだ。過去の亡霊が復活したとき、どのように対応すればいいのか? その答えも過去の歴史の中にある。

 政治家の「猫なで声」にだまされてはいけない。聞くべきは、「安易な公式見解や既成の紋切型表現をこばむ人間」による「聴衆を困惑」させ、「気持ちを逆なで」する言葉(サイード)なのだ。



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適菜収 作家
1975年生まれ。早大で西洋文学を学び、ニーチェを専攻。ニーチェの「アンチクリスト」を現代語訳した「キリスト教は邪教です!」、「ゲーテの警告 日本を滅ぼす『B層』の正体」など著書多数。近著に「もう、きみには頼まない 安倍晋三への退場勧告」。

転載元転載元: ニュース、からみ隊

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