こんばんは。
お久しぶりでございます。統一選が終わりましたね〜いや〜正直長かったです。
有権者の方々は、「選挙」といえば「告示日から」と思われていますが、業界では半年、いや、一年前から準備をしていたわけですから、「やっと終わった」というのが実感なのです。
といいながら、7月には参議院選挙・・・。
4年に一度の統一選と3年ごとに半数改選の参議院選挙が重なるのは12年に一度、そうです、いつも「亥の年」なのです。
さて、今回の統一選の注目は「政局」としては確かに参議院選挙の前哨戦、参議院選挙で与野党どちらが過半数を確保するか?なのですが、一方で、統一選前に公選法の「駆け込み改正」が行われ、首長選挙でいわゆる「マニフェスト」の配布が認められたことも大変「大きいこと」であったはずなのですが・・・。
私の「地域」でもいくつかの首長選挙で一部の候補が「マニフェスト」を配っていました。
業界関係者としては、早速手に入れたわけです。ある意味「初物」ですからね。
しかし・・・。
皆さんどう感じられましたか?
私の正直な感想は、「国政選挙の候補者ビラと何が違うの?」というものでした。
ちなみに、首長選挙で「マニフェスト配布を可能にした法改正」とはこんなものでした。
以下2月20日産経新聞より**********
統一地方選 首長選マニフェストOK 公選法改正案 衆院を通過
4月の統一地方選から知事選、市町村長選でも候補者が公約集(ローカルマニフェスト)を配布できるようにする公職選挙法改正案が20日の衆院本会議で全会一致で可決された。直ちに参院に送付され、21日午前の参院本会議で可決、成立の見通し。
改正案は、現行法では国政選挙でしか認められていないマニフェスト配布を可能にするもので、首長選で配布できるのは、パンフレット形式などの国政選挙と異なり、1枚紙(2つ折りも可能)の「ビラ」形式。ビラ作成にかかる費用を条例によって公費で賄い、候補者負担を無料化できる条文も盛り込まれた。
配布枚数の上限は、知事選が衆院小選挙区数に応じて10万〜30万枚、政令指定都市の市長選が7万枚、一般市長選(東京23区を含む)は1万6000枚、町村長選については5000枚と定めた。
4月の統一地方選で配布できるよう、前半戦の知事選告示日(3月22日)に施行の予定。反対する党がないため、20日午前の衆院政治倫理・公選法改正特別委員会で、委員長提案として提出され全会一致で可決、本会議で採決された。
**********以上記事
ということでした。
今まで、地方選挙では候補者には「ビラ」の作成配布が認められていませんでした。国政選挙では「候補者のビラ」と政党の「マニフェスト」パンフレットの配布が認められていたわけです。
さて、そもそもマニフェストって?と言う話にはしたくないのですが、
これまでは、「マニフェスト」を作成し、発表した候補が、それを有権者に伝えたくても「その手段がない!」ということで「ぜひ法改正を!」という話であったのです。
私は、できる限り具体的な政策を提案すること(特に財源)、それを有権者に約束し、その後検証を進め、そして新たなものに反映させる。ということも含めてはじめて「マニフェスト」だと思うのですが、特に「マニフェストとは」という「定義」について、この法改正では、「条件」を示していません。
今回の改正は公職選挙法の「選挙運動」に関する部分の中で
142条「文書図画の配布」の一部が改正されました。
以下条文です。
第142条 衆議院(比例代表選出)議員の選挙以外の選挙においては、選挙運動のために使用する文書図画は、次の各号に規定する通常葉書並びに第1号から第3号まで及び第5号から第7号までに規定するビラのほかは、頒布することができない。この場合において、ビラについては、散布することができない。
1.衆議院(小選挙区選出)議員の選挙にあつては、候補者1人について、通常葉書 35000枚、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た2種類以内のビラ 7万枚
1の2.参議院(比例代表選出)議員の選挙にあつては、公職の候補者たる参議院名簿登載者1人について、通常葉書 15万枚、中央選挙管理会に届け出た2種類以内のビラ 25万枚
2.参議院(選挙区選出)議員の選挙にあつては、候補者1人について、当該都道府県の区域内の衆議院(小選挙区選出)議員の選挙区の数が一である場合には、通常葉書 35000枚、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た2種類以内のビラ 10万枚、当該都道府県の区域内の衆議院(小選挙区選出)議員の選挙区の数が一を超える場合には、その一を増すごとに、通常葉書 2500枚を35000枚に加えた数、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た2種類以内のビラ 15000枚を10万枚に加えた数(その数が30万枚を超える場合には、30万枚)
3.都道府県知事の選挙にあつては、候補者1人について、当該都道府県の区域内の衆議院(小選挙区選出)議員の選挙区の数が一である場合には、通常葉書 35000枚、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た2種類以内のビラ 10万枚、当該都道府県の区域内の衆議院(小選挙区選出)議員の選挙区の数が一を超える場合には、その一を増すごとに、通常葉書2500枚を35000枚に加えた数、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た2種類以内のビラ 15000枚を10万枚に加えた数(その数が30万枚を超える場合には、30万枚)
4.都道府県の議会の議員の選挙にあつては、候補者1人について、通常葉書 8000枚
5.指定都市の選挙にあつては、長の選挙の場合には、候補者1人について、通常葉書 35000枚、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た2種類以内のビラ 7万枚、議会の議員の選挙の場合には、候補名1人について、通常葉書 4000枚
6.指定都市以外の市の選挙にあつては、長の選挙の場合には、候補者1人について、通常葉書 8000枚、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た2種類以内のビラ 16000枚、議会の議員の選挙の場合には、候補者1人について、通常葉書 2000枚
7.町村の選挙にあつては、長の選挙の場合には、候補者1人について、通常葉書 2500枚、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員会に届け出た2種類以内のビラ 5000枚、議会の議員の選挙の場合には、候補者1人について、通常葉書 800枚
以上条文
はい。
さて、ここにありましたように、142条の「1」と「1の2」と「2」は国政選挙について、それ以降は地方選挙について定めています。国政選挙の条文における「ビラ」とは「候補者のビラ」をさします。「国政選挙のマニフェスト」ではありません。しかし、地方選挙の条文の中で「首長選挙」の部分にある「ビラ」は「マニフェスト」をさします。
しかし、その違いについて何も定められてはいません。
で、「国政選挙のマニフェスト」はどこにあるのでしょう?
実はこの条文にはなく、142条の2という部分にあります。
以下条文
(パンフレット又は書籍の頒布)第142条の2
前条第1項及び第4項の規定にかかわらず、衆議院議員の総選挙又は参議院議員の通常選挙においては、候補者届出政党若しくは衆議院名簿届出政党等又は参議院名簿届出政党等は、当該候補者届出政党若しくは衆議院名簿届出政党等又は参議院名簿届出政党等の本部において直接発行するパンフレット又は書籍で国政に関する重要政策及びこれを実現するための基本的な方策等を記載したもの又はこれらの要旨等を記載したものとして総務大臣に届け出たそれぞれ1種類のパンフレット又は書籍を、選挙運動のために頒布(散布を除く。)することができる。
以上条文
こちらでは、「国政に関する重要政策及びこれを実現するための基本的な方策等を記載したもの又はこれらの要旨等を記載したもの」と、よくわからない言い回しですが、中身の方向性?は示されていますよね。
つまりです。
「首長選挙でマニフェスト解禁だ!」というのは実は説明不足で、
法改正の中身から言えば、
「首長選挙でも候補者がビラを配布できるようになって、マニフェストを有権者に伝える手段ができたぞ!」というものなのですね。
ですから、簡単に言えば今回の法改正は「首長選でビラ解禁」というものであったわけです。
何しろ「サイズ制限・枚数制限・証紙貼り付け」など、外見的要件は国政選挙の「候補者ビラと共通のもの」になっていますから。
ですから、「案の定」といいますか、今までと変わらないような「公約」の頭に「マニフェスト」と付けてはいますが、実際は「候補者の大きな顔をでかでかと・・・」結局は「候補者ビラ」となってしまったものを作って撒いただけという候補の方が多かったのでは?
要するに、マニフェストは何かを知り、立候補に当たってマニフェストをつくった候補には、「待ちに待った改正」も「マニフェストってイマイチわからんなあ」という候補にとっては「名前と写真を載せたビラが配れるようになって便利だね」というものになってしまったのでした。
実際の条文の意味合いも、実は後者だったというわけです。
私は今回の改正を否定するつもりはありませんが、
しかし、条文を見れば、「結局はマニフェストがいいように使われただけでは?」とおもってしまうような「魂のない改正」であって、正直「がっかり」、そして撒かれたビラに「またがっかり」だったということでした。
あとは多くの候補者が「マニフェストを知ってもらうために」利用することを祈るのみです。
そしてこの法改正が「ぬかよろこび」とならないように、ここにいたる経緯と目的をいつまでも関係者が覚えていることも・・・。
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