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飛行機はエールフランスにしました。
パリへの直行便はJAL、ANA、AFとありますが
海外を体験するのなら海外の航空会社、と考えたからです。
今まで両親を連れてハワイ・オーストラリア・ローマへ行きましたが
そのときは必ずANAかJALにしていました。
(ローマはまだJALが飛んでいた時代のことです)
年老いた両親には安心感が必要ですが
これからいろんな体験をするペッペには日本と違うことに気が付いてほしい。
機内でフランス人の客室乗務員と接することはいい経験になるでしょう。
実際に私たちの座席担当はフランス人の男性でした。
にこやかな笑顔でペッペに英語とカタコトの日本語で話しかけてくれて
ペッペも安心しています。
座席に座ってペッペにコントローラーの説明をします。
「ここで画面のスイッチが入るの。
映画だったらタッチパネルでも大丈夫だからね。
3つ並んでいるのは一番左がライト、真ん中は何か用があったときに
係りの人を呼ぶボタン、だから間違えて押さないでね。
右側は間違えて押しちゃったときに取り消すためのボタン」
「だから間違えないように引っ込んでいるんだね」
コントローラーをよく見るとペッペの言う通りになっています。
コントローラー中央のボタンが本体より凹んでいるのがわかりますか?
今までコントローラーのことなんて気にしたことはありませんでした。
「ペッペ、凄いね。よく気が付いたね。
コウちゃん、何度もこの飛行機に乗っているけれど
こんなことまで気にしたことなかったのに」
「間違えちゃいけないからそうなっているんだと思った」
「ママがペッペはお勉強できない、って言っていたけれど
ちゃんと見るべきところは見ているじゃんね」
振り替えれば登場開始のときのこと。
AFのゲートで
「お手持ちのパスポートに搭乗券を挟んでお並びください」
と放送が入ったときに
「どこに挟むの?」
と言われ
「ペッペの搭乗券の名前とパスポートの名前があっているか、
パスポートの顔とペッペの顔が同じ顔がチェックするから
顔写真のページに書かれた文字と同じ方向で搭乗券を並べるの」
と答えたら、それだけで顔からマスクをはずしました。
「顔写真のチェックならはずしたほうがいいんだよね?」
いつも同じことをお客様にご案内していますが
これだけでマスクをはずされるかたは滅多にいらっしゃいません。
私が
「ですからマスクを外してください」
と申し上げるまでそのままのかたがほとんどです。
子供に説明するのと同じことを案内しなければいけない、と考えていましたが
実際には子供のほうがいろいろなことをよくわかっているのでしょう。
アペタイザーとアペリティフ。
「日本では食事と一緒に温かい飲み物がサービスされるけれど
海外では冷たい飲み物が食前酒なの。
温かい飲み物を食事と一緒にいただくのは朝ごはんのときだけだから
覚えておいてね」
「お茶は?」
「お茶も」
「ふ〜〜ん」
ということで機内食です。
ペッペにはいいことではないと思うのですが、
今回ビジネスクラスを利用しました。
私にプライベートでの12時間の旅でエコノミークラスに座るだけの体力が
なかったのです。
ルーやティーと一緒だったら子供たちだけでエコノミー利用にするつもりでしたが
さすがに一人ではムリです。
「今回は特別だからね。
いつもこんなに広い座席じゃないから」
そうペッペに言ったら
「ママにもそう言われた」
「お食事もこんなふうに順番に出てこないの。
給食みたいな感じで全部まとめて出てくるからね」
「うん。それでナイフとフォークはいつ来るの?」
感のいい子だと思っていましたが、ここまでだったよう。
「ナイフとフォークはここに入っているのよ」
右端に置かれたナプキンを開くとナイフ2本、
フォーク2本とスプーンが1本が入っています。
ファミレスの籠に入ったカトラリーしか知らなかったのだとここで確認。
ナプキンに包まれてくるほうが珍しいから仕方ありませんね。
「このお肉、切りづらいね」
と言うので
「鴨だからね。
日本の鴨は葱背負ってくるけれど、
フランスの鴨はオレンジを背負ってくるんだよ」
「ふ〜〜ん」
ウケなかった!?
「カモネギって知らない?」
「知ってる! ポケモンにいるの。
でも背負ってないよ。くわえてたと思う」
「ポケモン?
そうじゃなくて【鴨が葱背負ってやってくる】って言うじゃない」
「なんで?」
「鴨を鍋にして食べるのに葱が必要だけど
鴨が自分で葱を背負ってきたら、畑まで行く必要がないじゃない。
自分が食べられちゃうのもわからずに、こちらに都合のいいものを持って
やって来ることを言うの」
「そんなの鴨が可哀そうじゃない!」
「でもそういうんだよ」
ペッペは納得できないようです。
メインをいただいてチーズがサーブされます。
「本式のフランス料理ではデザートの前にチーズがサービスされるの」
「・・・美味しくない」
「プロセスチーズじゃないから。
ペッペが大人になったら味がわかるようになると思うから無理しなくていいよ」
「ううん、食べる。
このままだと負けた気がする」
デザート盛り合わせとマンゴーシャーベット。
アーモンドペストリー・チョコムースパルフェ・抹茶マカロン。
抹茶マカロンにペッペはご満悦。
「塾のお土産にマカロン買って帰るの」
「ペッペのおうちはみんなマカロン好きなの?」
「うん、大好き!」
我が家では年寄ばかりなのでマカロンは不評です。
若い子がいる家とはまるっきり違うことを認識します。
ペッペが持ってきた美術の副読本を見ながら話をします。
「今の教科書ってすごいね〜
ね、ペッペは円周率は3で習った? それとも3.14?」
「3.14。3なんて変だよ」
「そうだよね。でもそういう小学生もいたんだよ。
ゆとり教育っていってた時代があったの」
「でも円周率なんて大人になっても何の役にも立たないじゃん。
分数も少数も」
「え〜〜そんなことないよ。分数だって少数だった役に立つよ。
ホールケーキを買ってきたら、ペッペの家なら5等分するでしょ?
そのときに役に立つのは円周率と分数じゃないの?」
「5等分しないもん」
「じゃあ誰が食べないの?」
「4等分したうちの1個をパパとママが分けて食べてる」
「それは酷いよ〜〜〜」
「国語も算数も地理も歴史も何の役にも立たない。
いい学校に入るためだけでしょ?」
「違うよ。
お勉強はいい学校に入るためじゃなくて、人生を楽しくしてくれるんだよ。
ペッペも授業で習ったから、パリでルーブルに行こうと思ったんでしょ?」
「・・・」 よっぽど学校の授業が楽しくないんだ。
「塾は楽しい?」
「塾の先生はまし」
「学校が嫌いなの?」
「友達がいるから楽しい。
でも先生は嫌。
いじめがあったのに、先生は自分のお給料が下がるから
なかったことにしているんだもの」
「本当?」
「みんな、その子がいじめられているのを知っていて
先生も知っているのに【いじめはない】って言うの」
「先生のお給料が下がるって誰に聞いたの?」
「みんな言ってる」
「じゃあ根拠はないんだ」
「でもいじめられている子はいるよ」
私がかって所属していた、今は知らない世界です。
私も先生が嫌い。
ペッペの言っていることはわかりますが
話を聞いてあげることしかできません。
春休みや夏休み、冬休みにおいでになる
「先生」と呼ばれる方の行動や考え方を知り
「こういった方たちに子供を預けるということ」
に不信を感じていましたから・・・
(もちろんいい先生もいらっしゃいます。
一昨年に知り合った小学校の先生とはとても仲良くなり、今ではメル友です。
でもあまりにも一般常識とかけ離れたかたが多いのです)
「今回泊まるホテルは福沢諭吉が泊まったんだよ。
福沢諭吉はわかるよね?」
「うん」
せっかくなら思い切りヨーロッパらしいホテルを、と考え
ヨーロピアンタイプにしました。
ペッペが福沢諭吉を1万円札でしか知らなくても
これから興味を持つかもしれないと思ったからです。
でももう習っていたんですね。
「ギンタマで知ったの」
ギンタマ!?
「アニメだよ。コウちゃん知らないの? 有名なのに」
「知らない、初めて聞いた」
「これ」
ペッペが出したのは小説でした。
そういえば大人しいときは本を読んでいるときだったけれど・・・
「これは映画の小説版なの。
原作は漫画で51巻まで出てる。
ペッペは漫画は読んでないけど、アニメを観てるの」
「そうなんだ〜〜」
ペッペから本を受け取ってめくると登場人物がイラスト付きで紹介されています。
近藤勲、土方十四郎、沖田総悟・・・
幕末の新撰組の話なんだね・・・って、名前が微妙に違うみたいだけど・・・
「いいの。あんまり変わらないから」
いえ、重要ですが。
「だけどね、NETで画像を探したら本人と全然違ってがっかりした。
ルナとショックを受けたの」
ルナって誰?
「ペッペの友達。一緒に銀魂を読んでるの。
このあいだ授業で吉田松陰が出てきたときにルナの背中が震えてて
先生の言葉に反応しているのがわかったよ」
お勉強には何が幸いするかわからないものです。
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