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これは一昨年、買いました。 私は気に入った本を何度も読み返します。 ストーリーではなく、その世界に浸りこむみたい。 読み返す本の著者は大抵決まっていますが、宮部みゆきさんもその一人。 そしてこの短編集を読むたびに思いかえすことがあります・・・ 今から10年前、オーストラリアツアーでのこと。 オーストラリアのガイドさんは大抵ワーキングホリデーでこの地へやってきた人です。 そのときのガイドさんTさんもその一人でした。 彼女はワーキングホリデーからビジネスビザを取得してゴールドコーストでガイドとして活躍していました。 年も近いことがあって私は彼女と意気投合してフリータイムに一緒にお茶をしました。 コウ「一人っ子なの? こっちに来てご両親は心配しない?」 Tさん「ええ。でも来月ここに来るの。 私の仕事を見れば少しは安心するかもしれない」 コウ「そうだよね。 友達も来たりするでしょう?」 Tさん「友達はまだ来ないけど・・・ ・・・・・・・・元カレが新婚旅行で来たの」 コウ「ええ!? Tさんがここにいるって知ってて!?」 Tさん「知るわけないじゃないですか。 添乗員なしのパックツアーで。 空港送迎でネームリストを見たときに、どこかで見た名前だなぁって思ってたの。 出迎えてびっくりしたけれど、向こうはもっとびっくりしたみたい。 新婚旅行の現地係員が元カノだなんてね」 コウ「それはそうだよね」 Tさん「空港から市内観光をしてランチタイム。 そのときは私も食事がついていてお客さまと一緒に座ったの。 他にもお客さまはいらっしゃるのに、私の横にカレの奥さんが座り、その横に彼。 奥さんは何も知らないからニコニコ笑顔で私にフリータイムの質問をして、そのたびにカレに同意を求めるの」 コウ「カレは真っ青だったでしょう・・・」 Tさん「後でこっそり言われたのが 【俺たちのことバラされるかと思ったよ】 バラすわけないじゃないですか! 私のことをそんな女だと思っていたのが悔しくって」 コウ「別れて正解だったんだね・・・」 Tさん「こっちに来て正解かな。 この仕事をしているせいか、カレがなんだかとても頼りなく見えて・・・」 「人質カノン」は7編を収めた短編集。 宮部みゆきさんのことばの選び方が好きです。
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