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税制改革私案

 わが国の税制は、若干不公正になっていると考えている。この不公正感が、行政の無駄と言う意識を国民に芽生えさせた細大の原因であると感じる。

 自民党を初め、民主党の財政健全化を目指す議員などから、消費税率の改正を行い、現況の5%から10%への引き上げを目指す動きが活発化している様に思う、これは、抜本的に間違いである。国民の6割近くが、この引き上げも已む無しと言う世論調査結果もあるのだが、本質的に、大半の国民は、税のあり方についての無知から来るもので、本質的に消費税率の改定が必要不可欠であると言う根拠無しに財政と言う一部分だけの取り上げて、この已む無しと言う世論が作られていると思う。現実に、わが国の税制が如何に不公正なものかを理解できれば、これほど安易に消費税率の改定に賛同するはずは無い。


 まず、一番先に取り上げるべき、税制改正の本丸は、法人税である。わが国の法人税は高すぎると経団連などの財界、圧力団体からの発言もあり、欧州やあるいは中国、韓国などの20%程度まで下げるべきであると実しやかに主張している、この主張は、かつての小泉政権下で閣僚であった竹中平蔵も同様に法人税の引き下げに言及している。しかし、米国はわが国の法人税率より高く、その累進性も厳しいと言う現実を、述べる学者もマスコミも少ない。米国の場合、わが国と同様に、税率は厳しいものの、企業に対する社会貢献の義務が殆ど無い、つまり企業は、資本家つまり株主に対して義務を生じるが、社会に対しては、なんら貢献の義務を負わない。だからこそ税金を多く納めることで企業に変わって行政が、社会貢献を行うと言うシステムになっているのである。


 欧州の場合、税率は低いが、現実に多くの社会貢献を義務付けれており、工場の周辺には、何割かの緑地を作らなければならないとか、工場地帯の道路整備は、進出企業の義務として行うなど、枚挙に暇が無いほどの貢献を求めれている。つまり、税金以外の部分で、欧州などは、厳しい社会対応を求められているのに対して、米国やわが国は、その義務が殆ど無いと言っても過言でない。つまり、企業の社会貢献は納税の義務だけであるのだ。この状況下で法人税を引き下げるのは、社会モラルに反すると言わねばならない。


 しかも、法人税率を下げて儲かるのは、利益率の高い大手だけで、現実に赤字あるいは殆ど利益の無い零細、中小企業には、何ら恩典がない、しかも大手の、利益は内部留保と言う形で蓄えられ、それが市場に還元される可能性はほとんど無い。この状況で税率を下げても、税収が下がるだけで何ら、経済にも財政にも是とする事がない。この辺り、政府税調の専門家は、どういう感覚でものを言っているのか理解できない。単純に理解できない改正はすべきではない。風が吹けば桶屋が儲かる的な、政策は全くをもって必要がない。


 法人税率は、そのまま現状維持か累進性を米国並みに強化する、まず、これによって社会貢献しないわが国の企業に対して、税を支払うと言う貢献をしてもらう。

 次に、外形標準課税の導入である。企業は、黒字だろうが赤字であろうが、行政サービスを常に受けている、しかし収支が赤字の企業は、大企業であっても、法人税は1円も支払っていない、かつて大銀行が、これで随分と批判された。殆どの都道府県に支店、支社を持ちながら、地方税など全く支払っていない企業がかなりの数に登る。これでは、行政は効率よく収入を得られない。


 更に、企業によっては、グループ傘下に、赤字企業を次々と作っては、税金逃れをしているものも少なからず存在する。また法務省に登記された企業の中で、現実に稼動しているのは、30%程度であり、他の70%は、休眠状態である。この休眠企業を売るという業務を主な収入源にしている司法書士も存在する。これは、一度登記した企業は、利益さえ出さなければ、1円の税金も支払う義務が無いと言うことから成立するのである。この様な不公正な状況を看過するわけにはいかない。つまり、企業は登記した時点で、その規模や資本に応じての基礎税を支払う義務を負わせる。これで、安易に赤字企業の設立や幽霊企業の設立を防止できるし、また休眠状態であれば、一度解散させ、法人登記に於ける行政コストの削減にも役立つのである。


 外形標準課税の税率は、資本金1000万円以下は、年に25万円程度、以降5000万円まで100万円、一億円までが、150万円、以上、5億円までが1000万円、10億円までが1億5千万円、以降、資本金10億円ごとに、1億円をかけていく。これで、大手企業などは、年に100億円近くを支払う義務が生じる事になる。これは赤字でも同様である。


 簡単に試算しても、これによる税収は、5兆円を遥かに超える。これで消費税5%分を確保できるのである。


 また法人税の累進性を厳しくすると、利益の少ない企業は減税となり、逆に多い企業は増税となる。今回のリーマンショック以来の企業を見ていて、内部留保金は、雇用の安定には、全く役立たない事が判った。つまり社会安定のために企業の内部留保を必要以上に認める必要性はないと言う事である。この累進性の強化によって、税収は、3兆円から5兆円の増収となる。


 次に特殊法人や宗教法人への課税を強化する、特に宗教と言う商品を扱う、現実的に判断すれば、宗教は商売である。つまり、税の免除あるいは減免を受ける資格は無い。利益があれば税金を正規に支払ってもらうのが資本主義の基本である。


 これも簡単に試算してみると、全ての宗教法人に法人税並みの税金を支払わせると、その税収は5兆円規模になる。また特殊法人や公益法人も同様で、法人税は一律とすれば、これで、2兆円規模の増収となる。


 この様に不公正に守られた法人と言う存在に厳しく税を支払わせる事で、個人に対する増税があっても理解し易いのではないかと思っている。


 最後に、消費税は、若干引き上げて社会保障費に全額当てる事で、支払う個人も納得できると思っている。

 個人所得における累進性の強化も忘れてはならない。特に一時所得や別所得おあどの臨時収入における税率は低すぎると考えている。逆に相続税を引き下げる事で、一般消費に直接関わると感じている。例えば、法定相続人、第二親等までの家族相続の場合、相続額に関わらず10%程度にすれば、家の立替などの大きな消費に直接繋がると考えられるのではないか。これ以外の相続に関しては、逆に増税をする事で、相続争いなども防止できる可能性もある。


 単純に素人でも理解できるように数値などを省いて書いてみました。現在の税は、不公正であり、必ずしも現在の社会状況に見合ったものではないと思います。そこで、この程度の抜本改正がなければ、消費税を安易に上げてはならないし、またその論議をする事もあってはならない暴挙であると思っています。


 民主党の今回のマニュフェストは、財政の健全化と言う、根拠無き危機感の粉飾によって、経済の縮小を促す事になる、間違いであると指摘しておく。

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閉じる コメント(2)

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読みました。
税と予算の問題は、政治其の物ですから、
現状で多数派を形成できかると言う問題と、
如何いう方向を目指すかと言う事を分けて考える事も有ると思います。

2010/6/22(火) 午後 2:03 [ 櫻(N) ] 返信する

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そうです、方向性が、間違った方向に向かっていると、小生は指摘しているのです消費税率の引き上げは、片手落ちであり、わが国の税制の不公正を如実にあらわしていると思っております。sakuraさん、ご訪問、コメント感謝します。税制そのものを抜本的に考える時期であるのに、消費税率の問題だけをことさらに主張するのは、問題のすり替えとしか思えません。

2010/6/22(火) 午後 2:37 公平論001 返信する

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