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 昨今、またぞろ、東京裁判史観を批判して戦後自虐史観の基礎になったなどと言う屁理屈を言う法律家がいるのだが、これは、何度も言うが、負け犬の遠吠えでしかない。ある意味歴史に対する悪意ある挑戦でしかない。
 
 何故なら、大日本帝国は、ポツダム宣言に於いて消滅し、無条件降伏したのである。無条件の意味は、いたって簡単である。戦勝国の恣意に任せて如何様でも、何をされても聊かも問題ないという事を当時の政府は、認めたのである。
 
 もし、マッカーサーの様な、極端な反共思想の持主がGHQの責任者でなければ、日本は、南北に分断されてドイツや韓国の様な状態になっていたかも知れないし、もし、リベラルな人間が上に立っていたら、天皇制すら存続していなかったかも知れない。つまり、そうなっていても致し方ないというのが当時日本の立場である。
 
 東京裁判が、勝者による一方的な、しかも事後法による法理を無視した不公正な裁判であったことは、法律から見れば、聊かも矛盾なく説明できるであろう。しかし、これは、法律問題ではないのであって、国際政治そのものであったと解釈すべき事象でしかない。
 
 東京裁判でインドのパール判事が、事後法で裁くことを批判し、全員無罪を主張したのは法律家として当然の行為だが、国際政治という場においては、ただ正論を述べるだけの法学者であったということに尽きる。
 
 しかも当時の日本政府は、この判決を受け入れることによって現在の国体を維持したのであって、もし事後法であるから無効だとすれば、はっきりと拒否すれば良かったのである。それで国際社会が納得したかどうかは計り知れないが、普遍的正義というのが存在するとすれば、それは受け入れられたはずである。しかし、人間社会に普遍的正義などあり得ないのであって、その様な理想主義による国際政治などあり得ないのである。
 
 米国のイラン攻撃は、明確に国際法に抵触すると世界中の大半の法学者が指摘しているが、批判はしてもそれを国際司法裁判所や、あるいは国連総会の俎上にあげる国家は存在しなかった。つまりこれが国際政治ということである。
 
 同様に東京裁判もあるいはドイツで行われたニュールンベルグ裁判も勝者による事後法で裁いたのであって、それが無条件降伏という意味である。ドイツは、東西に分断され、戦後何十年もの間、親子兄弟、親せきなどが東西に分かれて生活した。日本は、幸いにしてマッカーサーという極端な反共思想の持ち主が占領軍の責任者として君臨したために、ソ連の望んだ北海道すら渡すことはしなかった、
 
 もし、違う人が上に立っていたら、日本は分断されていた可能性が非常に高いのである。東京裁判史観という、この不公正な裁判結果を受け入れた事を、批判し、これを自虐史観だとする歴史家もし存在するとすれば、それは歴史に対する悪意あるバイアスのかかった愚でしかない。
 
 何故なら、東京裁判に戦争の総括を求めた我が国にとって、これを否定するということは、総括そのものを否定するということにつながり、そうなれば、あの大戦の責任のありかを有耶無耶にして、その罪から逃れようとする暴挙だと他国からは思われるだろう。
 
 ドイツのようにニュールンベルグ裁判だけにその総括を求めず、自らの手で戦後何十年も自国民を裁き続けた国との違いである。
 
 そのドイツですら、ニュールンベルグ裁判を法理的に批判する学者は存在しても、それを否定するという歴史学者は存在しない。
 
 それが我が国場合は、東京裁判だけに総括を求めておきながら、今さら、この歴史的な事象を批判し、挙句に否定するという事は、明らかに日本の近代史を愚弄するだけである。
 
 もし、批判し、否定するのであれば、これからでも当時の日本人を裁かねばならないのだが、遅きに失している。その大半の人々は、既に鬼籍に入り、また証人すら、殆ど生存していないからだ。
 
 戦前、政治犯を次々に監禁し暴行、中には謀殺された人々も少なからずいる、裁判なしに処刑された日本人すら存在している。これを権力の手先となって実行したのが、特別高等警察(特高)で、これらの刑事たちがいかに陰険に、しかも司法を無視して検挙して暴行、挙句に謀殺しているのである。
 
 更には、陸軍憲兵隊も同様で、徹底して反戦思想などの持主たちは、やはり司法を無視して検挙し、謀殺している。これらの実行部隊の中で戦後日本人の手で裁かれた人は一人も存在しない。逆に、戦後の占領政策の中で、彼らは、そのまま警察に残り、その手で日本人をGHQの手先となって検挙し続けたのである。これらの生き残りが、戦後においても、暴力的な取り調べでどれだけの冤罪を作り続けたのか!!
 
 裁くどころか新しい権力に阿ってすり寄り、そして権力をそのままに生き続けられたのも、東京裁判の判決を受け入れたからである。
 
 その殆どが鬼籍に入り、裁くことができない事を良いことに批判し、否定するなど、正に負け犬の遠吠えであり、卑劣卑怯な振舞であると小生は考えている。
 
 パール判事を評価する人が多いのは、戦後、初めて日本が彼に対して報償した外国人であることを見れば、日本人にとって良き理解者であると感じたからだろうが、小生から見れば、典型的な形式主義者である法律家だとしか見えない。国際政治というのは、法的な是是非非で成立しているのではなく、その時の力関係や思想、風潮なども考慮されて成立するのであって、もし法律論だけで成立するのであれば、それは単なる理想主義でしかない。
 
 再度、言うが、人間社会において普遍的な正義など存在しないのであって、だからこそ、混乱し、混迷し、そして矛盾だけが拡大するという社会が存在する・・・・だからこそ、歴史は面白いのであって、もし是是非非だけで人間社会が営まれていたとすれば、歴史など、年表を追っていくだけで終わってしまううのである。
 
 東京裁判史観は、自虐史観などではなく、戦後の日本が東洋の奇跡と言わしめた発展を遂げるための必然であり、平和国家を作り上げた礎であると言っても過言であるまい。
 
 つまらない過去に拘って、自虐だの、不公正だのと言った屁理屈は、今さら言っても意味がないのであって、無条件降伏という史実に対して真摯に向き合い、そして反省して、これらから先、日本が戦争に巻き込まれえず、戦争をしない国家を作り上げる為に何をすべきか真剣に考えるべきだろう。
 
 そういった意味において、集団的自衛権の武力行使は、あってはならない暴挙であると断言して終わりにする。

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閉じる コメント(26)

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戦後の70年の太平の夢ですか。徳川300年の太平の夢のメンタリティーを思い出しますよ。

2014/6/19(木) 午前 11:15 [ TJ Adventure ]

公平さん

同意します。敗戦に終わりましたが、平和が戻りその中で一生懸命に生きた人たちの
存在を無視してはなりません。憲法9条もこれだけ国際化した世界だからこそ、
余計に意味があると思います。

2014/6/19(木) 午前 11:32 佑果

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TJ Adventureさん、徳川250年の太平、停滞と鎖国という閉鎖空間であったかも知れないが、少なくとも殺し合いをせずに済んだではないですか、今は、環境が違うといっても、できるだけ、非同盟の全方位外交で、武力を否定してこそ、我が国の安全は存在し続けるという勇気が必要なのでは?ないですか。

2014/6/19(木) 午後 0:14 公平論001

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田中さん、ご訪問、コメントありがとう。
安部政権の考え方は、中国の故事「矛盾」と同様で相手が強くなったら我が国はもっと強くというチキンレースに参加することになります。この意味のないチキンレースに巻き込まれないためにも9条を順守してこそ、我が国の安全保障が維持できるのだと、考えるべきです。

2014/6/19(木) 午後 0:16 公平論001

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理想は高く、しかし現実を見極めてでしょうか。国際関係においては冷徹な分析が必要です。いささかの甘い考えも持ってはならないでしょう。

2014/6/19(木) 午後 0:19 [ TJ Adventure ]

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TJ Adventureさん、理想ではありません、我が国の地政学上も、また、現在置かれている立場を考えれば、米国の寄り添うことこそ、甘えの構造であり、現実逃避でしかありません。なぜならば、もし米国の国益が我が国との同盟を否定したら、その時点で我が国は外交上も安全保障所も窮地に立たされてしまいます。むしろ、非同盟でどちらにも与しないという姿勢を貫き、中立を維持することが、我が国の安全保障上最も現実的な対応です。

2014/6/19(木) 午後 0:42 公平論001

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公平論さんは中国に対する日本の対応はどうあるべきだと考えているのですか?

2014/6/19(木) 午後 0:51 [ TJ Adventure ]

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TJ Adventureさん、実効支配している尖閣に対してもっと強く我が国が主張するために、何らかの公的施設を作っておけばそれでよし、尖閣に対する中国の主張が無理筋なのは、中国の歴史学者も上層部も認識していますよ、国民感情を慮って、結局強硬な姿勢を示すだけで、我が国が粛々と実効支配を進めるだけで、沈静化します、また非同盟になることで中国の安全保障が軽減されるので、米国の存在こそ、アジアの不安定を増長していると思います。そういった点では、安部政権は弱腰すぎます。

2014/6/19(木) 午後 0:55 公平論001

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TJ Adventureさん、このブログの記事とは、まったく違う、論点であれば、自分のブログで主張されて、小生が、それに返答しますよ、

2014/6/19(木) 午後 0:56 公平論001

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15年戦争において、我が国はコテンパンにやられて負けました

「戦争に負けました」
それ事実の前では、どんな言い訳も負け犬の遠吠えです

そして、
自らの手で総括をするわけでもなく、敗戦の責任追及も行わず、
うやむやのまま放置しつづけた結果、都合の悪い部分は「なかったこと」にし、過去を都合よく美化する風潮が蔓延るようになってしまいました
反省なくして進歩はありえません
戦争に負けた事実を直視し、それに向かい合うことは決して「自虐」などではないと思います

2014/6/19(木) 午後 1:44 弱法師

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事後で申し訳ありませんが、トラバさせてください

2014/6/19(木) 午後 1:54 弱法師

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弱法師さん、ご訪問、ご意見、真摯に賜ります。ありがとうございます。仰せの通りです。負けを認め、反省すべき点は、反省してこそ、前進できるのであって、掛け違えたボタンをそのままに誤りを拡大する風潮は、大変に危険です。やはり掛け違えたところまで戻って、歩みなおす覚悟が必要だと思います。

2014/6/19(木) 午後 2:09 公平論001

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単純明快に「戦いには負けたが、その後カッタ」

2014/6/19(木) 午後 2:12 [ - ]

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peterpanさん、ご訪問コメントありがとう。
戦争に負けた・・・その後、本当に勝ったのでしょうか?経済的には発展しましたし、平和であり続けた。これに胡坐を書いて、挙句に居直り、武力行使を考えるまでに至った、必ずしも勝ったのではなく、勝ったつもりになっていたと言う事ではないでしょうか?

2014/6/19(木) 午後 2:17 公平論001

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内緒さん、決して不快と言う事はありません、どんどん、取り上げてください、感謝します。

2014/6/19(木) 午後 5:15 公平論001

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よくぞ言ってくれました!
って感じです。
このごろは国家の中枢にいるような連中がガキみてえなことを声高に言ってる。
もっとオトナになれよ。って思うね。

2014/6/20(金) 午前 11:44 [ MM21s ]

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ついでに言うなら、「集団的自衛権」の論議はガキの火遊びだ。

2014/6/20(金) 午前 11:46 [ MM21s ]

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MM21sさん、ご訪問、コメントありがとう。
自衛隊と言うおもちゃを持たせたガキであります。持つと使いたくなる、その衝動を抑えきれない・・・・・危険なガキであります。

2014/6/20(金) 午後 1:29 公平論001

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>東京裁判史観は、自虐史観などではなく、戦後の日本が東洋の奇跡と言わしめた発展を遂げるための必然であり、平和国家を作り上げた礎であると言っても過言であるまい。

東京裁判をどうとらえるのか?かなり難しい問題を孕んでいると思います。
当時の連合国の良い分を無条件に支持するのは間違いですが、少なくとも満州事変→日中戦争の深まりの過程で米英などは公然と?拔介石政権に援助していった段階に置いて、日本はいさぎよく撤退(100%の撤退ではなくても)するという決断は出来たはずです。それが出来なかった理由は日本に中国征服の野望があると米英に見透かされたわけですから。

2014/6/21(土) 午後 2:30 [ cosumos1959 ]

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cosumos1959さん、ご訪問、コメントありがとう。
小生が主張しているのは、東京裁判の結果を今更、否定して国際的信用を貶める意味が無いと言うことを述べているのです。つまり、東京裁判が勝者による不幸j聖な事後法で裁いたと言うのは、法理的に見れば当然の疑問であり、これを法律家が、批判し今後の国際法などのあり方に生かすのであればともかく、これを否定すると言うのは、無条件降伏の意味が理解できていないからで、大日本帝国は、あの時点で崩壊していたのであって国体が維持できていたわけではありません。それが無条件と言う意味で、その無条件から東京裁判が成立しているのであれば、これを今更不公正だのと言って批判する以上に否定したのでは、歴史に対する一種の冒涜であると言う意味で、この記事を書きました。負け犬の遠吠えでしかありません。

2014/6/21(土) 午後 3:13 公平論001

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