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東証の株価が新年早々から値上がりを続けて景気が良いとばかりの報道が目立つが、いい加減に目を覚まさねばならない、米国やアジア諸国、あるいは欧州に於いても証券市場が堅調で、その影響を受けてとの判断、正に政権の思う壺である。メディアもそろそろ、これらのトリックに気が付くべきである。
欧州もだが、米国も含めて当然わが国もだが、30年前から比較すると殆どの国々で金融緩和策をしており、マネーサプライは比較的に増加傾向にあるのは事実で、かなり緊縮財政策を取っているEUのドイツにしろ、プライムレートは30年前と比較すると明らかに低いままである。つまり通貨供給量をどこの国も増やし続けているのだから、当然、外国為替だけで評価するのではなく、殆どの国々で通貨に対する信用度が落ちてきていると言う事になるのだ。つまり通貨の価値が下がっているのだから、物質的に考えれば、当然、物価は上がる、同様に株価も上昇する、当然の摂理であり、帰結なのである。企業の本業の売り上げや利益が莫大に膨れて決算が良好であるなら、いくら将来不安があるからと言って闇雲に内部留保を増やし続け、結果として労働分配率が下がると言う事にはならない、企業にすれば、本業が堅調であるなら、当然、増産体制を考えて設備投資などにそれらの留保金を回すはずだが、そうではない、設備投資にかかる資本の推移は、まだまだ低調であり、これを見ても企業の本業による収益がさほど増えていない事を証明している。つまり企業は、企業の安定的本業による売上高や収益について堅調に増えていると考えていないと言う意味である。だからこそ、今の利益は一時的な物であり、ベアを引き上げるより一時金で分配すると言う方法を採用している。バブル期とよく評論家は言うが、経済指標で現れる数値の大半がバブル期をより以降のものとの比較であり、昭和62年から平成2年までの好景気時代と比較する事は殆どない、当時のベアなどと比較するとあのトヨタですら、まだまだ低いと言わざるを得ない。
つまり企業は、今の景気を本物だとは考えていないと言う意味である。安倍晋三は経済界三団体の新年会でベア3%に言及したが、これに答えた企業はわずか10社に満たない。つまりほとんどの企業が3%程度の引き上げも考えていないと言う事になる。更に政府発表の物価だが、これは、ごく一部の商品、しかも決められた大企業の商品を取り上げて比較しているのであって、決して一般消費の実情とは言い難い、小生は、老母を抱えていることもあって、週に数度ほどス−パーや市場などに買い物に出かけるが、主婦とは違い、出かけたついでと言う事もあるので、大手のスーパーから地元のスーパーあるいはデパート系のものなどと一定の場所ではない所での買い物になる、しかし経済を学んだ者として何となく主婦の消費行動に目が行くのだが、全体として主婦の大半はやはり廉価なものを選んでいると感じる。タイムセールなどがあれば、それに群がる、特売品や特売日を選んで消費行動を起こす。新聞などのチラシなどもきちんとチェックしている。我が家の様に数社の新聞を購読しているとチラシほど無駄なものは無いと思うのだが、出入りする業者で働く主婦などからは、新聞は必要ないが、チラシだけは欲しいと言う、つまりほぼ毎日入るスーパーなどのチラシに掲載されている廉売品をチェックしていると言うのが実のところだろう、そう考えると、政府発表の国民消費による物価水準の数値に、信用度は相当に低いと言わざるを得ない。東大指数と言うのがある、これは東京大学が独自に全国の小売店や製造する中小企業までの調査をして、そう言った地域の小売店や地域限定のスーパーなど、あるいはタイムセールや特売品などの消費をチェックして判断したものだが、円安などの影響を受けて原材料費が引き上がり、結果として価格上昇が起こったものなどの物価高を差し引いた結果は、民主党政権から比較して今なおインフレではなく、実質デフレ傾向が続いているとしている。日銀や経産省からの発表とは相当に開きがある。つまり行政の発表する数値には、これらの一般消費にかかる特殊性を排除した上で、あくまで決められた大手の一流品を中心にした価格との比較であり、大半の国民は、必要最小限の消費しかしていないと言うのが事実である。百貨店などで高級品が売れ始めていると言うのだが、それはごく一部の収入が増えた人たちか、あるいは無駄な消費を抑えた庶民が、精神的ゆとりを得るために消費した程度のものであり、むしろ経済的には悪化しているとみるべきである。
つまり株価高騰も、企業経営が堅調とは言えず、ただ価値の下がった通貨への信用度が落ちた為に、その代わりとして証券市場にそれも一部、流れたと言うだけにとどまる。仮想通貨、ビットコインなどがもてはやされるのも同様で、金融緩和策で先進諸国の金利は低いまま、株価については一部機関投資家なれば、ともかく、個人的な資産形成にはまだまだ不安定、行き場を失った現実通貨が仮想通貨に流れたからこそ、急激な高騰を齎したと言のが実情だろう、良い証拠にビットコインの相場も上がりすぎと判断したのか、下がり始めている。つまり通貨と名の付く、殆どの商品が下がっていると言うのが今の社会の在りようなのである。
天上天下、唯我独尊、自画自賛てな自民党政権だが、この様な嘘八百がいつまでの通るはずもなく、早晩、破綻するのは必定、決して証券市場の高騰をもって、景気回復などと言った楽観はするべきではない。
さて本年は、わが国経済に於いて、正念場である。アベノミクスと言う邪道な経済対策がこのまま続くとなれば、必ずわが国は財政だけではなく経済的にも破たんする。市場に出たわが国国公債の大半を日銀が買い取り市場を常に品薄の状態に保っているからこそ、わが国の国債はその値を下げていない、しかし日銀も自らの体力を超える状況下になれば、企業としてその利益をある程度確保せざるを得なくなると、この買い支えが出来なくなる。つまり徐々に市場にわが国の国債が溢れ始めるとどうなるか、わが国の国債の価格は下がり始め、結果として長期金利が引き上がる、有利子負債を抱える企業や、住宅ローンなどを支払っている一般庶民の金融的負債は、急激に環境を悪化させる、ローン破綻や利払いで企業の収益を悪化させる。こうなると景気は悪循環に陥り、銀行は貸しはがしに動き、資本力のない中小企業はその経営を悪化させる、労働人口の60%以上を担う中小企業の破綻が増え続ければ、当然だが、雇用環境は当然悪化する。今、就職にかかる数値は良くなっているとしているが、それは圧倒的にその世代の人口が減少した結果なのであって、雇用体系からすれば、その総量は逆に減っている。むしろ雇用環境が売り手市場になっているのはパートやアルバイトと言った非正規雇用による単純労働力なのであって、安定的総合職などの雇用は増えてはいない。既にわが国の非正規雇用にかかる労働人口は50%近くにまで至っているのである。つまり自画自賛の政府だが、この数値も一種のトリックであり、決してバブル期以前の数値の比較する事は出来ないのである。
中小企業が経営破たんをするとどうなるか、必然的に大手企業は、その下請けを海外に求める、つまり空洞化が進むと言う意味である、そうなると尚更、非正規雇用は増えても正規雇用に至る正社員は増やすことができない。わが国もかなり厳しい格差社会がもっと進むと言う意味である。
また将来不安、これは小生が10年ほど前から主張していた通りに進んでおり、これを払しょくさせるためには、政治不信を取り除く必要がある、と同時に現在の、不公正で卑劣な税制を根本的に見直して、国民がいくらの税金を支払っているのかを数値として把握する必要がある。何故なら、ほぼ税金と言っても差し支えない強制的に徴収される金が、わが国には多すぎるからである。
簡単に上げると、健康保険料、年金、二重課税をそのままにしている燃料税、それにNHKなどの支払い、こういった強制的に法律で定められた金の全てがほぼ税金と言っても過言でない。これらの支払いを総合的に税として考えて、国民負担はいくらになっているのか、そう言った実情に合わせた総合計から、税の体系を見直すべきである。そうでないと年金や医療制度の抜本改革などできないのであって、だからこそ、進まないのである。
現実にはわが国の在り方は高負担、中保障と言う状態なのであって、決して低負担ではない。それは税として集めていないと言うレトリックが国民目線を誤らせているからである。
既に年金制度は、年金によって積み立てられた資金の配分では全く足りず、税金でその負担分を引き当てている現在、破綻していると言うべき状態なのである、百年安心の年金制度など、まず誰も考えられないと言うのが実態であり、どう数値を改竄しても今以上に環境が改善される事はあり得ない。
必要に応じての支給を前提に全て税金で賄うと言う状況にしなければならない。更に医療費も数千万円以上の収入を得ている高所得者と低所得者で同じ負担、つまり3割負担では平等の不平等と言うべきで、負担できる人にはそれ相応の負担をさせるべきであり、国民の不健全に貯められた預貯金を消費に回せるような環境を作り上げねばならない。
それは企業保護より、以上に社会保障の充実と安定を国民に与える努力をこそ必要なのであって、経済対策が全く逆の動向を示しているアベノミクスは、早晩、否定されるべき政策でしかない。
まだまだ書き足りないのだが、少々疲れたので今日は終わりにします。それでは、また・・・・・・・・・・・
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「働き方改革」とは「さらなる人件費の削減」のことでしかなく、安いカネで使われる「フリーランス」と「仲介業者(口入れ屋)」の中抜き搾取の横行をまねく危険が大。
日本全体がブラック化する可能性がある。
ところで、公平さんは「閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済」と言う本はお読みになりましたか?
どう思われます?
2018/1/7(日) 午前 9:55 [ MM21s ]
> MM21sさん
まだ読んでません。必ず読んでみます。
遅れまして、明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します。
2018/1/7(日) 午後 4:05