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貴乃花は、改革者なのか、部屋のホームページでも自らそれを否定している。彼こそ、恐らくだが純粋に美しい保守の姿に他ならなないのでは。
 これに対して協会側はどうか?現実主義と言う名の既得権益に執着する醜い保守の典型だと言える。
 小生から見れば、実のところ、どちらもどちらとしか思えない。貴乃花親方が目指す理想と歴史的な事実には大きな乖離がある、彼の目指す力士の姿に合致する力士が、歴史的に存在したか?と言う現実は彼をして見えていない、ストイックなまでの求道者、相撲と言う神事であり、格闘技であると言う相矛盾する理想と人間としての煩悩、あるいは欲望、相当に修業した僧侶でも小僧から修行を始めても、それを達成できる僧侶など、大変に数少ない。況やまだ十代の若者たちにそれを押し付ける無理は、貴乃花親方本人もまだまだ修行の道半ばではないのか?
 しかも相撲と取り巻く歴史的事実を鑑みると、神話の世界ではともかくも、江戸期に今の相撲の在りようが出来上がったとすれば、相撲は、香具師や旅芸人と同様に勧進元つまり興業主によって呼ばれて祭りや当時のイベントで相撲を見せる事を生業にした大道芸人に近い存在でしかない。その中で実力のある力士たちを大名が抱えて士分を与えた上でその所有を大名同士で自慢し合ったと言う一種の大名のコレクションであり、この士分を与えられたことで傲慢無礼な力士たちが花街で狼藉三昧であった記述は江戸期の書物にも数多く存在する。江戸時代に年に一度、将軍家を招いた本場所が開催されたが、これをもって国技として存在しえたのでもない、相撲興行でどさ回りをせざるを得なかった一般の力士たちは、地方リーグの言わば二流選手であり、この江戸の本場所に参加できる力士をメジャーと言えば理解しやすいか・・・・士分に取りたてられたこう言った大名力士たちの中には極ごく少数だが、人間的に優れた者もいたが、それこそ、江戸期全体を見渡しても数人であろうと思う。その大半は、先に上げたような傲慢無礼、傍若無人と言った力だけで成り上がった不遜な人間であったのが事実である。つまり貴乃花親方が目指す理想の相撲と言うものは、歴史的には存在していない。いや、存在できない。精神修行を通してその煩悩を捨て去り、悟り、それこそ解脱する事など十代の若者にできるはずもないし、逆に言えば、そう言った覚悟をさせてはならない。ギラギラとした強くなりたいとする欲望と他者より強くありたいと言う煩悩が無ければ強くはなれない、つまり哲学的言えば、貴乃花親方の主張する相撲道は、それだけを取り上げても大きな自己矛盾を抱えている。精神的に美しければ強くなくても良いとなれば、格闘技としての相撲否定とつながり、どんなに卑劣であっても強ければ良いとなれば、神事としての相撲と大きな乖離を見せてしまう。つまり、抽象的な理想論でしかないのが貴乃花親方が目指す相撲の姿であり、これは絶対的に無理である。天国を現世に作り上げ様とする様なものでしかない。
 この一種の理想論と空想論に揺れる貴乃花親方に対して現実主義でこれを否定する相撲協会と言う構図が、何となく協会側が悪党であり、貴乃花親方がその理想を追求する孤高の求道者であると映ってしまうのが今の状況であると判断している。どちらかに正邪を付けるのは殆ど不可能であり、協会と言う現実社会で多くの力士たちの生活を支えて関係者の生活を守るとなれば、理想論だけでは難しい側面もあり、他者から見えれば醜いと映る言動があってもそれこそ組織防衛なのだろう。ある意味、欲望に正直であると言える。
 既に海外から力ある若者を集めてアスリートとしての力士を育てている現実、彼らには彼らの文化があり、宗教もある、この違いを貴乃花は、「肌、文化、宗教の違いを乗り越えて」とホームページに書き込んでいるが、この一言を見ても彼が思想的に混乱していると読み取れるではないか?
 神事としての相撲は、神道としてのものであり、これを強制するという事は、宗教行事をそのまま強制することに繋がり、彼の言うそう言った違いを乗り越えると言う意味とは矛盾する。諸外国から相撲と言う格闘技に憧れて強くなりたいと言うぎらぎらとした欲望に対して、貴乃花親方の思想は、ある意味真逆でしかない。
 また彼は、国技と言う言葉を多く使っているが、相撲が国技だとする法的な根拠は殆どない、あくまで自称、国技でしかない。明治天皇が相撲好きで、だから国技なのだと言わしめたと言うだけの根拠でしかない。神話の世界に出てくる神事、をそのままに盲信すれば、日本の武道として一番古い記述であるかも知れないが、それも持って国技であると胸を張れるような歴史的事実ではない。時代は天照大神にまで遡ってしまうのである。つまり神代の世界であり史実ではない。天照大神を邪馬台国の卑弥呼と言い換えて錯誤せしめたのは明治期以降の絶対天皇制への根拠として作り上げた偽りの歴史でしかないからだ。
 国粋主義者や国家主義者、あるいは帝国主義者たちが統治の根拠をでっち上げた為に起こった矛盾を、洗脳をもって国民に錯誤せしめたのが相撲国技説であり、だからこそ大きな自己矛盾を抱えたまま、貴乃花親方の様な純粋な若者を捉えて少年のまま大人になってしまったと言うのがこの不可能な精神主義なのではないか?そうなると、彼に今必要なのは、その理想論の許す限りの中で現実をどう変えるか、江戸期にもそのような実例は存在しないし、さらに遡れば、もっと無理、つまり彼の理想を実現する為には、新しい制度を考えねばならないが、その具体的な方法や協会の構造について分かりやすく説明する必要があるしかし、彼のホームページでの発言は、抽象的な情緒論でしかない。大変に幼稚な理想論だけが述べられているに過ぎない。
 また相撲協会側の罪は、現実主義と言う迷路に迷い込んで、全く改革できない、つまり自浄作用が働かない事が挙げられる。牛馬同然に力と暴力で弟子に接すると言う慣習が否定されている現在、多くの才能ある若者をわが国で集めようとしてもほとんど不可能であることは分かっているはずである、だからこそ、日本人力士たちはモンゴル人力士に勝てないのである。その精神力が全く違うからだ。ジャパンドリームの体現者としての朝青龍や白鵬、日馬富士、鶴竜の存在は、モンゴルの若者を奮い立たせるのだろう。わが国で言えば、日本人野球選手が、メジャーリーグで大活躍してMVPになり、リタイア後には殿堂入りを果たす、あるいはサッカーに於いて世界最高峰のイタリアやドイツ、イギリスやブラジルと言った強豪国で活躍して得点王や名選手に名前が挙げられるような事も同じだろう。つまりモンゴル人にとって日本の大相撲は、そう言った存在であると言う事になる、しかし彼らには彼らの文化があり、宗教も存在する。言語に違いも大きい、育った環境に於いては全く違うのであってほぼ同じと言うレベルではない。モンゴル国内にも多くの家族や親族、友人や知人がいるだろうし、彼らにもファンが存在する、だからこそ、強くありたいと言う気持ちは、日本人以上に強いのは致しかなたない、ここに日本の宗教行事に従ってその精神も強制するとなれば、一種の人権侵害と見做されても反論できないだろう。
 この難しい問題に対する姿が、現実主義をひけらかして、対応をせざるを得ないとする協会と、いや、理想に近づける様に教育すべきだとする貴乃花親方との葛藤、これが真相だと小生は考えている。
 もし、貴乃花親方を支持するなら、外国人力士の存在を否定した上で、そのあり様を作り直す必要があると思う、このまま外国人力の存在を肯定するのであれば、神事としての相撲をこそ止めて純粋な格闘技の優劣だけを競わせると言う方向にならざるを得ないのではないか?
 小生の考え方は、今更、諸外国人だけにとどまらず、今のわが国に於いても若い才能あるアスリートたちにこの神事としての相撲を強制すればするほど、才能ある若者たちは相撲界に入ることは無いと確信している。収入だけではなく、どんなに一流の選手となっても部屋にいる限り親方に生殺与奪を握られている、挙句にちょっとした不祥事でも起こそうものなら、理事会や評議会、横審などから引退や廃業まで握られていると言う事実、もし野球界であれば、八百長や刑事事件などを引き起こさない限り、アスリートとしての実力を否定される事は無い、ゴルフやテニスも同様である、英国などのプロ選手の場合、その人となりや人間性より以上にその選手のアスリートとしての立ち位置を優先して判断されている。 
 つまり、かなり思想的にも行動的にもそれなりの自由が保証されている。同じ努力をするなら、どちらが良いか、人それぞれだが、恐らく自由を貴ぶ現在の若者であれば、その大半が相撲を選択しないだろうと思う。
 本来、求道者と言う者は、他者にそれを求めてはならないのであって、それを他者に強制し始めた時に権力者としての煩悩が出てくるのである。貴乃花親方が、権力を得たいと考えているとすれば、他者か見る求道者としてのストイックである彼の姿は単なるパフォーマンスでしかなくなるのである。
 テレビ朝日で一昨日、独占インタビューを二時間に渡って放送した、その中で貴乃花親方は、自身のブログ同様、彼の信じる相撲道について熱く語っている。今回の事件に於いて彼が何故、メディアに対して沈黙を通したのかも一定の合理性をもって語っている、理由についてはそれなりに理解できるが、彼が一種の内部告発者として協会の矛盾点や悪しき慣習について、そのガバナンスに対して信じる事が出来ずに事件そのものを司直の手に委ねたと言うのは、強ち間違いとは言えない、彼のこのインタビューで語った事が真実だとすれば、協会側の全く聴取に応じる事が無かったと言うのは、協会側の嘘と言う事になる。更に評議員に於いては、この事実を知りながら彼を罰すると言うのもどう考えても不公正で不正義だと言えるのではないか、更に根本的に間違っているのは、警察沙汰になっており、更には検察も調べに入っている段階で、横審にしろ評議員にしろ、あるいは危機管理委員会にしろ、全く法的権限のない民間人でしかない人々が同時進行として捜査をすると言うこと自体、大変に不見識でしかない。この相撲協会の対応だが、他の業界での不祥事と照らし合わせても、異次元の低俗さが現れている。事を置き換えてもらいたい、よくよくある話だが、苛め問題や校内暴力などで学校側に問題があった場合、被害者側が刑事告発して強制捜査に至っている場合に、もし別で教育委員会なり、学校独自で同時進行の形で独自調査をして、学校側の推論をあたかも結論の様に発表するのと同様の暴挙でしかない。もしこの様な事がまかり通ったら、司法への悪意ある挑戦であり、法治国家としてのガバナンスを否定する事に繋がる。この事件も司直の手に委ねた段階で、相撲協会は、独自捜査など、やってはならないし、させてもならない。
 況や、中間報告とか最終報告などと言った対応そのものが不健全であり不見識であると言っても過言でない。
 貴乃花親方が、協会の理事であり、役職にあるからと言ってその役員会、つまり理事会や協会に対して不信の念があり、協会のコンプライアンスに疑いがあるとすれば、司法が動いた段階まで沈黙を通すのは当然である。こう言った一種の内部告発の場合、この報告義務そのものが、無意味でしかない。民間企業に於いて、その役員の一人が企業経営について大きな疑義がありコンプライアンスを無視した経営が行われているとして、その判断を司直の手に委ねる場合、役員会に報告すると言いうのはナンセンスでしかない、こう言った勇気ある内部告発者の存在が無かったからこそ、昨今、企業におけるコンプライアンスに問題があって、企業経営そのものを悪くした例は、取り上げれば枚挙に暇がない。東芝の不正経理問題、神戸製鋼のデータ換算、日産や大手自動車産業なども同様の問題を抱え込んだ結果、経営に至る危機を生じているではないか、これらの企業に内部告発するだけの勇気ある役員が一人でもいれば、大問題化する以前に正常な経営に戻せたはずである。古くは、山一證券の倒産も同様で、一人として自分たちが行っている経営について法律に抵触している事を知りつつ、御身大切と言う利己によってあれだけの歴史ある企業を倒産させてしまったのである。
 今回の問題も貴乃花親方と言う理事、つまり企業で言う役員の一人が協会の在りように疑義があり、今回の事件への対応そのものに不信感があれば、報告せずに司直の手に委ねたと言うのは間違っていない。これを批判する輩は、山一證券の役員たちと同様に最終的には自分の所属する組織を崩壊させる側の無能な連中でしかない。
 ただ貴乃花親方の場合、流石に立派な横綱であった様に、真面目にストイックに問題を抱え込んで、その対応が政治的ではなく、直球勝負と言う単純さが逆に彼自身の立場を明らかに悪くしている。組織の役員としてもう少し政治的な言動をすべきであったと小生は思う、周囲にそう言った事を指導する人がいなかったのだろうと思う。
 企業経営の玄人して長年、色々な事件に出会ったが、世の中はそれほど単純ではなく、どろどろとしており、だからこそ正論が通らないのである。
 彼の場合も同じで、もう少し、側面から助成する人々を結集して協会側と対峙すべきであった。戦で言う調略である、そう言った事をしないからこそ、人気があるのだろうが、このままでは数の論理で彼は協会からは排除されかねない。
 もし、それこそ部屋存続さえ危ぶまれる状況になった場合、評議員も横審も危機管理委員会も協会そのものも敵に回してしまっている現在、対抗のしようがない。これが現実の社会であり、理想とは程遠い現実なのである。大変に残念な結果にならない様に彼を側面から支援する人が現れる事を祈っている。

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