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BIENVENU 海山ヒロの我が家へようこそ
27冊目の、『5年前のあの日、アンタはなに考えてた?3』を出版しました。

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*直接的表現はありませんが、以下の文中には頻繁に大人な言葉や表現が書かれています。夏休み明けのおこちゃまはお帰りください。

***

なにせ一年も大人向け小説を書いていなかったものですから。
その間は、8(単なる楽しみ):2(ネタ探し&勉強)くらいの割合で人さまのその手の物語を拝読していたわけです。

それが連載を始めるにあたり、楽しみ6の勉強・比較4くらいの割合で読むようになりまして。自分の執筆が終わった後や煮詰まったもしくはちょっと飽きた間にそうやって読んでいるうち、今更ながら己の業と性を知りました。

***

最近、読んだ長編はこれ。
春日井 美希 25才、ニートな春。
異世界に転生されそうにないので、男子校の用務員として働こうと思います。
金髪碧眼ハーフ弟、美形の変態理事長、闇の深い美少年、ピュアな筋肉用務員に絡まれ中です。

上記引用から、「18禁乙女ゲームをもじったような世界観かな?」とあたりをつけ、読み進めたのですが……。
途中で読み飛ばしはしたものの、PDF換算で400Pあたりまでは、なんとか頑張って読みました。ちなみにまだ連載中で、現在掲載されているのは全部で900P近くあります。

文章は、わたしが批評するのはおこがましいほど巧い方です。
ご本人も書かれているように、サクサク読めるテンポのよいストーリー。R18で大事な濡れ場の描写も素晴らしい。淫語や喘ぎ声を多用しているわけでもないのに、匂い立つような場面が随所で拝読できます。

なのに。
途中で読むのがしんどくなりました。
よりはっきり言えば、いらいらしてきました。
その感覚が強すぎて、スンバらしいはずの濡れ場を全く楽しめず、ついには読み飛ばすようになりました。

理由は何かと考え、読み返すのはつらいので、800Pあたりからラストページに飛び、しばし黙考。

まず、あらすじにあるようにお相手の一人が実の弟という「近親相姦」ものであること。
これは別に、なんら問題ありません。
現実に自分がその対象にされるのは大いに困りますが、双方同意の上ならば、他人がとやかく言うことではなし。古代の日本やエジプト、近世まではハプスブルク家でも(血縁の近さならば親子よりも濃い間柄の)叔父・姪婚が行われていましたからねぇ。という感想程度。

弟との年の差が、7歳。ヒロインが25歳に対して弟はまだ高校生。
こちらに関しては、常々男は30過ぎからがスタート。恋愛対象は40以上でなきゃという年上好きからすればグッとくる設定では全くありませんが、それで濡れ場楽しめないというわけではありません。
キス以上に進む相手がその弟以外に複数人いるという設定も、よくあることです。これも本人同士が認めているならいいだろう。病気には気をつけるんだよ! それくらいでしょう。

では、なにが、問題だったのか。

わたしは小説と同じくらいの情熱を持ってマンガも読むのですが、マンガと小説の違いのひとつは、登場人物のモノローグの書きやすさだと思っています。

マンガでももちろん、モノローグはありますよ?
でも、小説ならば一話丸々一人の人間が回想するなり独白するなりしていてもそれなりに成り立ちますが、マンガでは難しんじゃないでしょうか。
特にこの作品のように、ヒロインがモノローグ、ようは益体もないことを考えながら一人ぶつぶつ呟く時間をいくらでもとれるようなニートという設定の場合。

引き籠りのニートが悪いと言っているわけではありません。

まぁこれが現代社会で世話してくれる誰かがいない状態ならば、さっさと餓死か衰弱死しているわけですし、現代で、他者がいてよかったねぇと思うだけ。
逆に、平安時代のあまり高位でない貴族の女性だってそんな状態だ。現代で男女同権が一応確立した日本だから「ダメ」と思うだけで、それも家事をするんだったら死語になりつつあるけれど「花嫁修業中」もしくは「家事手伝い」という立場になるよと。

だからニートという設定にひっかかっているわけではなく、その設定ゆえにネガティブ思想に陥りやすいヒロインが頻繁に愚痴と言い訳しか思えないことを垂れ流しているシーンが多いことが、問題なのだ、と思い至ったのです。

***

ヒロインは、家事すら高校生の弟に任せて、日がな一日自室に引きこもってゲームなどの仮想世界で遊んでいます。
弟君はそんなお姉ちゃんでも大好き、というか監禁してだれの目にも触れさせたくないくらいに依存していますので、おはようからお休みまでかいがいしく世話を焼いています。
で。依存して、第二次性徴もとっくに迎えた健康な男子なわけですから、姉弟の壁を軽々乗り越えて、致してしまう、と。

お姉ちゃんであるヒロインも「禁戒を犯した」と言っている割には、快楽に弱いお人だったようで、弟から挑まれれば、結局応えるどころか途中からノリノリになります。弟以外の相手とも。

おぅ……こう書いていると18禁乙女ゲームではなく、成人漫画のノリですね。もしくはヒロインが一人の「寝とられ」系・ギャルゲーでしょうか。
そんな設定も同人を含めた漫画ならいくらでもあり、それなりに美味しく読めるのですが――――――問題はやっぱり、ヒロインのモノローグ。

ヒロインはモノローグ部分で頻繁に言っています。自分はちょろくて流されやすく、弟のバイトの金で生活費どころかゲームに課金するようなクズだと。
その通りだとしか言いようがないし、それでも姉を監禁したいとまで思っている弟がそれでいいというならば、「狂った」関係を続けるか、清算するかは好きにすればよかろうに、この女はま〜〜〜〜。

あぁうっとうしい。このヒロインに対する感想は、そのひとことしかない。

そこまでつらつら考えた時、ふと悟ったわけです。つまりわたしは。
近親であろうと相手が複数であろうと問題はなく、年の差もどんとこいまでは以前から分かっていたけれど、ヒロインが流されやすくて快楽依存に近いくせにぐずぐずだらだらして、そのくせ自分からは最終的に何もしないという設定だと、どれだけ文章もテンポもよくても、濡れ場すら楽しめないんだな〜〜〜。ということを。

ついでに言えば。
お相手の男がそういう性格であることは、問題ない。自分と同じ姓である女がそうであることが、許せないくらいに嫌だということも分かりました。

あぁ、うん。
そんないまさらながらの業と性を知る為に、わたしは朝の6時までかけてこれを読んだんだなぁ………。
雀の鳴き声とご近所さんが玄関前を掃除する音を聞きつつ、なんとも言えない脱力感に見舞われました。

同じようなと言ったら失礼かもしれませんが、『おじさんはショートボブを知らない』という作品も、文章は素晴らしいと思いましたが、流されヒロインのウジウジしたところにどうもなじめず、楽しめなかった作品です。
お相手がマッチョの獣人なんて美味しい設定なのに。あぁ残念。

***

逆に、BでLなカップリング、しかも受けは40代半ばの「おっさん」で、さらにはディープなSでMな描写がてんこ盛りの『密かに実りし愛を喰む』は、するりさくりもちろんがっつりと楽しく読むことができてしまうわけで。

うぅん。痛いのは嫌ですし、なにより女ですからBoyにはなれない。
だから現実にそんな世界を体験したいわけではないんですが、読んで楽しむ分には一向に構わず、むしろ
「ほぉう! いまのセリフグッとくるぅ!」
「ぁ〜なるほど、こういう流れにすればもっと厭らしくなるのか〜」
なんていいながら、資料として保存までしてしまうのです。

うん、業も深けりゃ哀しき性でありますな。
あ、でも。BでLであっても、そしてディープなアブノーマルの世界であっても、この作品はとてもよく出来た作品だと思いますので、「おほほ、ワタクシがそんな言葉でひるむとでも?」という淑女の皆様、ご高覧下さいませ。

あ、紳士の方にもお勧めですよ?


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