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BIENVENU 海山ヒロの我が家へようこそ
バルト三国から、帰ってきました。

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63歳の挑戦 世界最速のインテ?アン-フ?ロモーション.VOB


「は? これ、アンソニー・ホプキンス?」

DVDのメニュー画面、そこに映った満面の笑みを観て、思わず叫んでしまった。
アンソニー・ホプキンスと言えば、『羊たちの沈黙』連作のハンニバル・レクター博士。『THOR』シリーズのオーディンに『ザ・ライト -エクソシストの真実-』で伝説のエクソシストを演じてもいる。
そうつまり、わたしにとっての彼は、つねに得体のしれない、もしくは気難しい男と言うイメージがあったのだ。

それがまぁ、満面の笑顔で夢を追う気のいい田舎者を演じているとは……!

ここでちと話は変わるが、男の楽しみは、年を追うごとに段階を経ると聞いたことがある。
まずは栄達を求め。
位をある程度極めれば、酒や美食、女に走り。
それに飽きれば趣味に耽溺する。
そして最後に、「人を育てる」楽しみに目覚めるのだそうな。

この映画の主役、アンソニー・ホプキンス演じるバートは、そんな関係を隣家の10歳くらいの少年と築いている。あの、ハンニバル博士が少年のメンターとなっているのだ。
これにまず、度肝を抜かれた。

そしてこの映画は、ある老いた田舎者のサクセスストーリーであると同時に、ロード―・ムービーである。
彼はニュージランドの閑静な田舎町から、世界最速を目指す者たちが毎年集まる、アメリカのBonneVilleへと旅立つ。

ニュージーランドの公用後は英語で、米国も英(米)語を話す。だからいいじゃないかと言われそうだが、地球の反対側同士、慣用句も違えば、考え方だって違う。しかも彼が最初に降り立ったのは、ハリウッドの場末。
田舎者には、なにもかもが騒がしく、きつい。

しかし彼は生来の楽天家のようで、しかも熱帯雨林を切り開いて農場を作ってきた先祖の開拓精神を持っていた。まぁそんな強い心を持っていなければ、63歳、年金暮らしのじいさんが、最速に挑もうなんてしないだろう。

たまたま泊まった連れ込みモーテル受付ティナ(男)を筆頭に、アルゼンチン出身の中古車販売業者などと交流を深め。憧れの地に向かう間にもネィテブ・アメリカンのじいさんに助けられ、同じくらいの年齢の未亡人に助けてもらうついでに楽しい一夜を過ごすなど、行く先々で「仲間」を作っていく。

果てはBonneVilleでも、同じく記録に挑む男たち女たちを、自然に、あっという間に自分の夢の協力者、というよりも、共通の夢を描く仲間にしてしまった。

あぁもう、なんて言ったらいいんだろう。
ラストランに向かい、だんだんと加速するバート。それを拳を握りしめ、ハンカチをもみこみながら、それでも満面に信頼を浮かべて見守る仲間たち。
そして―――歓喜の瞬間。

エンドロールをぼんやり眺めながら、とても佳い映画を観ることができた。その満足感がじわじわとこみあげてきた。
そして、これほど「いい人」を演じきったアンソニー・ホプキンスに脱帽した。

バートがすごかったのは、どんな困難にも負けなかったことだけじゃない。周囲をいつの間にか巻き込み、仲間を増やしていったことだけでもない。
彼は、愛機インディアンで世界最速を出すという夢を、叶えた。
その後9回も。
そしてその世界レコードは、いまもって破られていないのだ。

ニュージランドの田舎者、バート。
見事だ。


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