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TPPの話に音沙汰なくて書く機会を失っていた著作権の話題ですが、巷で見かける誤解について一つ。

よく、Yahoo知恵袋や教えてgooなどの質問サイトでは、「〜といった使い方は違法ですか?」といった質問が見かけられます。
それに対する回答として、「私的使用なので問題ないです」と言った回答がベストアンサーになっているケースもよく見かけます。(例1 例2
アンサーとしてあっているもの、あっていないもの含め、私はこの「私的使用だからOK」という言い方には非常に疑問を感じています。
著作権に守られた著作物の利用の仕方は複製、上演、演奏、翻案、貸与、公衆送信など多岐にわたり、これら全て“私的使用”という括りだけで法の合致の可否が下されるのでしょうか?
ちょっと条文を確認してみましょう。

著作権法は、そもそも権利者の独占とその例外を記した法律であります。
ですので、著作物を使用する際、(許諾を受けていないのであれば)条文に書かれた独占の例外(つまりは使う側に認められた権利)に注目する必要があります。

著作権法の『第三節 権利の内容』中の『第三款 著作権に含まれる権利の種類』に権利者が独占できる内容が列記されています。
それに対して、『第五款 著作権の制限』において、独占の例外事項が記述されています。そこには、件の“私的使用”はどのようにあるのでしょうか。

(私的複製)
第三十条  著作権の目的となつている著作物(以下この款において単に「著作物」という。)は、個人的に又は家庭内その他これに準ずる限られた範囲内において使用すること(以下「私的使用」という。)を目的とするときは、次に掲げる場合を除き、その使用する者が複製することができる。

(翻訳、翻案等による利用)
第四十三条  次の各号に掲げる規定により著作物を利用することができる場合には、当該各号に掲げる方法により、当該著作物を当該各号に掲げる規定に従つて利用することができる。
一  第三十条第一項、第三十三条第一項(同条第四項において準用する場合を含む。)、第三十四条第一項又は第三十五条 翻訳、編曲、変形又は翻案
(いずれも著作権法より引用)

私的使用に関わる内容は、条文中これらの箇所以外にありません。
そして、条文の題になっているとおり、この“私的使用”に関して定められているのは、その目的が“複製”の場合および”翻訳翻案等”のみです。

つまり、先述の例1で挙げたように、公衆送信のようなものに「私的使用が〜〜」と言うのは、既にピントの外れた論点であることが伺えます。
例2のnanapiに至っては、そもそもBGMを“使いたい”、つまりは演奏権をどうするかの問題なのに、いつの間にか“営利を含む場での演奏を目的とした複製”へと議論が摩り替えられており、無理やり私的使用で話をまとめようとしています。または理解が足りないのかは分かりませんが、少々お粗末な展開に見えます。友人への貸し出しは貸与権の定める公衆に関与しないでしょうし、複製物を渡すにしても、ごく少数の固定された友人ならば私的複製が適用される余地はあるのに否と書いているあたり、やはり理解が足りていないのでしょうか。

何はともあれ、この私的使用という言葉が、著作権法で定める著作財産権全般に関わる概念と思われがちですが、実際のところは複製および翻訳翻案等のみに適用される概念となります。
お間違いなきよう、ご注意ください。

まとめ:
・私的使用は著作権の利用の仕方のうち“複製””翻訳および翻案等”にしか適用されない
・それ以外の利用の仕方である公衆送信、上演等は私的使用の考え方は適用されない
・nanapiの例の記事は過去にニコニコニュースでトピックスに取り上げられており、内容がおかしいのではとメールを送ったのに返信がなく記事修正対応もなく、ニュースコメント欄、ツイート欄に誤解が広まっていたので当時憤慨した


追記:誤植修正しました。

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