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◆写真は「ゆづりは通信」(青砥昭修著)の表紙
◆◆☆★☆★☆★☆(^_^)v★☆★☆★☆★☆★☆★☆◆◆ 「勝どき書房」 ◇2015/05/24 ◆◆☆★☆★☆★☆(^_^)v★☆★☆★☆★☆★☆★☆◆◆ ◆福島の山奥に移り住んだ芸術家たち
2015年4月に刊行された「ゆづりは通信」(青砥昭修著)を読了しました。神奈川の都市部など首都圏で制作活動をしていた芸術家3人が、平成5年(1993年)が福島県旧熱塩加納村黒岩地区に移住してから、これまでの20年間の体験記です。青砥さんと佐々木あすかさんは日本画家、もう一人の小野博子さんは染織作家です。
3人はそれぞれ、美術大学を出て都会で作品作りをしてきたのですが、どうしても広いアトリエが欲しいということで、都会を脱出、7世帯9人が生活している限界集落黒岩地区に移り住んだのです。3人が使う工房を「ゆずりは」と名付けたのです。漢字で書くと、「木」偏に「思」というつくりで、パソコンにもない字です。
コンビニまで12キロ、新聞配達は来ない、集落の中をカモシカが歩き、冬は積雪2.5メートル、そういう山奥の中で、3人は村の人たちから孤立しないように、積極的に触れ合い、仲良くして、共同作業にも参加して、すっかり村人として溶け込んで生活し、同時に芸術活動も活発に進めます。
そういう中で、2011年3月11日の大地震、そして福島第一原発事故です。青砥さんは「今回の東日本大震災では想定外の津波だったと言うが、想定云々ではない。過去に明らかな記録があるではないか。そうした規模の津波対策には莫大なコストが掛かるので想定外だったと言い、粗末な津波対策を弁解する。そして原発は『低コスト』と言う。ペテンにも程がある。」書いています。
ことし3月、青砥さんは久し振りに東京に来たのです。その時の感想は「何から何まで違いすぎる。自然界にない音の嵐、自然界にない臭い……何の臭いだろう。とにかく異臭を放っている。そして自然界にはない夜の光、色、味……。普段、目にすることのない人混み……通りにはまるで巨大な昆虫のように無表情な人の流れ……。ホテルに着いた日の夕食、あまりのうるささに食事も喉を通らない」「かつて私はこんな世界で暮らしていたということが信じられなかった」と書いています。
駅構内の売店では、店員に「きょうはどちらから」と聞かれて「福島です」と答えると、そばにいたオバちゃんが「あぁ、おたく福島の方?おたくたちが出荷するから混乱するんですよ。やめて欲しぃわ〜」という言葉を浴びせられます。青砥さんは、「怒りを通り越えて空しかった。そのオバちゃんがひたすら哀れに思えた」と書いています。病んでいる都会人の冷酷な言葉は、本当に哀れとしかいいようがありません。
黒岩に住んで21年になろうとしている青砥さんたちは、芸術作品の制作のために広い工房を求めて移住したのですが、同時に「人間として本来あるべきもの」を獲得したのだと思います。そこで誕生する作品は、単なる工房の広さだけではなく、青砥さんたちを包む広大な自然に支えられているに違いありません。そして、わたしたちは、自分が「自然界にない音や臭い、そして夜の光」などに敏感にならなければいけないと反省させられたのでした。
地域の人たちと協力して木道作りに励んだり、雪かきに活躍する青砥さんたちの16ページに及ぶカラー写真などもあって、実に楽しい本です。一般書店では購入できませんので、ご希望の方は、FB友だちの青砥さんにダイレクトメッセージで申し込んでください。定価は2000円税別です。
○ イルミネーション映る笑顔と涙顔(駿星)
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