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●写真は「夢道サロン」で話す日野百草さん
◆◆☆★☆★☆★☆(^_^)v★☆★☆★☆★☆★☆★☆◆◆ 「勝どき書房(夢道サロン)」 ◇2017/07/14 ◆◆☆★☆★☆★☆(^_^)v★☆★☆★☆★☆★☆★☆◆◆ ❤『砲車』は戦争を賛美したか
長谷川素逝と戦争俳句 「夢道サロン」で日野百草さん語る❤ 2017/07/08、勝どき書房の「橋本夢道資料室」で開かれた第23回「夢道サロン」で、日野百草さんは、戦争を賛美したといわれる長谷川素逝の句集『砲車』について話してくれました。百草さんは、写生俳句の解釈の恐ろしさについて指摘しています。以下、百草さんの書いた評論を参考に報告します。
素逝は明治4年、大阪に生まれ、京大時代に俳句を始めて、卒業後は三重で教師となる。昭和12年、日中戦争に砲兵少尉として従軍、そこで詠んだ句が『砲車』となる。百草さんは、その『砲車』を持っているが、昭和17年に刊行した5刷りだ。当時は紙が不足していて、質の悪い紙を使用している本が多い中で、この『砲車』は紙は上質で、外箱も装幀も立派、かなり厚遇されていたことがわかる、という。
この『砲車』について、「ホトトギス」の高浜虚子が「戦を詠じ、残虐なる敵を憎み、傷ついた戦友を悼むの情は高潮してとどまる処を知らぬ概がある」と絶賛し、他に多くの俳人が雑誌などで絶賛したため、国威発揚、報国俳句として高く評価を受けた。しかし、百草さんは、『砲車』の第一句目にある
夏灼くる砲車とともにわれこそ往け
の句を読んで、これは果敢なる皇軍兵士の句、ではない、と言い切る。百草さんは「私にはどうしようもないやるせなき、やけっぱち氣味な感情が見えてくる」という。
雨さむし日本の海とわかるる日
ゆたかなる棉の原野にいまいくさ 月たかく小さく叉銃して寝まる 夜の雷雨砲車に光りては消ゆる この4句を取り上げて、百草さんは「一貫して透けて見えて来るのは、前線の兵士としてのやるせなさである」という。わたしも、この句を読んで、戦争賛美とはとても思えない。
稲の山にひそめるを刀でひき出す
この句について百草さんは、五七五の定型でないと指摘する。「定型から逸脱しているからこその凄惨さが現れている」という。おそらく、稲の山に潜んでいた中国人を軍刀で引き出したのだろうが、これも戦争賛美とは思えない句だ。
南京が陥落して、素逝はしばらく南京に駐留したが、 南京を屠りぬ年もあらたまる
という句を詠んでいる。「屠りぬ」について百草さんは、「当時の社会風潮に染まった者ならば、勇ましく屠った」と解釈するだろうが、「現代人ならば、残虐な加害者的表現」として解釈する、という。それも、この句を「南京の人々を屠ったのちに、新年を迎えた神国日本」と解釈したら、とても戦争を賛美している句とは思えないのだ。
百草さんは、素逝のこれらの句から、写生句がいかに、解釈によってねじ曲げられてしまうかを説明した。素逝は、昭和15年以降、戦争俳句を止めてしまった。「ホトトギス」の投句も減ってしまった。
戦災ですべて失った素逝は、昭和21年に39歳で亡くなった。最後に百草さんは、素逝が戦争末期に友人に渡したという句
弟を返せ を月にのろふ
を紹介した。義弟の戦死を知って詠んだ句だが、この空白部分について、衝撃的な言葉が隠されている、という話をしてくれた。この評論文は、第36回現代俳句評論賞の最終候補作品となったそうだ。いつか、出版され多くの人に読んでもらいたい内容だ。百草さんは平成28年度全国俳誌協会賞を受賞している。また、勝どき書房から近く出版される「橋本夢道の獄中句・戦中日記 大戦起るこの日のために獄をたまわる」の「夢道サロン」からに「戦前の自由律俳句理における社会性俳句」と題して評論を投稿してくれた。
長谷川素逝の貴重な話を本当にありがとうございました。
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❤次回の第24回「夢道サロン」は9月9日(第2土曜日)午後2時から5時まで。勝どき書房の「橋本夢道資料室」で開催します。参加者には自由なテーマで話してもらいます。「橋本夢道・俳句」「狭山事件・えん罪」「憲法・政治」「古代史・邪馬台国」など。その内容はブログ「夢道サロン」「駿星つれづれ日記」「狭山事件の会」などで紹介します。聞くだけでもけっこうです。参加費無料、飲み物は用意します。できたら最近作った俳句を持って来てください。参加希望の方は事前にメール・電話をください。 syunsei777@yahoo.co.jp 090-8024-5610 …………………………………………………………………………… ★「夢道サロン」のは「平和プラザ2017 平和をねがう中央区民 の戦争展」(8月12〜13日)に参加します。 12日は午後4時半から、殿岡駿星が「橋本夢道の獄中句・戦 中日記 大戦起るこの日のために獄をたまわる」について 話をする予定です。 …………………………………………………………………………… ★近く刊行する「橋本夢道の獄中句・戦中日記 大戦起るこの日のために獄をたまわる」の割引予約 販売をします。A5版 320パージ 定価2000円(税別)ですが、 勝どき書房に直接申し込んでいただければ1800円(送料込み) とさせていただきます。 郵便振替 00120-9- 538001 資)勝どき書房 メールでの連絡は syunsei777@yahoo.co.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★〜★〜★〜★〜★ 勝どき書房の本紹介★〜★〜★〜★〜★ ◆本にしたい原稿がありましたら、どうぞご相談ください。 …………………………………………………………………………… ◆「こんばんは、毛利小平太です。−霊談忠臣蔵−」 殿岡駿星著・46判上製・360頁。 「死刑制度」のある国は民主国家ではない。 真の武士道は死ぬことでもなく、殺すことでもない 切腹も仇討ちも討ち入りも人殺しは間違いだ 忠臣蔵、最後の脱盟者毛利小平太の言い分 ◇全国書店で発売中 定価 2000円(税別) 「勝どき書房」の直売申し込みはメールで コラム読者割引あり syunsei777@yahoo.co.jp …………………………………………………………………………… 『橋本夢道物語 妻よおまえはなぜこんなに可愛いんだろうね』 殿岡駿星著・46判上製・424頁、口絵8頁、定価1900円・税別 激動の昭和を反骨の精神で生き抜いた自由律俳人橋本夢道の生涯 ◇全国の書店で発売・「月島・相田書店」に常備(0335312311) ……………………………………………………………………………… 『狭山事件 50年目の心理分析』殿岡駿星著・四六判並製440頁 「コラムゆりかもめ」に連載した「狭山事件・取材ノート」を土台に 事件のデータ、家族の証言などを心理的に分析し事件の真実を追求。 400字詰め換算1200枚のノンフィクション。定価3200円・税別 ◇初版・全国で発売中・築地・弘尚堂書店に常備。(0335410333) ……………………………………………………………………………… 『狭山事件の真犯人』殿岡 駿星著 ・46判上製・304ページ 狭山の女子高生殺人事件、真犯人に迫るノンフィクション推理小説。 ◇在庫が少なく一般書店では築地の弘尚堂書店に常備。(0335410333) 定価 1800円・税別 コラム読者 特別割引あり ………………………………………………………………………………… 『三億円事件の真犯人』殿岡 駿星著 ・46判上製・332ページ 40年後、真犯人がすべてを語り、3分間の英雄の実像に迫る。 ◇第2版・全国の書店で発売中 定価1700円・税別 ………………………………………………………………………………… 『茶杓 消えた伊達家老』小野寺 苓著・46判上製・324ページ 伊達藩城代家老の冨塚重標は父が作った一本の茶杓を懐に流配の地へ。 ◇全国書店で発売中 定価1900円・税別 …………………………………………………………………………… 『新聞記者はなぜ殺されたのか』殿岡 駿星著・46判並製・328頁 朝日・阪神支局事件の謎に挑戦し、舞台を埼玉に移して真相に迫る。 ◇全国書店で発売中 定価2300円・税別 ……………………………………………………………………………… ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★「勝どき書房」のネット配信ブログのアドレス ☆「殿岡駿星つれづれ日記」 http://blogs.yahoo.co.jp/syunsei777 ☆「夢道サロン・月島夢道の会」 http://blogs.yahoo.co.jp/tukisimamudou ☆「勝どき・狭山事件の会」http://blogs.yahoo.co.jp/sayama506351 ☆「勝どき書房」 http://blogs.yahoo.co.jp/koureipaso ☆無料メルマガ「コラムゆりかもめ」 http://www.mag2.com/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ |
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