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独身一人暮らしの男子の家に潜入捜査です。
わくわくしながらコンビ二で
お菓子やらお酒やらを買い込むわけで
お会計を済ませビニール袋を持って
歩いていると幹事さんが
ペットボトル片手に無我夢中で水をがぶ飲みしながら
「荷物持つよ」と言ってくれた。
「いいよ。軽いし。お水飲めないよ」
と言ったけど、持ってくれた。
さっきの心の暴言…ごめんね。幹事。
( おごれとかおごれとかおごれとかね )
そうやっぱり心で謝る。
「ここです」と訪れたあるマンション。
ここにお役所の役人が住んでいるのか
( 宿舎じゃないよ )
「あ…。青りんごのいい匂いがする」
とあゆ嬢感激。
玄関開けたら本気で香る。
すっごい、いい匂い。
これが男子の家なのか?
整頓された家。綺麗な洗練された
お家です。
本当にこれが男子の家ですか?
って独断と偏見ですが…。
まるでドラマの中に出てくる
部屋みたいです。
ベロアのベットカバーは
「すっごい手触りがいい」と言って
女子達にちやほやされ
ガラスのテーブル、そしてティシュケースが
ヴィトン。キーケース、ヴィトン。
マネークリップ、ティファニーっていうか
この部屋の持ち主は女子だな。
( すいません。独断と偏見です )
手を洗うハンドソープも外国製のいい香。
これまで整頓された部屋を見たことがない。
「ねぇたかしくんの家もこんなに綺麗なの?」
「俺の家…足の踏み場ないよ」
ふぅ〜こどもちゃんの対面保たれた。
おいらの部屋は本気で汚いよ。
二次会宴の最中、奈々ちゃんは速攻
寝心地のいいセミダブルベッドで眠る。
ホストはやっぱりホストで
楽なほうがいいでしょう?と言って
ハーフパンツとTシャツを持ってきてくれた。
「俺が着ているから」と言う
その二点は…どう考えても女子サイズ。
Tシャツはピンクのバーバリー
黒のダナ キャラン。
どう考えても女子サイズ。
こどもちゃんはバーバリーを着込んで
あゆ嬢はダナキャラン。
どうしてこんなにブランド志向。
たかしくんとあゆ嬢は床に寝て
私は奈々ちゃんの横に潜り込んで
ベッド占領。
ホストはやっぱりホストだから
枕を沢山出して、二人に与え
寒くないと言ってタオルケットや
コートを出して
偉いな。なんて思いながらただ見てた。
うっかり、ホストが寝る場所なくなる。
家の持ち主なのに。
「ホスト狭いけどここおいで」
とまるで自分の家のように言い出す私。
川の字になってみた。
「ねぇ朝が来たら帰っちゃうの?」
とホストがヒソヒソと聞いてきた。
「帰るよ」
「用事があるの?」
「うん」
なんて不毛な会話をしながら
テレビで流れるホラー映画を観ながら
「この女の人胸でかいから殺されるよ」
とこどもちゃんがぽつりと言うと。
「いやぁ、胸がでかいから殺されるって
訳じゃないよ」とたかしくんがつっこんだ。
すこしだけ笑いがあがった。
乾いた笑いの中でこどもちゃんはふと
思った。
「ねぇ、帰らないでよ」
と言う彼の言葉を聞きながら
「彼女いるでしょう?」と
切り出した。
「いないよ」という彼に
赤いプラダのポーチの中に
大人が使用する玩具が入っているでしょう?
ちゃんとそれ隠しておいたほうがいいよ。
と忠告してみた。
分かっているんだよ。おいらも大人だもん。
すぐさま手を出そうとする健全な男子は
付き合う気なんてないし、
「それはそういう流れでやっちゃった時のあれで
そういうことあるでしょう?」
「ないよ」といけシャーシャーと言ってみた。
「私、根底に愛がないのは嫌なの」
とぽつりと言った言葉が突き刺さる。
ホストのパパさんもお役所役人。
将来の夢は天下り。
前の彼女は上場企業勤務。
ちゃんとした人と付き合っていたようだ。
家柄とかもきっといい人だと思う。
( 別れた切欠になったのが留学だし )
こんなお家も貧乏、そして今現在無職の
私と付き合う気なんてないってこと。
それでもしたいって事を遠まわしに伝えてくるので
「私と付き合う気がないでしょう?」
と言った瞬間。
口ごもる。
嘘でも口ごもるなよ!
と悪態をついた瞬間
「じゃあ、付き合うって言ったら付き合ってくれるの?」
「…考えた事なかった」と
思わず本音が出てしまうこどもちゃんだった。
そりゃあそうだわな。
会ったその日だしね。
なのに健全男子の家に皆で
押し掛けてちゃ
勘違いされても仕方がないな。
と今更反省するお馬鹿ちゃんなこどもちゃんだった。
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