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よく晴れた春の日差しの中、
母は「ごめんね」と言ってドアを閉めた。
温かそうな日差しは母の顔させ
覆い隠した。
あの時、言いたかった言葉が沢山あった。
「行かないで」という言葉を喉に押し戻して
静かに泣いた。
私はお姉ちゃんだから大きな声で泣くことが出来なかった。
会社での出来事を病院で話したとき。
「お母さんとの関係は?」と言われて、
「別にいいですよ」と言った。
私は上司との間に壁を作っている。
彼女の忙しいオーラの中、私が話しかけられない
そんな状況が続いてしまっているから…。
怒られれば怒られるほど萎縮してしまった。
そして上司は私を諦めた。
昔から母が出て行った頃の年代から
の女性と話すのが苦手だった。
ずっと母と過ごしていないから分からない。
っと思っていた。
父と母が離婚した時も
それが最善の道だと思った。
「無縁仏になるから気にしなくていいよ」
と母が言った時。
ショックだった。
「お母さんとの間に遣り残した事があるんじゃない?」
と病院の先生が言った。
遣り残した事が沢山ありすぎて…。
どうすればいいか分からない。
「今がいい機会じゃないかな?
人間関係を学ぶのも」と病院の先生は笑った。
出口は見えているのに先に進めない私。
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