高村光太郎連翹忌運営委員会のブログ

4/2は高村光太郎(1883〜1956)の命日、連翹忌(れんぎょうき)です。

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昨日は高崎市の群馬県立土屋文明記念文学館さんに行っておりました。

1月から開催されていた第103回企画展「文学者の書―筆に込められた思い」が最終日で、書家の石川九楊氏による関連行事としての記念講演会「文学者の書―その魅力を味わう」が行われ、拝聴して参りました。

1月に同展を拝見に伺った際は裏口から入りましたが、昨日は堂々と正面玄関から(笑)。

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45名の文学者の書が展示されていますが、看板には、目玉となる人物の書に関する一言。光太郎のそれも。

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まずは展示会場へ。真っ先に光太郎の作品を拝見。同館所蔵のイメージ 4短冊で、何度も観たものですが、何度観てもいいものです。

展示全体は1月に拝見しましたので、今回は光太郎と関わりの深かった人々のもののみを改めて観ました。当会の祖・草野心平や、光太郎の師・与謝野夫妻の書など。

その後、閲覧室で調べ物。事前にネット上の蔵書検索を使い、キーワード「高村光太郎」でヒットしたもののうち、どういうものだかすぐにわからなかったものを閲覧させていただきました。

大半は、他の人物が光太郎について語った文章などで、既知のものでしたが、1点だけ、実に面白いと思ったのが、昭和24年(1949)に盛岡の新岩手社というところから発行された『友達 FRIEND』という児童向け雑誌。児童詩の投稿コーナーがあり、ずばり「高村光太郎先生」という詩が入選していました。作者は、光太郎が戦後の7年間を暮らした花巻郊外旧太田村の山小屋(高村山荘)近くの山口小学校の児童です。

選者は光太郎や宮沢賢治と交流のあった森荘已池。「詩人の詩を書いたので面白いと思いました」との評。

同じ号の巻頭カラーページには、やはり森が解説を書き、昭和2年(1927)の雑誌『大調和』に載った光太郎詩「偶作十五篇」から2篇が転載されていました。


その後、いったん駐車場に戻り、途中のコンビニで買って置いた昼食を車内で食べ、いざ、同館2階の講演会場へ。定員150名とのことでしたが、おそらくそれを上回る人数でした。

講師の石川氏。

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平成27年(2015)にNHK Eテレさんで放映された「趣味どきっ! 石川九楊の臨書入門」で、花巻高村光太郎記念館さん所蔵の光太郎書を扱って下さり、同番組のテキストでは当方もお手伝いさせていただいたもので、その関係で、一度電話でお話しした記憶があるのですが、お目にかかるのは初めてでした。

書の実作以外にも、書論書道史のご研究でも実績を積まれている石川氏、書とはどういう芸術なのかということを、わかりやすく、時にユーモアを交え、語られました。

例として挙げられたのが、今回の企画展出品作。同じ「山」という字でも、人ぞれぞれに異なる書きぶりで、その人が「山」という字をどう書いているかで、その人のいろいろな部分が見えてくる、というお話でした。光太郎の「山」もピックアップして下さいました。

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イメージ 8右上の有島武郎などは、かなり速いスピードですっと書いているのに対し、ここに挙げた中で最もゆっくり書いているのが光太郎だとのこと。よく言われる光太郎の彫刻刀で刻みつけるような書法が表れているとおっしゃっていました。

左は光太郎の「山」をホワイトボードに臨書されているところです。

また、当会の祖・草野心平の書も非常に特徴的だということで例に挙げられました。

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終了後、少しお話をさせていただき、さらにあつかましくも持参したご著書にサインしていただきました。家宝にします(笑)。


花巻郊外旧太田村での7年間、戦時中の翼賛活動を恥じて自らに与えた罰として、彫刻を封印した光太郎。代わりに、というわけではないのですが、この時期には書の優品を数多く産み出しました(それ以前から味のある書をたくさん書いては居ましたが)。そして再上京した最晩年には、書の個展を開く強い希望を持っていました。或る意味、書は光太郎にとって、究極の芸術だったようにも思われます。

今後も、光太郎の書に注目していきたいと存じます。


【折々のことば・光太郎】イメージ 9

亡妻智恵子の背中にかなり大きなほくろが一つあつて、私はその魅力のために、よく智恵子の背中をスケツチした。陰影を少しもつけずに背中を描いて、そこへほくろを一つ入れるとぐつと肉体の円みが出て来るのが面白かつた。

散文「ほくろ」より 昭和14年(1939) 光太郎57歳


左は昭和11年(1936)の雑誌『歴程』(心平の主宰です)第2号に載ったもの。同12年(1937)の『現代素描全集』第8巻に転載されました。残念ながら、現物は残存が確認出来ていません。

光太郎のデッサン、或る意味、「書」にも通じるような気がします。


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