ダーウィン以前に戻って考えよう

斉一説のパラダイムは崩壊寸前です。それに代わるものは何か?

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今日ではヒマラヤ山脈やロッキー山脈、アンデス山脈、そしてヨーロッパアルプスなどの山々がいずれもプレートの運動による造山運動によって出現したことは、ほぼ定説になっています。それらの山々はかつていずれも海底にあった堆積層が、プレートの衝突によって何千メートルもの高さにまで押し上げられたのであるとされています。その運動が始まったのは今から約2億年前であり、その運動は現在においても続いているとされています。かつては地向斜造山論というのが地学の教科書に採用されていましたが、ここ20年ぐらい前からプレート論に基づく造山論に取って替わられることになりました。
 
いまではプレート論に基づく造山論は誰もそれを疑う者がいないほど完璧な説得力もっていると考えられていますが、この一見完璧なはずの造山論でも簡単に説明できないものがあります。それは他でもなく不思議な地層の存在です。地層がどのように作られたのかということは決して定説のプレート論で簡単に説明のつく問題ではありません。ただし、その不思議な成因については後ほど稿をあらためて書くつもりですが、まずは(誰がみても明らかに不思議な!)地層の褶曲現象について考えてみましょう。私はこれだけをとってもプレート論に基づく斉一論的な説明が完全に破たんしていることを確信しています。どこが破たんしているのかということについては持論を述べる前に、地層がどのようにして褶曲したのかという専門家の説明を聞く方が早いでしょう。
 
以下はネットで調べたのですが、日本各地の活断層を調査するために国から大きな使命をゆだねられた「独立行政法人 産業技術総合研究所」という団体があります。その団体のHP「地質調査総合センター」というページをなにげなく読んでいると、彼らの説明の中に信じられないような言葉がありましたので、その言葉の前後を一部引用しておきます。
 
海や湖など、広い堆積盆では地層は一般に水平に堆積します。しかし、完全に固結する前に地殻の変動によって横方向に圧縮されると、波形に曲がってしまいます。これを 褶曲 (しゅうきょく) といい、盛り上がった箇所を 背斜 (はいしゃ)、沈んだ箇所を 向斜 (こうしゃ) と呼びます。地質図では地層が傾斜した方向を示す矢印をつけた線で表します。大規模な褶曲の場合、盛り上がった箇所は山となり、侵食されると周囲よりも古い地層が露出します。沈んだ箇所は盆地となり、堆積物が埋めていきます。褶曲と逆断層はともに圧縮を受けてできる構造で、密接に関係しています。

地層が堆積してから硬い岩石になるまでには、通常は長い時間がかかります。つまり地層は堆積して間もないときにはまだ軟らかく、力が加わったときにも柔軟性があります。このため、横方向に圧縮されたとき、地表の近くほど褶曲しやすく、地下になるほど断層をつくりやすくなります。

地下に断層ができると、そこが最も強度の低い場所になるため、その断層が動き続けることになります。すると地表では断層の延長上の一部分に変形が集中し、そこだけ地層が急傾斜したり、ときには逆転したりします。このような構造は、特に 撓曲 (とうきょく) といいます。撓曲は逆断層だけでなく、地下に正断層が伏在している場合にも形成されます。

※下線は筆者
 
この文章はもしかすると何かの教科書に書かれてある説明をそのまま引用したのかもしれませんが、この中で私が信じられないと思ったのは以下の文章(下線部)です。
 
海や湖など、広い堆積盆では地層は一般に水平に堆積します。しかし、完全に固結する前に地殻の変動によって横方向に圧縮されると、波形に曲がってしまいます。これを 褶曲 (しゅうきょく) といい、

地層が堆積してから硬い岩石になるまでには、通常は長い時間がかかります。つまり地層は堆積して間もないときにはまだ軟らかく、力が加わったときにも柔軟性があります。このため、横方向に圧縮されたとき、地表の近くほど褶曲しやすく、地下になるほど断層をつくりやすくなります。
 
これは私自身の思い違いだったのかもしれませんが、それまで私は地層の褶曲現象は硬くなった岩石が気の遠くなるほど長い時間をかけて起こると(専門家によって)解釈されているものだと思っていました。なぜなら、地質学の常識では地層の褶曲現象は少なくとも何千万年あるいは何億年というタイムスケールの時間をかけて起こったのだと考えられているはずだからです。これは斉一説の創始者であるハットンやライエルの時代から一貫して常識とされてきた考え方だと思います。
 
斉一説というのは現在の地質現象の過程が不変的に過去の過程にも適用されるべきであり、それによってあらゆる地質現象は説明できるはずだという考え方です。したがって、この考え方によれば地層というのはわれわれが現在でも観測できる河川の流水による遅々とした堆積過程によって説明され、また山々の地層がゴムのように褶曲しているのも、われわれの想像をはるかに超えた時間の流れの中でゆっくりと起こったのだと考えられたわけです。この考え方は基本的には現在のプレートテクトニクス理論によってもそのまま受け継がれ、それによると年間わずか数ミリのプレートの運動が海の底に堆積した地層を何千メートルもの高さにまで盛り上げ、そしてその圧縮力によって徐々に山々の地層を褶曲させてきたのだと説明されます。
 
今日のプレートテクトニクス理論によればアルプスやヒマラヤ、アンデス、ロッキーなど世界中の山脈はほぼ同時期のプレート運動による造山活動から説明されているはずです。確かに、それらの運動は全地質時間の中では比較的最近の出来事とされていますが、それでも数千万年という長い時間がかけられたと説明されています。ちなみに、ヒマラヤ山脈がいつ頃からどのように形成されたのかというWikipedeaの説明を紹介しておきましょう。
 
ヒマラヤ山脈は地球上で最も若い山脈の一つである。現代のプレートテクトニクス理論によると、ヒマラヤ山脈はインド・オーストラリアプレートユーラシアプレートの間の沈み込みで起きた大陸同士の衝突による造山運動から生じた。衝突はおよそ7,000万年前後期白亜紀に始った。そのころ、インド・オーストラリアプレートは15 cm/年の速度で北上し、ユーラシアプレートと衝突した。
 
5,000万年前、このインド・オーストラリアプレートの速い動きによって海底の堆積層が隆起し、周縁部には火山が発生してインド亜大陸とユーラシア大陸の間にあったテチス海を完全に閉ざした。 これらの堆積岩は軽かったので、プレートの下には沈まずにヒマラヤ山脈を形成した。 今もインド・オーストラリアプレートはチベット高地の下で水平に動いており、その動きは高地に更に押し上げている。 ミャンマーアラカン山脈ベンガル湾アンダマン・ニコバル諸島もこの衝突の結果として形成された。かつて海だった証拠として、高山地帯でなどの化石が発見される。
 
今もインド・オーストラリアプレートは67 mm/年の速度で北上しており、今後1,000万年の間でアジア大陸に向って1,500 km移動するだろうと考えられている。 この動きのうち約20 mm/年の分は、ヒマラヤの南の正面を圧縮することによって吸収される。 結果として約5 mm/年の造山運動が発生し、ヒマラヤ山脈を地質学的に活発にしている。 このインド亜大陸の動きにより、この地域は地震の多発地帯となっている。
 
上の説明でも分かる通り、ヒマラヤ山脈というのは元々海底にあった堆積層がインドプレートとアジアプレートの衝突によって今から約5000万年前に隆起をはじめたものであるとされています。だとすればヒマラヤ山脈の地層の褶曲もその時代からゆっくりと長い年月をかけて起こったのだと解釈されなければならないでしょう。これはおそらく全世界の山々にみられる堆積層の褶曲が始まった時間についても同様にいえることでしょう。
 
ところが先の「地質調査総合センター」の説明では、堆積層の褶曲はまだ硬くなる前の柔軟性のある岩石がプレートの圧縮力を受けて起こったのだとされています。これは地質学の専門家の言葉としては、にわかには信じられない言葉です。なぜなら、このような説明は創造論者の説明とまったく同じだからです。
 
ちなみに創造論者の説明では造山運動は何千万年という昔のことではなく、わずか今から数千年前のことだとしています。もちろん、地質学の専門家がそのような説に同意しているとは考えられません。だとすると、そのHPに記された「地層が堆積してから硬い岩石になるまでには、通常は長い時間がかかります」とされているその「長さ」というのは、どのぐらいの「長さ」なのでしょうか?これは当然、Wikipedeaの説明のとおり数千万年という長さでなければならないはずです。なぜなら褶曲という現象は1年数mmという一貫したプレートの動きによって長い時間をかけて形成されたと解釈されなければならないからです。
 
つまりそのHPの作者の説明によると、堆積岩が硬い岩石になるまでには何千万年という長い時間を要するのだと考えられていることになりますが、堆積岩が硬くなるまでに何千万年もの年月を要するのだという説明はいままで聞いたことがありません。たとえば現在ヒマラヤ山脈の頂上付近にある堆積層は、5000万年以上前はアジアプレートとインドプレートの間に存在したとされるテチス海の海底に堆積していたものであるとされています。ということは、その堆積が始まったのは5000万年よりもはるか昔の出来事であると考えられます。その堆積層が圧縮力によって徐々に隆起をしながら変形し褶曲していったのだとすると、その地層は海底にできてからおそらく1億年以上も経過しているのではないかと考えられます。そんな長い時間をかけても岩石が硬くならないとすれば、いったいどれだけの時間をかければ硬くなるというのでしょうか?
 
もしかすると、その文章は地質学の定説ではなくHPの作者の思い付きだったのかもしれませんが、そうだとすれば地質学というのはあやふやな定説の謎めいた学問だということになります。しかしよくよく考えると、そのHPの文章は決して間違いではなく、誰が考えてもそうとしか考えられない文章だということが分かります。なぜなら世の中に地層の褶曲ほど奇怪な現象はないからです。固い岩がなぜ粘土のように自由自在に曲がるのでしょうか?これはわれわれの想像力を超えた現象です。今日の科学者は太陽系の成因や宇宙誕生の秘密まで解き明かしていますが、しかし、われわれのもっとも身近に存在する複雑に褶曲した地層の成因は決して明らかではないのです。これは現在でもまったくの謎に満ちています。
 
つづく

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