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≪ 朝に ≫
立原 道造
傷ついた 僕の心から
棘を抜いてくれたのは おまへの心の
あどけないほほえみだ
そして 他愛もない
おまへの心の おしゃべりだ
ああ風が吹いてゐる 涼しい風だ
草や 木の葉や せせらぎが
こたへるように ざわめいてゐる
あたらしく すべては 生まれた!
露がこぼれて かわいて行くとき
小鳥が 蝶が 昼に高く舞ひあがる
≪ 解説 ≫
道造の最後の恋の相手、水戸部アサイは、彼と同じ建築事務所に
勤めていた事務員だった。
アサイは小柄で地味な感じであり、過去の恋人とは違った寛容で
まっすぐなところが、道造には魅力だった。
彼の詩集『 優しき歌 』にはアサイを織り込んだ数々の詩が生み出されている。
ヴェルレ―ヌの詩集と奇しくも同じタイトル。
ヴェルレーヌの少女との蜜月は破れ、道造も死による別れをひかえていた。
療養所で末期の道造に、アサイは献身的に支えたが、その甲斐もなく
道造は枯葉のようにやせ細り、24歳の生涯を終えた。
(執筆 井坂 洋子
元高校の国語教師。 美貌の詩人 )
・ 上段画像は、友達のメイさんからいただきました。
下段画像は、道造記念館HPよりお借りしました。
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