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≪ 湖畔の宿 ≫
佐藤 惣之助
♪ ああ、あの山の姿も湖水の水も、
静かに静かに黄昏れゆく ・・・・。
この静けさこの寂しさを抱きしめて、
私は一人旅をゆく。
誰も怨まず ・・・・。
皆昨日の夢とあきらめて、幼児の
ような清らかな心を持ちたい。
♪ ランプ引き寄せ ふるさとへ
書いてまた消す 湖畔の便り
旅の心の つれづれに
ひとり占う トランプの
青いクイーンの さびしさよ ・・・・。
『昭和15年に発表されたこの歌は、なんと寂しいことだろう。
「誰も怨まず」 「皆昨日の夢とあきらめて」 日本の美しい自然を一人さびしく
抱きしめる。 あたかも5年後には、崩れゆく日本の山河を予言するかのように。
青いクイーンの寂しさは「日本」という女性の運命の暗示であるかのようだ。
昭和14年9月 第二次世界大戦勃発。
昭和15年 町内会、部落会の整備強化。大政翼賛会結成。
この騒々しさを増す時代に、山の湖畔を一人旅する余裕など現実には
あるはずもない。
「いかにもひ弱く感傷的すぎる。」という理由でこの歌も発売禁止になるが、
歌い継がれ、戦後になると 愛唱者も増えて全国的に流行することになる。 』
エッセイ 執筆者 阿木津 英
福岡県生まれ、 歌人
* 出典 (株) 作品社 1986年2月
<涙が出ないのはなぜ?> 中島みゆき編
ブログに来てくれて
みんな ありがとう。
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