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4月24日(日)オーチャードホール 第801回のオーチャード定期である。
実は今回自分にとっては3回目になるエッティンガー!確かにここは重要である。しかもロシア物。 昨年8月ミューザ川崎での演奏と前から現存するCDのチャイ5に希望を持って、いざ会場に。 ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番
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チャイコフスキー 交響曲第4番
指揮:ダン・エッティンガー
ピアノ:清水和音
東京フィルハーモニー交響楽団
願ってもいない魅力あるプログラミング。さあ、この日の為だけの一回公演にしてはなんとももったいない演目だ。
席に座るも今回9列だから良い席かと思っては見たものの、少し前過ぎたのだろうかとラフマニノフを聞き始め、みごとに音は上に消えていく感じだ。さすがオーチャードホール仕方もあるまい。でもなにかおかしい。ん?エッティンガーはあえて清水氏のピアノに抑えてオケを浸透させている様子だ。 確実に、清水氏の繊細さを優先させ、はるかに大胆さより優美さを前面に表現されていたように思う。 確かに地震の影響やら色々続く全国の演奏会事情。そんなときだからこそなにか起きる。
ラフマニノフコンチェルト1楽章が終わって間もなく、ピアニスト清水氏は、会場に向けてわずかではあるが爪が割れたというアピールで下手に下がる場面が。 ハプニングだ。しばらく5分くらいだろうか?処置をして清水氏が舞台に戻ってきた。その間も、指揮者エッティンガーが団員に話しかけながらも、多少長くは感じたひと時を舞台上の演奏家たちに安らぎに変えてみせた。それとわかったのは次の瞬間の2楽章からのアプローチが実に柔らかく語りかける。 なんとも、至福の時だ。しかし、よく聞いてみるとエッティンガーがそれでも控え目で旋律美に徹し、清水氏を好サポート。 実は、最初にも言ったように今回の席は前過ぎたのであろうかと思っていたのは、管楽器共に、弦楽器の音さえ、上に抜けていく様だったものだから、
今回も会場のと席の理由にと考えていたのだが、見事に覆される。何度も聴いているチャイコの交響曲4番だが.20年前だったか巨匠スヴェトラーノフのロシア国立交響楽団では記憶に残る名演奏を目の当たりにしたのも懐かしい限りだ。 後半が始まる。異様な緊張感。どうなるチャイコフスキー。指揮台にたつやいなやオケに合掌。震災の影響か1つ気持ちが入ったシンフォニーが打ち鳴らされた。シェフ!エッティンガー。いざ! 高らかにホルンがこだまする。前半では考えられない程の集中力とエネルギー。やはりロシアものいや、エッティンガーのチャイコはただものではならない予感。感心するほどの支配力と圧倒感。こりゃスゲー。久々に嬉しくもなりながらすでに自分の中で沸点を迎えている自分に恥ずかしさを覚えた。 しかしそれも、間違いないだろう、コンマスのハプンニングこそ、物語っている。1楽章終盤コンマスの弦がプチンといってしまった。そんなことも楽章が終わるころにはきちんと張りかえられ元の場所まで戻ってくる。何事もなかったようにだ。よほど、リハーサルから爆裂していたのだろうか?しかし面白いのが、コンマスがあれだけ、楽しそうに4番を演奏しているではないか? 演奏家はよく4番は繰り返しのつまらない交響曲という方もいるというが、シェフ、エッティンガーは彼の節炸裂で、見事に1つ1つ単純なく進めていく。 しかし早すぎるだけでもなく、強くだけでもなくドラマティックに描写されている。
絶対に描写される抒情さなどは、群を抜いているだろう。確かに、あれは彼自身の作曲だとか「あれこれ」と批評する人も出るかもしれない。または、馬鹿笑いする声が聞こえてならないが、これほどまでに旋律が身体に攻めてくるチャイ4を聞いたことがない。特に日本のオケではないと思う。過度なクレッシェンドやデクレッシェンドなどの併用はおきなく利用され、揺さぶられるテンポ!!見事にエッティンンガー音頭と命名したくなるほど、節回しがねちっこいのが私には堪らない。この時に、心躍らせるほどの揺らぐ気持ちを抑えきれない自分がいたのは間違いないだろう。
アンコールでは、エッティンガーは、コンマスにやるの?とあえて聞いているように見え、当たり前のように、「うん」とうなづくコンマス。その中でシューベルトのロザムンデが演奏された。すでに沸点を迎えていた自分が静かに冷静さを取り戻しながら、昨日の訃報で東フィルの会長の大賀さんや震災を思っての鎮魂歌が見事に浮かび上がっていたのが印象的だった。 今日のような温かく心躍らせる、天気の中、これだけ白熱したライブを聴けば、のどは渇きっぱなしだ。
渋谷に向かうだけでも、人をかき分けながら、今日の晩飯の前に冷たいビールをクイって一杯飲みたいと思った事が、嬉しくてならないし、少しでも地震で人々の心を癒し、また勇気づけてくれたこの演奏に感謝をしたいと思った。 是非このシリーズでチャイコフスキー4全曲シリーズの実現と完結を願うばかりだ。
ラフマニノフのシンフォニーやショスタコーヴィチの5番「革命」などじっくり味わってみたいものだ。
今日のような日の中で、ハプニングは私にも休憩時振りかかった。
10年ぶりに友人で作曲家でアレンジャーの石橋氏との再会。20年前にサントリーホール内で一緒に仕事をさせていただいた仲間でもあるが、彼は今では東フィルでのお仕事を頂いているそうで、素晴らしく頼もしい限りだ。
こうして、コンサート会場で、予期しない方とお会いするというのもほんと嬉しいものですね。
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